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平成三十年衆議院議長年頭の辞


迎春

平成三十年の新春を迎えるにあたり、国民の皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。また、皇室の弥栄と我が国の益々の発展を心より祈念いたします。

私は、昨年十一月に同僚議員の推挙により、議長に再任されました。改めてその責務の重さを自らに課し、日本国憲法の理念の下、国会が国民の期待と信頼に応えるために、引き続き最善の努力をいたす所存であります。

昨年は、立法府として多くの課題に取り組みましたが、その中で最も重要な課題の一つが、天皇陛下の御退位についてのものでした。この国家的課題について、日本国憲法第一条にある「国民の総意」を見つけ出すことが、国民の代表機関である立法府の重大な責務と考え、両議院の正副議長を中心に、各政党・各会派の代表者とともに真摯な議論を行い、五月に「立法府の総意」を取りまとめました。そしてこの総意を受けて内閣から提出された天皇の退位等に関する皇室典範特例法が六月に成立し、十二月には、両議院の正副議長もその構成員である皇室会議の意見を踏まえ、同法の施行日が決まりました。これにより来年四月三十日には天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が御即位されることになります。国民の皆さま方の敬愛と祝意が満ち溢れる中で、御退位と御即位がつつがなく行われることを期待いたしております。私といたしましても、立法府の責務を果たすことができ、誠に感慨深いものがあるとともに、ここに至るまで尽力された、各政党・各会派の方々、そして川端前衆議院副議長、伊達参議院議長、郡司参議院副議長に改めて感謝を申し上げます。またこれを機に、歴史を学び、新元号時代への準備を行うとともに、そのあるべき姿を考えるという温故『考』新の年にしたいと思っております。

昨年、一票の較差の是正のための選挙制度改革を受けて改定された新たな選挙区割りによる初めての衆議院議員総選挙が執り行われました。顧みるに、これまで三度の総選挙にわたり、一票の較差が二倍以上であるとして「違憲状態」とする最高裁判決が続いておりました。今回、小選挙区制導入後初めて一票の較差が二倍以下となる状況で総選挙を行うことができた意義は大きいものがあると思います。国民の皆さまの負託に応えるため、我が国が直面する内外の諸課題に対し、与野党で充実した議論を行い、議会制民主主義の健全な発展に努めてまいりたいと考えております。

国際社会においては、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行動が続いており、アジアのみならず全世界の平和と安全に対する重大な脅威となっています。また、拉致被害者のご家族の高齢化が進んでおり、北朝鮮による拉致問題の解決は焦眉の急を要しております。さらに、不確かな時代の中で、世界各地で緊張が広がっており、予断を許さない状況が続いております。このような世界情勢において、平和主義を掲げる憲法を有する我が国は、世界の平和と繁栄のために貢献していくことが求められております。また、国際社会の核軍縮・不拡散に向けた認識や機運が高まる中、唯一の被爆国である我が国は、核兵器のない世界の実現に向けて地道に粘り強く取り組んでいかなければなりません。立法府としても、G7下院議長会議、日中議会交流委員会、日韓議会未来対話をはじめ議会間交流を積極的に行うことにより、諸外国との相互理解や友好親善に更に尽力してまいる所存です。

今年は、冬季オリンピック・パラリンピックが韓国の平昌で、サッカーワールドカップがロシアでそれぞれ行われます。選手団の諸君には日頃の鍛錬の成果を遺憾なく発揮していただき、私たちに勇気と感動を与えてくれることを願っております。

結びに、本年が国民の皆さまにとり明るく幸せで、実り多い年となることをお祈りし、新年のご挨拶といたします。



平成三十年  元旦



      衆議院議長

大島理森衆議院議長のサイン



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