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環境委員会

[1] 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案(内閣提出第53号)(参議院送付)

成立(平成11年法律第74号)

本案は、最近における鳥獣の生息状況及び狩猟の実態にかんがみ、著しく増加し、又は減少した鳥獣について長期的な観点から当該鳥獣の保護繁殖を図るとともに狩猟者減少防止に資するため、特定の鳥獣の保護管理に関する計画制度の創設及び狩猟免許制度の改善等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 特定鳥獣保護管理計画制度の創設

1 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において著しく増加し、又は減少した鳥獣がある場合であって、当該鳥獣の生息状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護繁殖を図るため特に必要があると認められるときは、当該鳥獣の保護管理に関する計画を策定し、鳥獣保護事業計画にその樹立に関する事項を定めることができるものとすること。

2 特定鳥獣保護管理計画においては、保護管理の目標、数の調整に関する事項、生息地の保護及び整備に関する事項等を定めるものとすること。

3 都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため必要がある場合には、その必要の限度において環境庁長官の定める捕獲の禁止又は制限に代えて当該特定鳥獣について捕獲の禁止又は制限等をすることができるものとすること。

4 鳥獣の捕獲等に関する許可事由に、特定鳥獣保護管理計画に定めるところにより特定鳥獣の数を調整するためを追加するものとすること。

5 環境庁長官は、鳥獣の保護繁殖を図るため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対して特定鳥獣の捕獲の禁止又は制限等に関し必要な指示をすることができるものとすること。

二 狩猟免許制度の改善

装薬銃に関する狩猟免許である乙種狩猟免状を交付された者は、空気銃等に関する狩猟免許である丙種狩猟免状を交付された者とみなすものとすること。

三 その他

1 狩猟鳥獣の捕獲の禁止又は制限に関する環境庁長官と都道府県知事との役割分担の明確化を図るものとすること。

2 その他所要の規定の整備を図るものとすること。

四 施行期日等

1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、狩猟免許制度の改善に関する事項は、平成12年4月16日から施行するものとすること。

2 その他所要の経過措置を整備するほか、火薬類取締法について所要の改正を行うものとすること。

五 検討条項に関する事項

政府はこの法律の施行後3年を目途としてその施行状況について検討を加え、国土全体の健全な生態系を維持回復し、自然と人間との共生を確保する観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

附帯決議(11.6.8)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一 緑の国勢調査その他の自然環境に関する調査を徹底するなど、集中対策期間を設け、国全体の鳥獣の生息状況を適切に把握するとともに、都道府県における調査を支援し、これらの成果を野生鳥獣の保護管理施策に積極的に活用すること。また、自然との共生について教育啓発を高めること。

二 特定鳥獣保護管理計画の策定のための指針等を定めるに当たっては、野生鳥獣保護の専門家及び自然保護団体等の意見を広く聴くとともに、計画の内容が、野生鳥獣の生息地の育成・整備、農林業被害の防除に万全を期すことを優先し、過剰な捕獲をもたらすことがないように定められることを明確にするほか、計画の策定、実行がこれに沿って適切になされるための具体的な手段を示すこと。特に、クマ・サルについては、その生息実態等に関する科学的知見が不十分であることから十分な調査を実施し、万全な農林業被害の防除対策とともに、これら個体群の保護に重点を置いた保護管理計画が策定されるよう示すこと。

三 野生鳥獣との共存の森づくりに係る事業、鳥獣保護区の適切な設定等を通じ、野生鳥獣の生息しやすい環境整備を進め、野生鳥獣の移動ができる回廊づくりを積極的に検討するとともに、防護柵の整備等の被害防除対策の推進、被害防除に係る対策技術の開発及び普及を図ること。

四 ツキノワグマなどの絶滅のおそれのある種または個体群としてレッドデータブックに記載されている鳥獣については原則として狩猟の対象としないこととするとともに、個体数が著しく減少している特定の野生鳥獣の個体群については、関係県において特定鳥獣保護管理計画が積極的に策定されるとともに、これら鳥獣の生息環境の復元が図られるよう、その策定及び実施に対する支援に万全を期すこと。

五 都道府県における早急な調査研究体制の整備、野生鳥獣保護の専門的な知識・経験を有する人材の確保及び育成、関係地方公共団体間の調整能力の向上等を図るほか、生息地の所有者、農林業や狩猟、自然保護等関係者などの協力、連携を得るためのネットワークの構築など野生鳥獣保護のための基盤整備が行われるとともに、都道府県を越えた広域かつ統一的な鳥獣保護管理が図られるよう、関係都道府県に対し、積極的に助言、指導及び財政的支援を行うこと。

