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答弁本文情報

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昭和五十二年十二月二十三日受領
答弁第二四号
(質問の 二四)

  内閣衆質八二第二四号
    昭和五十二年十二月二十三日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員荒木宏君提出金熊寺川の環境破壊を防止する対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員荒木宏君提出金熊寺川の環境破壊を防止する対策に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 岩出町が一般廃棄物の最終処分として行つているごみの焼却残灰の埋立処分については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第十六条第二項に抵触するものとは考えていない。
 御指摘の検査及び調査の結果に基づき金熊寺川上流の水質の状況とごみの焼却残灰の埋立処分との関係についての評価を行うことは困難である。
 なお、今後とも、市町村が行う一般廃棄物の処理が適正になされるよう指導してまいりたい。

三について

 市町村が行う一般廃棄物の処理については、広域的に実施することが適切な場合が多いため、従来から市町村に対しその広域的な実施を指導してきたところであるが、今後更に大都市圏等廃棄物の最終処分が困難になると予想される地域を対象として関係市町村等による最終処分場の共同設置構想等、最終処分場の確保に関する具体的方策を検討してまいりたい。

四について

(1) 昭和四十七年七月、大阪府泉南市長から和歌山県知事に対して、岩石採取場から金熊寺川へ汚濁水が流入し下流の簡易水道に影響を及ぼすとして、採石法第三十三条の十四の規定に基づく要請があり、これを受けて和歌山県は、大阪通商産業局、大阪府、泉南市及び岩出町とともに現地調査を行つた上、採石業者に対して、沈殿池の整備拡張等の施設改善による汚濁水流出防止対策等についての指導を行つた。当該施設改善の措置は、昭和四十八年五月までに完了し、以後現在まで本件採石による簡易水道への影響は生じていないと聞いている。

(2) 採取計画の認可に当たつての基準は、採石法第三十三条の四に定められている。通商産業省は、都道府県知事の認可がこの基準に基づき的確に行われることを確保するため、災害防止の施設としての沈殿池については、処理すべき汚濁水の性質及び水量、採取場周辺地域における降雨強度、その他当該採取場に係る固有の条件を考慮するよう都道府県を指導しており、沈殿池に関する画一的な基準は定めていない。
    なお、大阪通商産業局の調査によれば、現地に設置されている沈殿池は三基あり、その容量の合計は約八千八百立方メートルである。

五について

 現在の採取計画によれぼ、岩石採取終了後の跡地斜面の植生については、植栽の時期を選んで種子吹付けを行い、斜面の階段状の部分には表土を一メートル程度客土し、オニヤシャブシ、松等を混植することになつている。この計画の植生に関する施行主体は、認可を受けた採石業者であり、当該採取計画の実施に関する監督は、その認可をした和歌山県知事が行うこととなつている。

六について

(1) 国有林六十七林班における岩石の採取及び立木の伐採については、当該国有林に隣接する民有地において岩石の採取が行われていたところ、当該採取により当該国有林に係る土地の崩壊等のおそれが生じ、これによる周辺地域への被害を防止するためには、技術的見地等からみて国有林の区域の一部においてその崩壊等を防止するための切土施工を行わざるを得なかつたことからやむを得ず、当該採石業者においてその負担により当該工事を実施することとなり、これに伴つて当該岩石の採取等が行われたものである。
    なお、和歌山県知事は、当該工事に伴う岩石の採取が採石法第三十三条の四に規定する基準に照らして妥当なものであると認め、採取計画の認可の処分を行つたものである。

(2) 本件採石が水源かん養機能に与える影響については、金熊寺川の流域における採石は、現在本件採石を含めて二か所で行われているが、その採取場の面積は約四十ヘクタールであり、金熊寺地区の簡易水道及び六尾地区の上水道の取水に係る金熊寺川流域の森林面積約二千ヘクタールに対し二・〇パーセントとかなり低い比率であることから、少ないものと考える。
    また、採石に伴う地上立木の伐採が防風効果に与える影響については、つづら畑地区までの距離等から、ほとんどないものと考える。

(3) 六について(1)で述べた工事においては、斜面の傾斜は平均五十度とし、高さ十メートルごとに五メートルの幅の階段を設ける等の措置によつてその斜面の崩壊を防止することとなつている。また、斜面の植生については、植栽の時期を選んで種子吹付けを行い、斜面の階段状の部分には表土を一メートル程度客土し、オニヤシャブシ、松等を混植することとなつている。

(4) 御指摘の民有地と国有林との境界については、明示することは可能であり、六について(1)で述べた工事の完了後、直ちに境界標の復元を実施することとしている。
    なお、国有林内の岩石の販売区域については、現地に明示しているところである。

(5) 六について(2)及び四について(1)で述べた事情から、泉南市長の意見を聞かなかつたものである。

 右答弁する。




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