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戦後80年沖縄全戦没者追悼式における額賀衆議院議長追悼の辞


額賀衆議院議長は、令和7年6月23日に平和祈念公園(沖縄県糸満市摩文仁)で行われた戦後80年沖縄全戦没者追悼式に出席し、献花いたしました。

また、額賀衆議院議長は、次のとおり追悼の辞を述べました。


戦後80年沖縄全戦没者追悼式における衆議院議長追悼の辞


戦後八十年という節目を迎え、本日ここに沖縄全戦没者追悼式が挙行されるに当たり、衆議院を代表し、謹んで追悼の言葉を申し上げます。

先の大戦では、ここ沖縄において、住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられました。今、我々の目に映る美しい自然や活気あふれる沖縄の姿からは、想像もできないような凄惨な戦闘の結果、罪のない民間人も多く犠牲となり、軍民合わせて二十万人余りの尊い命が失われました。ここに、全ての戦没者の御霊に対し、心より御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様方に謹んでお見舞いを申し上げます。

これまで多くの語り部の方々が、沖縄戦の体験について、忘れてしまいたいようなつらい記憶をたどり、懸命にお話しいただいております。ある語り部の方は、「戦争は人間を人間でなくしてしまう」と証言されています。川に死体を並べ、死体を踏みつぶして川を渡り敵から逃げたそうで、死体を踏みつぶしてもなんとも思わなくなっていたとお話しされています。現在に生きる我々は、「人間を人間でなくしてしまう」悲劇が、戦争下では現実であったことをしっかりと胸に刻むとともに、戦争で流されたおびただしい血と涙が、ここ沖縄の地にしみ込んでいることを、決して忘れてはいけません。

戦後八十年が経過し、戦争を直接知っている世代の方は、ますます少なくなっております。沖縄戦の悲劇を繰り返さないため、戦争の悲惨さや平和の尊さを次の世代に伝承していくことは、我々に課せられた重大な責務です。

沖縄県は、五十年連続で、全国で最も出生率が高く、次世代を担う若者が多く育っております。こうした未来溢れる若者に、命と平和が、如何にかけがえのないものであるか、お伝えいただくことは大変重要です。これまで長年にわたり歴史の継承に取り組まれてこられた方々に対し、心より敬意を表します。

沖縄県民の皆様は、戦中・戦後の幾多の苦難を乗り越えながら、沖縄の復興と発展に向けた歩みを、着実に進めてこられました。今、沖縄は、豊かな自然と、その特色ある歴史・文化をもって、国内外の多くの人々を惹きつけております。また、沖縄は、東アジアの中心に位置しており、成長著しいアジア諸国との接点として、無限の可能性を秘めていると考えます。こうした地理的特性も活かし、国内外四十五都市との路線を有し、着陸回数で我が国第五位を誇る那覇空港を中心に、国際的なヒト・モノをつなぐ架け橋として、更なる発展を期待しています。我々国会議員も、沖縄経済のより一層の発展を後押しすべく、引き続き力を尽くしてまいる所存です。

結びに、戦没者の御霊の安らかならんことをお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様の御平安と御健勝を祈念して、追悼の言葉といたします。



令和七年六月二十三日

衆議院議長    額賀福志郎


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