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商工委員会

[1] 中小企業経営革新支援法案(内閣提出第28号)

成立(平成11年法律第18号)

本案は、経済的環境の変化に即応した中小企業の創意ある向上発展が、我が国経済の健全な発展を図る上で重要であることにかんがみ、中小企業の経営革新及び将来の経営革新に寄与する経営基盤の強化について、これらを支援するために必要な中小企業信用保険法の特例措置、中小企業投資育成株式会社法の特例措置その他の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この法律における「中小企業者」及び「組合等」の定義をする。

二 この法律において「経営革新」とは、中小企業者が、新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることをいう。

三 通商産業大臣は、中小企業者の事業を所管する大臣に協議するとともに、中小企業政策審議会の意見を聴いて、経済的環境の変化に即応して中小企業が行う経営革新に関し、経営革新指針を定めるものとする。

四 経営革新指針に基づき、経営革新に関する計画を作成し行政庁の承認を受けた中小企業者及び組合等に対し、中小企業信用保険法の特例、中小企業近代化資金等助成法の特例、中小企業投資育成株式会社法の特例、課税の特例等の措置を講ずるものとする。

五 経済的環境の著しい変化による影響を受け、生産額又は取引額が相当程度減少し、又は減少する見通しがある業種に属する事業を行う中小企業者を構成員とする組合等が、経営基盤の強化に関する計画を作成し、主務大臣の承認を受けた場合には、当該組合等及びその構成員に対し、中小企業信用保険法の特例、中小企業近代化資金等助成法の特例、課税の特例等の措置を講ずるものとする。

六 国等は、経営革新又は経営基盤強化のための事業に必要な資金の確保に努めるものとする。

七 行政庁は、経営革新計画に従って事業を行う中小企業者について、その経営の向上の状況を把握するための調査を行うものとし、国等は、経営革新計画又は経営基盤強化計画に係る事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。

八 この法律における行政庁等及び主務大臣について定めるとともに、その権限の委任について定める。

九 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとし、その他、中小企業近代化促進法及び特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法の廃止、関係法律の整備、所要の経過措置等について定める。

附帯決議(11.3.10)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 経営革新支援に係る法の運用に当たっては、「新たな事業活動」や「相当程度の経営の向上」の基準について、幅広い中小企業が経営革新計画に基づく支援措置を受けられるように配慮すること。

二 経営革新計画における記載事項については、特に「経営の向上の程度を示す指標」について、中小企業者にとって分かりやすいものとするよう努めること。

三 本法の運用に当たっては、計画申請の様式や方法を簡便化するなど、利用者の利便性に配慮したものとすること。

また、中小企業者等がこれらの各種支援策を十分活用できるよう、その周知徹底を図るとともに、必要に応じて施策の充実に努めること。

四 経営基盤強化計画の特定業種の指定については、経済的環境の著しい変化が見られ業種指定を行うべき事態が生じた場合には、迅速な対応を図るとともに計画承認等手続きについても機動的に対応すること。

五 中小企業における信用保証の重要性にかんがみ、今後とも信用保険制度の充実に努めることとし、特に、中小企業の資金繰り難の解消に大きな効果をあげている金融安定化特別保証制度については、保証状況の推移を注視しつつ機動的かつ適切に対応すること。

[2] 中小企業総合事業団法案(内閣提出第29号)

成立(平成11年法律第19号)

本案は、特殊法人等の整理合理化を推進し、あわせて中小企業施策の総合的かつ効率的な実施を図るため、中小企業信用保険公庫及び中小企業事業団を解散して中小企業総合事業団(以下「事業団」という。)を設立するとともに、繊維産業構造改善事業協会を解散して必要な業務を事業団に移管しようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 中小企業信用保険公庫、中小企業事業団及び繊維産業構造改善事業協会を解散し、新たに事業団を設立するものとする。

二 事業団に役員として、理事長1人、副理事長1人、理事8人以内及び監事2人以内を置くものとする。

三 事業団は、中小企業構造の高度化及び中小企業の新事業の開拓を促進するために必要な指導、資金の貸付け、出資及び助成等の事業、中小企業に対する事業資金の融通を円滑にするための債務の保証等についての保険及び信用保証協会に対する資金の貸付け、中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上を図るために必要な研修、指導等の事業並びに小規模企業共済法及び中小企業倒産防止共済法の規定による共済制度の運営等の事業を行うものとする。

