第11号 令和7年3月26日(水曜日)
令和七年三月二十六日(水曜日)午後二時開議
出席委員
委員長 渡辺 周君
理事 小泉進次郎君 理事 齋藤 健君
理事 長谷川淳二君 理事 落合 貴之君
理事 後藤 祐一君 理事 櫻井 周君
理事 池下 卓君 理事 長友 慎治君
石田 真敏君 石橋林太郎君
井出 庸生君 大空 幸星君
尾崎 正直君 国光あやの君
栗原 渉君 小池 正昭君
小林 茂樹君 坂本竜太郎君
塩崎 彰久君 島田 智明君
土田 慎君 西田 昭二君
平口 洋君 広瀬 建君
福田かおる君 三反園 訓君
向山 淳君 森下 千里君
山本 大地君 今井 雅人君
鎌田さゆり君 黒岩 宇洋君
源馬謙太郎君 篠原 孝君
手塚 仁雄君 長友よしひろ君
馬淵 澄夫君 矢崎堅太郎君
青柳 仁士君 斎藤アレックス君
臼木 秀剛君 森ようすけ君
中川 康洋君 山口 良治君
高井 崇志君 塩川 鉄也君
福島 伸享君
…………………………………
議員 小泉進次郎君
議員 塩崎 彰久君
議員 長谷川淳二君
議員 井坂 信彦君
議員 大串 博志君
議員 奥野総一郎君
議員 本庄 知史君
議員 吉田はるみ君
議員 青柳 仁士君
議員 池下 卓君
議員 緒方林太郎君
政府参考人
(内閣法制局第一部長) 佐藤 則夫君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官) 河野 恭子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大隈 俊弥君
衆議院調査局第二特別調査室長 森 源二君
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委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
石田 真敏君 石橋林太郎君
坂本竜太郎君 大空 幸星君
中曽根康隆君 森下 千里君
向山 淳君 栗原 渉君
江田 憲司君 長友よしひろ君
福田 玄君 臼木 秀剛君
同日
辞任 補欠選任
石橋林太郎君 尾崎 正直君
大空 幸星君 坂本竜太郎君
栗原 渉君 土田 慎君
森下 千里君 小池 正昭君
長友よしひろ君 江田 憲司君
臼木 秀剛君 福田 玄君
同日
辞任 補欠選任
尾崎 正直君 石田 真敏君
小池 正昭君 西田 昭二君
土田 慎君 向山 淳君
同日
辞任 補欠選任
西田 昭二君 三反園 訓君
同日
辞任 補欠選任
三反園 訓君 中曽根康隆君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号)
政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(大串博志君外十名提出、衆法第二一号)
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○渡辺委員長 これより会議を開きます。
小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び大串博志君外十名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長佐藤則夫君、総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君、厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官河野恭子君、厚生労働省大臣官房審議官尾田進君、厚生労働省大臣官房審議官大隈俊弥君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○渡辺委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。塩崎彰久君。
○塩崎委員 自由民主党・無所属の会、塩崎彰久でございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
野党共同案、これまで審議を伺っておりますと、なぜ企業・団体献金を禁止するのか、大きく三つの理由をこれまで挙げられていると理解しております。一つ目は、三十年前にそういう合意があったからという話、二つ目は、これまでに様々な汚職事案があって、国民の信頼を回復するためにはこれが必要であるということ、三つ目が、そもそも企業・団体献金というのは政治をゆがめるものであるということだと理解しております。
一つ目の三十年前の合意については客観的な史料からほぼ結論が見えてきているのではないかと思いますので、二番目、三番目の点について今日はお伺いをしたいと思います。
まず、立憲の提出者の方にお伺いしたいと思いますが、二十四日、後藤祐一委員から吉川貴盛元農水大臣の事案についてお伺いがありました。二〇一八年から一九年に大手鶏卵業者から五百万円を受領した収賄事件、これにつきまして、企業・団体献金の悪質性を象徴する事案として取り上げられたわけでございます。そこで、確認したいんですが、この事案において賄賂として認定された五百万円、これは収支報告書に記載されていたものか否か、認識をお伺いさせてください。
○奥野議員 最初の一点目は、ほぼそごがあったというようなことをおっしゃっていますが、文書に残っている残っていないの話は、何度も申し上げていますが、立法者意思をきちんと把握して条文を解釈すべきですから、そこは必ずしも決着があったとは我々は思っていないということをまず最初に申し上げておきます。
その上で、鶏卵汚職ですけれども、私も農水委員会まで出張って、予算委員会でも何度もやりましたけれども、大臣室で現金の収受が行われている、相当に悪質なものだったと皆さん記憶していると思うんですね。しかも、収支報告書には記載されていなかったということでありますから、まさに賄賂性を持った現金の収受ということが、裁判所も認めているということなんでしょうか。
○塩崎委員 ありがとうございます。まさに今委員がおっしゃられたとおり、これは収支報告書に載っていない闇献金、これが賄賂として認定されたものでございました。
もう一点お伺いしたいんですが、三月十四日に源馬委員が取り上げた二〇二三年の秋本氏の風力発電に関する事案、こちらは現在御本人が無罪を主張して係争中であるということをお断りした上で確認させていただきたいと思いますが、この事案においても、検察側が起訴状において賄賂と主張している対象、これは、同様に収支報告書に記載された政治献金ということではなく馬主組合への出資金などの形で支払われた現金、つまり収支報告書に記載されていないものでございます。つまり、これらの事案で問題視されているのは企業献金の制度そのものではなくて、収支報告書に記載されていない闇献金が政治をゆがめているのではないか、これが本質的な問題ではないかと思いますが、御認識はいかがでしょうか。
○奥野議員 そうすると、記載さえすれば何でもいいのか、今度はそういう話になってくるわけですよ。そこが問われているのではなくて、まさに、受け取った、収受があった現金によって何が起きたかということが問題であるわけですね。
鶏卵事件でも、裁判の判決は、政治献金としての意味合いの趣旨が一部含まれるものであったとしても、前記認定したとおりの期待や謝礼としての趣旨が含まれていることがそれによって否定されるものではなく、本件各供与に係る現金全体の賄賂性を左右するものではないと。まず中身についてきちんと吟味をして、高額なお金を受け取ったことで、それによって何らかの見返りがあったかどうかというところをきっちり見ているわけですよ。
秋本さんの事案も、まだこれは公判中ですから言うことはできませんが、企業、団体からの現金の収受を今争っているところで、馬主が利益供与を受けたのは事実として認められているわけでしょうから、そうしたことが国民の政治に対する不信をまた高めた、これは私の地元でもありますから、相当そういうことも耳に入ってきますので。
だから、何でも記載していればいい、こういう話じゃないと思うんですよ。
○塩崎委員 まさにそのとおりなんですよ、どういう形で献金がなされたのかどうか。闇献金だと、これを国民が監視するすべがないわけでございます。これまでこの委員会の中でも取り上げられていた過去の事案、ロッキード事件、リクルート事件、佐川急便事件、ゼネコン事件、日歯連、全部、収支報告書に記載のない献金、闇献金ですよね。つまり、闇献金というものをなくすために一律に適切な献金まで禁止してしまおうというこのロジックにはやはり論理の飛躍があるのではないかというふうに感じるわけでございます。なので、今後の議論の整理のためにあえて申し上げたいと思いますが、過去の闇献金事案への度重なる言及というのは、今皆さんが求めている、収支報告書に公開されている企業・団体献金、これをも禁止しようということの求める根拠とはなり得ないのではないかと私は思っております。
その上で、企業・団体献金、そもそもの性質についても御認識をお伺いしたいと思います。
立憲民主党そして維新の会の提案者の皆様にお伺いしたいと思いますが、この委員会でも度々、見返りを求めない企業献金はないなど、こうした言説がありまして、企業・団体献金の性質について議論してまいりました。そこで改めてお伺いしたいと思います、それぞれの党に。企業・団体献金、企業や団体が政策への期待を込めて献金を行うこと、これはすべからく政治をゆがめるものという認識でございますでしょうか。それとも、政治をゆがめない企業・団体献金というものもあるというお考えでしょうか。
○奥野議員 企業が巨額のお金を出すのは、それは何らかの効果を見越して献金されるのは間違いないですよね。そうでなければ株主の意に反することになりますから、一定の効果があることを見越してやることは間違いないということであります。問題は、受け手の側がそれによってどう振る舞うのか、影響が一切ないのかということであります。
すべからく全ての献金が政策をゆがめるとまでは申しませんが、一定そういう効果はあるんじゃないですか、そういうものも含まれているということではないでしょうか。さっき収支報告に載っている載っていないという話はありましたけれども、実際、載っていようが載っていまいがそういうことは起きるわけですね、載っている載っていないということとは関係ないと思うんですよ。たまたま載っていないものにこういうことが摘発されたのであって、載っているものについてだってこういうことが起こり得ることはあるわけですから。すべからくとは言いませんが、その可能性はかなりあるんじゃないかと思います。
○塩崎委員 ありがとうございました。維新の会にお願いします。
○青柳(仁)議員 まず、政治をゆがめるかどうかということですが、維新の会としては、企業・団体献金というのは見返りを求めずに行うのであれば株主に対する背任行為である、見返りを求めるとなれば賄賂であるという憲法学者の参考人からの言説もあったとおり、見返りを求めて行われるものである、また、それに対する例えば租税特別措置であるとか補助金であるとか規制であるとか、こういったことで与党で権力を握った政治家がそれに対して見返りを出してきたから存続している、こういう認識であります。
そして、先ほどもおっしゃっていたとおりなんですが、闇献金かどうかというのは余り問題ではないと思っていまして、そういった関係性がお金の性質としてあるのかどうか。先ほどから出されている例も、これまで私が挙げさせていただいた例とかも含めて、主体は企業ですよね。企業が見返りを求めて献金を行い、それに対して見返りがあって、それが有罪と確定したわけです。
三十年前になぜ禁止をしたのかということも考えていただきたい。もしも三十年前も、リクルート事件それから佐川急便事件、これらが闇献金なので企業・団体献金ではありませんということであれば、じゃ、どうして三十年前、皆さんの諸先輩であります河野洋平元総裁を含め皆様は企業・団体献金を禁止しようとされたんですかね。そういった経緯をしっかりと踏まえた上で議論すべきだと思います。
○塩崎委員 ありがとうございました。
少なくとも立憲民主党様からは全ての献金がゆがめるものではないという非常に分かりやすい御答弁をいただきまして、私も全くそのとおりでございます。
ではどういう場合が政治をゆがめるものではないのかということについて、私なりに少し具体例でお伺いしていきたいと思います。
維新の会はすべからくゆがめるものだという立場に近いお考えだと思いますが、例えば大企業の競争力強化を訴える政党Aと中小企業支援を訴える政党Bがあったとして、企業がスタンスの違いによって政党Aか政党Bか献金先を決める、これは何か政治をゆがめるような見返りを求める行為だとお考えでしょうか。
○青柳(仁)議員 まず前提として、維新の会は、全ての企業・団体献金がすべからく政治をゆがめ、政治をゆがめるという定義がちょっとよく分かりませんが、我々の定義で言うところの見返りを求めて行われ見返りを与えているというものだというふうにすべからく思っているわけではまずありません。ただし、そういう性質が極めて強い。原則的にそうした性質があるものである。そして、そういった事件が実際に起きてきたということを考えますと企業、団体の持つ政治活動の自由よりも公共の福祉に対する害の方が明らかに上回る、これに関しては様々な憲法学者も、あるいは衆議院の方も言っていないわけですからしっかり禁止すべきだという、まずそういう立場です。ただ、すべからくとは言いませんが、基本的にはそういった性質を持つものだと考えております。
今のお答えですが、まさに政策の違いで団体が献金先を決めたのが様々な場で指摘されている経団連の通信簿方式ではないかと考えております。政策に対する五段階評価を行い、それに対して献金を呼びかけるというのは社会貢献と言うには行き過ぎと考えていまして、実態上は与党の前にそうしたインセンティブをぶら下げることによって業界に都合のいい政策を実現することそのものではないか、それは政党が違っても同様ではないかと考えております。ただ、例えば公明党が主張していたみたいに企業、団体の献金を一か所にプールして、一定の基準に従って政治家や政党を考慮せず配分するような仕組みであれば、ある程度社会貢献であると評することもできるかもしれない。
しかしながら、選挙権を持たない企業や団体が一人一人の国民と比較して圧倒的な資金力を動員して政策に口を出すというのは、少なくとも多様な意見に耳を傾けるという民主主義の在り方をゆがめているというふうに評することができると考えております。企業の持つ政治活動の自由の中には表現の自由がありまして、政策提言を自由に行うことができるのだから、あえて金銭でそれを表現する必要はないと考えております。
献金の主体の問題もあります。例えば政治団体は政治活動を目的とする団体でありまして、特定の政策の実現を目的とした政治団体が国民からの献金を元手に政策で選んだ政党に対して政治献金を行うということは当然あり得ると思います。しかし、企業は営利を目的としている団体です。先日参考人で来られた小林教授もおっしゃっていましたが、企業が仮に営利を目的としないで政治活動、献金を行う場合は株主に対する背任行為、一方で営利を目的として献金をする場合には買収に当たると述べられておりまして、原則的に、繰り返しになりますが、そのとおりだと考えております。
○塩崎委員 ありがとうございます。
では、立憲民主党の法案提出者にお伺いしたいと思いますが、労働者の権利保護を強く訴える政党Cと企業の収益拡大を強く訴える政党Dがあったときに、労働組合又は労働組合と密接な関係性を持つ政治団体が政党Cに献金すること、これは政治をゆがめたものというふうにお考えになりますでしょうか。端的にお答えいただければと思います。
○奥野議員 今回、我々は政治団体からの献金は認めるという話になっていますが、その上で、しかし政治団体と個々の組合員との関係は切れていて、まさに個人の意思で、組合員の方がチェックオフを確認しながら、自由意思で入って、そこからお金が行くわけですから、それによってゆがめられるという話ではないと思います。
○塩崎委員 ありがとうございました。
本日の質疑の中で両党からすべからく政治団体献金が悪ではないというお考えが示されたこと、非常に大きいと思います。我々も同じ考えでございます。性悪説というものに立つわけではない、かといって全ての政治団体献金がいいという性善説でもなく、私は、恐らく本質としては、環境や条件によっては、場合によっては不適切なものが交じり得る性弱説、それが実態に近いのではないかと思っております。だからこそ公開が重要であって、誰が、いつ、どういう条件でこういったものを幾ら払ったのかということを国民の監視の下に置く、禁止よりも公開、この議論をこれからも進めてまいりたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、長谷川淳二君。
○長谷川(淳)委員 自由民主党の長谷川淳二でございます。本日もよろしくお願いいたします。
まず、先ほど塩崎委員から第一の論点ということで、私に譲っていただいたと認識しておりますけれども、企業・団体献金禁止法案の審議を通じて、平成の政治改革に関してやはり依然として誤った事実認識を前提とした議論がなされていないかという思いを強く持っております。法案審議の前提となる重要な事実ですので、本日が八回目でございますけれども、質問させていただきたいと思います。
平成六年の総総合意の中では、政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金の五年後の廃止が盛り込まれているだけでございます。企業・団体献金の全面禁止は前提とされておりません。
この点、十七日の参考人質疑では、谷口参考人のことを申し上げます。谷口参考人は、御案内のとおり、平成の政治改革で中心的な役割を果たされた佐々木毅先生に師事され、御自身も平成の政治改革に関する著書をお書きになっておられます。その谷口参考人が、引用します、私も改めて一次史料を確認いたしましたが、平成の政治改革当時に政党に対する企業・団体献金を全面禁止する合意が与野党間に成立していた事実はございませんと断言されています。
さらに、総総合意の経緯を証言された我が党の伊吹文明元議長は、総総合意の交渉に携わっていた責任者が当時の新生党代表幹事の小沢一郎氏であったと断言をされております。
十九日の読売新聞によりますと、ちょうど参考人質疑の翌日に小沢一郎元新生党代表幹事よりそんな約束はないと断言されたというふうに報道されています。私は、この時期に当時の責任者である小沢一郎新生党元幹事が発信をされた意味合いというのは極めて大きいものがあるのではないかというふうに思います。
一昨日の審議において当時の小沢一郎新生党元代表幹事に確認をしていただきたいというふうに質問しましたが、御答弁がございませんでした。ちょっと質問を変えまして、なぜ小沢一郎元代表幹事に尋ねることができないんでしょうか。
○大串(博)議員 長谷川先生、今日もよろしくお願い申し上げます。
小沢さんは外に向けてもう発言していらっしゃるので、それはそれとして受け止めております。
先ほど、事実に基づいて議論をすることが大事だというふうにおっしゃいました。私たちも全くそのとおりだと思います。事実は、三十年前の平成の政治改革において企業・団体献金禁止を行うということが既定路線であった、そういう認識であったというのが事実だと思います。