六 科学的・計画的な野生鳥獣の保護管理に当たっては、その保護繁殖は生息地の保護及び整備の充実、個体群の存続を前提とした適正な捕獲の実施が最も効果的であると考えられることから、鳥獣保護区等の管理等を行う鳥獣保護員等の果たす役割が大変重要であることに鑑み、その役割の強化を図るとともに、大幅な増員と人材育成等に努めること。

七 狩猟者が、環境基本計画の基本理念である「自然と人間との共生」を踏まえ、生態系の安定的な維持等に十分な配慮を行うこととなるよう、狩猟者のモラルの向上を図ること。また、狩猟や駆除が事故、水鳥等の鉛中毒等の悪影響が顕著なことから、鉛弾の規制を含む適切な措置を早急に講ずるとともに、関係地方公共団体と協力し、狩猟、駆除の対象となったシカ等の死骸の適切な処理体制の整備を促進すること。

八 関係地方公共団体における鳥獣保護行政の体制強化のため必要な支援に努めるとともに、都道府県知事の権限に属する普通種等の鳥獣の捕獲等に関する許可に係る事務について、野生鳥獣の保護管理の実施体制の整備状況に応じて適切に市町村に委譲され、円滑に制度の運営が図られるよう、都道府県を指導すること。

九 関係都道府県が特定鳥獣の生息状況、生息地周辺の生態系悪化や農林業被害の状況等に関する調査を十分に行い、その結果について利害関係人等に対し正確な情報提供を行うとともに当該計画の運用または改定に反映させるよう、指導、助言に努めるとともに、国による適切なモニタリングを実施し、それらの結果については、国民及び当委員会等に速やかに報告するとともに、緊急に必要な場合は、関係都道府県又は市町村に対しても迅速かつ的確な指示を行うこと。

十 本法施行3年後を目途の見直しに向けて、野生鳥獣の保護を一層明確にした法制度、鳥獣による農林業者の被害救済措置、公的機関が主導する捕獲体制の強化、野生鳥獣の保護管理のための国と地方の責務の一層の明確化等の具体策につき早急に検討すること。

 

[2] 環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第75号)

成立(平成11年法律第64号)

本案は、特殊法人の整理合理化を推進し、あわせて最近における地球環境問題等をめぐる情勢に適切に対応するため、環境事業団(以下「事業団」という。)の業務として、地球温暖化対策の推進に特に資すると認められる緑地を設置し、及び譲渡する業務等を追加するとともに、資金の貸付けに係る業務を廃止する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 目的の改正

事業団の業務の見直しに伴い、目的に地球環境保全に寄与することを加えるほか所要の改正を行うこと。

二 業務の追加

1 地球温暖化対策の推進に特に資すると認められる緑地を設置し、及び譲渡する業務。

2 産業廃棄物と一般廃棄物を併せて処理する施設等を設置し、及び譲渡する業務。

3 廃棄物の処理に関する技術の開発とその成果の普及、廃棄物の処理の促進を図るため必要な情報の提供等を行う業務。

4 公害の原因となる物質の除去に必要な機材の貸付けを行う業務。

5 開発途上地域からの技術研修員に対する研修を行う業務。

三 業務の廃止

事業団の業務のうち、資金の貸付けを行う業務を廃止すること。

四 その他

1 事業団は、毎事業年度、長期借入金及び公害防止債券の償還計画を立てて、環境庁長官の認可を受けなければならないこと。

2 その他所要の規定の整備を行うこと。

五 施行期日等

1 この法律は、公布の日から施行するものとすること。ただし、三の規定は、平成11年10月1日から施行するものとすること。

2 その他所要の経過措置を整備するほか、廃棄物の処理及び清掃に関する法律について所要の改正を行うこと。

附帯決議(11.4.16)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。

一 本法の見直しを可能な限り早く行うものとし、その際には、環境事業団が主として、国内的には循環型社会の形成、国際的には地球環境問題の解決を図るなど環境政策推進のため、その事業展開を図ることができるよう所要の措置を講ずること。

二 廃棄物、リサイクル、有害物質、地球環境保全対策等の当面する環境政策課題について、環境事業団が時代の要請に応じた事業を積極的に展開していくよう適切な措置を講ずること。

