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答弁本文情報

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昭和五十三年六月六日受領
答弁第四三号
(質問の 四三)

  内閣衆質八四第四三号
    昭和五十三年六月六日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員山原健二郎君提出自衛隊の対潜哨戒飛行艇墜落事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山原健二郎君提出自衛隊の対潜哨戒飛行艇墜落事故に関する質問に対する答弁書



一について

1 PS ― 1第五八一二号機(以下「事故機」という。)は、五月十七日十七時頃岩国を出発し、十八時頃から二十一時十五分頃までの間、豊後水道、伊予灘、岩国沖において、離着水訓練等の基本訓練を実施した。

2 事故機の機長は、昭和五十年二月に陸上固定翼機の操縦士資格を、同年九月に水上固定翼機の操縦士資格を取得した。その総飛行時間は千六百二十五時間、PS ― 1型機での飛行時間は千五十七時間、機長としての飛行時間は百四十三時間である。

3及び4 第三十一航空群司令は、PS ― 1第五八一三号機から国籍不明の潜水艦等(以下「目標」という。)を発見した旨の報告の受領後、この目標について更に調査を行う必要があり、第五八一三号機の報告の送信後約一時間を経過しているが航空機による監視は可能であると判断した。このため、岩国沖で訓練中の事故機のとう載燃料が第五八一三号機に比較して多く、事故機に艦型識別の熟練者がとう乗していることから、同機の機長に対し、目標の概要を知らせ、その識別及び動静のは握に当たるよう命じた。

5 五月十七日二十一時二十分頃、目標の監視を命ぜられた事故機は、目標が航行していると予測される海域へのほぼ直行経路に当たる四国上空を横断する経路を採つて飛行したものと推定される。
  第三十一航空群は、二十二時三十分頃事故機から行われるべき位置通報がないため、同機に緊急状態が発生したものとして通信捜索を実施していたところ、二十二時四十五分頃になつて、高知県高岡郡檮原町の住民が爆発音と火柱を見たという高知県警からの情報連絡を受けた。更に、五月十八日二時五十分頃、同町付近の山中で事故機の機体が発見された旨の連絡を高知地方連絡部から受け、事故の発生を確認した。
  なお、事故発生時刻は、現在までの調査では、二十一時三十分頃から四十五分頃までの間と推定される。

6 事故原因は調査中である。

二について

1@ 第五八一三号機は、五月十七日十六時頃岩国を出発し、豊後水道を経て四国沖の訓練区域に進出し、航法訓練を実施中十九時過ぎ頃、足摺岬南東約百五十マイル付近で目標を発見した。

 A これらの目標は、浮上航行する潜水艦、水上艦艇各一隻であり、照会の結果、米国籍のものと判断される。

 B及びC 第五八一三号機が目標を発見したのは、訓練中であつたので、訓練に支障のない範囲で監視を行つたが、同機には艦型識別の熟練者が乗り組んでいなかつたこともあつて、国籍等を判別できなかつたものと考えられる。
   同機は、二十時頃訓練を終了したので、訓練区域を離れ、発見報告及び帰投する旨の通報を第三十一航空群司令部に送信し、二十一時二十分頃岩国に帰投した。

 D 五月十七日二十時四十五分頃、第五八一三号機から報告を受けた第三十一航空群司令は、直ちにこれらの目標が海上自衛隊に所属するものかどうかを上級司令部に照会したが、海上自衛隊には該当するものがなかつた。このため、自衛艦隊司令部が、在日米軍に照会したところこれらの目標は米軍に属するものと判断されたので、同司令部は、二十二時三十分頃、航空集団司令部を通じて第三十一航空群司令に伝達した。

 E PS ― 1型機は、米軍が装備している敵味方識別装置をとう載していない。

 F そのような事実は全くない。

2@ 第三十一航空群は、周辺海域の監視、哨戒、海上交通の保護、海上における救難等及びこれらに必要な訓練を任務とし、定員約千人、PS ― 1型機(対潜飛行艇)及びUS ― 1型機(救難飛行艇)約十五機から成つている。
   第五十一航空隊岩国航空分遣隊は、海上自衛隊の使用するPS ― 1型機の運用に関する調査研究並びにPS―1型機及びそのとう載装備品の性能及び用法に関する試験の実施を任務とし、定員約三百人、PS ― 1型機五機から成つている。

 A 第三十一航空群は、通常、岩国沖、伊予灘、豊後水道南方及び四国沖において離着水訓練、計器飛行訓練、航法訓練、救難訓練、戦術訓練等を気象条件の許す限り毎日実施している。

 B 海上自衛隊の監視活動は、防衛庁設置法第五条第二十号の規定に基づく隊務の遂行に必要な調査の一環として行つているものであり、我が国周辺の海域において常続的に実施するほか、自衛艦隊司令官等部隊の長が必要と認める場合にも実施する。

 C 飛行経路についての記録は取つていない。

三について

 自衛隊の航空機の飛行及び飛行訓練は、航空法等の規定するところに従い、安全には最大の配慮を払つて実施しているが、事故原因の究明、再発の防止等航空安全対策には万全を期する所存である。

 右答弁する。




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