この間の参考人の先生方の中では、一次史料に当たった結果そういう事実はなかったというふうに言われておりました。私、一次史料って何のことだろうなというふうに思いながら聞いていた覚えがございます。
参考人として来られた成田参考人の方は、当時の政治改革の当事者であった細川護熙さんの秘書官としてまさに会談にも同席し、記録も取り、そうしてきた人物が当時の経過を振り返り、企業・団体献金禁止は当時の決まった方向性であったということを参考人として述べていた。私は非常に重い発言だと思いますし、何より、繰り返しになりますけれども、小沢一郎先生のことを交渉の責任者というふうに言われました。しかし、交渉の責任者だという認識でいらっしゃるんだと思いますけれども、交渉の当事者、意思決定の当事者は細川護熙さんと河野洋平さんです。そのお二人が企業・団体献金禁止であったというふうに言われている、この事実は極めて重いということは繰り返し御指摘をさせていただかなければならないと思っています。
○長谷川(淳)委員 谷口参考人はせんだっての参考人質疑で、河野洋平元総裁のオーラルヒストリーは事実誤認ではないかというふうに御指摘もされています。やはり……(発言する者あり)いや、参考人が言っておられるということを言っているんです。議事録を確認していただきたいと思います。参考人がそのように言われているということを御紹介したまででございます。
いずれにしても、当事者の思いが様々あったと思いますけれども、合意文書として示されている事実、そして平成六年改正政治資金規正法第十条に立法意思として規定されている事実、この事実に基づいて議論すべきことこそこの委員会における核心、本丸であると私は思います。そのことを重ねて強調させていただきたいと思います。
続いて、構成員の意思尊重法案、衆法第五号について本日は伺いたいと思います。
我が党の意思尊重法案は、政治団体への会費などの拠出、企業、労働組合その他の団体の寄附については、労働者の賃金から控除するもの、すなわち天引き、チェックオフによるものを含め、構成員の自由な意思が尊重されるようにということで定めております。
一方の野党共同案の、雇用関係の不当利用等による寄附等の制限、この規定は、会社が雇用関係を不当に利用することなどにより政治団体の構成員になることを勧誘する、かつ政治団体に寄附や政治資金パーティーの対価の支払いをさせる場合に限定されています。その適用範囲は我が党の意思尊重法案よりも相当に狭くなっています。特に、我が党は、労働組合の政治活動や選挙活動の原資となる組合費、あるいは労働組合が母体となった政治団体の会費について、給与からの天引きの問題点についてこれまでも指摘をさせていただきました。
そこで、まず事実関係を厚労省にお伺いしますが、日本の労働組合の組合数、組合員数、そのうち連合傘下の組合数、組合員数はどれくらいか。そして、組合員一人当たりの組合費は幾らか、組合費などのチェックオフが行われている労働組合の割合はどの程度かをお伺いします。
○河野政府参考人 お答えいたします。
労働組合基礎調査によると、令和六年六月末時点での労働組合数は約二万三千組合、労働組合員数は約九百九十一万二千人でありまして、そのうち連合の加盟労働組合数は約一万一千組合、加盟労働組合員数は約六百八十一万三千人でございます。
また、令和五年労働組合活動等に関する実態調査によりますと、労働組合員一人当たりの平均月間組合費は三千六百八十円、チェックオフが行われている労働組合の割合は九一・五%でございます。
○長谷川(淳)委員 ありがとうございます。
連合傘下の単一組合の数が約一万一千、組合員数が約六百八十一万人、一人当たりの平均組合費が月三千六百八十円でございます、年間約四万四千円。単純計算すると、連合傘下の組合に年間約三千億円の組合費が集められているということになります。しかも、このうちの、これは単純計算ですけれども、約九割がチェックオフによって集められているということでございます。
御案内のとおり、我が党は労働組合の政治活動に使われている内容が公開されていないのではないかということも指摘させていただいていますけれども、まず第一に、予算委員会の集中審議でも御指摘させていただきましたが、組合出身の候補者を選挙で応援するための資金については臨時組合費の納付義務を負わないというのが最高裁判例で指摘されている、やはり労働者本人の明確な認識なくしてチェックオフはできないのではないかと指摘をさせていただきます。
そこで、厚労省に、チェックオフに関して厚労省の総合労働相談コーナーなどにおいてどのような苦情が寄せられているかをお伺いしたいと思います。
○大隈政府参考人 お答えいたします。
全国の労働局等に設置しております総合労働相談コーナーにおきましては、組合費を賃金から控除するいわゆるチェックオフに関する相談として、賃金からの控除ではなく自分で直接組合費を支払いたいというものや、入社時等に労働組合への加入、組合費の控除について説明を受けた覚えがない、控除された組合費の使途や内訳が分からない、事務処理の誤りによって本来よりも控除額が多額となっているといったものが寄せられていると承知しております。
○長谷川(淳)委員 ありがとうございます。給料天引きではなくて自分で判断して直接払いたい、入社時に説明してもらった覚えがないのに給料天引きになっている、あるいは天引きされた組合費がそもそも何に使われているかが分からない、こういう苦情があるということでございます。
私は、チェックオフについても、特に政治資金の拠出に係るチェックオフについては、しっかりと正すべきものは正すべきじゃないかというふうに思います。そもそも、チェックオフはあくまでも任意でございます。チェックオフ開始後においてもチェックオフの中止はいつでも申し入れることができるというのが最高裁判例だと思います。
ただ、厚労省はチェックオフはあくまでも任意だということを周知しているわけじゃなくて、一般的な労働法制、勤務条件等々のガイドブック等で周知しているということでございます。これまで我が党もるる指摘させていただいていますけれども、チェックオフ協定というのは労使合意に基づいて実施されるもので、当然、組合員の賃金や労働条件の改善のための組合活動、それに充てられる組合費のチェックオフ協定については最大限尊重されるべきだと思うんですけれども、政治資金の拠出に関しては、給料から天引きされた組合費を組合員の意図しない選挙資金や政治資金に充ててはならない、あるいは組合員が明確に認識しないまま労働組合系の政治団体の会費として天引きされてはならないというのは当然じゃないかと。これは予算委員会の集中審議でも指摘をさせていただきました。
我が党の意思尊重法案に関して理念規定にすぎないのではないかというふうに言われていますけれども、雇用関係の不当利用という野党共同案の規定ではチェックオフの適正化はできないんじゃないかと思います。そこで、是非この意思尊重法案に御賛同いただいて、労働組合の政治活動のための組合費のチェックオフや、労働組合系の政治団体の会費に係るチェックオフはやはり労働者の意思を尊重して、あくまでも任意であることを周知徹底すべきではないかと思いますけれども、立憲提出者の見解をお伺いします。
○本庄議員 長谷川委員にお答えします。
周知徹底はもとより、そもそもやってはいけないことであって、任意ということは大前提です。
御党の法案にも理念規定として書かれているということですが、我が党の法案は義務規定ですので、より強制力が強いということです。我々の法案においては、企業・団体献金そのものをまず禁止した上で、本人の意思に基づかない会費の負担、あるいはそれを原資にする政治献金、寄附という行為を企業・団体献金の脱法行為と位置づけて禁止しています。これによって個人の自発的意思によらない会費負担は抑制されるというふうに考えています。
一方で、御党の意思尊重法案は一般的な理念規定にとどまっておりまして、そもそも企業・団体献金も認めているという前提の下です。脱法行為禁止の文脈で会費負担の適正化を図ろうとする我々の法案とは基本的な立脚点が異なっているのかなと思います。長谷川委員の問題意識を踏まえれば、より強い力を持っている我が党の法案の方に是非御賛同いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○長谷川(淳)委員 チェックオフの適正化については、十五年前の平成二十二年の党首討論で鳩山総理が私どもの谷垣総裁に対して、本来一人一人の意思に基づいて確認してやるべきだというふうに明言されています。これはいわば十五年前の宿題でございますので、是非ともこれについてもよく議論をさせていただき、また、よりよい方向に対応ができるような議論をさせていただきたいと思います。
我が党は、チェックオフの禁止という法律を出そうとしたことはこれまでございません。あくまでも我が党は、圧倒的な与党であったときでも各党各会派の議論による合意を踏まえて政治資金の制度の改正をしてまいりました。
今一番求められているのは、国民世論においても、直近では約六割が禁止よりも公開をすべきだという世論もあります。これは様々な見方がございます。ただ、私がこれまで強調しているのは、先ほどの平成の政治改革の合意の認識も含めてなんですけれども、大切な論点ごとにしっかりと正しい事実認識に基づいて議論を行うこと、そして、数合わせの議論ではなく、各党各会派の真摯な議論によって結論を導き出す、そういったことが今何より求められていると思います。もちろん三月末までに結論を得るということに私も従って真摯に協議を続けていきたいと思いますが、何より求められているのは、今ほど来指摘をさせていただいた重大な論点について、正確な事実認識に基づいて各党各会派で真摯な議論をし結論を導くことが何より重要であることを指摘させていただいて、私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 立憲民主党の黒岩宇洋でございます。
今日は、前段は、残念ですけれども、また石破総理の商品券配付問題について、政府参考人も含めて確認させてもらいたいんです。参考人、よろしいでしょうか。今回問題となっている条文は政治資金規正法第二十一条の二第一項、何人も公職の候補者の政治活動に関する寄附をしてはならないと。そこで、参考人にお聞きしますけれども、これは誰の政治活動を指すんでしょうか。
○笠置政府参考人 政治資金規正法第二十一条の二第一項では、何人も、公職の候補者の政治活動に関して選挙運動に関するもの、政治団体に対するものを除いて金銭等による寄附をしてはならないと規定されています。
また、同法第四条第四項におきまして、この法律において政治活動に関する寄附とは政治団体に対してされる寄附又は公職の候補者の政治活動に関してされる寄附をいうとされており、公職の候補者につきましては、政治団体に対してされる寄附とは異なりまして、その受けた寄附を全て規制の対象とするのではなく、その政治活動に関してされるもののみが規制の対象となっているということでございます。
したがいまして、同法第二十一条の二第一項に規定をする公職の候補者の政治活動に関しての寄附につきましても同様と解されております。
いずれにいたしましても、個別の事案が公職の候補者の政治活動に関する寄附に該当するかどうかは、具体の事実関係に即して判断をされるということでございます。
○黒岩委員 部長、端的に答えてほしいんですよ。この条文上の誰の政治活動ですか。誰のだけでいいですから、端的に答えてください。
○笠置政府参考人 先ほど申し上げました、その受けた寄附ということでございますので、一般的には受領者の政治活動ということでございます。(黒岩委員「公職の候補者でしょうか」と呼ぶ)もちろん公職の候補者への寄附といったものを規制しているということでございます。
○黒岩委員 私ね、最近、国会での議論とかマスコミの書きぶりでもちょっと違和感があるのは、どうも、石破総理の公邸での会食が政治活動かどうかということを議論しているんですけれども、正直、全く関係ないんですよね。受け手の公職の候補者の政治活動ですから。ここは基本のところですから。今日わざわざ私はコンメンタールを第四条の部分の資料で配っているかと思うんですが、部長がお読みになっていますけれども、今こんなものを確認するまでもなく、非常に平易な条文ですから。あくまでもこれは何人の政治活動ではなく公職の候補者の政治活動である、これを改めて確認させてもらいました。
では、部長にお聞きします。犯罪の既遂はどの時点ですか。
○笠置政府参考人 先ほど御紹介を申し上げましたけれども、政治資金規正法第二十一条の二第一項におきまして、原則として、何人も公職の候補者の政治活動に関して金銭等による寄附をしてはならないとされており、一方、同法第二十二条の二におきまして、何人も第二十一条の二第一項に違反してされる寄附を受けてはならないとされています。
これらの規定に違反した場合には、同法第二十六条におきましてこれらの規定に違反して……
○渡辺委員長 簡潔に答えて。
○笠置政府参考人 寄附をした者や寄附を受けた者は一年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する旨の定めがございまして、寄附をした、寄附を受けたことで同条の適用対象となるということでございます。
○黒岩委員 最後だけでいいんですよ。要するに、寄附をした、受けた、この時点でこの犯罪は成立します。既遂です。分かりますか。
では、三つ目を聞きます。既遂後、寄附行為後、金銭等を返却すれば違法性は阻却されますか。
○笠置政府参考人 一般論として申し上げますけれども、法律の適用関係につきましては、行為時の行為が法的に評価されるべきものでございまして、寄附があったと認められるのであれば、後日に返還をしても過去の事実関係は変わらないものと解されております。
○黒岩委員 違法性は阻却されませんね、寄附行為が行われちゃったら。
では、四つ目を聞きますね。寄附の出し手が、政治活動に使ってはいけないよ、断じて政治活動に使っちゃいけないよと指示して要請して寄附した場合、この寄附行為というのは違法な寄附行為となりますか。端的にお答えください。
○笠置政府参考人 端的に申し上げますけれども、公職の候補者の政治活動に関する寄附に該当するか否かということにつきましては、一般論として申し上げれば、寄附の趣旨、目的や寄附者あるいは受領者の真意、寄附金の取扱いなど、個別具体の事実関係に即して判断されるべきものでございまして、個別の事案が法の規定に抵触するか否かにつきましては具体の事実関係に即して判断をされるべきものということでございます。
○黒岩委員 どうもここのところはレクと違いますね。事実認定は断ずることはできませんけれども、政治活動に使ってはならないと言った場合、これが違法でない可能性が高いと私はレクチャーで聞いておりますが、私のこの理解は間違っていませんでしょうか、合っていますでしょうか。お答えください。
○笠置政府参考人 二十一条の二で規制をされておりますのは、金銭等による公職の候補者の政治活動に関する寄附でございます。したがいまして、金銭等による寄附が公職の候補者の政治活動に関する寄附であればこの規定に違反することとなりますけれども、そうでなければ違反をしないということであります。
個別の事案につきましては、法の規定に該当するかどうかというのは具体の事実関係に即して判断されるということでございます。
○黒岩委員 これはある意味助け船のところを聞いてあげているんですけれども。私ははっきり聞きましたけれども、政治活動に使っちゃ駄目だよと指示した場合は限りなくこれは違法な寄附とは言えないという、こういう所管の総務省の見解でした。要は、他の事業なんかでも収入を得る人間はいるわけですよね。だから、他の事業でも、例えばある人からもらったお金でも、処分できるお金をもらって、その後は何に使おうがこれについては二十一条の二は絡まない、こういうことなんですが。ただ、石破総理が政治活動に使っちゃ駄目だよねと、御本人なり秘書が言った形跡というのは見られないということで、私がした質問のようなケースには当てはまらないんじゃないか。
次は自民党提出者に聞きます。済みません、一問飛ばします。
石破総理は三月十四日の参議院の予算委員会で、資料をお配りしていると思います、二枚目ですね、きっちりと縦線を引かせてもらっています。一応読みますね。
私はもらったら、済みません、私事で、それそのまま持ってホテルの旅行代理店に行って航空券に換えたことをよく覚えております。当時は国鉄パスの時代でしたので航空券出ませんでしたからね。
石破総理は、はるか昔のようですけれども、商品券をもらって、それを航空券に換えたんだと。まあ換えられますよね。もう一つのポイントはここなんですね、当時は国鉄パスの時代と。要するに、当時は飛行機代が出なかった、国鉄ならパスが出た。国鉄パスというのは、今のJRパスもそうですけれども、政治活動にしか使えないですよね。私的な旅行には使えない。ということは、小泉さんにお聞きしますけれども、この文脈からすると、石破総理はこのとき航空券を政治活動に使ったと考えるのが自然ではありませんか。いかがですか。
○小泉(進)議員 まず、今日は法案に対する質疑という観点からいいますと、黒岩先生が冒頭に残念ですがという前置きをされた上で商品券問題について質疑されておりますが、まず今回の企業・団体献金の禁止に対する法案などとこの問題は関係がないです。そういったことの前提の中で今お尋ねですからお答えをさせていただくと、これは石破総理の体験を語っておられますので、私には分かりかねます。
○黒岩委員 私は正直言って、語るに落ちてここまで言わなきゃよかったのにと。妻と旅行に行きましたぐらいで済むんだけれども、こんな認識でやはりもらっていた。
ですから、私は、申し上げたいのは、この構成要件というのは、まずは寄附行為があった、この時点で実際には既遂である。ただ、問題は、では政治活動なのかどうか。ただ、これは今言ったように、何人もは要するに出し手ではありません、受け手である公職の候補者が政治活動に使ったかどうか。石破総理がおっしゃっているように、これは受け手側しか分からないんです、何に使うか。送り手側は、いざ渡したけれども、その後、受け手が何に使うかはコントロールできない。しかも、今回、石破総理はコントロールしている形跡がないということなんですね。蛇足ですけれども、今言ったように返したとて違法性は免れない。
このように、石破総理の行動というのは構成要件にほぼほぼ合致しちゃっているんですよ。あとは、どこでこれが本当に違法かどうか判断するのは司直の手しかない。こんなことを平気でやっちゃったんですよ。それで、総理は自分には違法性、法的な問題はないと言いますが、くどいですけれども、送り手にその判断をすることはできません。渡しちゃった後は元に戻らない。あとは司直の手だ。こういったことを総理が行っていること自体が極めてゆゆしき問題だということを私はあえて伝えさせていただきたいと思います。
ここのところの議論がずれているような気がするので、こういったことも肝に銘じて、政治改革特別委員会ですから、当然、根源的なことをこの一例をもって質疑していく、まして私は通告しているわけですから答弁者に私の質問権に対してとやかく言われる筋合いはない、このことは申し上げさせていただきたいと思います。
