現地時間9月6日、額賀議長は、イタリア・ヴェローナにおいて開催された第22回G7下院議長会議に出席しました。
冒頭、フォンターナ・イタリア下院議長から歓迎及び開会の挨拶が行われ、その後、メローニ・イタリア首相からオンライン出席の形で挨拶が行われました。また、メッツォラ欧州議会議長及びステファンチューク・ウクライナ最高会議議長(ゲスト参加)から冒頭発言がありました。
第1セッションは、「安全保障と開発:新たな地政学的バランスと戦略的資源へのアクセス」を議題とし、ジョンソン米国下院議長及び額賀議長から基調演説があった後、各国議長間の議論が行われました。額賀議長は、基調演説の中で、我が国のウクライナ支援に関する進展を紹介し、力による一方的な現状変更の試みはいかなる地域においても許されないことを強調したうえで、インド・太平洋地域や中東等の地域情勢について所見を述べました。また、我が国の経済安全保障に関する取組と自由貿易の旗手としての我が国の姿勢について議論を展開しました。
さらに、額賀議長は、国際協力においては「人間の安全保障」の概念が重要であり、「G7で唯一途上国の経験を有する」日本だからこそ、途上国の多様な立場や環境に自ら入り込んで、仕事と収入を得ることができる農業や産業の振興を支援し、人々の共感を得ながら生活や産業の安定基盤を整備するという「現場主義」を実践し続けてきたのであり、そうした姿勢が平和の土台をつくり国際協調を育む大切な態度であることを強調しました。
その後の議論では、額賀議長は、先般自ら親善訪問を行ったインドや、アフリカを例にとり、その賛同を得てG7との連携を深めていくことにより、インド・太平洋の安定を導くことの重要性を述べました。
第2セッションは、「アフリカ及び地中海にとってのG7:安定及び成長という共通課題」を議題とし、ブロン=ピヴェ・フランス国民議会議長、ファーガス・カナダ下院議長及びアクソンIPU議長(ゲスト参加)から基調演説があった後、各国議長間の議論が行われました。額賀議長は、2022年第8回アフリカ開発会議の成果と次回2025年の同会議の目的を述べ、タンザニアにおいて我が国が長年実施してきた稲作振興支援を我が国のアフリカ支援の具体例として紹介しつつ、アフリカと「共に成長するパートナー」として「現場主義」にのっとり協力していく我が国の姿勢について述べました。
第3セッションは、「人工知能、サイバーセキュリティと国益の保護:デジタル移行における議会の役割」を議題とし、バース・ドイツ連邦議会議長及びホイル英国下院議長から基調演説があった後、各国議長間の議論が行われました。額賀議長は、広島AIプロセスの前進をはじめAIに関する包摂的な国際ガバナンス形成が促進されることへの期待を述べるとともに、サイバーセキュリティにかかわる最近の法整備、偽・誤情報対策、議会におけるAI活用の可能性について所見を述べました。
最後に、共同宣言について議論が行われ、別紙1及び別紙2(仮訳)のとおり発出されました。
別紙1(PDF:186KB)
別紙2(仮訳)(PDF:205KB)
なお、前日5日夕刻に額賀議長が出席した開会式ではマッタレッラ・イタリア大統領によるスピーチが行われ、また、額賀議長は、会議期間中、イタリア、米国、カナダ及びウクライナの各国議長と二国間会談を行いました。
〇フォンターナ・イタリア下院議長
〇ジョンソン米国下院議長
〇ファーガス・カナダ下院議長
〇ステファンチューク・ウクライナ最高会議議長
【参考】参加議長等一覧
日本国衆議院議長 | 額賀 福志郎君 | |
カナダ下院議長 | グレッグ・ファーガス君 | |
フランス国民議会議長 | ヤエル・ブロン=ピヴェ君 | |
ドイツ連邦議会議長 | ベアベル・バース君 | |
イタリア下院議長 | ロレンツォ・フォンターナ君 | |
英国下院議長 | リンジー・ホイル君 | |
米国下院議長 | マイク・ジョンソン君 | |
欧州議会議長 | ロベルタ・メッツォラ君 | (欧州議会は恒常的ゲスト) |
ウクライナ最高会議議長 | ルスラン・ステファンチューク君 | (ゲスト参加) |
IPU議長 | トゥリア・アクソン君 | (ゲスト参加) |