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答弁本文情報

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昭和四十三年四月二十六日受領
答弁第一〇号
(質問の 一〇)

  内閣衆質五八第一〇号
    昭和四十三年四月二十六日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 石井光次郎 殿

衆議院議員田中武夫君提出政府の金買上げ価格等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田中武夫君提出政府の金買上げ価格等に関する再質問に対する答弁書



一 政府の買上げ価格一グラムにつき四〇五円が憲法第二十九条第三項にいう「正当な補償」にあたるか否かは、理論的には、産金コストとの対比ではなく、金の国際自由価格との対比で考えるべきであり、一グラムにつき四〇五円と国際自由価格がほぼ等価の関係にあれば、昭和四十三年四月十九日付答弁書で述べたとおり、憲法第二十九条第三項に違反するものではないと考える。

二 政府買上げ価格一グラムにつき四〇五円は、これが国際自由価格とほぼ等価の関係にあるときは、前述のように、憲法第二十九条第三項にいう「正当な補償」にあたり、また、国際通貨基金協定第四条第二項とも合致するのであるから、憲法と条約とが矛盾するという事態は生じない。
  ただ、金投機等により、金の国際自由価格が一グラムにつき四〇五円を恒常的に上回るようなことになれば、産金業者は、たとえ金の輸入が自由であるとした場合でも、少くとも国際自由価格で金を販売できる筈であるから、そのような事態においては、国内産金の強制買上げの制度を維持する限り、憲法と条約のいずれを優先すべきかの問題を生ずることになる。
  ところで、政府としては、最近における金問題を含む国際金融情勢にかんがみ、前述のような問題が生じないようにすることを念慮するとともに、国際協力の見地から、とりあえず、金管理法施行令の臨時特例に関する政令を制定し、政府による金の強制買上げを暫定的に停止する措置をとつたところである。

三 憲法と条約との優先関係については、条約は、「確立された国際法規」(憲法第九十八条第二項)を成文化したものを除いて、一般には、その効力において憲法に優先しないと考えている(憲法第九十八条第一項参照)。

 右答弁する。




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