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令和4年沖縄全戦没者追悼式における細田衆議院議長追悼の辞


細田衆議院議長は、令和4年6月23日に平和祈念公園(沖縄県糸満市摩文仁)で行われた令和4年沖縄全戦没者追悼式で、献花し、次のとおり、追悼の辞を述べました。



令和4年沖縄全戦没者追悼式における衆議院議長追悼の辞


令和四年沖縄全戦没者追悼式が挙行されるに当たり、衆議院を代表して、謹んで追悼の言葉を申し上げます。

先の大戦では、ここ沖縄において苛烈な地上戦が行われました。鉄の暴風と形容される凄惨な攻撃は、美しい自然や琉球王国時代の歴史的遺産を破壊し、軍民の区別なく幾多の尊い命を奪い、また、沖縄戦最大の悲劇である集団自決により多くの方々が命を落とされました。平和の礎に刻まれた二十万人余りの方々のお名前を前にいたしますと、尽きることのない悲しみが込み上げてまいります。ここに全戦没者の御霊に対し、哀悼の誠をささげますとともに、御遺族の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

本年五月、沖縄は本土復帰五十周年を迎えました。今日に至るまでの沖縄の足跡を振り返りますと、戦後、二十七年にわたり米軍の施政権下におかれ、過酷な土地接収が行われるなど、多くの困難に見舞われてきました。その後、皆様のたゆまぬ努力により、産業の育成や社会基盤の整備が進められたほか、観光業が活況を呈し、本土復帰から半世紀足らずの間に、大きな経済成長を成し遂げられました。新型コロナウイルスの影響により、ここ二年ほど、沖縄の社会経済は厳しい状況に直面しておりますが、外国人観光客の受け入れ再開など明るい兆しも見えてきており、多くの人々で賑わい、万国津梁として栄える沖縄の姿を取り戻す日も近いと確信しております。

一方で、今なお沖縄には国内の米軍基地の約七割が集中しており、県民の皆様の過重な負担を可能な限り低減することが、大きな課題であり続けています。我々国会議員は、沖縄の抱える諸課題が我が国全体の問題であることを深く認識し、平和でよりよい未来のために、「沖縄の人の心になって、沖縄の人の目で」この問題の解決に向け努力を重ねてまいる所存です。

戦後七十七年を迎えるに当たり、戦争を経験された方々が高齢となる中、沖縄戦とその後の歴史を次世代へ伝承するため、各所で記憶の継承と記録の整備に取り組まれている関係者の皆様に改めて敬意を表します。今日、世界では、戦争やテロリズムなどが絶えず繰り返されており、我が国を取り巻く諸情勢も一層厳しさを増しております。我々は、今一度沖縄戦の歴史と教訓に真摯に向き合い、恒久平和を願う沖縄の心を胸に、世界の平和と安定のためにあらゆる努力を尽くしていかなければなりません。

結びに、戦没者の御霊の安らかならんことをお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様の御平安と御健勝を祈念して、追悼の言葉といたします。



令和四年六月二十三日

衆議院議長    細田博之


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