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答弁本文情報

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昭和四十年四月二十七日受領
答弁第一二号
(質問の 一二)

  内閣衆質四八第一二号
    昭和四十年四月二十七日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員加藤進君提出山陽特殊製鋼の倒産等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員加藤進君提出山陽特殊製鋼の倒産等に関する質問に対する答弁書



 山陽特殊製鋼の倒産については、政府は、同社が多数の下請等関連企業を有していること、同社の生産するレース用軸受鋼管が全国需要の九十%以上をまかなつていること等の事情にかんがみ、その生産活動の中断とこれに基づく信用不安および関連中小企業者、労働者等に与える悪影響を極力回避するよう格段の努力を重ねてきた。幸い、関係者の努力により、同社の再建は目下順調に進みつつあり、三月三十日、製鋼部門の生産も再開され、従来より操業継続中の圧延部門とともに、全体で昨年十二月のおおむね六十五%の操業率を維持しうるに至つている。
 御質問の各項については、次のように考える。

一 山陽特殊製鋼原田管財人は、その就任の声明において、さしあたり組合員一人当り五万円を限度として、社内預金の払戻しを行ないたい旨、また今後とも資金手当てのつき次第その未払分を優先的に支払いたい旨を明らかにしたが、すでに部長以下の職にある者に対し一人当り十万円を限度とする払戻しがすすめられている。政府としても、同社の再建が速やかに軌道にのり、これら債務の速やかな弁済が図られるよう努力したい。

二 下請中小企業債権者の保護については、会社更生法第二百二十九条但書の規定により、更生計画において小口債権について有利な定めをすることができることとなつているが、政府としては、この規定の運用により、中小企業者の小口債権を有利に取り扱うことが可能と考えているので、更生計画の決定にあたつて関連中小企業者保護の見地から事前に通商産業省の意見を求めることを希望する旨の意見を裁判所に述べてあり、今後ともこの線に沿つて中小債権者の保護に意を用いたいと考える。

三 政府は、山陽鋼の倒産に伴つて関連中小企業が連鎖的に倒産することを極力防止するため、政府関係金融機関による資金の融通、既往貸付の条件緩和等を促すとともに、民間金融機関等に対し強くその協力を要請し、これら各金融機関においても、積極的にこれに応ずる態勢をとつているところである。政府としては、今後ともこれらの措置が、真に救済を必要とするところに適切に施されるようきめの細かい指導を進める所存である。

四 更生会社の労使関係についても、労働基準法その他の労働関係諸法の適用は排除されず、更生計画案については、労働組合等の意見を聞かなければならないこととなつていて、会社更生法は、労働に関し不当な行為を容認するものではない。

五 融資および仕事のあつせんについては、政府は、関係金融機関に対して下請企業に対する融資等に関する協力を要請するとともに、政府関係金融機関に対して下請企業に対する融資等につき厚く配慮するよう指示しており、また姫路商工会議所に設置された相談所においては仕事のあつせん等を行なつている。
  これらの措置は、関連中小企業者およびその従業者の保護のために推進しているものであり、政府としては、これが、その趣旨に沿つて進められるよう努力してまいりたい。

 右答弁する。




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