それでは、順番を変えて先に進みたいと思いますけれども、質問要旨でいうと、横二の縦三、一番最後。行きますね、自民党案について確認させていただきたいんです。自民党案は、平たく言うと、一千万円超の献金をした企業については総務省が集約するということなんですが。これはしっかりと通告してあります。令和五年、報告書として出ている直近の一年間、自民党本部及び自民党の政治資金団体である国民政治協会に対して企業・団体献金をした企業、団体数は幾つなのか。及び、そのうち一千万円超の企業・団体献金をした企業、団体数は何割か。これは事前通告しております。自民党ならこれは五万円超である。我々も五万円超なら分かりますけれども、五万円以下でも分かるはずです。正確にお答えください。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
公表されております総務大臣届出分の、お尋ねのありました令和五年分収支報告書において、自民党本部と一般財団法人国民政治協会に対してまず一千万円を超える寄附を行った企業、団体の数についてでございますが、自民党本部に対してはゼロ団体でございます。国民政治協会に対しては六十団体と承知をしております。
収支報告書の公開基準額を下回る少額の寄附を含めた全体の寄附件数というお尋ねでございますが、これは制度上困難でございます。自民党本部と国民政治協会に寄附した団体の数、あるいは一千万円を超える寄附をした団体の占める割合については制度上お答えすることはできないということでございます。
いずれにいたしましても、我が党が提案する公開強化法案は、一階部分における収支報告書の全ての公開、二階部分におけるデータベースになっている収支報告書の内容に加え、新たに三階部分として寄附の出し手のマクロ的な状況を一覧性ある形で公開するという趣旨に基づくものでございます。
その点を踏まえまして、いわゆる個人献金における上限額の低い方、一千万円を超えるものを多額の企業・団体献金との整理をして対象とさせていただいたものでございます。現在は集計困難な寄附者ごとの名寄せも行うこととしておりますので、先ほど申し上げた団体数よりも公開対象は当然のことながら増える見込みでございます。
この一千万円の基準額については、繰り返しですけれども、先ほど申し上げた現行法における個人献金の総枠制限の上限額などにも用いられている金額でございますので、合理性のある適切な基準だと考えております。
○黒岩委員 何の制度上、報告できないんですか。何の制度ですか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
現在の寄附の公開基準額が五万円ということになっておりますので、五万円を下回る少額の寄附を含めた全体の寄附件数につきましては公開されていないということから、その制度上、全ての寄附をした団体の数や一千万円を超える寄附をした団体の占める割合についてはお答えすることができないと申し上げたところでございます。
○黒岩委員 昨日私のところにレクで来たあれは総務省か、自民党の政治資金団体だから自民党は、我々はネットで見れば五万円超は分かりますよ、会社数。ただ、それ以下も、要は収支報告書を自分で持っているんだから単に数えれば分かるはずだと。制度上は別に公開しちゃいけないというものじゃありませんから、私は分かるものを通告しているわけですから、答えていただきたい。
○長谷川(淳)議員 公開基準額を下回る少額の寄附については、寄附元については収支報告書上記載をされておらないと承知しておりますので、その分も含めた団体の数や団体の額についてそこまで集計し名寄せすることはできないので、今ほど来申し上げておるとおり、一千万円を超える寄附を行った企業、団体については自民党本部に対してはゼロ、国民政治協会に対しては六十団体と申し上げましたが、先ほど、公開基準額を下回る部分まで含めた全体の寄附件数を個別に把握して名寄せすることは困難であるということを申し上げたというところでございます。
○黒岩委員 総務省に提出している収支報告書では分かりませんけれども、帳簿では分かりますよね。それをカウントはできなかったんですか。
○長谷川(淳)議員 お答え申し上げます。
制度にのっとって公開している範囲でつまびらかにさせていただいたというところでございます。
○黒岩委員 では、甘い方の数字でやりますけれどもね。
委員長、今言ったように帳簿をカウントすれば数が出ますので、後刻この委員会にて五万円以下の献金をした企業、団体数を出していただくようお取り計らいください。
○渡辺委員長 理事会で協議します。
○黒岩委員 分かりました。では、私どもが外形的に分かるところで話を進めます。長谷川提出者は、五万円超の献金をした企業、団体数、これは分かりますか、数は。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
通告をいただいておりませんので、手元にそういった数字はございません。
○黒岩委員 済みません、聞いておけばよかったな。これは誰もがネットで見ても分かりますので。今言ったのは五万円超ですよ、全てじゃないですよ、五万円超に絞って千百七十二社です。そうすると、さっきの、今後公開強化法で公開される企業、団体の数が六十。割り算するとちょうど五%なんですね、五%。そうすると、せんだって長妻議員がつまびらかにした受け手である政治団体の支部、この数が五・六%。今度集約される出し手である企業、団体の数は全体の五%。クロスすると、五%掛ける五%、〇・二五%。イメージが湧きますか、四百分の一です。
全体のやり取りがあった四百のうち四百分の一だけが公開される、これで公開強化法というのは私はとんでもない詭弁だと思いますよ。小泉さん、いかがですか。
○小泉(進)議員 まず、今のお話は数ベースで黒岩先生は言われていて、それは全部御認識の上で、立憲さんは数でこれは駄目だというふうに言われていますけれども。我々は、今までも言っていますとおり、金額で見れば五六%なわけです。そのことだって、野田御党の代表によれば、これは透明じゃなくて半透明だという表現をされていますけれども。
そもそも我々は収支を公開していますから、収支報告書を見れば載っているものをあえて、二階建てはこれからデータベースの構築に与野党が合意をして今つくっている最中で、その上の三階建てとしてまとめて一覧性ある形で公開を高めていこう、これで公開強化と言っているので、その三階建ての中での公開強化と説明させていただいているということは御理解をいただきたいと思います。
○黒岩委員 まず、その三階建てという話は、受け手である団体数というのは二階建てで決まった対象者だったと言っていますけれども、今言った一千万円というのは三階で決まった部分ですから。三階でまた、ここまで絞りに絞った。多分、一千万円超の会社って自民党以外はほぼほぼないと思いますよ、ほぼほぼ。これは今、自民党に限って、しかも国民政治協会に限って言っている。
後で調べてもらえれば、対象となっている四百四十二の支部だって企業、団体数でいったら、国会議員の政党支部って数十社からは確実に、ともすれば百社、二百社ですけれども、確実に献金を受けている。計算しただけで数万単位なんですよね。だから、千百七十二といったって、はっきり言って一〇%以下ですよ。だけれども、結局、この三階建てで絞ったのは僅か六十の企業、団体。総務省が全省を挙げて集約するというけれども、これは誰でもできるんじゃないかなと私は思いますが、そのぐらいにして。いかにこれが公開をしていないか、公開、公開と言っているけれどもその効果が薄いかということは多くの方に御理解いただけたと思います。
それでは、先に急ぎながら戻りますけれども、横二の縦一、時間がないので端的に聞いていきますね。これは自民党提出者、企業・団体献金と個人献金について。いつも、企業、団体が悪であり個人献金が善である立場には立たないと。今日の議論でも分かったとおり、私たちも全く同じです、全く同じ。では、企業・団体献金と個人献金、これは同質、同じものであるとお考えですか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
現代社会において社会的実態を有し、社会を構成する一個の主体として重要な活動を行っている企業、団体は、自然人たる国民と同様、政治活動の自由とその一環としての政治資金の寄附の自由を有するというところでございます。だからこそ、我が党は企業・団体献金は悪で個人献金が善という考え方には立っておりません。禁止ではなく公開の立場から、その政治資金の透明性を確保し、国民の不断の批判と監視の下に置くことが重要と考えております。
なお、八幡製鉄事件の最高裁判決でも、会社は政治的行為をなす自由を有する、政治資金の寄附もまたその自由の一環である、会社によってそれがなされた場合、これを自然人たる国民による寄附と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではないと判示されているところでございます。
○黒岩委員 済みません、何を言っているかよく分からなかったんですけれども。違うことは違うというんですけれどもね。
時間がないのではしょりますけれども、おとといの議論でしたかね、長谷川提出者が、九四年の政治団体への企業・団体献金をめぐって政治家個人、五年後になりますけれども政治資金管理団体への寄附は全面禁止、これは政党本部及び支部に限ったと。
この理由について、確かに、九〇年の審議会かな、それによると、今度は選挙が政党本位になるから、それによって政党に絞った方がいいということと、もう一つ重要なことをおっしゃっているんですよね。九四年の細川総理の国会での答弁で、細川総理が、近年における政治と金をめぐる国民世論の動向等に鑑みと。これも理由だと。そう思いますよ。九〇年当時とは時代が、佐川急便事件も起きて変わっていますからね。
この文言を読むと、政治家個人、資金管理団体には駄目よ、政党に限りますよといった理由、ここから見えてくるのは、今までの問題が大体は政治家個人への献金なり裏金でしたから、国民の不信感を招いちゃいけない、だから透明化を図りましょうねと。今申し上げたとおり、個人だとどうしても今言ったようにゆがめられるから政党に絞りましょうねと。ただ、結果的には、これもずっと議論になっていましたけれども、純粋に絞ったといいながら七千幾つもの政党支部ができちゃった、むしろ透明化というよりは霧のよう、闇夜のようになっている。
個人だとまずいねといっても、例えば石破総理はほぼ毎年、鳥取一区総支部から一千万円を自らの石破茂後援会に寄附しています。そうすると、実は、政党支部といいながらほとんど、よく言われるとおり政治家個人のポケットだねという意味で、当時の立法趣旨が滅却されつつある。
そこで、まだ提出されていませんけれども、公明党さん、国民民主党さんの案は政党本部又は都道府県単位の支部に限るということなんですが。立憲の提出者に聞きたいんですけれども、ここまでは合理的なんですが、ただ、それでも私はやはり懸念がある。なぜかというと、今回の裏金のように、集めてきた人のところにそれ相応の額を、これを政党支部なりに流すことができるという、こういうひもづけの可能性があるんじゃないか。これを制度上、ピン留めする、禁止することはできるとお考えでしょうか。お答えください。
○大串(博)議員 ありがとうございます。
公明党、国民民主党の皆さんから提案なるものをお聞きさせていただきました。もとより、私たちは五党派によって企業・団体献金禁止の法案をまとめています。国民民主党さんがこれに乗ってくだされば、多数を形成し、この委員会で企業・団体献金禁止を成せる状況にありますので、呼びかけをこれからもしていきたい、それによって結果を出していきたいというのが基本的な考え方です。
その上で、御提案をいただきましたので、その内容は吟味させていただいている状況にあります。今言われた、受け手のところを党本部及び都道府県の支部に限るというところも見させていただきました。面白い提案だなというふうに見させていただきましたが、今まさに言われたように、そこを通じて議員個人にトンネルするかのごときに使われる可能性は心配になるところはありますもので、今後もし議論させていただけるところがあるとすると、そういったところの規定がどうなるのかなという辺りはしっかり議論させていただきたいなというふうに思います。
○黒岩委員 最後に私の方から一言申し添えますけれども、九四年当時の議論とか法改正の趣旨からすると、私は、今回の公明党さん、国民民主党さんが提案しようとしている内容というのは非常に合理性があると思うんですよ。ただ、三十年たって時代がもっと進んじゃって、悪いけれども、非常に手口が巧妙になってきた。そういった意味では、我が党は全面禁止ということをうたっている、このことについても公明党さんや国民民主党さんにもまた一定の御理解をいただくよう、今後、熟議していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今日はどうもありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、斎藤アレックス君。
○斎藤(ア)委員 日本維新の会の斎藤アレックスでございます。
では、早速質疑に入らせていただきたいと思います。まず、企業、団体が持っている政治活動の自由と個人が持っている政治活動の自由は、その度合いは異なるであろうということを議論させていただきたいというふうに思います。
まず、改めて御確認をさせていただきたいんですけれども、自民党提出者にお伺いをいたします。企業・団体献金を禁止することは憲法違反の懸念があるとの立場でよろしかったでしょうか。答弁をお願いします。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
まず、政治活動の自由でございますが、憲法第二十一条第一項に規定する集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由の保障に含まれるものと解されていますけれども、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度で一定の制約に服することもあり得ると解釈されているところでございます。企業、団体が政治活動に関する寄附を行うことは政治活動の自由の一部であり、これを禁止することが憲法第二十一条に照らしていかなる状況においても許されないわけではないが、公共の福祉の観点からの必要やむを得ない制約であるか、その必要性や合理性については慎重の上にも慎重に検討する必要があると考えております。
このような観点から検討いたしますと、企業・団体献金の全面禁止ありきで進めることは、かえって政治資金の透明性を低めることになります。いわゆる禁止の形をかりた抜け穴という批判もあるところでございます。やはり国民の不断の監視と批判を行えなくしてしまうことはあってはならない、禁止よりも公開という考え方の下に我が方としましては公開強化法案を提出したところでございます。
○渡辺委員長 答弁は簡潔に願います。
○斎藤(ア)委員 質問に答えていただければ結構ですので、お座りください。
○長谷川(淳)議員 国民の不断の監視と批判の下に企業・団体献金が公明正大に行われる環境が整備されることが必要と考えております。
○斎藤(ア)委員 企業・団体献金を禁止することは憲法違反の懸念があるかどうかと聞いたのであって、今回の法案を出された理由を聞いたのではありません。法案の質疑ではありますけれども、質問にしっかりと答えていただくようにしていただきたいと思います。
今のお答えを聞いていると、一律に禁止をすることは憲法違反の疑いがあるというお立場だったのかなと理解します。違うのであれば、違うと言っていただきたいんです。全面禁止することは憲法違反の疑いがあるという立場でよかったのかということを聞いたんですけれども、イエスかノーかお答えいただけますか。
○長谷川(淳)議員 憲法上の政治活動の自由は、いわゆる弊害を解消するために必要な最小限度の制約に限って可能であると解されているところでございます。したがって、政治活動の自由の制約の在り方については、公共の福祉の観点からの必要やむを得ない制約であるか、その必要性や合理性について慎重の上にも慎重に考える必要があると思われます。
○斎藤(ア)委員 分かりました。
では、もう一つお伺いしたいと思いますけれども、企業、団体にも政治活動の自由はある、それはそのとおりだと思います、誰も否定しないと思います。しかし、企業、団体が持っている政治活動の自由と、個人が、主権者が、国民が持っている政治活動の自由は差があると思いますけれども、そのことについてはどう思われますか。
○長谷川(淳)議員 先ほど申し上げましたとおり、八幡製鉄事件の最高裁判決は、憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は性質上可能な限り内国の法人にも適用されると判示をしております。企業、団体の献金についても政治活動の自由の一環として認められるというふうに解釈されているところであり、私どもも、先ほど私も御紹介させていただきましたけれども、個人献金と異なるものではないというふうに考えております。
ただ、これも繰り返しになりますけれども、政治活動の自由は、制約の在り方について、必要な最小限度の制約に限って可能である、その必要最小限の制約については、公共の福祉からの必要やむを得ない制約であるか、その必要性や合理性について慎重の上にも慎重に考える必要があると考えています。
○斎藤(ア)委員 真っ正面からお答えいただけないので、聞いている有権者の方は全く分からないと思いますけれども。
私の意見を申し上げます。同意いただけるかいただけないかお答えいただいても分からないので質問しませんけれども、自然人たる国民が持っている政治的な自由と企業、団体が持っている政治的な自由というのは異なります、異なるはずであります。
投票できるのは国民だけですよね、有権者だけ、自然人だけですよね。税金を納めていようがいまいが国民であれば投票権はあるし、税金を納めていても外国籍であれば、日本国籍を持っていなければ投票はできないわけでございますし、政治的な自由というのは自然人たる国民個人、自然人との間では当然異なるわけでございます。優先されるべきは個人の参政権であって、企業、団体の権利というのはそれに劣後するというふうに考えるのが当然だと思います。
先般、おとといですか、この委員会で長谷川議員がおっしゃいました。政治活動の自由に関しては自然人たる国民と同様に企業、団体は持っているんだという趣旨の発言をされましたけれども、これは明確に違うと申し上げたいと思いますし、いろいろな文脈がありますけれども、政治活動の自由の議論をしている中で企業、団体も国民に含まれるとおっしゃいましたけれども、これは完全にミスリーディングというか、誤解を与える表現だと思います。企業、団体は国民に含まれるんでしょうか。個人と同じ権利を政治活動で企業、団体は持つべきだ、持っているとお考えなんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 まず、先ほど来答弁していますとおり、全く同じと言っているわけではございません。憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は性質上可能な限り内国の法人にも適用される、この性質上可能な限りという言葉に全てが凝縮されていると思います。