四 事業団の財務及び会計について所要の規定を設けるものとする。

五 事業団は、当分の間、三の業務のほか、繊維産業構造改善事業協会が行ってきた業務の一部を行うものとする。

六 事業団は、主務大臣が監督するものとし、主務大臣は、必要に応じ、事業団又は受託者に対し、報告をさせ、又は立入検査をすることができるものとする。

七 中小企業信用保険公庫、中小企業事業団及び繊維産業構造改善事業協会は、事業団の成立の時において解散するものとする。

八 その他本法の施行に伴う所要の経過措置を定めるとともに、関連法律の整備を行うものとする。

九 この法律は、別段の定めがある場合を除き、平成11年7月1日から施行するものとする。

附帯決議(11.3.10)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 新事業団の設立にあたっては、統合によるメリットを十分発揮できるよう、業務の整理合理化を着実に推進するとともに、機動的、効率的な事業運営が確保されるよう配慮すること。

二 統合に伴う職員の処遇については、不利益が生ずることのないよう特段に配慮すること。

三 新事業団の設立後、3年を経過した時期に、運営状況を勘案し、事業団の業務について検討を加え、その結果に基づいて措置を講ずること。

 

[3] 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第30号)(参議院送付)

成立(平成11年法律第41号)

本案は、近年における技術開発成果等の迅速かつ十分な保護の要請に対処するとともに、工業所有権制度の国際的調和を図るため、特許法等の工業所有権関係法律について、権利取得の早期化及び権利保護の強化等の措置を講ずるとともに、標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書(以下「マドリッド協定議定書」という。)の実施に係る手続きを整備し、併せて特許料の引き下げ等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は、以下のとおりである。

一 権利取得の早期化

特許出願について、審査請求期間を短縮するとともに、出願人の請求による早期公開制度を導入する。

二 権利保護の強化

1 特許法等について、文書提出命令に係る手続きの整備、計算鑑定人制度の導入及び裁判官の判断による相当な損害額の認定等権利の侵害に対する救済措置を整備する。

2 特許法等に係る詐欺行為及び虚偽表示について法人重課を導入する。

3 商標法において、新たに出願公開制度を導入するとともに、出願から登録までの間について金銭的請求権により保護することができる措置を講ずる。

三 マドリッド協定議定書への対応

商標法について、商標の国際的な保護を図るため、マドリッド協定議定書を実施するために必要な手続きを整備する。

四 特許料の見直し等

特許料等について、請求項毎の加算額を引き下げるとともに、特許料等の納付の猶予又は減免することができる措置の対象に資力の乏しい法人を加える。

五 その他

実用新案法、意匠法及び商標法について、特許法の改正に準じる所要の改正を行うほか、関係規定の整備を行う。

六 施行期日

この法律の施行期日は、平成12年1月1日とする。

ただし、特許料等の引き下げに関する規定及び訴訟と審判に関する規定については、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日、マドリッド協定議定書の実施に関する規定については、議定書が日本国内において効力を生ずる日、審査請求期間の短縮等に関する規定については、平成13年10月1日等からそれぞれ施行することとする。

附帯決議(11.4.27)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 特許権等の侵害に対する救済措置拡充の改正内容の周知徹底と、知的財産権に関する国民的意識を涵養するための啓発活動に努めるとともに、侵害に対する抑止力の強化や適切な賠償の実現に向け、知的財産紛争に関する紛争処理体制の確立に努めること。

二 経済の国際化にかんがみ、各国の主権の尊重を前提に、工業所有権制度について、二国間、多国間の場を活用し、長期的には世界共通特許制度構築を目標に、公開制度の導入等、国際的制度の調和に積極的に取り組むこと。

また、我が国の出願人等の利便性の一層の向上を図るため、マドリッド協定議定書未加入国に対し加入を促すよう積極的に努めるとともに、アジア諸国等における工業所有権制度の整備について国際協力を積極的に進めること。

 

[4] 国際協力銀行法案(内閣提出第32号)

成立(平成11年法律第35号)

本案は、特殊法人等の整理合理化を推進し、併せて国際経済社会への機動的、効率的貢献のための執行体制の確立を図るため、日本輸出入銀行及び海外経済協力基金を解散して国際協力銀行を設立しようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 日本輸出入銀行及び海外経済協力基金を解散し、新たに国際協力銀行を設立するものとする。

