答弁本文情報
昭和五十六年六月十二日受領答弁第四六号
内閣衆質九四第四六号
昭和五十六年六月十二日
国務大臣 中※(注)根康弘
衆議院議長 福田 一 殿
衆議院議員小沢貞孝君提出サンフランシスコ条約締結四十八力国の北方四島表現に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員小沢貞孝君提出サンフランシスコ条約締結四十八力国の北方四島表現に関する質問に対する答弁書
一及び二について
1 政府としては、従来より、世界各国の地図において北方領土に関する記載ぶりが正確なものとなるよう随時各国地図出版社に対し訂正申入れを行う等努めてきており、昭和五十四年十二月には世界各国の地図における記載ぶりにつき総点検を行う必要があるとの観点から在外公館に調査を指示するとともに、昭和五十五年七月にはこの総点検の結果を踏まえ、誤つた地図を刊行している各国地図出版社に対し訂正申入れを行うよう指示した。
更に、本年四月にも、在外公館に対し、改めて北方領土を記載した地図の送付を再度指示するとともに、誤つた地図を刊行している各国地図出版社に対し訂正申入れを行うよう再度指示した。
2 これまでの調査の結果、サンフランシスコ平和条約当事国において出版されている地図における北方領土の取扱いは、一部に我が国の立場に理解を示した地図があるが、多くの地図においては、ソ連が現実に北方領土を占拠していることもあり、これを踏まえ北方領土をソ連領に含めて表示しているのが実情である。
これに対し、我が方より訂正申入れを行つており、現在までのところ、一部の国の地図出版社より肯定的な回答が寄せられている。
3 北方領土問題に関する我が国の立場につき世界各国の正しい理解を求めることは極めて重要であり、地図の記載ぶりについても前述のような努力を行つてきている次第であるが、政府としては今後とも、かかる努力を継続するとともに北方領土問題に関する各種広報資料の作成、配布等による海外広報活動を活発に実施していく考えである。