５　委員会の概況

内閣委員会

１ 委員名簿（30）

委員長	二田　孝治君	自民	石田　幸四郎君	明改
理事	植竹　繁雄君	自民	倉田　栄喜君	明改
理事	小此木　八郎君	自民	鰐淵　俊之君	自由
理事	小林　興起君	自民	瀬古　由起子君	共産
理事	萩野　浩基君	自民	中路　雅弘君	共産
理事	北村　哲男君	民主	深田　肇君	社民
理事	佐々木　秀典君	民主	笹木　竜三君	無会
理事	河合　正智君	明改
理事	三沢　淳君	自由
	越智　伊平君	自民
	小島　敏男君	自民
	佐藤　信二君	自民
	谷川　和穗君	自民
	近岡　理一郎君	自民
	虎島　和夫君	自民
	桧田　仁君	自民
	平沢　勝栄君	自民
	堀内　光雄君	自民
	武藤　嘉文君	自民
	矢上　雅義君	自民
	河村　たかし君	民主
	藤村　修君	民主
	山元　勉君	民主

２　議案審査

付託された法律案は、内閣提出法律案６件(うち、継続審査2件)、議員提出法律案９件(継続審査)、参議院提出法律案は１件であった。また、委員会提出法律案は２件であった。

内閣提出法律案のうち、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示請求権を定め、政府の説明責務を定める行政機関保有情報の公開法案及び同法施行に伴う整備法案は、訴訟管轄の特例を設けるなどの修正を加え修正議決された。なお、行政機関保有情報の公開法案に対し、附帯決議が付された。

恩給年額を0.70％増額する恩給法等改正案は、原案のとおり可決された。その主な質疑内容は、[1]恩給に国籍条項がある理由、[2]恩給欠格者の救済措置の必要性、[3]旧日赤救護看護婦等に対する処遇の在り方等であった。

男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画社会の形成について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めようとする男女共同参画社会基本法案は、参考人質疑などが行われた後、全会一致をもって、前文を加える修正が行われた参議院送付案のとおり可決された。その主な質疑内容は、[1]女性が政策等の立案及び決定に共同参画する機会の確保の必要性、[2]ポジティブ・アクションに対する対応、[3]法案における性別（ジェンダー）問題、[4]社会における制度・慣行についての配慮の意義、[5]家庭生活における男女の活動の在り方、[6]女子差別撤廃条約選択議定書の問題点及び批准の見通し、[7]女性の国家公務員の管理職への登用状況、[8]男女共同参画社会の形成への法制上、財政上の措置の必要性等であった。なお、本案に対し、附帯決議が付された。

公務員について65歳までの在職を可能にする新たな再任用制度を設ける国家公務員法等改正案は、原案のとおり可決された。その主な質疑内容は、[1]制度導入の意義及び課題、[2]給与体系の在り方、[3]倫理問題等であった。なお、本案に対し、附帯決議が付された。

国旗は日章旗及び国歌は君が代として、国民の間に広く定着していることにかんがみ、成文法にその根拠を明確に規定しようとする国旗・国歌法案は、原案のとおり可決された。本案に対しては、地方公聴会（北海道・石川県・広島県・沖縄県）及び公聴会の開催、参考人質疑、文教委員会との連合審査会、総理大臣に対する質疑などが行われた。その主な質疑内容は、[1]国旗・国歌の歴史認識及び法制化の是非、[2]法制化の在り方、[3]君が代の解釈、[4]教育現場に与える影響等であった。なお、修正案が提出されたが否決された。

議員提出法律案のうち、国家公務員の公務に対する国民の信頼を確保するため、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図る倉田栄喜君外９名提出の国家公務員の倫理の保持に関する法案及び小川元君外３名提出の国家公務員倫理法案並びに安保委から付託替の自衛隊員に同様な措置を講ずるための自衛隊員倫理法案、国民の知る権利を保障し、行政情報の公開に関する行政機関の責務及び行政情報開示請求権を明らかにする松本善明君外１名提出の情報公開法案及び北村哲男君外５名提出の行政情報の公開に関する法案は、いずれも審査未了となった。行革特委から付託替の国家公務員、特殊法人役員及び日銀職員等の天下りの制限、給与等の規制を図ろうとする国の行政機関の職員等の営利企業等への就職の制限等法案、国家公務員法及び自衛隊法改正案、特殊法人の役員等の給与等規制法案及び日銀法改正案は、いずれも継続審査となった。

参議院提出法律案の、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存及び利用に資するための国立公文書館法案は、原案のとおり可決された。

委員会提出法律案は、一般職の国家公務員及び自衛隊員の公務に対する国民の信頼を確保するため、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図る国家公務員倫理法案及び自衛隊員倫理法案であった。

なお、内閣提出の行政課題に柔軟かつ的確に対応できる知識・能力を有する人材の育成を図る官民人事交流法案及び議員提出の審議会等の公正の確保を図ろうとする審議会等の委員等の構成及び審議等公開法案は、いずも８月13日（会期終了日）の本会議で、当委員会において閉会中審査することと議決された。

　

３　国政調査

国政調査では、公務員の制度及び給与に関する件（人事院勧告）について、質疑を行った。

その主な質疑内容は、人事院の給与勧告について、[1]早期完全実施に向けた決意、[2]マイナス勧告となった理由、[3]人事管理システムの見直し、[4]超過勤務縮減に向けた取組み、[5]公務員倫理確立の必要性等であった。

５月21日、公益法人の運営実態に関する予備的調査要請書（仙谷由人君外40名提出、平成11年衆予調第１号）が本委員会に送付され、６月９日、同予備的調査についての報告書が、委員会に提出された。

