額賀衆議院議長は、歓迎の挨拶で、日本とベトナムは、本年９月に外交関係樹立５０周年を迎えるとともに、トゥオン国家主席の今次訪問にあたり、両国関係が「アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされたことに触れ、両国関係を大きく飛躍させるため、我が国国会としても貢献していきたいと述べました。さらに、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、日本とベトナムは「自由で開かれたインド太平洋」を実現する上での重要なパートナーであり、両国が協力して地域の平和と安定に尽くしていかなければならないと述べました。

続いて、トゥオン国家主席は、冒頭、外交関係樹立５０周年という極めて意味深い時期に、国会で演説することへの心からの感謝を述べるとともに、自身のこれまでの訪日経験に触れつつ、長期にわたる歴史的関係を有する両国の交流の伝統は、両国民間の友情と相互理解を結びつけてきたと述べました。

過去５０年間にわたり、両国関係はより強固なものへと着実に歩みを進めてきており、両国の国防・安全保障協力は実質的に深化し、また、ベトナムの社会経済の発展において日本は非常に重要な役割を果たしてきたと述べました。さらに、友好議員連盟は両国の重要な架け橋であり、貴重な財産であるとも述べました。

そして、今次訪日において格上げされた両国関係は二国間関係のみならず、気候変動対策、グリーンエネルギー、DX、グリーンFDI、グリーンファイナンス、新世代ODAといった新しい分野への対応にまで協力関係が広がると述べました。その上で、両国関係の将来について、政治、経済、防衛・安全保障、人的交流、再生可能エネルギー・気候変動対応、多国間フォーラムでの連携の６つの分野における協力関係の強化を強調し、アジア太平洋とインド洋をはじめ、世界における平和で安定した環境の維持において日本がより重要かつ積極的な役割を果たすことを支持すると述べました。

結びに、両国国会間の友好協力関係が、両国国民の利益、地域と世界の平和・安定・繁栄のために力強く発展することを祈念すると述べました。

最後に、尾辻参議院議長は、本年は日本とベトナムの外交関係樹立から５０周年の重要な節目の年にあたり、両国間の協力関係も格段に深まっていると述べました。また、本年９月にフエ国会議長の招待によりベトナムを訪問した際、トゥオン国家主席から温かい歓迎を受けたことに謝意を述べました。さらに、世界が相次ぐ災害や紛争など困難に直面する中で、両国が互いに手を取り合い、共に立ち向かうことにより、困難に打ち勝つことができるとし、本日のトゥオン国家主席の演説が、その新たな第一歩を刻んだと述べました。

歓迎会には、岸田内閣総理大臣をはじめ衆参両院で３００名を超える国会議員が参列しました。