三 環境事業団の融資業務を引き継ぐ日本政策投資銀行においては、環境対策分野への金融の十分な確保と融資を行うとともに、他の分野の政策融資においても循環型社会の形成の視点に立った適切な融資を行う等、統合後の政策金融における環境対策の実効が上がるよう努めること。

四 特殊法人の改革が行われている中で、環境事業団の個別事業の実施に当たっては、将来国民に負担転嫁することとならないよう特に留意するほか、環境事業団が引き続き処理する既往の貸出債権の管理及び回収が今後とも適正に行われるよう適切な措置を講ずること。

五 環境事業団が今後とも特殊法人としての高度な信頼を保持するため、さらに情報公開の推進に努めるとともに、業務内容、組織、人員、役職人事等について不断の見直しに努めることにより、経営の透明性を確保し、能率向上を図るよう適切な措置を講ずること。

六 環境分野については、非営利団体の活動が特に重要であることに鑑み、その支援の一翼を担う地球環境基金のさらなる充実に努めること。

七 地球温暖化対策緑地の整備に当たっては、最終処分場等並びにその周辺の環境調査を十分に行いその結果を公表すること。また、地球温暖化対策緑地の整備の際には、緑地整備に限らず太陽光発電用パネルの設置などの対策も併せて行うことを検討する等、再生可能エネルギーの普及にも資する施策に配慮すること。

 

[3] ダイオキシン類対策特別措置法案(参議院提出、参法第22号)

成立(平成11年法律第105号)

本案は、ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることにかんがみ、ダイオキシン類による環境汚染の防止及びその除去等を行うため、施策の基本とすべき基準、必要な規制及び汚染土壌に係る措置等を定めることにより、国民の健康の保護を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 国及び地方公共団体が講ずるダイオキシン類に関する施策の指標とすべき耐容一日摂取量は、4ピコグラム以下で政令で定める値とするものとすること。

二 政府は、ダイオキシン類に関する大気、水質及び土壌についての環境基準を定めるものとすること。

三 ダイオキシン類の排出基準は、排出ガス又は排出水に含まれるダイオキシン類の削減に係る技術水準を勘案し、総理府令で定めるものとし、都道府県知事は、排出基準のみでは大気の環境基準の確保が困難な地域について、大気中に排出されるダイオキシン類に係る総量削減計画を作成し、この計画に基づき総量規制基準を定めるものとすること。また、一定の猶予期間経過後は、排出基準又は総量規制基準に違反してダイオキシン類を排出してはならないものとし、都道府県知事は、これらの基準に違反して継続的にダイオキシン類を排出するおそれがある者に対し、施設の構造の改善等を命ずることができるものとするとともに、排出の制限、改善命令等に違反した者についての罰則を設けるものとすること。

四 廃棄物焼却炉から排出されるばいじん及び焼却灰その他の燃え殻に含まれるダイオキシン類の濃度基準を厚生省令で定めるとともに、廃棄物の最終処分場の維持管理基準を、総理府令、厚生省令で定めるものとすること。

五 都道府県知事は、大気、水質及び土壌のダイオキシン類による汚染の状況について常時監視し、調査測定を行うものとし、排出基準適用施設の設置者は、ダイオキシン類による汚染の状況を測定し、都道府県知事に報告するとともに、都道府県知事は、それぞれの測定の結果を公表するものとすること。

六 都道府県知事は、土壌の環境基準を満たさない地域を対策地域として指定し、ダイオキシン類により汚染された土壌の除去等を内容とする対策計画を定めるものとすること。

七 内閣総理大臣は、ダイオキシン類の量を削減するための計画を作成するものとすること。

八 住民は、都道府県知事に対し、総量削減地域の指定の申出を内閣総理大臣に行うよう申し出ることができるとともに、三の総量削減計画及び六の対策計画の策定について、公聴会において意見を述べることができるものとすること。

九 ダイオキシン類に係る健康被害の状況及び食品への蓄積の状況を勘案して、その対策については、科学的知見に基づき検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとすること。

十 政府は、小規模施設及び廃棄物焼却施設によらない廃棄物の焼却の規制の在り方について、検討の上必要な措置を講ずるものとすること。

十一 この法律の施行日は、原則として、公布の日から起算して6月を超えない範囲内で政令で定める日とすること。


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