衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十三年六月二十七日受領
答弁第六三号
(質問の 六三)

  内閣衆質八四第六三号
    昭和五十三年六月二十七日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員木島喜兵衞君提出学校法人日本大学における学生の自治・学生対策等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員木島喜兵衞君提出学校法人日本大学における学生の自治・学生対策等に関する質問に対する答弁書



一について

 昭和四十五年二月二十五日午前十時過ぎ、東京都府中市白糸台四丁目十三番十号京王線武蔵野台駅前通りで日大全共闘系とみられる学生三十数人がビラ配布中、たまたま同所を通り合わせた日本大学の学生二人がビラ配布を無視して駅構内に入つたところ、突然全共闘系学生三、四人がなぐりかかつたことから、こぜり合いとなり、そこへ更に下校して来た同大学の学生八人に対しても、全共闘系三十数人が竹竿、角材等で襲つたため、両者の間に、二、三回前進、後退を繰り返すこぜり合いが行われた。
 その際、後ろへ下がりつつあつた中村克己君(当時日本大学商学部三年生、二十二歳)が飛田給第十一号踏切において折から進行してきた八王子発上り特急第九〇四五号列車の前部左側に頭部が触れ、横転して重傷を負い直ちに府中市内の奥島病院に収容されたが三月二日死亡した。
 大学では、死亡学生に対する商学部の慣例に基づき、遺族に対して弔意を表したと聞いている。

二について

 昭和五十二年四月二十二日午後六時十五分ごろ東京都千代田区三崎町一丁目三番二号、日本大学経済学部本館七階講堂において同大学中国拳法錬心館部員が新入生五名の入部勧誘を行い、練習を見学させるとともに、新入生五名にそれぞれ籠手をつけさせ各一分間ぐらいずつ防具をつけた部員を攻撃させたところ、これに参加した青木雅彦君(当時日本大学経済学部一年生、十八歳)が、終了後間もなく卒倒し同大学駿河台病院に収容された後、同日午後九時五分死亡したというものである。
 翌四月二十三日東京都監察医務院において解剖の結果、死因は病死(急性心機能不全)であつた。
 大学としては、本件事故の経緯からみて大学にその責任はないと判断したが、慣例により同君の診療費等を同学部において負担し、また、学内で発生した事故でもあることなどを考慮して遺族に弔慰金などを贈つた。
 その後、遺族の希望があり、昭和五十二年十二月十日に、事故が発生した同学部本館七階講堂において遺族による仏式の供養を行つたということである。
 また、本件は右に述べたような突発的な事故であつたが、大学としては、サークル部員募集に関し新入生の自由意思を尊重し、強制的な募集は絶対行わないように、毎年厳重な注意をしていると聞いている。

三について

 日本大学法学部においては、講義に支障のない限り大学施設を利用しての集会を届出だけで自由に行わせており、また、学生のサークル活動に対しても施設の貸与、活動費補助を行う等その自主的な活動の促進を図つているところであると聞いている。
 同学部二部一年生鈴木俊博君は、現在同大学駿河台病院に入院中であるが重態であり、近親者以外は、面会できないと聞いている。

四について

 昭和四十四年二月五日付け「学部提案」は、当時の日本大学農獣医学部における学園紛争を収拾するため、学部集会に臨む同学部の方針が示されたものであり、同学部に掲示されている昭和四十四年四月十七日付け学部長「告」は、同年三月二十八日の学部集会において承認された「授業を再開し、あわせて学園の民主化を推進する」との同学部の方針に基づき、学園の秩序維持のために一切の暴力行為を否定する旨の声明を発したものである。また、「学内指示事項」は、正常な学園生活を保持するための具体的な方法について定められたものであるが、これについては、逐次緩和、廃止の方向がとられていると聞いている。
 なお、学生のサークル活動の印刷物の配布、掲示等については、あらかじめ所定の場所を設け、そこで配布又は掲示をさせる措置がとられているが、このことは「学部提案」に違背するものではないと聞いている。

五について

 誠心会という学生組織は日本大学農獣医学部に学生団体として届出されておらず、同学部からの活動費補助も行われていないので、その実態は不明であると聞いている。

六について

 日本大学農獣医学部においては、最近の学生の作文能力が十分でないことにかんがみ、教職課程の履修を希望する学生に作文を提出させて教職関係指導教員の参考資料とすることとしたものであり、これにより教職課程履修者を選別することはしていないと聞いている。

七について

 日本大学文理学部では、昭和四十九年十二月以降、暴力的部外者の侵入によつて大学の自治が侵される事態を防止し、自由な教育・研究活動を保障するため、教職員をはじめ、学生に身分証明書を常時携帯させ、必要に応じ、その提示を求めているが、正門を閉ざし、あるいは検問を行つていることはないと聞いている。
 また、同学部構内における印刷物の配布・掲示等については、所定の手続を経ることを要することとされているが、これは学内の美化と数多くの学生サークルに公平に機会を与えるための措置であると聞いている。なお、印刷物配布等に関し、学生が暴力的制裁を加えられるなどということはないと聞いている。

 右答弁する。




経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.