８月12日、特定公益増進法人の認定及び寄附の実態に関する予備的調査要請書（山本孝史君外41名提出、平成11年衆予調第２号）が本委員会に送付された。

閉会中、９月６日から８日までの３日間の日程で、北海道に委員派遣を行った。

　

４　決議

国家公務員の職務に係る倫理の確立に関する件について決議を行った。その内容は以下のとおりである。

国家公務員の職務に係る倫理の確立に関する件（11.8.5）

政府並びに人事院は、国家公務員の職務に係る倫理についての法律の施行に当たっては、次の事項について所要の措置を講ずるべきである。

一　国民の公務に対する信頼を確保するため、幹部公務員を始めとして国家公務員倫理研修を行うなど、この法律の趣旨の徹底を図ること。

一　国家公務員倫理審査会がその機能を十分に果たすことができるよう、予算、人員等所要の措置を講ずること。

右決議する。

　

５ 請願審査

付託件数	採択件数	未了件数
367	42	325

　

採択された請願

〇元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関する請願　34件（34通）

慰労給付金の増額を早急に実現されたい。

〇元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願　８件（８通）

兵に準じて慰労給付金の増額を図ること。

12年未満の全員に対しても相応の措置をすること。

　

６　付託議案審査一覧

閣　法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
行政機関の保有する情報の公開に関する法律案(内閣提出、第142回国会閣法第102号)	(10.3.27)	(10.4.28)	11.1.19	(10.4.30)		2.12 修正(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会) (附)	2.16 修　正 5.7 回付同意	総務 4.27 修正 (附)	4.28 修正	11.5.14 法42号
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、第142回国会閣法第103号)	(10.3.27)	(10.4.28)	11.1.19	(10.4.30)		2.12 修正(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会) (附)	2.16 修正	総務 4.27 可決	4.28 修正	11.5.14 法43号
恩給法等の一部を改正する法律案（内閣提出第2号）	11.1.29		3.4	3.9	3.9	3.9 可決(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会)	3.11 可決	総務 3.23 可決	3.24 可決	11.3.31 法7号
男女共同参画社会基本法案（内閣提出第52号）(参議院送付)	参 11.2.26	6.3	6.3	6.4	6.8 6.10 6.11	6.11 可決(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民・無会) (附）	6.15 可決	総務 5.21 修正 (附）	5.21 修正	11.6.23 法78号
国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出第78号)（参議院送付）	参 11.3.10		6.25	6.29	6.30	6.30 可決(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会) (附）	7.1 可決	総務 6.3 可決 (附）	6.4 可決	11.7.7 法83号
国と民間企業との間の人事交流に関する法律案(内閣提出第113号)	11.4.28						(8.13) (閉会中審査)
国旗及び国歌に関する法律案（内閣提出第115号）	11.6.11	6.29	6.29	7.1	7.1 7.6(地公) 7.7(地公) 7.8(公) 7.16 7.21(連) 7.21	7.21 可決(多) (賛-自民・民主・明改・自由・無会) (反-民主・共産・社民)　＊	7.22 可決	国旗・国歌に関する特 8.9 可決	8.9 可決	11.8.13 法127号

　＊民主は自主投票

衆　法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
情報公開法案（松本善明君外1名提出、第141回国会衆法第5号）	(9.10.3)		11.1.19	(10.4.30)		（審査未了）
国家公務員の倫理の保持に関する法律案(倉田栄喜君外9名提出、第142回国会衆法第3号	(10.2.27)		11.1.19	(10.12.14)		（審査未了）
行政情報の公開に関する法律案(北村哲男君外５名提出、第142回国会衆法第11号)	(10.3.27)	(10.4.28)	11.1.19	(10.4.30)		（審査未了）
国の行政機関の職員等の営利企業等への就職の制限等に関する法律案（松本善明君外1名提出、第142回国会衆法第19号）	(10.5.8)		11.1.19	(10.12.14)			(8.13) (閉会中審査)
国家公務員倫理法案(小川元君外3名提出、第142回国会衆法第36号)	(10.6.9)		11.1.19	(10.12.14)		（審査未了）
自衛隊員倫理法案(小川元君外3名提出、第142回国会衆法第37号)	(10.6.9)		11.1.19	(10.12.14)		（審査未了）
国家公務員法及び自衛隊法の一部を改正する法律案（若松謙維君外4名提出、第143回国会衆法第18号）	(10.10.12)		11.1.19	(10.12.14)			(8.13) (閉会中審査)
特殊法人の役員等の給与等の規制に関する法律案（若松謙維君外4名提出、第143回国会衆法第19号）	(10.10.12)		11.1.19	(10.12.14)			(8.13) (閉会中審査)
日本銀行法の一部を改正する法律案（若松謙維君外4名提出、第143回国会衆法第20号）	(10.10.12)		11.1.19	(10.12.14)			(8.13) (閉会中審査)
審議会等の委員等の構成及び審議等の公開等に関する法律案(松本善明君外1名提出、衆法第14号)	11.4.13						(8.13) (閉会中審査)
国家公務員倫理法案(内閣委員長提出、衆法第36号)	11.8.5					8.5 成案・提出決定(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会)	8.6 可決	総務 8.9 可決	8.9 可決	11.8.13 法129号
自衛隊員倫理法案(内閣委員長提出、衆法第37号)	11.8.5					8.5 成案・提出決定(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民) (欠-無会)	8.6 可決	外交・防衛 8.9 可決	8.9 可決	11.8.13 法130号

参法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
国立公文書館法案（参議院提出、参法第15号）	参 11.4.27		6.3	6.15	6.15	6.15 可決(全) (賛-自民・民主・明改・自由・共産・社民・無会)	6.15 可決	総務 4.27 成案・提出決定	4.28 可決	11.6.23 法79号