答弁本文情報
昭和二十七年十二月十九日受領答弁第一二号
(質問の 一二)
内閣衆質第一二号
昭和二十七年十二月十九日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 大野※(注)睦 殿
衆議院議員古屋貞雄君提出富士山頂の国有土地払下げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員古屋貞雄君提出富士山頂の国有土地払下げに関する質問に対する答弁書
社寺国有境内地の処分は、「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」(昭和二十二年法律第五十三号)に基き、社寺側の申請により社寺境内地処分審査会に諮問して、譲与又は売り払うことができることになつている。
富士山八合目以上も他の社寺国有境内地の場合と同様、静岡県富士宮市所在の富士山本宮浅間神社の境内地として当該神社に無償で貸し付けてあつたものであるから、同神社の譲与申請に対する処分は、前記法律に基き正規の手続によつて行つたものである。
当該申請の処理に当つては、法令の規定する諸条件及び富士山のもつ特殊性を勘案したと認められる社寺境内地処分中央審査会の答申がなされたので、これに基きさきの処分を行つた次第である。
一方社寺国有境内地の処分に不服ある者は、法令の規定に基き訴願をなし得ることとなつており、この訴願についても前記の審査会に諮問して裁決を受けなければならないことになつている。
しかして、前記の処分に対しては、同神社からこれを不服とし、全面的に譲与されたい旨の訴願を提起している。この訴願の処理については、近く開催される審査会に附議する予定であつて、審査会の結論を予測することは困難であるが、その良識ある討議、判断を期待し、その答申に基き合理的な処置をする意向である。
右答弁する。