答弁本文情報
昭和二十五年二月十四日受領答弁第三一号
(質問の 三一)
内閣衆質第一八号
昭和二十五年二月十四日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員井上良二君提出主食特配措置並びに屑米の消費者価格に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員井上良二君提出主食の特配措置並びに屑米の消費者価格に対する質問に対する答弁書
一 昨年十二月に同月分の主要食糧の配給に関し、特に左の措置をとるよう各都道府県知事に指示した。
1 一般消費者(転落農家を含む。)に対し、十二月末までに配給操作上の通常の先渡の外に五日分程度の繰上配給を行うこと。
2 配給操作上の通常の先渡は平均五日分となつているので、繰上配給分を含めて各消費者ごとの先渡量が一月十日までの消費分となるよう先渡量を統一すること。
なお、昨年十二月中に正月もち用もち米三日分の特配を実施することに定め、右の繰上配給の措置と併せてその実施方について、各都道府県知事に指示したのである。
従つて、特配分は右の正月もち用もち米の三日分のみであり、先渡分ないし繰上配給分は、全然特配とは無関係であり、十日分の別渡が特配であるというような意思表示を行つたことはない。
なお、その繰上配給措置は、例年公団の正月休暇による配給業務の休止に備えて実施してきたのであり、本年のみの特別措置ではないのである。
右の五日分の繰上配給分の数量は、一月以降の配給割当数量指示の際、差引方を指示することを考えていたが、これを実際に差引く時期は、一月分の配給割当数量を指示した十二月末頃においては、確定していなかつたので、一月分の配給割当量よりは差引は行わないことにしたのである。なお、右の指示に際しても、十二月において繰上配給を実施した数量については、二月以降の配給量において差引を実施することを特記したのであり、特配にするかの如き意思表示は行つていない。
二 従つて、一月以降できる限り速やかな時期において、五日分の前渡相当量を差引く必要があつたので、二月の配給計画において、これを差引くこととした次第である。
三 外国産のもち屑米の消費者価格算出基礎について、
外国産のもち屑米の消費者価格は一〇瓩当四一五円であるが、これは、もち精米の消費者価格に対して、もち精米ともち碎米の政府の公団に対する売渡価格の差一〇瓩当六〇円だけ引下げて決定したものであり、右の政府売渡価格の差は食糧庁が貿易庁から買入れる価格の差即ち輸入精米と輸入碎米との輸入港本船渡(C・I・F)価格(ドル価格)の差に基くものである。
四 昭和二十四年産五等米の消費者価格について、
1 昭和二十四年産五等米の消費者価格の決定に当つては、その生産者価格(六〇瓩包裝込一、五四二円)の平均生産者価格との格差(三二二円六〇)により、その政府売渡価格を算出し、これに公団の経費を加算したのであるが、公団における精米過程における歩留が、八三・五%であるため、その精米消費者価格が四四五円となつたものである。
消費者価格の算出基礎は次の通りである。

2 品質の点から消費者価格に差を附することについては、将来五つの等級全部に考慮すべきことと考えるが、本年一月一日の消費者価格の決定に当り精米の消費者価格が他の主食に比して一般に高いので、一ないし四等級については区別せず、一本のプール消費者価格を定め、一〇瓩当四四五円としたのであつた。その後本年産米について五等級が設置されたのであり、一の方法によりその消費者価格を決定実施することとなつた。それはたまたま一ないし四等級の精米と同価格になつたのである。
政府としては、五等米については割安にすべきことも考慮したのであるが、一の算出の示すように、一〇瓩当四四五円以下では政府又は食糧配給公団に赤字を発生することとなるし、又品質を考慮した精米の等級別価格を決定するとすれば、全等級について考慮すべきものと考えるので将来の適当な時期にこれを実施する方針とし、差し当りは、一の算出に基く一〇瓩四四五円を実施することとしたのである。
右答弁する。