答弁本文情報
昭和二十五年十二月二日受領答弁第三三号
(質問の 三三)
内閣衆質第三三号
昭和二十五年十二月二日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出鉱工品貿易公団総裁辞職理由に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出鉱工品貿易公団総裁辞職理由に関する質問に対する答弁書
一 進退決定の遅れた理由
(1) 鉱工品貿易公団総裁藤沢氏は、不祥事件(早船事件)発覚直後(昭和二十五年四月)通商産業大臣に対し進退伺を提出いたしましたが、政府におきましては事件の複雑性にかんがみ、その收捨を公団業務に明るい藤沢氏をして当らせるのを適当と考え留任せしめておきました。
(2) 政府におきましては貿易公団の解散を昭和二十五年九月三十日に予定し貿易公団の整理を進めておりましたので、総裁辞任の時期をも九月三十日として、それまでに事件を收捨すべき旨総裁に指示しておりましたが、九月三十日をもつて貿易公団を解散する件につきましては、関係方面の諒解がつかず、解散は十二月三十一日に延期されることになりました。
(3) これがため総裁の辞任も遅れたのでありますが、不祥事件に伴う過渡期の收捨も漸次進行しておりますので、この機に辞任を適当とするに到つたのであります。
辞任の理由につきましては前項において説明した通り総裁本人が、部下の監督不行届の責任を痛感し辞意を表明していたことと、不祥事件後の公団業務の整理に関し一応の見透しがつき又健康を害するに到つたので政府におきましてもこの点を諒としたことによるものであります。