二 国際協力銀行に、役員として、総裁1人、副総裁2人、理事7人以内及び監事2人以内を置くものとする。

三 国際協力銀行は、その目的を達成するため、設備の輸出等のために必要な資金の貸付け等、重要物資の輸入等が確実かつ適時に行われるために必要な資金の貸付け等、我が国の法人やその出資に係る外国法人等が海外において行う事業に必要な資金の貸付け等、外国政府等が海外において行う事業等に必要な長期資金等の貸付け等の「国際金融等業務」及び開発途上地域の外国政府等が行う開発事業の実施等に必要な資金のうち、資金の供与の条件が開発途上地域にとって重い負担にならないよう金利、償還期間等について緩やかな条件が付されているものの貸付け等の「海外経済協力業務」並びにこれらの業務に必要な調査を行うものとする。

四 国際協力銀行の予算及び決算については、国の予算及び決算とともに国会に提出し、その議決を要するものとする。

五 国際協力銀行の財務及び会計については、国際金融等業務と海外経済協力業務に係る経理を明確に区分するとともに、所要の規定を設けるものとする。

六 国際協力銀行は、主務大臣が監督するものとし、必要に応じ、国際協力銀行に対して業務に関し必要な命令等をすることができるものとする。

七 本法の施行に伴う所要の経過措置を定めるとともに、関連法律の整備を行うものとする。

八 この法律は、公布の日から施行するものとする。ただし、日本輸出入銀行法及び海外経済協力基金法の廃止等についての規定は、平成11年10月1日から施行するものとする。

附帯決議(11.3.23)

政府は、本法施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一 日本輸出入銀行及び海外経済協力基金の2つの機関の統合に当たり、その効率的な事業推進に努めること。

二 国際協力銀行の組織及び業務については、統合の実をあげるため、積極的な人材育成と内部登用の促進を図り、併せて民間からの有能な人材の登用等を通じて、経済協力に関する役職員の専門的な知見とノウハウが組織及び業務の運営に充分反映される人員配置とし、もって業務の一層の活性化を図ること。

三 国際協力銀行が行うODA業務及び国際金融等業務については、国民の理解を得るため、その情報公開に努めること。

四 ODA等海外支援の決定については、国民に充分理解できるよう、その透明性を確保すること。

五 ODA等海外支援については、実施後の状況を適確に把握し、その効果等を充分検証すること。また、その際は適切な情報公開の措置を講ずること。

六 ODA等海外支援の決定は、当該国の国民の理解を得て行うこと。

七 ODA等海外支援については、当該国の自然環境に与える影響を充分考慮し、環境配慮のため国際水準に照らして充分な内容を持つ統一ガイドライン等を策定の上、充分な調査を行い決定すること。

八 国際協力銀行の設立後3年を経過した時期に、運営状況を勘案し、その業務について検討を加え、その結果に基づいて措置を講ずること。

 

[5] 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外制度の整理等に関する法律案(内閣提出第39号)(参議院送付)

成立(平成11年法律第80号)

本案は、我が国経済社会をより開かれ、自己責任原則と市場原理に立つ自由なものとしていくために、規制緩和の推進とともに競争政策の積極的展開を図ることが不可欠であることにかんがみ、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)に基づく適用除外制度の整理、独占禁止法の適用除外等に関する法律の廃止等を行い、公正かつ自由な競争を一層促進しようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 独占禁止法について、不況カルテル及び合理化カルテルの制度を廃止する等の措置を講ずる。

二 独占禁止法の適用除外等に関する法律を廃止する。

三 独占禁止法の適用除外制度が規定されている海上運送法等の個別の法律について、適用除外の範囲の限定等の整備を行う。

四 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行する。

 

[6] 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第42号)

成立(平成11年法律第50号)

本案は、近年のエネルギー市場における競争の拡大等を踏まえ、電気及びガスの使用者利益の一層の増進を図る観点から、効率的な電気及びガスの供給が実現するよう両事業に係る一層の競争導入を促進させるため、参入規制の緩和及び料金規制の見直し等を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 電気事業法の一部改正

1 大口需要家に対する電気の小売供給について、電力会社以外の供給者による電気の小売を可能とするとともに、新規参入者が一般電気事業者の保有する電線路を利用するための制度を整備する。

2 自由化の対象とならない部門における料金規制について、料金引下げなどの需要家の利益になる場合の変更を認可制から届出制へ移行するとともに、選択約款についての設定要件を拡充する。

