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答弁本文情報

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昭和二十五年十二月二日受領
答弁第一六号
(質問の 一六)

  内閣衆質第一六号
     昭和二十五年十二月二日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員(注)田甚太(注)君提出牧草の増産対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)田甚太(注)君提出牧草の増産対策に関する質問に対する答弁書



 わが国牧野草の生産資源地は、放牧採草地一四〇万町歩、河川敷、堤とう二〇万町歩、道路、鉄道敷約一一万町歩、その他耕地の畦畔、林地、耕地の一部等で、これから生産される草量は約二、二八〇万トンと推定され、わが国粗飼料推定供給量の約五四%に当る。
 牧草の利用状況は地方により異り、一概に論断することは困難であるが、いわゆる牧野地帶は家畜の生産地として主要なる地位を占め、その他の資源地は一般農家の家畜の飼養のために充当されている。
 特に耕地を家畜の飼養のために輪作ないしは間混作の形において利用している所は高圧の畜産物なかんずく乳肉の生産を行つている地方に見られる。
 今後の牧草対策については次の点を考えている。

 全般的に見て、これら牧野草の生産地は適正なる管理保護が行なわれていないのみならず、永年にわたる收奪の結果生産力は減退し、その生産量は低位にあり、又一部牧野地帶にあつてはエロージヨンを誘発するおそれすらあるので、いわゆる牧野については、さきに成立を見た牧野法の施行によつて、その保全と効率的な利用を図ることになつているが、その他の牧野草資源地についても適正なる指導援助をなし、その生産性の向上に努力する所存である。
 全体として生産性の向上と効率的利用を促進する上において重要なことは、牧野その他牧草資源地に適正な管理保護を加え恒産性を持続するとともに更に積極的に適正な草種の導入を図り質量両面にわたる改良を図ることである。
 このために次の施策を講じつつある。

 イ 優良種子種苗の供給を確保するための原種圃の設置

 原種圃は原則として国においてこれを経営し生産した原原種ないし原種を地方の採種圃に供給しその倍率を高め系統組織を通じ農家に供給する。

 ロ 種子、種苗の輸入

 気象その他の條件によつて採種が困難なもの又は新品種でわが国に適応性のあるものについては極力輸入の措置を講ずる。


 以上の種子種苗対策を講ずるとともにサイロの設置、乾燥、貯蔵法の普及等により加工利用の全般について適正な指導援助をなし生産物の効率的な利用を促進する。

 右答弁する。




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