おっしゃるとおり、例えば選挙権や被選挙権は企業、労働組合や政治団体には認められないところでございます、自然人に限ったところでございます。ただ、一方、法人も憲法に基づく納税の義務を負っているところでございます。八幡製鉄事件判決は、これを根拠として企業・団体献金を政治活動の自由の一環として認めているところでございます。なので、先ほど、性質上可能な限り法人にも適用されるという前提の下に、必要最小限度の制約かどうかというのを、その必要性や合理性について慎重の上にも慎重に考える必要があるということを申し上げたところでございます。
○斎藤(ア)委員 ありがとうございます。
では、今の御回答で確認ができましたけれども、政治活動の自由というのは企業、団体も個人も持っているけれども、企業、団体が持っている政治活動の自由というのは個人、自然人に対して劣後するものであって、公共の福祉に照らして必要に応じて立法府の意思で、例えば企業・団体献金を禁止するといった制限を行うことは合憲であるという立場に同様に立っていただけるということだと解しました。違いますか。企業・団体献金を禁止するとなると違憲の疑いが出てくるということなんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 これも繰り返しになりますが、憲法三章に定める政治活動の自由も含めて性質上可能な限り法人にも適用される、性質上可能な限りという中で、先ほど来申し上げているとおり、その制約の在り方については、公共の福祉からの必要やむを得ない制約であるかどうか、その必要性や合理性について慎重の上にも慎重に考える必要がある、したがいまして全面禁止については我が党としては行き過ぎだというふうに考えております。
○斎藤(ア)委員 分かりました。個人の持つ政治的な自由と法人、団体の持つ政治的な自由には差はあるけれども、法人、団体にも当然政治活動の自由があるので、企業・団体献金を全面禁止までするとなると、それは行き過ぎ、やり過ぎではないかという立場に立たれているということが分かりました。
では、次に、我々がなぜ企業・団体献金を全面禁止することは適切だと思っているのかについて、それに基づいて質問をさせていただきたいと思います。
まず、自民党提出者に改めて聞きますけれども、政治献金は何を目的になされるものなんでしょうか。また、政治献金と賄賂はどう違うのか、御説明いただきたいと思います。
○小泉(進)議員 まず、一般論としてでありますが、政治献金の目的については、国民の政治参加の手段の一つでありまして、自己の信念に基づき政党や公職の候補者を支援し、ひいては民主政治の健全な発達を希求して行われるものと考えております。
そして、今、アレックス議員が御指摘の二つ目、賄賂に関して。収賄罪は、公務員がその職務に関し、すなわち職務との対価性ある賄賂を収受等する犯罪行為をいう。政治献金と賄賂については、政治献金の形態を取って行われた財産的利益の提供が賄賂に該当するかどうかは、具体的な事実関係の下において、これを受領した政治家の公務員としての特定の職務行為との対価性が認められるかどうかに係るものであり、事実認定の問題とされており、政治家たる公務員の特定の職務行為との対価性が認められるか否かが政治献金と賄賂の分岐点となるものと承知をしています。
○斎藤(ア)委員 ありがとうございます。今御説明いただいたとおり、具体的な例に照らして、それが何かの利益供与の対価、引換えとしてお金を受け取っていれば、それは賄賂を受けたことになるし、賄賂を贈ったことになるということでございます。
しかし、一方で、この委員会とか、昨年のこの委員会の議論でも私は違和感があるのは、政治がゆがめられた、ゆがめられていないという言い方がありますけれども、ゆがめられているかどうかは人、視点によって変わるわけでございます。日本国にとってこの政策の方向性がいいと思っている方からすれば、それは政策がいい方向に変わったということで別にゆがめられていないし、逆にそう思っていない方からすれば、お金の力によって政策がゆがめられていると思うわけでございますから、お金を渡して何か政策に影響を及ぼそうとする考えそのものがいけないことではないと思うんですけれども、そのことはいかがでしょうか。
○小泉(進)議員 どのようにお答えするのがアレックス議員の問題意識に当てはまるのかなと思いますが。
確かに、ゆがんでいるか、ゆがんでいないかということをどのように見るかは立場によって異なるというのは、そのとおりだと思います。例えば、共産主義国家にしたいという立場の人がいて、我々は、いや、それは違う、民主主義を守りたいんだと言った場合に、どれだけ我々が頑張ったって、それはゆがんでいると言われるわけで、そういったことでよろしいんでしょうか。
○斎藤(ア)委員 そうなんです。
もう少し具体的に質問をさせていただくと、例えば減税してほしいと言われて献金を我々が受けて、減税に向けて頑張るというのは、別に賄賂ではないと思います。何か政策的な期待をされて献金を受けたとしても、これは賄賂と呼ばないと思います。具体的な話をすると極端な例になってしまって、それはそうだろうという話にしかならないんですけれども、ここに橋を架けてほしいと住民が思って私に献金したとしても、別に賄賂にならないと思うんですよね。橋を架ける業者が俺に受注させてくれと言って献金して、そこに発注したら、それは賄賂になるけれどもということで。何か浄財的な目的で日本をよくしてほしいというばくっとした思いだけじゃなくて具体的な政策の願いがあって献金するということは別に直接には賄賂にはならないと思うんですけれども、それはそれでいいですよね。
浄財的なものなんだ、企業、団体が行っている献金というのは浄財的なものなんだという建前でお話をされますけれども、企業、団体も当然何か願いがあって献金をしているはずなんですよ。例えば、税制優遇を拡大してほしいだとか、この産業にもっと投資をしてほしいだとか、貿易ルールを変えてほしいだとか、当然そういった願い、思いがあって政党、政治家に献金をしていると思うんですけれども、それを否定されるんでしょうか。そのことはいかがでしょうか。
○小泉(進)議員 そこは我々も、企業・団体献金の全てがそのような、浄財的な、全く見返りを求めないということを完全に排除できないとは思っていますし、個人献金だってそのリスクというのは排除できない、そういう立場を我々は御説明させていただいているところです。
○斎藤(ア)委員 今日私がお伝えしたかったのは、リスクとわざわざおっしゃっていただきましたけれども、それは当然のことであって、別にリスクと捉える必要はないと思います。企業、団体であっても、個人であっても、自分の利益につながるような政策を求めて献金するということが私は政治献金だと思いますので、それがいい悪いというお話をしているのではなくて、どちらだったら国民、有権者がそのお金の流れはいいと思っていただけるのであろうか、どこまでであったら国民、有権者が納得していただけるのであろうか、そういった観点で考えるべきだと思うんですね。
個人が献金をする、先ほど憲法の話をしましたけれども、個人が持っている憲法上の権利というのは当然企業、団体よりも大きいわけですから、個人献金も禁止すればいいかという議論では当然ないと思います。企業が持っている権利を例えば制限したとしても個人にはもっと政治的な自由があるというのは、それは当然のことだと思います。個人献金も制限すべきだという議論は私は違うと思いますので、まず企業・団体献金と個人献金を切り分けて考える必要があるということは、通告は具体的にしていませんけれども、そのことは御同意をいただけるんでしょうか。
○小泉(進)議員 これは、先ほど長谷川提出者が説明をしたとおり、できる限り制限は最小限にとどめた方がいいというのが共通見解だと思うんです。
皆さんがおっしゃっている企業・団体献金は禁止とするのが最小限なんでしょうか。禁止は最大ですよね。一方で、皆さんが求めているのは、個人献金を促進するために税額控除をNPO以上に引き上げる。だから、むしろ、アレックス議員が問題意識を持たれている企業と個人の差をどのように考えるかというと、皆さんが提出している案は、これを更に、抜本的に差を開かせる案なんですよ。我々はその立場には立たないということであります。
○斎藤(ア)委員 分かりやすく説明をしていただき、ありがとうございます。
最後は有権者の皆様に判断を委ねることにならざるを得ないと私は思うんですね。我々日本維新の会からすれば、端的にどういう選択かということを説明すれば、企業・団体献金を受け取っている、それが全て悪いとは我々も言いません、ただ、それが政策に影響がないかといえば、そんなことは決してないはずなんです。その方々は誰もが何か政策に影響を及ぼそうとして献金しているわけでございますから、そのことがいい悪いと申し上げているわけじゃないんですけれども、それで国民、有権者の皆様はいいんですかと。
個人にも献金する権利があります、献金しています、政治家に。それは当然、政治家の動きにも影響を与えます。それを比べていただいて、どちらの方が好ましいのか、どちらを制限する必要があるのかないのか、そのことを端的に国民の皆様に判断いただく、選択いただくことが今回の論点なのじゃないかなというふうに思っております。
そのときに、先ほど申し上げたように、個人には企業、団体よりも憲法上の権利が、政治活動の自由が認められているし、それを守らなければならないから、個人がする個人献金を制限するというのは私は重ねて慎重であるべきだと思うけれども、例えば有権者の皆様が、企業、団体から政治家がお金を受け取るのはおかしい、やめてもらった方がいいと思うのであれば、それは私は憲法で禁止されるべきものではないと。有権者のそういった意思があるのであればそこは禁止をすべきだと思いますので、是非そういった分かりやすい議論を日本維新の会としては国民、有権者の皆様に問うていくということをさせていただきたいというふうに思います。
通告の中では、企業・団体献金と個人献金の違いに大きな差を設けることは認められるべきではないかなということを通告させていただいたんですけれども、そこは今お答えいただいた内容からすると大きな差を設けるべきではないというのが自民党の立場であるのかということを重ねて確認させていただきたいと思います。
○小泉(進)議員 先ほど御説明させていただいたとおり、今のアレックス議員の御質問また訴えを聞いていると、禁止法案を出しているアレックス議員も柔軟なんだなということがよく分かりました。
そして、例えば企業・団体献金と個人の差をつけるべきかどうかでいうと、例えば国民民主の玉木さんはむしろ、一律に二千万にしろ、余り差を設けない、こんな発信をされていますよね。一方で、れいわの高井先生の発言を聞いていると、政治団体の今までの問題というのも立法事実として、過去の不正だったりこういったことがあるのにそこを塞がないのはおかしいじゃないか、だけれども現時点では仕方がないから企業・団体献金禁止に乗りますという立場。我々は、いやいや、いきなり最大の制限になる禁止というのは余りにも乱暴ではないか、むしろ公開を強化する。
先ほどの、国民の皆さんの声も受け止めて考えるのが大事だということでいえば、今まさに世論調査をすれば禁止すべきだという声もあります、ただ一方で公開をより強化すべきだという声も多くあります。そういったことを鑑みたときに、民主主義のインフラをこの委員会で決着を今月末までにつけていくときに、一足飛びに禁止という結論を出すというのは、むしろそこは乱暴な形になってしまうのではないかというのが我々の立場です。
○斎藤(ア)委員 丁寧に議論をさせていただきまして、ありがとうございました。
いずれにしても、我々は企業・団体献金禁止というのは譲れない線だと思っております。どこまでここは合意に至れるか分かりませんけれども、個人献金と企業・団体献金、差をつけることは妥当だと思っておりますし、禁止することも決して憲法違反ではないと思っておりますので、その点、最後まで諦めずに議論を続けさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、長友慎治君。
○長友(慎)委員 国民民主党の長友慎治でございます。
これまで、公開を強化して企業・団体献金を存続するという自民案と、そして企業・団体献金を禁止するという立場での野党五会派がまとまった案ということで、残された期間の中で何とか一致というか着地点を見出していこうと皆様が御努力いただいていることに敬意を表したいと思います。時間が限られてリミットが迫っている中で、是非建設的な議論ができればと思うんですが。
各法案提出者の皆様にお聞きをしたいと思います。
まず、直近の三月の世論調査、共同通信が行ったものだったりメディアが行ったものがありますけれども、共同通信が行ったものでは、与野党は企業・団体献金の扱いについて三月末までに結論を出す方針です、あなたは企業・団体献金を禁止するべきだと思いますか思いませんかと尋ねた結果が、禁止するべきだが五六・四%、禁止する必要はないが三一・五%、分からない、無回答が一二・一%というふうになっています。また、産経新聞社とフジニュースネットワークが三月の二十二日から二十三日に実施した合同世論調査では、企業・団体献金の扱いについて尋ねたところ、禁止すべきだが二四・九%にとどまって、公開すべきだとの回答が四九・三%で最多を占めている、そういう結果もあったりします。
禁止するべきだと答えた人が約半分いたり若しくはそれ以下という世論が今あるわけなんですが、各法案提出者の皆様の世論の状況に対する受け止めというものをお聞かせいただきたいと思います。
〔委員長退席、後藤(祐)委員長代理着席〕
○小泉(進)議員 ありがとうございます。
まず、トレンドを見ると、公開をより強化すべきだという声は、多くの支持があるというのはトレンドとしては言えると思います。一方で、長友委員から紹介いただいた世論調査をやった主体がどこかによってその割合が異なることも事実であります。
ただ、今回問われていることは、かなりゼロ、百に近い、禁止をするかどうか、公開かどうかということに対してこのような数字が出ていることは、少なくともこの声を正面から受け止めれば、一足飛びに禁止することを国内の世論的に全体として強く求められているということにはならないのではないかなというふうに私は受け止めております。
○本庄議員 お答えいたします。
アンケートは、調査によっていろいろな結果が出ているんだろうと思うんですね。
例えば、今御紹介されたもの以外でも、昨年十二月の毎日新聞なんかを見ますと、企業・団体献金について禁止すべきが四八%ですが多くて、禁止する必要はないが透明性を高めるべきは三九%で、禁止の方が上回っているという調査もあります。あるいは、ロイターが企業に行った一月の調査、これは出し手側に行った調査ですけれども、企業献金を廃止するべきと考える企業が八割、こういう調査もありますので、アンケートを一つ一つ取り上げて是非を論じるべきかどうかということは、私は議論があるというふうに思います。
聞き方はあると思うんですね。例えば企業献金をやめて個人献金に置き換えるべきですかと聞けば、私はまた違う答えが出てくるだろうと思います。その上で、例えば今おっしゃった共同を見ても、政治と金の問題が自民党政権下で根絶に向かうかどうかと聞かれて、向かわないが七八・五%、八割というような調査もあります。
こういった政治不信を払拭するためには、私は、思い切った対応が必要だし、少なくともこの三月末までに結論を得るという国会で決めた約束事についてはきちっと答えを出すということが信頼回復の第一歩だというふうに考えています。
○青柳(仁)議員 お答えさせていただきます。
まず、企業・団体献金に関しては、多分ここにいる政治家の皆さんあるいは官僚の皆さんが一番よく、それに対するどういう見返りが与えられているのかということを御存じだと思います。租税特別措置であるとか補助金であるとか規制であるとか、実際に携わっている方も多くおられると思います。そういったことはほとんど公開されていませんから、もし公開法案というならそういったところ、見返りの部分も公開すべきだと思うんですが。
そういった公開されていない部分が明らかでないにもかかわらず、今御紹介がありましたとおり、国民の皆さんが、共同通信の調査では禁止すべきだが五割を超えている、こういう状況はやはり重く受け止めなければならないと思いますし、実は、昨年末に共同通信が行った調査のときは何と七割ぐらいの方が禁止すべきだと言っていました。その他の調査でも、例えば時事通信の調査では企業・団体献金禁止に四三・六%が賛成、反対は二五・二%、NHKの調査でも企業・団体献金禁止に賛成の国民の皆さんが五一%、維持すべきというのは三四%、そして朝日新聞の調査でも国民の方の五三%が企業・団体献金禁止に賛成、その必要はないと答えたのは三六%です。こうした事実を我々は国会議員として重く受け止めるべきだと思っております。
○緒方議員 御質問ありがとうございます。
何度かほかの答弁者からもありましたが、統計学というのは、設定する問い、パラメーターによって回答が変わるというのは、これは間違いのないところでして、思い出していただければ分かりますけれども、選択的夫婦別姓の世論調査だって少し質問を変えるだけで回答が変わったというのは我々は既に見ているところであります。どういう質問の形態なのか、流れとか回答のバリエーションとかで変わるので、余りそこに一喜一憂することは適当ではないんだと思います。
最終的には、企業・団体献金が政治に何をもたらすのか、どういう影響をもたらすのか、そういった本質的な議論が必要なのだろうというふうに思っております。
〔後藤(祐)委員長代理退席、委員長着席〕
○長友(慎)委員 各会派の皆様、御回答ありがとうございます。皆様がお考えになっているのは、アンケートのたてつけや設計によって回答の出方も変わるだろう、それもそのとおりだと思うんですが。
直近のアンケートで私が世論はこうなのかなと思ってしまうのが、御披露いただいたアンケートは結構、去年のとか、ちょっと古いのは高かったんです。でも、直近のアンケートだと企業・団体献金を禁止という声が低くなっているんですよね。これは何なのかなと私は思うわけなんです。
また、去年の政策活動費の議論のときを思い出していただきたいんですが、政策活動費を全面的に廃止するべきだ、一方で一部公開方法工夫支出という形で残すべきだという、これも世論調査をしたときに、あのときは世論の八割近く若しくは八割以上が、一部公開方法工夫支出というようなことはなしで、全面的に政策活動費を廃止するべきだと。そのような世論があったおかげで、私は自民党さんも全面的な廃止を決めていただいたんじゃないかなと思っております。