3 一般電気事業者の兼業規制を廃止するとともに、電気事業に必要な設備の譲渡等における許可制を届出制へ移行する。

二 ガス事業法の一部改正

1 大口需要家に対するガスの小売供給について、新規参入者が指定一般ガス事業者の保有する導管を利用するための制度を整備する。また、簡易ガス事業者が一般ガス事業者の供給区域内で事業を開始する際に意見を聴取していた地方ガス事業調整協議会を廃止する。

2 一般ガス事業者及び簡易ガス事業者の料金について、料金引下げなどの需要家の利益になる場合の変更を認可制から届出制へ移行する。また、簡易ガス事業における業務用等の大口需要家に対する料金を、当事者間による交渉可能なものとする。

3 一般ガス事業者の兼業規制を廃止するとともに、ガス工作物の変更手続における許可制を届出制へ移行する。

三 その他

罰則の改正その他所要の規定の整備を行う。

四 施行期日等

1 この法律は、平成12年3月21日から施行する。ただし、電気事業法の改正に伴う小売供給の部分自由化等に関する規定については公布の日、ガス事業法の改正に関する規定については公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 この法律の施行後3年を経過した後、施行状況について検討を加え、必要な措置を講じる。

3 所要の経過措置等について定めるほか、関係法律について所要の改正を行う。

附帯決議(11.4.20)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について、適切な措置を講ずべきである。

一 国民生活と産業活動の基盤となる電気及びガス事業の制度改革が、エネルギーセキュリティーの確保と地球環境問題等に配意したエネルギーのベストミックスや高度な供給信頼性の維持等の公益的な課題への取り組みを損なうことがないよう、競争と公益的課題の達成の両立を図りつつ推進すること。

二 今改正において導入される諸制度の詳細設計に当たっては、新規参入の拡大が有効な競争を促進し業務の合理化・効率化に資するものとなるよう、公正かつ公平なルールの整備を行うこと。

特に、電力会社が保有する送電ネットワークの開放については、料金算定条件等について対等な競争条件が確保されるものとするとともに、系統運用やベースロード電源の活用に支障を生じることがないよう適切な制度構成を図ること。

三 制度改正により期待される一般電気事業者及び一般ガス事業者の経営努力等の成果が、小口需要家の料金等に適切に反映されるよう制度の運用を図ること。

四 地球環境問題への対応等の観点から、発電分野における自由化の拡大が地球環境への負荷の増大を招くことがないよう、太陽光や風力発電等の自然エネルギーを利用した電力の売買を促進するための施策について、引き続き積極的に推進すること。

五 施行後3年経過時に予定される今改正の検証と制度の見直しに向けて、電力・ガス事業における我が国に適合した制度改革のあり方等について、十分な状況把握に努めること。

 

[7] 不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第60号)

成立(平成11年法律第33号)

本案は、音楽、映像、ゲームソフト等をデジタル化して販売するいわゆるコンテンツ提供事業における公正な競争の確保を図るため、コンテンツの提供に当たって通常施されている無断視聴や無断コピーを制限するための技術的制限手段の効果を妨げる装置及びプログラム等の譲渡等の行為を不正競争として差止請求をすることができることとする等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 コンテンツ提供事業における公正な競争を確保するため、料金徴収等のため営業上用いられる技術的制限手段により制限されている影像や音の視聴あるいは記録等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする装置あるいはプログラム等の譲渡等の行為を不正競争とし、差止請求等の対象とする。

二 技術的制限手段に関する研究開発等を阻害することのないよう、技術的制限手段の試験又は研究のために用いられる装置あるいはプログラム等の譲渡等の行為は、適用除外とする。

三 この法律は、平成11年10月1日から施行するものとする。

 

[8] 訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出第65号)

成立(平成11年法律第34号)

本案は、エステティックサロンや外国語会話教室等の特定継続的役務取引の現状等にかんがみ、訪問販売等に関する法律において取引の公正及び購入者等の利益の保護を更に図るため、特定継続的役務取引に関し書面の交付義務等の規制及び契約の解除等の制度を設け、並びに罰金の引上げ等の措置を講ずるとともに、割賦販売法において役務の提供を対象とする等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 訪問販売等に関する法律の一部改正

