額賀衆議院議長は、令和7年11月9日に三重県志摩市・南伊勢町で行われた第44回全国豊かな海づくり大会〜美し国みえ大会〜で、大会会長として、次のとおり挨拶を述べ、稚エビの放流等を行いました。
(写真はいずれも三重県提供)
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、第四十四回全国豊かな海づくり大会が開催されるに当たり、主催者として一言御挨拶申し上げます。
古くから「美し国」と呼ばれる三重県は、温暖な気候により、山の幸はもとより、海の幸が豊富にあり、多くの人々を魅了してきました。例えば伊勢神宮にお供えされるアワビや、桑名のハマグリ、伊勢志摩・鳥羽地域のイセエビ、それに熊野灘で育った「伊勢まだい」など、全国的に著名な水産物の宝庫となっています。海洋や河川と豊かな関係を育んできたここ三重県において、昭和五十九年以来、四十一年ぶりに、「受け継ごう 命あふれる 清い海」をテーマに今大会が開催されますことを、嬉しく思います。
気候変動等による海洋環境の変化や水産資源の減少など、水産業や漁村を取り巻く状況は厳しさを増しております。三重県では特に、黒潮の流れが南に大きく蛇行したことにより、海水温が上昇し、漁獲量が大きく減少しています。養殖牡蠣は、多い時の二割程度しか出荷できなかった業者もあると伺いました。観測史上過去最長の七年九か月続いたこの黒潮大蛇行は、今年の春にようやく終息したとされ、北に避難していた魚が戻る可能性もあると聞いております。しかし、今後も起こりうる気候変動対策のため、鳥羽市水産研究所では、海藻が少なくなり生態系が変化する、いわゆる「磯焼け」問題の解決に早くから取り組んでおり、大型の海藻、サガラメの種苗を海底に設置する方法を工夫して、地元の漁協と一緒になって海藻の再生活動を行うとともに、地域の小中学生への海洋教育も行っているとのことです。このような取組は、水産業の振興や自然環境の保全にとって、大変意義深いものであると思います。
本日、栄えある表彰をお受けになる方々に対し、心より敬意を表しお慶びを申し上げます。また、お集まりの皆様には、豊かな海や河川を次世代へと引き継ぎ、水産業を未来に希望を持って繋いでいくことを目指して、今後とも御尽力を賜りますよう切にお願いいたします。結びに、大会開催のため力を尽くしてこられた関係者の方々に厚く御礼を申し上げ、御挨拶といたします。
令和七年十一月九日