答弁本文情報
平成元年二月十七日受領答弁第五号
内閣衆質一一四第五号
平成元年二月十七日
内閣総理大臣 竹下 登
衆議院議長 原 健三郎 殿
衆議院議員滝沢幸助君提出大喪儀竝びに皇位繼承儀禮に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員滝沢幸助君提出大喪儀竝びに皇位繼承儀禮に関する質問に対する答弁書
一について
葬場殿の儀は、その形式等からして、社会通念上、宗教上の儀式としての性格を有すると見られることは、これを否定することができないと考える。
国が行う葬儀については、無宗教方式による事例の積み重ねがあり、御喪儀と御結婚の儀とは、同一に論ずることはできないと考える。
大喪の礼については、御指摘の最高裁判所の判決の趣旨に照らし、国が日本国憲法第二十条第三項の禁ずる宗教的活動を行ったとの疑いが残らないように配慮しているものである。
御指摘のいわゆる靖国神社公式参拝は、国務大臣が戦没者に対する追悼を目的として、神道儀式によることなく、追悼行為としてふさわしい方法によって追悼の意を表したものであり、これと大喪の礼とは同一に論ずることはできないと考える。
御指摘の撤去は、葬場殿の儀の終了後に、大喪の礼の準備行為としてされるものである。
御指摘の両儀式の名称は、日本国憲法の趣旨に沿い、かつ皇室の伝統等を尊重したものである。
また、皇室典範(昭和二十二年法律第三号)は、即位という言葉を用いているところである。
新元号は、内閣が、元号法(昭和五十四年法律第四十三号)第一項の規定により、政令で定めたものである。