1 「特定継続的役務提供」とは、役務提供事業者が、特定継続的役務を一定の期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて一定の金額を超える金銭を支払うことを約する契約を締結して行う当該特定継続的役務の提供及び販売業者が、特定継続的役務提供を受ける権利を一定の金額を超える金銭を受け取って販売する契約を締結して行う当該特定継続的役務の提供を受ける権利の販売をいうものとする。

2 特定継続的役務提供について、役務提供事業者及び販売業者に対し、契約締結時における書面交付義務、誇大広告及び勧誘時における不実告知行為の禁止等の規制を設ける。また、役務の提供を受ける者等によるクーリング・オフ制度及び中途解約制度を導入するとともに、契約解除時の損害賠償等の額の制限等の措置を講ずるものとする。

3 罰則について罰金額の引上げ、法人重課等を行うものとする。

二 割賦販売法の一部改正

1 割賦販売、ローン提携販売及び割賦購入あっせんの定義に、指定権利の販売及び指定役務の提供を追加する。

2 指定権利を販売する契約又は指定役務を提供する契約について、クーリング・オフ制度及び契約解除時の損害賠償等の額の制限に係る制度の拡充を行うものとする。

3 ローン提携販売を利用した割賦購入あっせんに係る抗弁権の接続の措置を講ずるものとする。

三 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとし、その他、関係法律の整備、所要の経過措置について定める。

附帯決議(11.3.19)

政府は、本法施行に当たり、特殊形態取引等における消費者被害の拡大防止に万全を期すると同時に、サービス産業分野の健全な発展を確保する見地から、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 消費者に対し、法改正内容の周知徹底、消費者トラブルに係る情報提供の充実に努めるとともに、特に若年層に被害が多発している現状にかんがみ、学校教育、社会教育の充実を図ること等により、消費者被害の未然防止に努めること。

二 クーリング・オフ制度、中途解約制度及び割賦購入あっせんにおける抗弁権の接続については、通達等によりわかり易く解説等を行うとともに、広く周知徹底を図ること。

三 本法の適切かつ機動的な執行体制を確保するため、地方自治体の消費生活センター、国民生活センターとの一層の連携強化を図るとともに、迅速な苦情処理と機動的な行政措置発動のための体制を整備すること。

四 特定継続的役務提供事業者等の事業活動の一層の適正化を図るため、業界団体等に対し、自主ルールの一層の充実とその遵守の徹底に努めるとともに、組織化の促進を図ること。

五 企業等の窓口において苦情相談を担当する人材の養成、供給が円滑に進むよう、必要な配慮を行うとともに、その適切かつ迅速な処理体制の確立が図られるよう支援すること。

六 電子商取引を始めとする商取引の国際化、高度化が進捗するなか、新しい形態の消費者被害が多発することのないように、それらの動向を的確に把握するとともに、必要な場合には、消費者被害防止策を迅速に講ずること。

七 消費者が多様な役務の選択を的確に行えるよう、第三者による役務の適正評価システム構築のための環境整備を図ること。

 

[9] 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律案(内閣提出第88号)

成立(平成11年法律第86号)

本案は、特定の化学物質について、事業者による自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止するため、事業者による届出等による環境への排出量等の把握並びにその性状及び取扱いに関する情報の提供等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 特定の化学物質の排出量の把握等

1 事業者に対し、その事業活動に伴う特定の化学物質の排出量の把握等及び国への届出を義務づけるとともに、国はその届け出られた事項について集計し、集計結果を公表する。

2 届け出られた特定の化学物質の排出量のうち、個別事業所ごとの情報については、営業秘密を確保しつつ、国民の請求に応じて開示する。

3 届出義務を課されない中小の事業者、家庭等からの排出量については、国が当該排出量を算出、集計し、その集計結果を事業者から届け出られた排出量等と併せて公表する。

二 特定の化学物質についての情報の提供等

事業者は、特定の化学物質等を譲渡し、又は提供する場合、その相手方に対して当該化学物質等の性状及び取扱いに関する情報の提供をしなければならない。

三 国及び地方公共団体の措置

国及び地方公共団体は、事業者に対する技術的助言及び必要な人材の育成等の措置を講じる。

四 その他

国による調査の実施、必要な罰則等に関し、所要の規定を設ける。

五 施行期日等

1 この法律は、別段の定めがあるものを除き、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとともに、その他経過措置等について定める。

2 政府は、この法律の施行後10年を経過した場合において、この法律についての施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じる。