当然、私たちは世論を気にするじゃないですか。本質的な議論は必要な一方で、皆さんがこの議論をどういう背景でしているかというと、参議院選が控えている等を考えますよね。といったときに今現状の世論が企業・団体献金に対してそこまで全面的に禁止するべきだというふうになっていないことに私自身も意外性を持って見ておりますし、なぜなんだろうなと感じているので、お聞かせいただきました。
その上で、立憲、維新、有志の法案提出者にお伺いをしたいと思います。自民党案と野党五会派の一本化案、それぞれが今、平行線でございます。このままでは両案とも成案を得ないというか、どちらも賛成多数にならない可能性が出てきている中で、もし我々国民民主党が野党の方の法案の賛成に回った場合、確かに衆議院では野党の方の案が賛成多数になるかもしれません、衆議院は通るということになるかもしれません。一方で、それが参に回ったときに同じように賛成多数になるか、そこは私は個人的に難しいんじゃないかと考えるんですが、それでもこの衆議院の委員会で与野党で賛成を得るのではなく野党の五会派一本化案を野党だけで通すということに皆様はどのような意義を考えていらっしゃるのかを、立憲、維新、有志の法案提出者にお伺いしたいと思います。
○大串(博)議員 十二月の政策活動費の廃止のときの議論を思い出していただければと思うんですけれども、自民党の皆さんは公開方法に配慮を要する支出があるという御主張でいらっしゃいました。それに対して野党が大きくまとまったがゆえに、流れとして衆議院においては政策活動費を廃止するということが採決できる環境にあった。私はこのことを受けて、与党の皆さんも最終的にはこれを受け入れざるを得ないということで、政策活動費の廃止ということの採決が成った、かつ参議院においても通った、こういうことに至ったのではないかと私は見ています。すなわち、衆参両方でしっかりとした議論が行われるというのが国会のたてつけですけれども、衆議院においてどういう結論を出すかというのは極めて大きいということなんだと思います。
そういった意味で、私たちは五党派で企業・団体献金禁止法案を出させていただきました。国民民主党の皆さんが乗っていただければ、衆議院において採決し、可決し、参議院に送ることができるという状況にありますので、是非国民民主党の皆様にも御協力をいただけたらなというお声がけをさせていただいているところです。
その中で、公明党、国民民主党の皆さんから御提案も一昨日いただきました。内容は吟味させていただいています。私たちの基本ラインは変わりませんけれども、ただ、提案いただきました内容を吟味させていただいております。傾聴に値する議論もたくさん含まれていると思いますので、是非法案の形で出していただいて、もう時間も三月三十一日まで迫ってきておりますので、できるだけ早く法案の形で出していただいて、この場で建設的な議論をさせていただけたらなというふうに思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。
○青柳(仁)議員 お答えいたします。
まず、衆議院と参議院で与党の態度が変わり得るということは、今のまさに高額療養費をめぐる予算案の審議を見ていても明らかなわけでありまして、事実であると思っております。
今回の政治資金規正法の企業・団体献金禁止は元々は、元をただせば政治と金の問題、いわゆる裏金問題によって国民の政治不信を招いてしまった自民党に責任がある、これをどのように払拭していくかという流れの中で、今回の与党過半数割れという民意の中で野党が一致結束して衆議院を通すことができれば、その民意に対して参議院で自民党単独でこれを覆すということは参議院議員選挙を前に極めて難しいと考えますし、また、そうしない可能性が高いということは、繰り返しになりますが、今回の予算の審議を見ていても明らかなのではないかと思っております。
そういった観点から、衆議院でしっかりと成立させられるかどうか、これは国民民主党さんに私は懸かっていると思っておりまして、これは本当に真摯に、今回、案を出されるということですから、我々もしっかり受け止めて議論をさせていただきたいと思っております。
○緒方議員 参議院で通らなかったらどうなんだということで、その意義という御質問でありました。
我々は衆議院という独立した院に属する議員であります。私自身、福岡九区というところから当選し、この場に置いていただいていることに誇りを持って、独立した院として意思を示すということについては、とても大事なことだと思いますし、我々は四人ですけれども、衆議院だけにしか議員がおりません。そういう中、参議院で通らない可能性があるからこんなことをやってどうなんだとその意義を問われるというのは、個人的にはとても残念です、とても残念です。この問いが長友議員の本心から出たものではないということを信じたいと思います。
○長友(慎)委員 各会派の皆さんの考え方をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
三月の末までに与野党での成案を得るというのが我が会派の考え方であります。であれば野党だけで通そうということに関しては今回の議論では違うのではないか、これは法案ではありませんので。我々が法案ではないと言うのは、いわゆる政治家としてのフィールドの話をしているわけであって、同じ衆も参も共通する政治資金の規制の中身になるわけであって、これは与野党でやはり成案を得るという努力を是非していきたい。残り時間は少ないんですけれども、本当は今日までにも各党各会派の協議が与野党で行われて、三十一日を迎えられるように、これは当然、この委員会でもそうですし、政治改革本部長レベルでもやっていただくということを、私は大事なことだと思います。でなければ成案が得られないと思うからです。
そして、自民と立憲の法案提出者に最後にお伺いをしたいと思います。
三月十七日の参考人質疑の中で、東京大学の谷口教授が次のような話をされました。これは福島議員の最後の質疑のときに披露されたものですが。
企業・団体献金の即時全面禁止、もし与野党で合意なされるのであればこれは反対するものではございませんが、何かしらの習慣をやめるというようなことを御想像いただければと思いますが、これはたばこの喫煙のことを言われていたと思います、あしたからきっぱりやめる、ゼロにするというのと、まずは量を半分にして、体が慣れたらまた半分にしてとだんだん段階的に進めていくのと、実効性はどちらがあるんだろうかということで、まさに道筋論を述べられたわけなんです。
結論を得るための道筋を我々も今見出していくために議論していると思っております。お互いに平行線でむしろ距離が広がるのではなく、お互いに成案を得るための道筋論を見出していかないといけないと思います。三月の三十一日までに与野党で結論を得るための道筋をどう考えていらっしゃるのか、与党第一党の法案提出者と野党第一党の法案提出者にそれぞれ伺います。
○小泉(進)議員 今御紹介があった参考人の谷口先生のこの段階論、仮に企業・団体献金を禁止するならばという前提での谷口先生の段階論ですけれども、これが仮に、そのような段階論を踏むとしたら、私は、スタート時点としてあるべきなのは三十年前の事実認識を合わせることだと思います。その事実認識が合わないまま最終到達地点に向かって一緒に行くことはできないと思います。
ただ、残り五日間、こういった中で一つでも前進を見る、この責任感は与野党で合意をしていると思うんです。それがあるから申合せをしたわけですから。
その中でいえば、先ほどのアレックス議員の、今までよりも私はかなり柔軟な思いをお話をされているなというふうにも思いましたし、前回、二日前の質疑においても、どなたでしたか、高井先生だったかな、かなり柔軟なお話をされていましたので、この中でまず一歩前進だと思うのは、やはり公開を強化する我々の案ではないでしょうか。
○奥野議員 今、三十年来の宿題であります企業・団体献金の禁止について議論しているわけでありますが、自民党さんの裏金問題や十万円の問題で政治への信頼が地に落ちている中で真摯にやはり最後まで結論を得るべく努力すべきだと思いますし、三月十九日に野党案も一本化して、野党五会派の法案も出たわけであります。この成立へ向けて我々も最後まで努力していきたいと思っています。
国民民主党は玉木代表が、テレビでしたか、野党案がまとまればその案に乗りますよとおっしゃっていたわけです。我々は今もそれを信じてこうやって出しているわけでありますから、是非五会派案の成立に御協力いただきたいと思います。
そして今、また対案の話をされているようでありますが、もし対案があるというのであれば早く出していただきたい。三月三十一日というのであれば、一刻も早く出してここの議論の俎上にのせていただくのが私は筋だと思います。御協力をお願いしたいと思います。
○長友(慎)委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。
今日も質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。今日もというところが結構ポイントになってくるわけですが。回数を重ねながらこの議論が進んできたのかなというふうにも思っております。今日は、事実関係というか、それぞれの各党の状況なんかも少しお伺いできればなと思いまして、法案の中身にも後半は入りますが、その前に事実的なところも少しお伺いしたいなと思っています。
我が党も含めまして、各党は政党支部というのを持っていると思うんですね。その政党支部が、自民党ばかりが七千七百あるという話が出るわけですけれども、確かにその数は多いというのは私も認識をするところですけれども、だからといってほかの政党が、その政党の下に政党支部が全くないということでもないんじゃないかなというふうにも思っているし、またその政党支部に何らかの資金というのも当然入っている、こういった状況もあるんじゃないかなと思っています。そういった意味において、今日は立憲民主党さんの政党支部について、私、今まで認識がなかったんですけれども、少しお聞かせ願えればなと思って、質問をさせていただきたいと思います。
まず始めに、立憲民主党の下にある政党支部のトータルの数は幾つあるのか教えていただけますでしょうか。
○吉田(は)議員 お答え申し上げます。
総務省への本年三月時点での届出の数字では三百七十九支部ございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
立憲民主党さんの下にある政党支部の数は全てで三百七十九と。ほぼほぼうちの党と近いかなというふうにも思っていますが、確認させていただきました。
そうしましたら、次に、そのうち国会議員関係政治団体の政党支部の数はお幾つあるのか教えていただけますでしょうか。
○吉田(は)議員 お答え申し上げます。
三百七十九支部のうち、国会議員関係政治団体の政党支部の数は二百九十六支部でございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
国会議員関係政治団体の政党支部は二百九十六と。ちょっと思ったよりも多いなという感じがしたんですが。というのは、国会議員さんの数からいくと当然、元職とか新人さんの方もおられるので国会議員の数そのものには合わないとは思うんですけれども、ちょっと多いなという感じがしました。これはあれかな、一人で二つ持っている人もいるのかどうか。今日はここは聞きませんので。
その上で、公表されている事実に基づいてお伺いをしたいと思うんですが、私は三重県出身でございますので、岡田克也前幹事長の収支報告書を拝見させていただきました。岡田前幹事長の政党支部、立憲民主党三重県第三選挙区支部ですけれども、二〇二二年の収支報告書におきましては企業・団体献金が七百四十三万円ございました。また、二〇二三年の収支報告書においても企業・団体献金が、これは偶然かと思うんですけれども、同額の七百四十三万円計上されておりました。私の見た範囲においては同額だったと思うんですが。
このように、二〇二二年及び二〇二三年の二年間で企業・団体献金を受け取っている国会議員関係政治団体の政党支部、二百九十六ということで、ちょっと前ですから少し差はあるかもしれませんが、二〇二二年と二〇二三年の二年間で国会議員関係政治団体の政党支部で企業・団体献金を受け取っていた団体の数をお教えください。
○吉田(は)議員 中川先生にお答え申し上げます。
昨日こちらの御質問を頂戴しまして、調べてみようといたしましたけれども、全部の収支報告書を点検するのは本日の委員会までには困難でございました。しかしながら、政党支部の企業・団体献金の合計額、こちらは分かっております。二〇二二年度が約二億八百二十六万円、そして二三年度が約一億六千五百五十万円となっております。
○中川(康)委員 私は額を聞いているわけじゃなくて、何団体ありますかということを聞かさせていただきました。今、調べようと思ったんだけれども困難でありましたというお話がありましたけれども。
私は通告させていただきましたし、あと、二百九十六前後で二年間だから、当然、総務省なり都道府県選管に公表されていますので、立憲民主党さんの事務局のレベルであれば、ばっと見たら、団体数だけを私は知りたかったものですから、分かるんじゃないかなというふうに思うんですが。昨日の夕刻ぐらいに私はこの内容を通告しているんですけれども。二百九十六の掛ける二ですね、本当に調べ切ることができなかったんでしょうか。団体数を知りたかったものですから、もう一回お答えください。
○大串(博)議員 ありがとうございます。
昨日夕刻に通告を受けました。どのように調べるかということも事務局で検討を始めました。私も昨日の夕刻以降、その検討状況に関わってまいりました。御案内のように、総務省そして地方、両方ございます。数百ございますので、それらの中でどれだけの企業・団体献金を受け取っているもの、受け取っていないものがあるのかを今日この時点までに集計することは大変難しゅうございました。これが現実でございます。
○中川(康)委員 そうしましたら、団体数は分からなかったけれども、総額は今発表していただきました。総額はなぜ分かったかというところもお教えください。
○大串(博)議員 これは政党支部で受け取っている企業・団体献金でございます。党本部の方に資料がございます。政党支部で受け取っている企業・団体献金を集計して、先ほど御報告させていただいたものでございます。
○中川(康)委員 その額は私は要望はしなかったんですけれども、教えていただきましてありがとうございました。二〇二二年は二億を超えている、二〇二三年は一億を超えているという状況でした。
今、企業・団体献金のあるべき姿、そしてその一つの受け口としての政党支部というところが議論になっているわけですけれども、技術的には全く不可能ではないと思いますので、私は二年間でいいというふうに言っていますので、企業・団体献金を受け取っている国会議員関係政治団体の政党支部の数をいつ出していただくのか、これを御答弁ください。
○大串(博)議員 合理的な範囲内で、委員会の方で指示があれば、できる限りの努力をしたいと思います。
○中川(康)委員 いや、これは委員会の指示じゃないですよ。だって、公表されていて、それを事務的に作業すればいいわけですから。三月二十八日も委員会があるというふうに思いますが、そこで私はもう一度伺わさせていただきたいと思いますけれども、そこまでのお調べで、通告をちゃんとしますから団体数を御報告いただけますでしょうか。
○大串(博)議員 答弁に真摯に臨むのは当たり前のことでございます。一方で、作業も夜を徹して行うものを求められているものではないのではないかと思いますので、合理的な範囲内で、しかるべく真摯に答弁に臨みたいというふうに思います。
○中川(康)委員 私はこれ以上は言いませんけれども、例えば、今、立憲さんの黒岩さんが御質問されたときに、帳簿五万円以下のところも全部調べて、帳簿を出せということをおっしゃったわけですよ。そのお願いからすると、私のお願いはもっと簡単なお願いだと思うんですが、そこを二十八日はどうですかと言ったんだけれども、明確にお答えいただけなかったというのはちょっと残念だったなと思います。
ちなみに、私は三重県ですので、三重県の皆さんのやつをちらちらと昨日の深夜に見ていましたら、新人議員の方でも、去年の十月に当選された方でも、二〇二三年の収支報告書で新人の方でも企業・団体献金がありましたですよ。ああ、新人の方もまだなる前から企業・団体献金を立憲民主党さんは受けているんだな、こんな感想を私は持たさせていただきました。
次に、立憲民主党さんは、昨年、二〇二四年の臨時国会、また二〇二五年の今国会において企業・団体献金禁止法案を提出されておりますけれども、少なくともこの禁止法案を出されている二年間においては、やはり私は隗より始めよというこの精神が大事だと思うんです。そういった意味においては、党所属国会議員の関係する政党支部については企業・団体献金は既に受けていない、その上で今回の法案を共同提出も含めてお出しになられている、こういったふうに理解していいのかどうか、ここのところを教えてください。
○大串(博)議員 私、今、党の政治改革推進本部の本部長という立場にありまして、党の皆さんの政治改革に臨む態度そしてスタンスを預かる立場にあります。
私たちは企業・団体献金禁止法案を出しております。一方で、政治資金規正法あるいは公職選挙法というのは、政治家あるいは政党、政治団体がどのような政治活動をしてよい、よくないということを決める、それによって各政治団体、政治家が国民の皆さんの支援を得て支持を広げ、それは状況によっては選挙というところで問われ、ある意味政治家及び政党、政治団体が競争する共通のルールを決めるものだというふうに思っています。共通のルールを定める以上、その共通のルールが適用されるのは同じ時点で適用されるべきだと思いますので、同じルールが適用されるときに同じルールに服していくという考え方で全議員に通達を今しているところです。
○中川(康)委員 結局イコールフッティングということだというお話を、答弁として賜ったというふうにも思います。
今回、二〇二四年と二五年だけじゃなくて、立憲民主党さんは二百八回国会の二〇二二年の六月にも企業・団体献金の禁止法案を出されているんですよね。前国会のときにはパーティー全面禁止法案というのを出されていまして、このときも結構同じような議論があって、パーティー全面禁止法案のときには結構国民の皆さんからも御批判があったのかなというふうにも思っていますし。例えば、私は同じ三重県ですから岡田幹事長のやつを見させていただいたんですが、二〇二二年の六月に二百八回国会で禁止法案を出されているときに、その二か月後に岡田さんは幹事長になられているんですけれども、その後も結局、企業・団体献金をお受けになられているんですね。
今の雰囲気でいくとイコールフッティングだからそこまではいいんだというふうに私には聞こえたんですけれども、しかし、出している以上、範を持って示すとか、隗より始めよというところは大事じゃないかなというふうに思うし、さらには、今、ちゃんとテーブルができれば、合意ができればみたいなニュアンスだったかのお話をいただいたわけですけれども、そうなってくると、私は、与野党を踏まえて、企業・団体献金の在り方というのは個人献金も含めてすごく大事な議論ですから、やはりそういった姿勢で我々はしっかりと議論をしていく、そして、ぱちっと合ったら今まさしく大串先生が言われたイコールフッティングというのはあり得るのかなというところの御趣旨の御答弁をいただいたのかなというふうにも思いました。今、後ろでいろいろと言っていますけれども、うちは別に禁止法案を出していませんので。
