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答弁本文情報

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昭和二十五年十二月八日受領
答弁第八五号
(質問の 八五)

  内閣衆質第八五号
     昭和二十五年十二月八日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員(注)田甚太(注)君提出血液売買に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)田甚太(注)君提出血液売買に関する質問に対する答弁書



一 東京都葛飾区本田立石町にある日本製薬株式会社葛飾工場では、「プラスマ」と称する乾燥血しようの製造業を行つている。

二 御質問のとおり約二〇〇C・C・を四〇〇円で購入しているが、一部看護婦と地方暴力団とが協力して血液売買の仲介を行つている事実はない。
  販売は乾燥血しようの形態でなされるのであるが、価格については政府は何らの指示をもしていない。
  血液の採取及び輸血に関する取締規則としては、かつて輸血取締規則が厚生省令をもつて定められていたが、昭和二十二年その効力を失うことになつたので、これに代る措置として先般医師法及び歯科医師法の一部を改正し、厚生大臣が医師及び歯科医師に対し、必要な指示をすることができるようにした。この規定に基いて必要な基準を定め、給血者の健康の保護等を図るよう目下その案を研討中である。
  なお、プラスマの製造許可に当つては給血者の選定採血する人、採血する場所及び採血法については嚴重な條件を附して、人体に惡影響を及ぼさないようにしている。葛飾工場の製造許可は、本年九月十一日に行われており、この種製剤の製造は同社芝浦工場において本年十月四日に許可せられたのが始めである。

三 葛飾工場において血液を売る人々は、主として主婦、学生、青年サラリーマン等で雨天の日などは、いわゆる日雇労働者もいるといわれている。又血を売る人々が職業化しているか、どうかという点につきましては、採血は健康人で月二回毎回約二〇〇C・C・の採血が大体限度となつているので、血液を売ることを職業とすることは、事実上存しえないこととなる。血液を売つた人々のその後の人体への影響は、一回の採血が二〇〇C・C・であり給血者の健康状態に十分注意しておりますので、特に身体に及ぼす影響はほとんど認められない現状である。なお、同工場では採血のつど栄養食を支給している。

四 最後に御質問の主意のように、これはこと人体に関する問題であるので、政府も愼重な考慮の下に條件なり又は基準なりを設定して、給血者の健康を保護するように努力する所存である。

 右答弁する。




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