(修正要旨)

一 指定化学物質を定める政令に関する事項

第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質を定める政令は、環境の保全に係る化学物質の管理についての国際的動向、化学物質に関する科学的知見、化学物質の製造、使用その他の取扱いに関する状況等を踏まえ、化学物質による環境の汚染により生ずる人の健康に係る被害並びに動植物の生息及び生育への支障が未然に防止されることとなるよう十分配慮して定めるものとすること。

二 排出量等の届出先等

1 排出量等の届出先に関する事項

(1) 第一種指定化学物質等取扱事業者が主務大臣に対して行う第一種指定化学物質の排出量及び移動量に関する届出は、2の(1)の場合を除き、都道府県知事を経由して行わなければならないものとすること。

(2) (1)の場合において、都道府県知事は、当該届出に係る事項に関し意見を付すことができるものとすること。

2 対応化学物質分類名への変更の請求に関する事項

(1) 第一種指定化学物質等取扱事業者は、届出に係る第一種指定化学物質の使用その他の取扱いに関する情報が営業秘密に該当すると判断する場合には、対応化学物質分類名への変更の請求と併せて、主務大臣に直接届け出るものとすること。

(2) (1)の届出を受けた主務大臣は、届出事項(当該届出に係る第一種指定化学物質の名称については、対応化学物質分類名)を都道府県知事に通知するものとすること。

3 届出事項の通知に関する事項

都道府県知事は、必要があると認めるときは、主務大臣に対し、主務省令で定めるところにより、当該地域に係る対応化学物質分類名をもって通知された第一種指定化学物質に係る届出事項について説明を求めることができるものとすること。

三 検討

政府は、この法律の施行後7年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

四 その他

その他所要の修正を行うものとすること。

附帯決議(11.5.21)

政府は、本法施行に当たり、化学物質による環境等への支障を未然に防止することの重要性を十分認識し、我が国におけるPRTR制度及びMSDS制度の実効性を最大限に確保するため、特に次の諸点について、適切な措置を講ずべきである。

一 事業者の自主的取組みを促進するため、地方公共団体との連携強化により、事業者等に対する技術的な指導助言並びに人材育成等に努めるとともに、啓発・広報活動を積極的に進めること。

なお、本制度における地方公共団体の果たす役割の重要性にかんがみ、地方公共団体との連携のあり方についても引き続き検討を進めること。

二 対象物質の政令指定に当たっては、科学的知見を踏まえた専門的な検討を行い、幅広く関係者からの意見を聴取する機会を設けるとともに、国際的整合性の確保に十分留意すること。

なお、内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンの取扱いについては、人の健康及び生態系への重大な影響を与える可能性にかんがみ、内外の動向等を踏まえて迅速かつ適切に対処すること。

三 化学物質の排出量等に関する集計結果の公表に当たっては、必要な情報が国民に分かり易く、利用しやすく、又、等しく提供されるものとなるよう配慮するとともに、インターネット等を含めた情報提供手段の幅広い活用とその利用促進に努めること。

また、開示請求に係る手数料については、開示の方法に応じ、利便性が高く負担がかからない金額とすること。

四 営業秘密の審査に当たっては、法律の趣旨に照らし、厳格かつ公正に行うこと。

五 本制度の検証については、運用状況を勘案しつつ、対処すべき事項についての整理を行うとともに、実効性を高める観点から積極的な検討を加え、制度の必要な整備・改善に機動的に取り組むこと。

 

[10] 通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律案(内閣提出第95号)

成立(平成11年法律第121号)

本案は、最近の消費生活用製品等の安全性の向上及び電気工作物その他事業用工作物等の保安水準の向上等を踏まえ、従来政府が中心となっていた基準・認証制度について、民間事業者の能力を活用した制度の導入等により消費者の安全等の維持向上を図りつつ規制の合理化を図るため、消費生活用製品安全法、電気事業法等の通商産業省関係11法律について所要の改正を行うものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 事前規制の合理化を図るため、現在、政府が行っている検査、検定等による基準への適合確認について、可能な限り事業者による自己確認への移行又は自主保安の導入を行う。この場合において、対象の危険性等を考慮し、必要に応じて事業者に対して民間第三者機関による検査及び確認等を受けることを義務付ける制度を設ける。

