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答弁本文情報

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昭和二十五年五月二日受領
答弁第一三〇号
(質問の 一三〇)

  内閣衆質第一二〇号
     昭和二十五年五月二日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員石野久男君提出一般旅客自動車運送事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員石野久男君提出一般旅客自動車運送事業に関する質問に対する答弁書



一 道路運送法上一般貸切旅客自動車運送事業の経営免許申請は、何人でもできるのであつて、たとえ個人又は企業組合名儀で申請した場合でも行政庁がその受理を拒否することは考えられない。
  中小企業等協同組合法による法人は、事業者団体法の適用除外法人であるから同法人名儀で申請することはもちろん差支えない。

二 戰時中の企業合同については、陸運統制令による統合の場合を除いては、いずれも当事者の同意を得て実施したものであるし、又一般貸切旅客自動車運送事業(定員七人以下)に陸運統制令が発動された事例もない。従つて企業合同に当つて自動車運送事業を合同体に讓渡した個人が個人名で同一事業の免許を申請する場合には商法第二十五條が適用される。
  しかし商法第二十五條が適用されることと統合企業体を温存しようとすることは関係はないのである。

三 免許基準各号中には需給の均衡、資力信用の有無等があり免許申請事案の可否を決定する場合はその都度その免許基準によつているのであり、いわゆる免許台数基準の如きものはない。
  ただ大都市等における小企業のらん立は、公共性の低下を来し、社会、経済情性から判断して好ましからざる場合が多いと考えられる。

四 新規免許という公法上の特権を得るためには、申請者は自ら行政庁に対して申請内容が確実にして成業の見込がある旨予め実証する責務がある。若し申請者がこの実証をしない場合は、本人にとつて却て不利となることも考えられるので行政庁が好意的に各種の資料等の提出をすすめるのである。免許申請を敏速に処理するために、政府は至大な努力を拂つているが、免許については運輸審議会又は道路運送審議会に諮問する等民主的方法により決定することになつているので簡單な事業でも相当の期間を要するのが実情である。なお、下級行政庁が受理した免許申請書は、必ず五日以内に上級の行政庁に回付する等事務の迅速化を図つている。

五 名儀貸し等不法な営業行為が行われることは、道路運送法にも違反し公共の福祉に反するので法律に照らして嚴重に処置したい。

六 イ 個人の小企業者に対しても政府は門戸を閉鎖する考えはない。
  ロ 企業組合による事業経営は、その法的性格上企業責任の遂行その他について株式会社に比し若干の懸念があるが、その点を除いては免許に際し株式会社と企業組合との間に較差をつける考えはない。
  ハ 本事業の公共性にかんがみて、民主的な委員会制度の運用による免許制度を採用しているのであるから、これを変更乃至廃止することは不適当であると考える。

    右答弁する。




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