答弁本文情報
昭和二十五年十二月二日受領答弁第二五号
(質問の 二五)
内閣衆質第二五号
昭和二十五年十二月二日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員江崎一治君提出刑務所の服役者に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江崎一治君提出刑務所の服役者に関する質問に対する答弁書
一 刑務所の收容能力にはおのずから限度があるから、いわれるように作業の規模及び範囲を拡大することには、事実上大きな制約がある。しかし、刑務所が作業を経営することは事実上民業と競合することになるから、第一に自給作業(つまり刑務所の需要)に主力を置き、次に司法部その他の官公需に註文を求め、民間からの註文は最後に廻す方針で進んでおり、その民間の需用を求める場合にも現地職業安定所と話し合つて、その摩擦を避けているのである。
二 政府は、これらの服役者に対していかなる生活の保障をするのか。
刑務作業に従事中、被災によつて死亡し、又は被傷した者の数は三箇年間の数字は次の通りである。
種 別 | 二二年 | 二四年 | 二五年 | 備考 |
死 亡 | 一二人 | 一一人 | 七人 | 但し二十五年は十月末現在 |
傷 病 | ||||
終身自由を弁ずること能はざる者 | 七人 | 三〇人 | 三人 | |
終身労務に服すること能はざる者 | 一〇人 | 三三人 | 二人 | |
労務能力大部を失つた者 | 二三人 | 七人 | 二人 | |
労務能力に著しく支障を来す者 | 一四人 | 四人 | 一二人 | |
労務能力高度に減退せる者 | 三四人 | ― | 一七人 | |
計 | 一〇〇人 | 八六人 | 四三人 |
種 別 | 最 高 | 平 均 | 最 低 | |||
死 亡 手 当 | 一五、〇〇〇 | 円 | 一三、〇〇〇 | 円 | 一〇、〇〇〇 | 円 |
傷 病 手 当 | ||||||
終身自由を弁ずること能はざる者 | 一八、〇〇〇 | 一三、〇〇〇 | 八、〇〇〇 | |||
終身労務に服すること能はざる者 | 一五、〇〇〇 | 一〇、〇〇〇 | 五、〇〇〇 | |||
労務能力の大部を失いたる者 | 一一、〇〇〇 | 七、〇〇〇 | 三、〇〇〇 | |||
労務能力に著しく支障を来す者 | 八、〇〇〇 | 五、〇〇〇 | 二、〇〇〇 | |||
労務能力高度に減退せる者 | 五、〇〇〇 | 三、〇〇〇 | 一、〇〇〇 |