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答弁本文情報

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昭和二十五年三月三日受領
答弁第四八号
(質問の 四八)

  内閣衆質第三五号
     昭和二十五年三月三日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員苅田アサノ君提出学童給食に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員苅田アサノ君提出学童給食に関する質問に対する答弁書



 学校給食に使つている脱脂乳は、発育盛りの学童に必要な最も経済的な高度の良質たん白給源であることが広く認められている。(註)
 昭和二十二年以来文部省は連合軍総司令部当局の好意ある計らいにより、多量の脱脂粉乳を小学校の給食用として配給を続けてきた。現在の配給対象は約六一〇万人の学童であり、ひとり一回あて使用量二十二グラム、毎週五回あての給食を全校兒童に対して実施することが可能な学校のみに希望に応じて配給している。
 その調理および給與の方法等のよろしきを得た脱脂乳による給食は、学童の身体上にはもちろん、食生活を中心とする教育上にも幾多の効果をもたらしていることは、まだミルク給食を行うことのできない中学校や幼稚園から一日もすみやかにと脱脂乳の配給を要望する声が最近特に高まつて来ている一事をもつてしても知ることができる、したがつて貴質問に対して次のとおり答える。

一 学童の健康と福祉に益することの多い教育施設としての学校給食は、今後ともますますその普及奬励を継続するつもりである。

二 全校兒童にミルク給食を條件どおり実施することができる小学校に対してのみ脱脂乳は配給する建前である。したがつて特別の事情のない限り学童個々にこれを辞退する場合は考えられない。

三 脱脂粉乳一〇〇グラム中に含まれる栄養内容は次のとおりである。

  水  分 ・五〇パーセント ビタミンA 四〇 ・〇〇国際單位
  たん白質 三五 ・六〇瓦 〃   B1 ・三五ミリグラム
  脂  肪 ・〇〇〃 〃   B2 ・九六〃
  含水炭素
 (乳糖)
五二 ・〇〇〃 〃   C ・〇〇〃
  カルシユム ・三〇ミリグラム      
  ・五八〃    
  り  ん ・〇三〃    
  熱  量 三五九 ・〇〇カロリー    



一 学校給食に脱脂粉乳が使われ、その効果が認められ始めたことについては、一九一〇年合衆国ボストン市における実績記録がある。

二 今次戰争後ユニセフ(国際連合国際兒童緊急基金)当局は脱脂粉乳を給食用として世界各国に対し寄贈をつづけている。
それは国際連合食糧および農業機関
  (The Food Agriculture Organization of the Uniteg Nations)
と世界健康機関暫定委員会
  (The World Health Organization, interim Comission)
との両者からなる合同委員会において協議の結果(一九四七年七月)ユニセフに対してなされた次の進言に基いている。
「高度の良質な経済的たん白源は脱脂乳である。」
  (Economical Sources of Protein of high quality are skim milk ……)
「ユニセフによつて主要補給物資として支給さるべきは脱脂粉乳であるべきだ。」
  (The main Supplement Provided by UNICEF Should be dried skim milk:)
「ユニセフのために用意された兒童栄養報告書(P4)(P9)」より引用

  右答弁する。




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