その上で、次は法案に対してお伺いさせていただきます。
まず、衆法第二一号の一部野党案の提出についてお伺いしますが、この中で雇用関係の不当利用等による寄附等の制限というところがありまして、これは結構ポイントになっています。この内容を少し見させていただくと、私が見る限りにおいて影響力の不当利用等を立証するすべというのはないんじゃないかなと思いますし、既に議論に出ていますけれども、罰則も設けられていないというところがあります。ここに対して、福島委員なんかは新たな提案なんかもされていますが。果たして本当にどこまで実効性が担保できているのか。ここはやはり私は自分の中で疑問が解けないんですが、ここのところを御答弁いただければと思います。
○本庄議員 お答えしますが、その前に、前段のやり取りですけれども、我々は個人献金の拡充もセットで提案しているんですよね。だから、一面だけ取り上げて先行してやれというのは、私はちょっと片手落ちの議論じゃないのかなというふうに思います。
その上で、お尋ねの件なんですが、確かに我々は今回の提出法案に罰則まではつけておりません。その点の御指摘をいただいたんだろうと思いますけれども、しかし、我々の条項に法的効果がないのかと言われれば決してそうではなくて、刑事裁判における裁判規範というものは十分になくても、本条の禁止する核心的な部分、それから本条の禁止規範としての趣旨は明確でありますので、行為規範として十分に機能する法規範たり得るというふうに考えています。また、グレー、曖昧な部分についても、行動準則として機能することによって十分に抑止効果はあるというふうに考えます。
そして、福島委員の御提案も今御紹介がありました。第三者機関がもし設置されればそういった面も含めて機能を持たせるというのも一つの考え方だというふうに思いますので、実効性あるものを目指していきたいというふうに考えています。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
そうしましたら、今、個人献金の促進も同時に出しているということもおっしゃられましたので、その部分を聞きたいと思うんです。
これも幾つか既におっしゃられている方はいると思うんですけれども、個人献金に係る税額控除の拡充ですね、ここの部分、我が党も理解するところであります。しかし、この控除率、一部野党案では二千円を超え一万円以下の部分は全額控除、また一万円を超え五万円以下の部分は五〇%控除ということで、非常に高い控除率が設けられております。この控除率を何%とするかについては、現行法上、認定NPO法人や公益法人等に対する寄附の税額控除率が四〇%であることを踏まえると、これよりも高い控除率を設けるということは、これはやはり見ようによっては政治団体のみを優遇している、こういった意見、批判も受ける可能性があるのではないかというふうに思いますが、そこのところの法案提出者の御意見を賜りたいと思います。
○吉田(は)議員 お答え申し上げます。
確かに、この法案では、個人のする政治活動に関する寄附について、税額控除を拡充して個人寄附を促進しています。特に、一万円以下の寄附については二千円を足切りにして全額控除するという、かなり思い切った提案をさせていただいているんですが、これは私は、公明党様の理念にも実は合致する大衆とともにというところ、本当にお一人お一人とつながっていく、これこそが政治活動の中でとても大事ではないかと。ここまで思い切ってやろうというところでございます。
なお、NPO法人よりも優遇しているんじゃないかというところなんですが、まずNPO法人は企業・団体献金を受けられます。この点でもう優遇されておりますので、一概に比べるのはちょっと無理があるかなというふうに思います。
そして、せっかくですのでもう一つだけ述べさせていただきたいんですが、今回、例えば一人の社長から百万円の企業寄附をしてもらう、一社から百万円もらうよりも一人の人に千円の寄附をしてもらう、これには千人必要です、時間がかかります、手間もかかります。でも、これこそが一人一人とつながっていく本来の政治活動の在り方だと思います。今、政治の信頼回復が言われているとき、私たち政治家が自らに厳しく、ここまで踏み込んでやるべきことが政治の信頼回復につながると思いますので、是非、御党の御理解も賜りたく存じます。
○中川(康)委員 そういった考え方は様々あるというところを、私も今、学ばさせていただきました。私どもは、考え方の中で、一つのラインの四〇%というところがあるべきじゃないかというふうにも思っていますので、ここのところはまた我々としてもしっかりと考えていきたいというふうにも思います。しかし、政治団体が優遇されないようにというような方向でしっかりと議論をしていきたいというふうにも思います。
最後は自民党さんにお伺いします。
自民党さんがお出しになられている企業・団体献金の公開強化法案ですが、自由討論の中で自民党の長谷川委員から、総務省の意見も踏まえまして約七千七百の政党支部について公開強化法に基づく集計、公表を行うことはなかなかしんどい、実務上困難だという話がありました。昨年の政治資金規正法の改正においては、収支報告書のオンライン提出義務化とともにインターネット上でのデータベース化による公表が規定されておりますけれども、今後このデータベース化による公表が実現した場合、更なる法改正をも含めてその対象を更に広げていくという、こういった考え方はあるのかどうか。法案提出者の意見を賜りたいと思います。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、オンライン提出の義務化ですとかデータベース公表の対象でない政党支部については、現状、オンライン提出の義務化、データベース化がなければ、実務上、総務省が答弁したとおり現時点において政党支部については公開強化法案の対象とすることは困難だと。その上で、委員がおっしゃるようにデータベース化の前提となるオンライン提出を拡充していけば実務的には可能でございますが、昨年の臨時国会でも議論がありましたように、オンライン提出の義務化そしてデータベース化というのはそもそも、国会議員関係政治団体の様々な不記載の問題等々を踏まえて、多数の野党の皆さんの賛同もいただいて実施した。
なので、まず拡充するに当たっては、政党支部を含めてオンライン提出の義務化そしてデータベース化を図るかどうか、地方の政党支部も含めて拡充するかどうかということの妥当性を議論する必要があるということとともに、実務上、特に都道府県選管も含めてデータベース化、オンライン提出、これは我々国会議員でも平成二十二年に努力義務になったところでございますが、令和五年分でまだ一二%しかオンライン提出ができていないということでございます。実務上どういった形で道筋をつけてオンライン提出の義務化を進めていくか、そうした実務面の話、そして地方組織、地方政党支部に広げることの妥当性、この二面を十分に勘案した上でデータベース化の拡充を検討する必要があると考えております。
以上です。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
今日は、政党支部の状況というのを知りたいと思って前段は質問させていただきました。以上で質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。
○渡辺委員長 この際、本庄提出者から発言を求められておりますので、これを許します。
○本庄議員 済みません、先ほど中川委員への答弁で片手落ちという表現を使いましたが、不適切でございますので、一面的というふうに変えさせていただきたいと思います。申し訳ございませんでした。
○渡辺委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 れいわ新選組の高井でございます。
おとといの委員会でも議論させていただきましたが、私は、三月三十一日までに結論を出すというのは、去年の十二月十七日、衆議院政治改革に関する特別委員会理事会の申合せで、企業・団体献金禁止法案については衆議院政治改革特別委員会において精力的に議論を行い令和六年度末までに結論を得る、すなわち三月三十一日までに結論を得るという大変重い申合せだとは思います。小泉委員も、国会の権威に関わる、守らなければと言われました。
しかし、昨日、国民民主党と公明党から新たな提案がなされ、しかも、私もいただきましたけれども、素案というものであります。条文はいつになりますかと聞くと、どんなに頑張っても金曜日だという。そういう物理的な制約もある中で出てきたもの、まさに与野党が大きく対立している中である意味折衷案というか協議すべき案だと思いますが、こういったものが出てきているにもかかわらず、とにかく結論を得ると。まとまらないということも結論ですからね。恐らく自民党さんは、まとまらないという結論になりましたと言いたいんじゃないかと私は推測をしますが。
しかし、そんなことは国民の皆さんは許さないと思います。ずるずる延ばすんじゃなくて、数日ですよ。一週間とか延ばせば、十分、合意に至る可能性が広がるわけですから。正直、さっき野党の理事が集まって話し合いましたけれども、野党の理事はおおむね皆さん合意していただいています。是非、自民党さん、三月三十一日という期限にはこだわらなくてもいいんじゃないですか。
○小泉(進)議員 まず、理事会で提案もされていないので、今の発言というのは全くあずかり知らないところでありますので、その点についてコメントすることは差し控えます。
齋藤筆頭がいますから、正式に野党が一致団結をして、我々が与野党で交わした衆議院のこの理事会申合せ、変えるということで野党が一致したと今先生は言いましたけれども、それは理事会でやっていただかないと私はコメントすることはできません。
○高井委員 私の質問に答えていただければいいんですけれどもね。同じような答弁だから時間の無駄なので聞きませんが、おおむねそういう意見だったということも伝えました。正式には理事会でやることだと思いますが。今ここで繰り返しの答弁は要りませんし、三月三十一日まではまだ時間はありますから、最後までそこを目指すべきですけれども。
しかし、もしこのまま、まとまらないことを合意した、結論を得たということになればマスコミの皆さんとかインターネット中継を見ている皆さんは、どう考えたってまとめようとしていないわけですよ、金曜日に初めて条文が出てくるものを時間切れだと言ってまとまらなかったという結論を出す、誰が一番得かといえば自民党さんですよね、現状維持が結論になるわけですから。それはゆめゆめ、私は国民の皆さんの批判が全部自民党さんに行くと思いますし。
それから、国民民主党と公明党の案、これは本当に出してほしいです。まとまらないと出さないといううわさも仄聞しますけれども、出していただかないと合意になりませんし、まとまるまで出せないというんだったら、まとまるまで協議しましょうよ、この委員会を延長して協議しましょうよ。そのくらい国民の皆さんは待ってくれますよ、数日や一週間。そういうことを強く申し上げておきたいと思います。
その上で、法案の中身ですが、私は正直、さっき小泉さんも言いましたけれども、立憲民主党、維新、有志、参政、社民、野党五党派の案はまだまだ不十分だと思っています。点数にしたら五十点ぐらいだと思っています。問題は、政治団体が事実上の企業、労働組合の献金のトンネルになり得る余地がある。私は、そこは維新の会さんが一千万円まで制限して憲法上許されるぎりぎりのところまで持っていったというところは評価したいと思うんですが、しかし立民さんに譲歩してしまった。
ですから、私は、自分たちれいわ新選組の理想とする案、これは法制局とも相談して憲法上ぎりぎり。全て政治団体を禁止すれば憲法違反の疑いがある、そこは了解いたしますので、だったら、維新さんは憲法上できる一番最低の額が一千万だとおっしゃっていましたけれども、私はもっと低くできる。れいわとしては、個人献金が百五十万ですからその倍、上限三百万、総枠は一千万の倍、二千万という案を準備していますので、提出したいと思います。これがれいわの案です。しかし、なかなか通らないでしょう、恐らく。
百点を目指しても、零点だったら意味がないんですよ。だから五十点の今の野党案に賛成する余地はあります、ほかの野党も乗ってくれて通るんだったら賛成しますから。ゆめゆめ、れいわが独自案を出すからといって、国民民主党さんとか公明党さんが言いそうなんですけれども、野党がまとまっていないじゃないかとか、そういうことではありませんから、そこは誤解のなきように。
そして、公明党と国民民主党の案は、私は正直、二十点ぐらいだと思います。ただ、二十点でも零点よりはましですから、乗るという可能性はあるわけですよ。だから、そういう形でみんなで協議をしていくというための時間が必要であるというふうに思います。
繰り返しますけれども、零点であれば自民党さんの思うつぼでありますから、ここは、是非、国民民主党と公明党は法案を出してください。もし出さないなら、我々野党の議員有志で二十人集まれば法案を出せますからね、同じものを出しますよ。それで議論しましょうよ。反対できないでしょう、全く同じものを出されたら。ですから、そんな不細工なことをされないためにも必ず出してください。協議が調わないというんだったら、協議が調うまでちゃんとやりましょう。
もし三月三十一日の採決を合意するんだったら、合意した人は全て、自民党だけじゃなくて、自民党以外のほかの人も、結局、企業・団体献金を禁止したくないんだなと。私はちょっと疑っていますからね、ほかの政党も本当はやりたくないんじゃないかと。そういうことになりますから、是非、これは国民の皆さんに、マスコミの皆さんに言っていますので、そういうふうに扱っていただきたいというふうに思います。
それでは、質問をいたします。
法案は、これ以上細かいことをやっても、大きな相違があって、折衷案なるものが出てきそうになっているわけですから、出るのを待ちたいと思います。
私は、この委員会で再三取り上げている内閣法制局の問題を残りの時間でやりたいと思います。内閣法制局設置法を今日は資料で配らせていただきました。何でこの委員会で内閣法制局設置法と思われると思いますけれども、これまでの議論を聞いていただいた方ならお分かりいただけると思います。
結局、企業・団体献金禁止が憲法違反かどうかということを幾ら聞いても内閣法制局はなかなか答えてくれない。ところが、国会で、いろいろな委員会で憲法解釈を答えることもありますよね。一番は、安全保障法制のときなんかは横畠長官が何度も出てきて答弁をしていました。しかし、つらつらと内閣法制局設置法を読んでみると、あれは一体どこの所掌によって、どの事務として答えていたのかがちょっと分かりませんでしたので、まず、国会で法律について、別に内閣提出の法律じゃなくても、あらゆる法律について憲法解釈などを答えるのは、法制局設置法のどの条項で答えているんでしょうか。
○佐藤政府参考人 御質問にお答え申し上げます。
内閣法制局は、内閣がその職務として行う、憲法第七十二条に基づき法律案を国会に提出し、及び憲法第七十三条に基づき政令を制定することとされていること、並びに国務大臣等の公務員がその職責を果たすに当たり憲法の尊重擁護義務があることに鑑み、法律による行政の原理を確保する観点から、これらが適切に行われることを確保するため、内閣を直接補佐することを任務として、これは具体的には内閣法十二条という規定がございます、十二条の四項に「内閣官房の外、内閣に、別に法律の定めるところにより、必要な機関を置き、内閣の事務を助けしめることができる。」という規定がございまして、これを踏まえ内閣法制局設置法が制定されており、内閣法制局設置法の第三条に基づき、今先生御配付されました第三条の一号、二号、三号とございます、「閣議に附される法律案、政令案及び条約案を審査し、これに意見を附し、及び所要の修正を加えて、内閣に上申すること。」あるいは、三号にございます「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること。」こうしたことを所掌事務としているところでございます。
内閣法制局は、このような所掌事務の遂行に当たって検討した内容について国会からの御質問、お求めに応じて説明をしてきているところでございます。したがいまして、所掌事務のどの事務に該当するかということ、これが規定上は何かと国会で説明するということは書いておりませんが、こうした事務をつかさどっていること、その遂行に当たって検討した内容について国会において御質問等に応じて説明をしているということでございます。
○高井委員 分かりました。
内閣を補佐するというあくまでも役割なんですが、しかし、それであれば、今、いろいろな検討している過程とかそこで得たものを国会で聞かれたら答えると言っていますよね。であれば、私がずっと前から聞いてきた企業・団体献金の禁止が憲法違反になるかどうかというのはその間は検討していなかったんですか。検討した過程の中でのことを答えると言っていましたけれども、検討していなかったからああいう答えになったということですか。ずっと三十年間、検討していなかったんですか。
○佐藤政府参考人 御答弁が繰り返しになるかもしれませんが、これまで私どもは、法律問題等について法律を所管するような各省庁から相談を受けたときにその内容を必要に応じて検討している、そういう事務を行っておりますが、これまでのところ具体的に御質問の問題点について検討を行っているわけではございませんので、したがって御答弁は差し控えさせていただいていたということでございます。
○高井委員 もう一問、別の角度から聞きますけれども、議員立法。確かに今ここで議論しているのは議員立法ですが、議員立法でも成立したら総務省が所掌するわけですよ。その運用を総務省がずっとやっていくわけですが、それがもし憲法違反だったら、あるいは疑いがあったら、総務省が、そして内閣が困るじゃないですか。だから、そういったことに対して疑義があるから国会でこうやって議論をしているのに、それもかたくなに議員立法だから答えませんと言うことが、内閣法制局設置法上、そういうことに本当になるんですか。答えたくないから、都合が悪いから逃げているんじゃないんですか。いかがですか。
○佐藤政府参考人 何か都合が悪いから答えないということではなしに、私どもとしましては、内閣法制局の位置づけですとか所掌事務に応じて検討したことについて御質問等がありましたらお答えをしているという認識でございます。
