答弁本文情報
昭和二十五年十二月二十三日受領答弁第一二号
(質問の 一二)
内閣衆質第一二号
昭和二十五年十二月二十三日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出占領下の日本における世界人権宣言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出占領下の日本における世界人権宣言に関する質問に対する答弁書
世界人権宣言は、一九四八年(昭和二十三年)十二月十日、パリーにおける第三回国際連合総会において採択されたもので、前文と三十箇條からなつており、この宣言の前文によると、国際連合の加盟国が、国際連合と密接な協力を保ちつつ人間の権利と基本的な自由を尊重し、これを遵守するためにあらゆる有効な措置を講ずることを誓約して、国際連合総会がこれを布告したものであるが、その條項は、すべての国の人民およびすべての国家が達成すべき共同の基準であることを明示し、すべての人民及びすべての国家が権利と自由が遵守されるように努力すべき旨を宣言している。
この宣言は人類最高の基準を示し、人類の理想を指したもので、法律上の拘束力をもつものではない。国際連合へ加入を認められていないわが国においてもこれを尊重し、その趣旨の実現に努力すべきことは当然である。
右答弁する。