令和八年の新春を迎えるに当たり、国民の皆様の御健勝と御多幸を心からお祈りいたします。また、皇室の弥栄と我が国の益々の発展を心より祈念申し上げます。
国会は、昨年の参議院選挙を経て、与野党の議席構成が衆参両院でともに拮抗することとなりました。現在、我が国は物価高や少子高齢化の進行、社会保障関係費の増大といった喫緊の課題に直面しており、立法府として、未来を見据えた責任ある議論を行い、課題解決を図る責任を負っております。本年も、国民の皆様の声に真摯に耳を傾けながら、国民生活の安定と向上、さらに国際社会の安定のために、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
衆議院では現在、「衆議院選挙制度に関する協議会」において、議員定数を含む選挙制度の在り方等に関し、鋭意協議を進めております。選挙制度の問題は、民主主義の根幹に関わるものであり、幅広い政党の合意を得られるよう努めてまいりたいと思います。
大阪・関西万博においては、百六十を超える国・地域・国際機関が参加し、会場内をはじめ、全国各地で数多くの国際交流が実現しました。私自身も、万博を機に来日した多くの外国要人と率直な意見交換を行い、友好協力関係を深めることができました。
世界では、ロシアによるウクライナ侵略が続く一方、中東情勢は予断を許さず、インド太平洋地域における安全保障環境も厳しさを増しております。このような状況だからこそ、議会間においても諸外国との連携を密にすることが、世界平和へ近づく確かな一歩であると確信しております。衆議院といたしましては、本年も引き続き議会間交流に積極的に取り組み、世界の平和と繁栄に貢献したいと考えております。
昨年、坂口志文大阪大学特任教授が、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見してノーベル生理学・医学賞を受賞されました。また、北川進京都大学特別教授が、特定の気体を取り込むことができ、物質の精製などに応用可能な「多孔性金属錯体」と呼ばれる材料を開発し、ノーベル化学賞を受賞されました。改めてお祝い申し上げます。坂口特任教授も北川特別教授も、若い時期にひらめいた仮説を信じ、何年もの長い間、地道な研究を続けてこられました。その間には、我々には想像もできない困難な問題に直面したことも多々あったと思われますが、自らの直感的な仮説の可能性を忍耐強く追究し続けた科学者としての信念と執念が、ノーベル賞という輝かしい成果につながったものと思います。
また、東京で開催された世界陸上やデフリンピック、米国メジャーリーグなどにおける日本人選手たちの活躍も、日々の苦しいトレーニングのたまものです。研究やスポーツの分野に限らず、多くの方々が日々、努力を重ねられていることと思います。皆様一人一人が青春時代の夢と目標をあきらめずに執念深く追い求めていく忍耐力を伴ったひたむきな努力こそが、明るい未来を切り拓くのです。本年も、様々な分野で皆様がその力を遺憾なく発揮されることを期待してやみません。
私は議長として三度目の新年を迎えますが、国民の皆様から寄せられる信頼と期待に応えるべく、議会制民主主義の発展のために一層の努力を重ねてまいります。
結びに、本年が国民の皆様にとり明るく、大いなる飛躍の一年となることをお祈りし、新年の御挨拶といたします。
令和八年 元旦
衆議院議長