また、今御質問の中にございました、法律が成立すると総務省が法律の運用に当たることになるのではないかということでございます。まず、先ほど申しました、内国法制局は内閣を補佐する機関であることということ、その位置づけと、また、国会が制定した法律については、憲法第七十三条第一号に規定されているとおり、内閣がこれを誠実に執行するという規定がございます。この誠実に執行することは当然であると考えておりまして、一方で、企業・団体献金の禁止を含む政治資金の規制の在り方については、内閣法制局の機能や所掌事務を踏まえると、国会において各党各会派における御議論が行われている議員立法の内容に関し、法案の立案に関与しておらず、また、内閣等から意見を求められているものではない内閣法制局として意見を述べる立場にはないものと考えております。
○高井委員 私はちょっと納得できませんが、では法案提出者、各党いらっしゃいますので。今の内閣法制局の答弁、私が申し上げたとおり議員立法であっても答えてもらうべきだと思うんですよ、国会の充実した審議のために。有権解釈権云々とかじゃなくて、法制局の持っている知見を披露していただくというのは国会の活性化にとっても非常に重要だと思いますので、このことについて、それぞれ。あと二問通告していて、時間がなさそうなので、もし現行法でできないんだったら内閣法制局設置法を変えてでも私はやるべきだと思いますが、法案提出者の自民党、立憲民主党、維新の会、有志、それぞれからお答えをお願いします。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
我々立法府に属する者の議員立法による法案につきましては、憲法で定められた三権分立の観点から、まずは衆議院法制局の補佐を受けながら各会派が責任を持って提出し、提出後は国会で責任を持って審議し判断すべきである、これが基本であると思います。
内閣法制局は、あくまでも行政府に属する機関でございます。内閣を補佐するということでございます。我々を補佐するのは一義的には衆議院法制局だと思います。三権分立の観点から、今ほど来内閣法制局部長が答弁しているとおり、受け身にならざるを得ないのはある意味当然だと思います。
○奥野議員 委員がおっしゃっていることのお気持ちもよく分かります。成立した後は政府が運用するわけですし、その運用にそごがあってはいかぬ、であればここで意見を言ってもいいんじゃないか。あるいは、この段階で質問主意書を出したら答えるのか答えないのかとか、いろいろ疑問はありますが。
さりとて、今おっしゃった三権分立の観点からいえば、我々は唯一の立法機関として衆議院法制局の補佐を得ながら法案を作るわけであります。そこで答弁をし、立法者意思が固まるわけですね。その立法者意思に従って政府は法律の運用を成立後はしなきゃいけない。縛りがかかるわけですよ。だから、我々としてきちんと物事を決められて、政府がそれに逆らえないという意味ではよくできていますし、成立後は内閣法制局とてそこに縛られていくんだと思えば、よくできた仕組みではないかとも思えます。
○青柳(仁)議員 お答えいたします。
党としての公式な答弁としましては、国会は立法機関として立法するに当たって憲法解釈を日々行っているという理解をしております。特に、議員立法については、憲法四十一条で国権の最高機関とされ唯一の立法機関とされる国会の立法機能の中核を成すものであるため、議員立法に関する憲法解釈については議員同士、衆議院法制局の補佐を受けながら議論するべきではないかということではないかと思いますが。
ただ、一方で、今回のこの議論、私自身も入ってやっておりまして、私も内閣法制局の方に、過去の三十年前の企業・団体献金禁止の法案の立法事実は何だったのかと。あれは閣法ですから。内閣法制局が政府として出したものについての立法事実すら答えられないというのは、ちょっと国会に対する説明責任としていかがなものかなというふうに感じるところでございます。
○緒方議員 答弁としては、三権分立の問題があるので、基本的には衆議院法制局に我々は依拠して議員立法をするということなんだろうと思いますが。ただ、要するに課題は何かというと、内閣法制局の所掌事務で我々が受ける印象よりも、内閣法制局がより強い力を発揮しているというところの方がむしろ課題なのではないかなというふうに私自身は受け止めました。
○高井委員 ありがとうございます。
内閣法制局のリソース、人もそうだし、資料も膨大に残っているわけですよ。そういったものをやはりもっと国会が活用できるようにすべきだということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございます。
○渡辺委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
法案提出者にお尋ねをいたします。
前回の質疑で、政治資金規正法の基本理念にある国民の浄財について議論をいたしました。政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利であり、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権といった参政権は憲法十五条で国民固有の権利としており、ここには企業、団体は含まれないと私も述べたところであります。
一方で、自民党提出者は、企業、団体が政党に寄附を行うことは憲法第二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められている、自然人たる国民と同様に政治活動の自由、そして判例にもありますように政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由も有する、一方で納税の義務も負っている、また、八幡製鉄の最高裁判決では、憲法上は公共の福祉に反しない限り会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると言わざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用の限りでないというふうに判示されていると述べておられます。
そこで、質問通告の順番を変えて、一九七〇年の最高裁判決に関する問いからお尋ねします。
このように自民党の提出者は一九七〇年の最高裁判決を述べておりますが、後段部分が入っていないわけですね。一九七〇年の最高裁判決は、大企業による巨額の寄附は金権政治の弊を生むべく、また、もし有力株主が外国人であるときは外国による政治干渉となる危険もあり、さらに豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成するというのであるが、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきであると述べているわけです。そこで、自民党提出者にお尋ねしますが、この一九七〇年の最高裁判決は企業・団体献金の弊害を認め、その対策は立法政策にまつべきと述べており、企業・団体献金禁止の立法を否定していないと考えますが、改めて見解を聞かせていただきたいと思います。
○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。
八幡製鉄事件最高裁判決における御指摘の判決文のくだりでございます。正確には、上告人が指摘するところによると大企業による巨額な寄附は金権政治の弊を生むべくという文脈でございます。あくまでも上告人の主張を引用するものであって、最高裁が御指摘のような弊害を認定したわけではないというふうに私どもは受け止めております。
その上で、最高裁はニュートラルに、以降、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきことであってとしておりまして、すなわち、弊害という立法事実が存在する範囲内において、公共の福祉による制約の必要性、合理性が認める範囲内で制約するというふうに私どもは認識をしています。
判決が示された昭和四十五年以降、累次の政治資金規正法の改正が行われたことは委員御指摘のとおりでございます。加えて、今回、企業・団体献金について禁止という最大限の制約を課す立法事実は我々としては見出すことができないと考えているところでございます。
○塩川委員 立法政策にまつべきと。既にこの間、戦後の歴史においても、政治資金規正法に関して企業・団体献金を規制する、そういう措置が行われてきているということがあるわけであります。
昨年の委員会でも議論しましたけれども、一九四八年の政治資金規正法制定以降、様々な企業・団体献金規制の立法措置が行われてまいりました。
戦後、昭和電工事件や造船疑獄などがあり、一九六一年、当時の池田勇人総理の諮問を受け、第一次選挙制度審議会は、会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものであると答申しております。六三年の二次審におきましても、選挙資金及び政治資金についての寄附は個人に限る、会社、労働組合その他の団体からの寄附は禁止するという第一次審議会の答申を再確認するものとすると答申しております。さらに、黒い霧事件もあり、六七年の第五次審では、政党はおおむね五か年を目途として個人献金と党費によりその運営を行うと答申しております。そういう中で、ようやく企業・団体献金に量的規制や質的規制が盛り込まれたのが一九七五年の改正であります。
総務省にお尋ねいたします。一九七五年の法改正で、企業・団体献金に対し、補助金等を受けている会社や赤字会社、外国法人等からの献金禁止などの質的制限を加えた理由は何か、お答えください。
○笠置政府参考人 一九七五年、昭和五十年でございますけれども、昭和五十年の政治資金規正法改正によりまして、一定の補助金等の受給企業による寄附の禁止、あるいは赤字企業による寄附の禁止等のいわゆる質的制限の規定が設けられたところでございますが、改正案の提案理由におきましては、最近における国民世論の動向と政党政治の現状とを考慮しつつ、現実に即した政治資金の授受の規制、政治資金の収支の公開の強化、個人の拠出する政治資金に対する課税上の優遇措置などを講ずることにより政治活動の公明と公正を図るべくこの法律案を提出することとしたと述べられております。
○塩川委員 いや、個々に聞いているんですけれども。補助金等を受けている会社、赤字会社、外国法人、これらについて献金禁止などの質的制限を加えた理由はそれぞれどういうふうに説明していますか。
○渡辺委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。
笠置政府参考人。
○笠置政府参考人 大変失礼しました、まず補助金等受給企業からの政治献金の禁止、これは昭和五十年改正ということでございますが、こちらにつきましては、国から補助金等や出資等を受けている会社その他の法人が補助金等を受けていることにより国と特別な関係に立ち、その特別な関係を維持又は強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがあるということで、それを防止しようという趣旨でございます。
あと赤字会社ですね。
○渡辺委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。
笠置政府参考人。
○笠置政府参考人 赤字会社につきましては、二十二条の四で規制をされてございますが、こちらにつきましては、会社が営利を目的とする企業体である以上、株主に対する利益配当もできないという経営状態にあるにもかかわらず政治活動に関する寄附をすることを許容するということは適当ではないこと、また、過去の事例から見てこのような赤字会社が寄附を行うことについては疑惑がつきまといがちなこと等の理由によって禁止措置を講じたということになってございます。(塩川委員「外国」と呼ぶ)外国、ちょっと待ってください。
○渡辺委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。
笠置政府参考人。
○笠置政府参考人 外国人等からの寄附の禁止ということでございます。二十二条の五でございますが、こちらにつきましては、我が国の政治や選挙が外国人や外国の組織、外国の政府など外国の勢力によって影響を受けることを防止しようという趣旨でございます。大変失礼しました。
○塩川委員 質的制限ということで、補助金等を受けていて国や地方自治体との特別な関係に立っているという点での不明朗なことは許されないということであり、また、赤字企業の場合には配当もできないような経営状態なのに寄附するというのは許容できないよねということであり、外国勢力によって影響を受けることを未然に防止しよう。それぞれ、一九七五年におきまして企業・団体献金についての質的な制限を加えるという措置が取られてきました。
引き続きお尋ねしますけれども、同じ一九七五年の法改正では企業・団体献金に上限を設ける量的制限を加えておりますけれども、その理由は何だったでしょうか。
○渡辺委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。
笠置政府参考人。
○笠置政府参考人 昭和五十年の改正によりまして量的制限が設けられたところでございますが、こちらにつきましては、それ以前はそういった規定はなかったわけでございますが、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことから、寄附者の立場に着目して、寄附をそれぞれ相応な額に制限することとし、量的な面から規制をしようとしたものでございます。
○塩川委員 巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことからということでの量的な制限で、その後、ロッキード事件やリクルート事件がありました。九〇年の第八次審でも、将来の姿としては政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと答申をしております。
そういうものも受けて、また総務省にお尋ねしますが、一九九四年の法改正で政党、政治資金団体、資金管理団体以外への企業・団体献金を禁止しましたけれども、企業・団体献金の受領者を制限したその理由は何かについて説明を求めます。
○笠置政府参考人 平成六年の政治資金規正法の改正でございますが、こちらは政党本位、政策本位の政治を目指し政党中心の政治資金制度に改めようとしたものであると認識しておりまして、これに伴いまして、企業・団体献金についても政党、政治資金団体及び資金管理団体に対するものに限るものとされたということでございます。
○塩川委員 その五年後の九九年の法改定で資金管理団体への企業・団体献金を禁止しております。企業・団体献金の受領者を制限した理由は何でしょうか。
○笠置政府参考人 政治家個人の資金管理団体に対する寄附の禁止ということでございますが、こちらは平成十一年の政治資金規正法の改正で禁止することとされたものでございますが、こちらは、先ほど述べました平成六年の改正法の附則第九条の趣旨にのっとりまして、政治家個人の資金管理団体に対する企業・団体献金について平成十二年一月一日から禁止をすることとされたものでございます。
○塩川委員 ですから、政党中心にといいながら、要するに政治家個人のはまずいよねという形での規制が成ったということと、九九年については派閥についてもこれは駄目だよねという形で、一連の規制がずっと加えられてきているわけであります。
そこで、自民党と立憲民主党、日本維新の会の提出者の方にそれぞれ伺いますけれども、このように金による特別な関係を絶つ、疑惑を未然に防止するということで企業・団体献金の規制を行ってきた歴史があるわけですが、立法府における、企業・団体献金を制限し、禁止に係るこのような議論の積み重ねをどのように考えておられるでしょうか。
○小泉(進)議員 平成の政治改革におきましては、企業・団体献金を受け取れるのは政党、政治資金団体に限るという改正が行われたところ、これは政治資金の調達を政党を中心とするために行われたものでありますから、企業・団体献金を完全に禁止する趣旨ではないと承知しています。
また、昭和五十年改正では、今、塩川先生御指摘のとおり、量的制限及び質的制限を設けたところ、この点については企業・団体献金だけでなく個人献金についても設けられたものと承知をしています。
このように、立法府における企業・団体献金に関する議論の積み重ねを見ると、決して企業・団体献金の完全な禁止を目指すものとは言えず、しかも、この議論の積み重ねの中で、三十年前の政治改革についての事実認識に我々与野党で合意ができない、禁止を合意したものが三十年前のものではないという我々の、あと有識者の一次史料が二次史料を優先するということも合意できないという中で、改めてここで禁止とすることは私は議論の積み重ねを見ても誤りだと捉えていますので、公開を強化する、そういった方向性で積み重ねを更に重ねていく、これが私はあるべき姿ではないのかと思っております。
○井坂議員 ありがとうございます。
先ほどの議論を聞いていて私も大変勉強になりましたが、一九七五年改正で、特別な関係ができてしまうとか、あるいは腐敗に結びつくとか影響を与える、そういう理由で献金が禁止をされて、そして九四年、九九年で、政党中心ということで、まず個人、そしてまた資金管理団体への献金が禁止をされた。ところが、その流れでいって結局政党への献金は引き続き認められていて、さらに政党支部経由の献金がまかり通ることになった結果、企業・団体献金の抜け道としてさらにはパーティーも引き続き認められて、それがまた今回の自民党派閥によるパーティー収入の裏金問題にもつながっている、こういう流れであります。
企業・団体献金の禁止というのはこの間ずっと懸案になっており、しかも、政党には認めるといいながら結局、政党支部経由で個人にも、またパーティーを使って個人にもということがいまだに行われているというこの状況に対して、昨年末ようやくこの衆議院の政治改革特別委員会において、令和六年度末までに結論を得る、ここまで議論が積み重なってきたところであります。
我々は五党派で企業・団体献金の禁止法案というものを提出しておりますので、きちんとした意思決定さえなされればこの年度末までに企業・団体献金禁止という結果が出せるというふうに議論の積み重ねからも考えております。
以上です。
○池下議員 お答えいたします。
今言っていただきました立法府における企業・団体献金の議論の積み重ね、これは非常に大事、重要であると考えております。また、我々も企業・団体献金の抜け道のパーティーの問題だったり様々議論があるかと思いますけれども、ただ、昨年の臨時国会で企業・団体献金の禁止法案については衆議院政治改革特別委員会において精力的に議論を行って令和六年度末までに結論を得るとの申合せを行ってから既に三か月が経過しております。この政治改革特別委員会の場でも各会派でかんかんがくがくの議論を行ってまいりました。その上で、企業・団体献金の禁止は三十年前の平成の政治改革に決着をつけるものでありまして、再度期限を切ったとしても延長の繰り返しになるのではないかという思いもあります。
しかしながら、現在、国民、公明の両党案が提出されるやに聞いております。そうであれば、何年、何か月というわけにはいきませんが、数日程度は真摯に議論、協議をさせていただきたいと思っておりますし、また、日頃から公明、国民両党を含めた理事の皆様とも大変議論をさせていただいているところから、しっかりと結果を得られるようにしていきたいと考えております。
