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答弁本文情報

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昭和五十二年三月八日受領
答弁第九号
(質問の 九)

  内閣衆質八〇第九号
    昭和五十二年三月八日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員鈴木強君提出弁護士会及び弁護士に対する登録免許税の不当課税の是正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木強君提出弁護士会及び弁護士に対する登録免許税の不当課税の是正に関する質問に対する答弁書



第一について

一 日本弁護士連合会及び弁護士会(以下「日弁連等」という。)に弁護士法(以下「法」という。)の規定により弁護士の登録(法第八条以下)、資格審査(法第五一条以下)、懲戒(法第五六条以下)等の事務を行わせているのは、弁護士の使命(法第一条)にかんがみ、弁護士を国家機関の監督の下に置くことが妥当でないと考えられたからであり、このような事務を行つているからといつて、日弁連等が自治行政機関となるものではなく、また、法が、立法、行政、司法の三権のほかに、これらと並立する弁護士自治権という第四権を創設したものと解すべきでもない。
  なお、法第十六条及び第六十二条の規定は、第一審裁判権を日本弁護士連合会に移譲したものでないことは言うまでもない。
  次に、日弁連等の懲戒処分等につき、行政不服審査法の適用があるからといつて、日弁連等を国の行政機関としたものと解すべきではない。

二 法が「法令により公務に従事する職員」と規定しているのは、これらの者が刑法第七条第一項に規定する公務に従事する職員であることを定めたものである。
  なお、我が国において、国家公務員、地方公務員のほかに、職能公務員というものは存在しない。

三及び四 法人税法の別表第一の公共法人は、国又は地方公共団体が全額出資する法人に限ることを原則としており、日弁連等を公共法人に追加することは適当でない。

五 法人の事業税については、国及び地方公共団体のほか、国又は地方公共団体が全額出資する法人について全面的に非課税とすることを原則としており、日弁連等についてこれらの団体と同一に取り扱うことは適当でない。
  法人住民税、不動産取得税、自動車税、固定資産税、軽自動車税、自動車取得税及び都市計画税については、国、地方公共団体等一部の法人を除き、課税することとされているところである。

六 御質問のような申入れがあつたという報告は受けていない。

七 登録免許税法別表第二の非課税法人は、地方公共団体又はその出資者が国、地方公共団体若しくは他の登録免許税法上の非課税法人のいずれかとされている特別法に基づく法人に限ることを原則としており、日弁連等はこの要件に該当していないので、別表第二の非課税法人とすることは適当でない。

第二について

一、二及び五 御指摘の事実等については、昭和二十四年当時の事柄を含め、現時点で十分に事実関係を明らかにすることは困難であるが、そもそも登録免許税は租税であり、弁護士の登録手数料は租税でないことが明白である以上、登録免許税を課すことにより過去いかなる時点においても二重課税が発生したという事実はない。
  また、弁護士登録が日本弁護士連合会によつて行われていても同会が国に代わつて租税を課す権限まで有するということにはならない。

三 弁護士の登録免許税(旧登録税を含む。)については、国の歳入として予算及び決算に計上している。
  計上の主管及び科目は、登録を受ける者が印紙により納付する場合は、郵政省主管(部)租税及印紙収入(款)印紙収入(項)印紙収入(目)収入印紙となつており、また、現金により納付する場合は、大蔵省主管(部)租税及印紙収入(款)印紙収入(項)印紙収入(目)現金収入となつている。

四 現在の登録料の額については、官報によつて承知しているが、その当否については、判断の限りでない。



(一) 昭和四十二年の改正において、日弁連等をはじめ、税理士会連合会等民間団体の行う人の資格の変更の登録については課税を廃止することとしたことによるものである。

(二) 二級建築士のような地方公共団体の長の免許等に係るものについては、国の行政機関が資格を与えるものではないので、登録免許税は課税しないこととしている。

(三) 人の資格の登録等について課税する登録免許税は、法令の規定により個人に一定の資格が与えられ、名称若しくは業務の独占あるいは相応な報酬を受け得るといつた利益に着目して課税するものであるので、登録前の収入の多寡によつて税額に差を設けるのは適当でない。

(四)及び(五) 日本弁護士連合会は、登録免許税法第二十五条の登記機関であり、登録するときに、登録免許税の額の納付の事実を確認しなければならないのであるから、納付の事実の確認をしないまま登録することは許されない。

 右答弁する。




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