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答弁本文情報

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昭和二十八年八月四日受領
答弁第三九号
(質問の 三九)

  内閣衆質第四一号
     昭和二十八年八月四日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 堤 康次(注) 殿

衆議院議員長野長廣君提出産業教育振興法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長野長廣君提出産業教育振興法に関する質問に対する答弁書




イ 児童生徒に勤労尊重の精神を育成することは、教育上きわめて重要なことであるが、御指摘のような傾向もあるので、今後この点に関して教育内容の改善その他指導の徹底を図るように努力したい。

ロ 御説に同感である。現に教育課程審議会において、この問題について審議されているので、近く答申をまつてこれが具体的な措置を講じたいと考えている。


イ 道徳教育の徹底を文教政策の基本と考えている。このため現在教育課程審議会に付議して教育内容と方法の改善に努力している。
  道徳教育の内容としては、民主主義の正しい理解とともに、日本の伝統的精神のよい面は、これを充分活かしてゆきたい。民主主義教育を誤まつて、児童生徒の「放縦」「わがまま」を許し、しつけや訓練をなおざりにするごときは、充分戒めなければならない。

ロ 職業教育に従事する教員が、確固たる信念をもつて、その職分にいそしむとともに、生徒にそれぞれ将来の職業に信念をもつて従事するように導かねばならない。今後指導書、手引書等において、又現職教育講座等を通じてこのことを強調してゆきたい。

ハ 科学によつて求められる真理法則を社会の福祉のために奉仕させる心構えを養うことはきわめて肝要と考える。今後科学教育、道徳教育においてこの点を強調してゆきたい。


イ 産業教育に従事する教員は、調査の結果、数において不足し、しかも優秀な教員が少いので、これが養成並びに資質の向上については、産業教育振興上きわめて重大な問題である。現在中央産業教育審議会において教員養成専門部会を設け審議された結果、これについての建議がなされたので、これを基礎として具体的方法を研究している。

ロ 御趣旨の線に沿つて研究したい。

四 産業教育に従事する教員は、産業界の現場経歴と技術が尊重されなくてはならない。又実験実習に従事する者については、特別の労苦と負担がかかることが考慮されなくてはならない。このような点から教員の待遇の改善を図る必要があるので、人事院と折衝を続けている。


イ 高等学校における産業教育設備の充実については、昭和二十七年度より重点的に取り上げ、これが整備に努力しているが、いまだきわめて不充分な状態である。施設についても非常に貧弱であるので、昭和二十九年度より国の助成の対象としたいと考えている。

ロ 中学校における産業教育施設及び設備の状態は、はなはだしい不足状態であるが、産業教育振興法による助成の対象は、現在までは研究指定校の設備費のみに限られ、金額も僅少である。明年度予算においては増額に努力したい。

六 産業教育予算の増額については、昭和二十九年度において充分努力したい。

七 産業教育は、産業界との連絡を緊密にする必要のあることはもち論である。その具体的方法については、御趣旨の線に沿つて今後大いに研究したい。

八 産業教育振興法の実施に伴い、産業教育に関する内容及び方法の改善と指導、産業教育教科書の編集、地方に対する助成事務等事務量は相当に増加している現状であるから今後研究したい。

 右答弁する。




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