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答弁本文情報

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昭和五十八年十一月十一日受領
答弁第一四号
(質問の 一四)

  内閣衆質一〇〇第一四号
    昭和五十八年十一月十一日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員野間友一君提出武器技術の対米「包括」供与問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員野間友一君提出武器技術の対米「包括」供与問題に関する質問に対する答弁書



一について

(1) 昭和五十八年一月十四日の内閣官房長官談話で明らかにしたとおり、日米間の防衛分野における技術の相互交流を図ることが日米安保体制の効果的運用を確保する上で極めて重要となつていることにかんがみ、その相互交流の一環として米国に武器技術を供与する途を開くこととし、その供与に当たつては、武器輸出三原則(昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針等を含む。以下同じ。)によらないこととしたものであり、米国が「国際紛争の当事国又はそのおそれのある国」となつたということのみをもつて対米供与を拒否することは考えていない。しかしながら、政府としては、対米武器技術供与は、日米相互防衛援助協定(以下「MDA協定」という。)に従つて実施することとしており、これによつて、武器輸出三原則のよつて立つ平和国家としての基本理念は確保されることとなり、対米武器技術供与が憲法の平和主義の精神に反するものとは考えられない。

(2) 「国際紛争の当事国又はそのおそれのある国」の「国際紛争」とは、従来から、武力の行使を伴う国際紛争をいうと考えている。

(3) グレナダにおける米国の行動については、米国政府の説明による事実関係を前提とする限り、国際連合憲章に違反しているとは考えられない。

二について

 昭和五十八年十一月八日に締結された取極からも明らかなとおり、対米武器技術供与は、MDA協定に従つて実施されることとなるので、米国政府は、同取極に基づいて自国に供与される技術を、我が国政府の事前の同意を得ないで第三国に移転してはならないという義務を負つている。仮に第三国への移転について事前の同意を求められた場合には、政府としては、米国に対して当該供与を認めた趣旨及び武器輸出三原則を踏まえて慎重に対処する所存である。
 なお、我が国が米国に供与した武器技術を使用して生産された武器の第三国への移転に関しては、具体的事例に即して検討することとなるが、政府としては、当該武器技術自体の第三国への移転を我が国政府の事前の同意に係らしめている意味が失われることとならないよう、米国政府との協議等を通じて対処していく所存である。

三について

(1) 政府は、昭和五十八年十一月八日の取極の締結に当たつては、米国政府と意見調整の結果、武器技術共同委員会を設置する等、我が国自身が具体的な供与技術について慎重な手続を経て自主的に決定し得るように対処したところである。

(2) この取極は、平和国家としての基本理念が確保されることとなるよう、MDA協定に従つて対米武器技術供与を実施するためのものであつて、対米供与が適当と考える武器技術を、我が国が慎重かつ自主的に決定し得ることとなつており、相互主義に反するというのは当たらない。

(3) また、我が国から供与された武器技術の第三国への移転に関しては、MDA協定により、米国政府は我が国政府の事前の同意を得ることが義務付けられているので、具体的事例に即して検討することとなる。

 右答弁する。




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