○塩川委員 政党中心といいながらも実際には政党支部という形、またパーティー券の購入といった形での、政治家個人への抜け道が二つも残されているということが大きな課題ということもありますし、政党中心といいながら、今回の自民党の裏金問題というのは、派閥の人員を全部足し上げれば自民党所属議員の過半数になるという点でいえば、まさに政党ぐるみの問題という点で、政党中心ということが本当に問われている、それが成り立っていないんじゃないのかということがまさに焦点となっているときですので、改めて企業・団体献金に踏み出していくその転機だということであります。
そもそも一連のこういった法改正が行われるきっかけとなったのは、自民党の皆さんの不祥事がきっかけですから、そこへの反省がそもそも求められているということを強調したいと思います。
八幡製鉄の最高裁判決についても、先日の参考人質疑で四人の参考人の皆さんがそれぞれ、八幡製鉄の最高裁判決で企業献金を合憲としているから企業・団体献金の禁止はできないと言った参考人は一人もいなかったわけでもありますので、こういうことは重く受け止めるべきだということを述べ、質問を終わります。
○渡辺委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
一昨日は自民党案提出者の皆さんに質問いたしましたが、今日は野党案にだけ質問しますので、小泉先生や長谷川先生はしばしお休みいただければというふうに思っております。
さて、野党案についてでありますけれども、よく言われるのが、企業・団体献金を廃止しても個人献金に形を変えてしまってかえって透明性が低下するんだ、だから企業・団体献金を禁止したってしようがないという話もあります。
ただ、個人献金に変えたとしても、五万円以上の献金は職業も含めて公開するから、そこの中で偽装献金はチェックできるわけですし、そもそも企業・団体献金の禁止規定を置くことによってそういった脱法的な行為が明らかになれば、例えば他人名義の寄附の禁止などという規定にひっかかる。これは企業・団体献金の禁止規定を置いているからこそそれが効果を持つものでありまして、こうした話は当たらないし、迂回献金の可能性があるから企業・団体献金を禁止すべきじゃないなんというのは典型的な東大話法だと私は思うんですね。あれができない、これもできないからやらない、理由をつけて嫌がるというのは東大話法だと思うんですけれども。
今回の我々の案で、こうした批判に対してこの法案ではどう応えているか。そして、こうした批判をする人たちに対してどのように認識しているのか。維新の提出者の方からお答えいただければと思います。
○池下議員 福島委員の御質問にお答えいたします。
そもそも論といたしまして、まずは会社、労働組合、職員団体その他の団体から政党、政治資金団体への寄附、いわゆる企業・団体献金を完全禁止すべき、抜け穴に関しては個人献金が透明性を低下させているという立法事実がそもそも本当に存在するのか、その後、状況を適切に把握してから議論すべきだと考えております。
まず、現行の政治資金規正法では他人名義の寄附が禁止され、業務、雇用関係や組織の影響力を利用した寄附のあっせんをしてはならないとされておりまして、また、個人献金が自由意思の下に行われるような規制がなされております。その上で、本法案では、個人の寄附や個人が買ったパーティー券を企業、団体等で経費精算を行うことは企業、団体が寄附やパーティー券を購入したものと評価され得るもので、禁止されると考えております。
また、現状、政党、政治資金団体への個人献金の上限額は二千万円でありますが、企業・団体献金の上限は一億円で、政治団体への献金は無制限であります。政治家一人の政党支部に対する企業、団体からの献金でさえ二千万円を超えるものが散見される中で、現在の企業・団体献金をそのまま個人献金に振り替えるのは不可能だと考えております。
以上を踏まえると、委員から御紹介のあった企業・団体献金を禁止しても個人献金に振り替わってしまうという論法は、全くの間違いであると考えております。
○福島委員 今、池下さんから立法事実がないと。まさにそうだと思うんですね。そこまでして、企業献金していたのを個人献金に振り替えてまで献金したいという人がいるとは思えないんですよ。そんな人がいるとしたら、本当に贈賄といった悪意の行為であってね。
私の周りは、この間、ある団体の人と話をしていたら、私たちの団体はちっちゃな団体で額が少ないから、質問はしてくれるけれども、その政策が実現したことはないんですよと。医療関係の団体なんですけれども、もっと多額の献金をする団体の言うことばかり聞いて、いっそ企業・団体献金なんて禁止してくださいよと私に言ってきた人がいましたよ、陳情してきた人がいましたよ。だから、わざわざ個人献金に振り替えてまで迂回献金をしたいという意思を持つ主体がいるようには思えませんから、私はこれは完全に詭弁だというふうに申し上げたいと思います。
そこで、一番問題になるのは雇用関係等を不当に利用した寄附の強要ということだと思います。
先ほど、中川先生ですかね、議論がありましたけれども、私も一昨日、高井委員の質問に答えて、抜け穴が心配と言うんだったら、政治資金監視委員会で、そこに申立てを行って、そこが調査を行って、場合によったら措置命令とかあるいは勧告といったことをやって、措置命令に従わなかったら罰則をかけるやり方があるんじゃないかと思うと申し上げたんですけれども、もしそうした方がいいと思うのであれば、立憲、維新からやりましょうと一言だけ言っていただければいいんですけれども、どうでしょうか。
○井坂議員 我々の出した法案が守られるためには大切だと思いますので、大変よい御提案だと思いますから、一緒に前向きに議論したいと思います。
○池下議員 委員御提案の方策も二十二条六の三の実効性を高めるものであると考えます。今後も委員会の場で、各党各会派の雇用関係の不当利用等による寄附金の制限の実効性を高めていく方策については議論させていただきたいと思います。
○福島委員 政治資金監視委員会を設置する法案はプログラム法案ですから、これから具体的な法案が出されますから、そこの中で、是非、各党各会派で議論していきたいと思っております。
もう一つ、出し手規制より受け手規制が必要というのも一見もっともだと思うんです。でも本当に受け手規制ができるのかというのは、私は非常に難しい部分があるんじゃないかと思っております。政党のガバナンスについて、政党法の下にある政党本部に企業・団体献金を認めるという考えは一見もっともであるようですけれども、現状も、ほとんどここにある政党はみんな、党大会などを通じて予算、決算を承認したりとかをやっていると思うので、その程度のガバナンスはどこでもやっていると思うんですね。仮に政党にこれ以上のガバナンスを求めるとなったら、私は、そこは憲法上の政治活動の自由の話が出てきて、極めて困難な立法になるんじゃないかと思っております。
中北参考人も参考人質疑で、理念法的な形で政党法を作って政党の運営が民主的になされなければならないということを規定するのは差し支えないと思いますけれども、事細かく政党の在り方を規制するのであればやはり国営政党化の道を開きかねないと言って、否定的な見解を示しているんですね。今の政党の在り方でそのまま認めるというのは、事実上、企業・団体献金の解禁だと思うんですね。
こうした出し手規制より受け手規制が必要という考え方についてどう思うのか。本当に、政党法でそんなガバナンスができるような政党法を作るということが現実的なのか。その点についての認識を立憲民主党の提出者からお答えください。
○大串(博)議員 まず前提として、よく我々野党五党派で出している法案は出し手規制であって受け手規制がないじゃないかと言われますけれども、私は全く事実誤認だと思っていまして。というのは、平成の政治改革のときに企業・団体献金禁止に関しては受け手の規制として個人の政治団体は駄目よということになった、受け手の規制として政党、政党支部は除かれた、その受け手を、今回は政党、政党支部という受け手を禁止していこうというものなので、まさに私たちの出している法案は受け手規制なんです。ここは是非お間違いのないようにと皆さんにはお伝えしておきたいというふうに思います。
その上で、受け手規制という言葉の下に政党法なるものをかませて、そこで規制していこうというような話も確かにあります。
先般、公明さん、国民民主さんから御説明いただいた法案というか考え方の中でも、会社、労働組合、職員団体その他の団体がする寄附については、政党の組織、管理運営等に関する法制度に服さない政党に対するものを禁止する方向で検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすると。これは政党法のことを言われているような気がしますけれども、確かに、おっしゃるとおり、結社の自由との関係で、余りに事細かい規制になると私は問題が生じてくる可能性があると思っていますので、慎重な議論が必要だと思います。
加えて、この提案をされた国民民主、公明の関係者の方々といろいろ話をしていると、このことは、政党助成金を受け取っている政党に関してはこのような厳しいガバナンスを受け、そういったガバナンスをきちんと受ければ企業・団体献金を受けるということを認定してよいというような考え方を言われているやにも聞こえますので、そうすると、政党法という一般的なものよりも、政党助成法の改正ということなんじゃないかなというふうに思いますので、そういった議論もきちんとできればなというふうに思います。
○福島委員 いずれにしてもこれはかなり難しい議論になってくると私は思うんですね、一年、二年で結論が出せるようなものじゃないかもしれませんので。政党法ができれば葵の紋章を受けたみたいにそれはオーケーだということには単純にならない部分があるということは申し上げた上で、私は、我々の案は現段階で、憲法との絡みの間でぎりぎり厳しいところまでやったものであると評価したいというふうに思っております。
その上で、そうはいいながら、三月三十一日までに何らかの結論を出さなければならない。
先日の参考人質疑で谷口参考人も、いなくなっちゃいましたけれども長友さんが先ほど紹介していただいたように、段階的にやっていけばいいんじゃないか、あるいは実質的に企業・団体献金を縮小してフェードアウトしていく道筋を整えていくことが肝要ではないかということを谷口参考人はおっしゃっておりました。私は、それはそれで一案だと思うんですよ。フェードアウトする、あるいは企業・団体献金の禁止を目指しながら、谷口先生のことを言うと、いきなりやるんじゃない、あしたからきっぱりやめにする、ゼロにするんじゃなくて、ちょっとずつ段階的に進めた方が実効性があるんじゃないかと。私はそれは一理あるというふうに思っております。
そうした中で、今回の公明党さんと国民民主党さんから出てきた案は、そこに向かう方向のベクトルが一緒であるのであれば大いに検討の余地があるんじゃないかなというふうに私は考えております。ただ、現段階で法案が提出されておりませんし、先ほど小泉委員の答弁では、理事会に出てきていないから議論のしようもないと。私はそれは当然だと思うんです。今まさに国会の委員会で議論されているわけですから、理事会にこの要旨、骨子すら何の提出もされていない段階では協議のしようもないわけであります。これが提出されるという前提に立って、提出されたらこれも受け入れた上で段階論を取るということについてはどう考えるか。立憲、維新、有志、それぞれの提出者に答弁をお願いしたいと思います。
○井坂議員 まだ諦めてはおりませんで。
段階的にという意味でいえば、二つに割れていた野党案が一本にまとまり、そして間もなく国民民主、公明案が出される。仮に出されなければ野党案か自民案のどっちかに乗るしかないことになるわけで、そういう可能性も私はあり得ると思っていますが。国民民主、公明案が出てきたら、またそこで更に、玉木代表がおっしゃっていたように、野党案がまとまれば一緒にやれる可能性もあるというふうにもおっしゃっているわけでありますから、更にもう一段階上がって、そして最後に与党とも何らかの折り合いをつけてゴールに至るという可能性をまだまだ追求したいというふうに考えております。
○池下議員 ありがとうございました。
段階的ということでありますけれども、我々は今現在、企業・団体献金を禁止する法案というものを出させていただいております。また、先ほどからもありましたように、国民民主さんと公明さんの法案がまだ出てきていない中で、これからまたしっかりと協議もしていかないといけないと思っておりますし。
三月末ということでありました。けれども、先ほども申し上げましたとおり、これからまさに出てこようとしている法案に対して熟議をしていくためには一定の期間が必要ではないかと考えております。
○緒方議員 ありがとうございます。
まず、是非、公明党と国民民主党からしっかりと案が出てくることをまず期待いたしたいと思います。長友さんはおられませんけれども中川さんもおられますので、しっかりと案を出して、そして議論がなされることが最も大事であります。一日千秋の思いで待ちたいと思います。
その上で、漸進的なプロセスで進めていく。ベストだとは思いませんけれども、その方法しかないのであれば、是非そういうふうにあってほしいと思います。立憲民主党も、日本維新の会も、第一党だから、第二党だからということで他党をマウントすることなく、頭を低く、まとめる努力を是非していただきたいというふうに思います。
先ほど長友委員の方から、参議院で通る可能性がないのであればそんなものを衆議院で可決することの意義は何なんだという議論がありました。これは、少しきつい言い方をしますけれども、ハウスとしての存在意義を否定しかねない発言だというふうに思いました。我々衆議院でしっかりとまとめて、参議院にメッセージを送ろうではありませんか。
以上です。
○福島委員 ただ、そうはいっても、緒方さんにそうはいってもと言っているんじゃなくてですよ、立憲さんと維新さん、そうはいっても今決まっている日程は次が金曜日でしょう。お経読みをしなきゃ法案質疑ができないんですよ。次の三十一日は月曜日で、土日に審議をやらないとすればあと二回なんですよ、二回なんですよ。デッドリミットのあしたかあさってに法案を提出してくれなければ、結局、二案を採決に付してどれも可決しないという状況が生まれ得るわけですよね。一生懸命努力しますと、大串さんも努力しているのは私は分かりますよ、後藤祐一さんも落合さんもしゃかりきになって努力して。みんなが努力しているのは分かるけれども、らちが明かない状況なんですよ。
私はどこかで何かの決断をしなければならないときも来るんじゃないかと思っているんですけれども、そうした決断をする準備、意思、心構え、そうしたものがあるか。立憲、維新、それぞれの提出者の皆さん、お答えください。
○大串(博)議員 企業・団体献金禁止法案に関して三月末までに結論を得るという委員会での合意をしていただきました。そこに私も陰ながら関わらせていただきました。その思いは強いものがあります。
五党派で出させていただきました。有志の会の皆さんにも大変御協力いただき、本当にありがたいと思っています。そこまで来ているところなので、最大限の期待を持ちながら、国民民主党の皆さんにも乗っていただけるという期待をいまだに持っています。
さらに、もしそのことが成らなかったとしたらどうするかというようなことを今お問合せだと思いますけれども、まずはしっかり今の方向で結論を出せるように議論した上で、世の中は何が起こるか分からないところもあるのかもしれません、まあ、そのときはそのときでいろいろ考えていきたいと思います。
○池下議員 お答えをさせていただきたいと思います。
委員御指摘のとおり、判断というものはいずれ必ずしなければならないというふうに考えておりますけれども、先ほどからもありますように、今、野党各党の方から国民民主さん、公明さんの方には、できるだけ早く法案を出していただきたいというラブコールが心の底から出ているという具合に思っております。我々維新の会も含めまして五会派は企業・団体献金の禁止に向けた動きというものをさせていただきますけれども、これもしっかり公明さん、国民民主さんの案を聞きながら、修正も含めた形で、しっかりと議論させていただきたいと思います。
○福島委員 これは全く私の私見なんですけれども、国民民主党と公明党が作った案をほぼ全部丸のみしてもいいと思っているんですよ。出さないんだったら、僕らが出してもいいと思っているんですよ。それで、よもや国民民主党さんや公明党さんが自分たちが出した案をそのまま条文化したものに反対するとは思えないんですね。そうしたら、それは可決するわけですよ。
だから、私は、そうした様々な可能性があるというのを申し上げたいし、更にその先に進むのであれば、谷口参考人はこうもおっしゃっています、企業・団体献金を抑制する、まずはそれで第一歩を踏み出していただいて、更にその先に行きたいのであれば、これは有権者が決めるということになろうかと思いますと。
先ほど緒方さんが怒っていた衆参のやつで、仮に参議院で否決されたら即、内閣不信任案を出せばいい。国民の皆さんで決めてもらいましょうよ。私は、立憲民主党はそこまでの覚悟を持って今回はやるべきだと思っているんですよ。大串さんは代表代行という、党のナンバーツーの立場でありますよ。
私はそこで聞きたい。国民に聞く、最後は解散。小泉さんのお父さんが郵政民営化するかどうかを国民に問いたいと。冒頭、最初の質疑者からいろいろな世論調査の数字も紹介されました。であれば企業・団体献金解散をやればいいんですけれども、そこまでの覚悟はあるのかどうか。大串さんに答弁を求めたいと思います。
○大串(博)議員 大変重い単語も出てまいりましたので、びっくりもしましたけれども。
国民の皆さんの政治に対する不信、何とかしてほしいという思いは極めて強いと私は思っています。その大きな解決策として、企業・団体献金を禁止していくという大きな政治判断を私は国民は求めていらっしゃると思います。非常に大きな日本の政治の関所に来ているんじゃないかなと私は思いますものですから、自民党の皆さんにも御理解いただきたいと思いますし、多くの野党の皆さんにも御理解いただきたいと思います。そして、もちろん、国民の皆さんが最後にどう判断するかというのは極めて大きな要素だと私は思っています。
○福島委員 私がこの質問をしたときに、立憲民主党の皆さんから笑い声が起きたんですよ。その真剣味のなさが、私は、この問題を本気で立憲民主党がやろうとしているのかと。解散を懸ける、自分のバッジを懸けるという覚悟がないんだったら、企業・団体献金廃止なんて言わない方がいいと私は思いますよ。(発言する者あり)あるから言っているんでしょう。でも何でこっちで笑い声が起きるんですか、立憲民主党の席から。(発言する者あり)笑っていた。だから、私はそれぐらいの思いで残る数日間、三月三十一日まで真剣な協議をすることを求めて、質疑とさせていただきます。
以上です。
○渡辺委員長 本日の質疑は終了いたしました。
次回は、来る二十八日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時七分散会