なお、事故の影響の広範さ等から政府認証を存続することが必要な分野についても、検査、検定等については、可能な限り政府の指定代行機関に行わせる。

二 検査、検定等の業務における民間能力の積極的な活用を図るため、指定代行機関及び民間第三者機関について、公益法人に限らず民間企業の参入を可能とする措置を講ずる。

三 事業者の自己責任認識の維持向上を図るため、基準への適合確認について、検査記録の作成及び保存の義務付け等の措置を講ずる。

四 安全確保等を目的とした事後措置の充実を図るため、製品安全規制の分野においては回収命令等の流通後の措置の整備を行うとともに、法人重課の導入等罰則の見直しを行う。

五 その他、国際整合性の確保及び諸規制の簡素合理化を図るための措置を講ずる。

六 この法律の施行に伴う所要の経過措置等について規定するとともに、その他、関係法律について所要の改正を行う。

七 この法律は、別段の定めがあるものを除き、平成12年7月1日から施行する。

なお、消費生活用製品安全法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律及びガス事業法の一部改正等については、平成12年10月1日から、計量法及び電気用品取締法の一部改正等については、平成13年4月1日から施行する。

 

[11] 産業活力再生特別措置法案(内閣提出第116号)

成立(平成11年法律第131号)

本案は、内外の経済的環境の変化に伴い我が国経済の生産性の伸び率が低下している現状にかんがみ、我が国に存する経営資源の効率的な活用を通じて生産性の向上を実現するため、特別の措置として、事業者が実施する事業再構築を円滑化するための措置を雇用の安定等に配慮しつつ講ずるとともに創業及び中小企業者による新事業の開拓を支援するための措置を講じ、併せて事業者の経営資源の増大に資する研究活動の活性化等を図ることにより、我が国産業の活力の再生を速やかに実現することを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 事業再構築の円滑化を図るため、事業再構築計画を作成し主務大臣の認定を受けた者に対し、会社設立等に際しての検査役調査、営業の全部譲受け等についての商法上の特例措置を講ずるとともに、金融・税制上の支援措置等を講ずる。

二 事業再構築によっても活用できない経営資源を有効に活用して事業を行おうとする者であって活用事業計画を作成し主務大臣の認定を受けた者に対し、商法上の特例措置及び金融・税制上の支援措置等を講ずる。

三 事業再構築を実施するに当たっての雇用の安定等並びに国の中小企業者への配慮等について定める。

四 創業及び中小企業者による新事業の開拓を支援するため、創業者及び経営資源活用新事業計画を作成し都道府県知事の認定を受けた中小企業者に対し、中小企業信用保険法の特例、中小企業近代化資金等助成法の特例等の措置を講ずるとともに、国等や中小企業支援団体による情報提供及び人材育成、官公需における配慮等の措置を講ずる。

五 技術に関する研究活動の活性化及びその成果の効率的活用を促進するため、国等の委託研究開発から生じる特許権等を受託者に帰属させることを可能とする措置を講ずるとともに、大学における研究成果の民間事業者への移転を促進するため、大学技術移転機関に対する特許料の減免等の措置を講ずる。

六 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、四の創業及び中小企業者による新事業の開拓を支援するための措置等については、平成11年9月1日から施行する。

七 政府は、この法律の施行後平成15年3月31日までの間に、内外の経済情勢の変化を勘案しつつ、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて廃止を含めて見直しを行う。

八 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法の廃止、その他、関係法律の整備、所要の経過措置等について定める。

附帯決議(11.7.28)

政府は、引き続き景気対策に万全を期しつつ、本法施行に当たり、産業活力の再生が急務であることにかんがみ、供給側の構造改革及び新たな雇用機会の創出等に向けた施策の総合的推進を図るとともに、特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。

一 事業再構築計画等の認定に当たっては、事業者の主体的な取組みを尊重し、行政の過度の介入や恣意性を排除する観点から、可能な限り認定基準を具体的に提示する等、手続の透明性確保を図るとともに、事業再構築に対する支援については、経営倫理の欠如を惹起することのないよう十分留意すること。

二 中小企業者が取り組む事業再構築については、計画の認定及び施策の適用につき特段の配慮を払うとともに、事業革新に向けた中小企業者の取組みを積極的に支援するため、事業再構築に伴う新規投資に係る支援措置の拡充に努めること。

三 事業再構築に伴う失業の予防等雇用の安定に万全を期するため、事業者による事業再構築計画の作成及びその実施に当たり、当該計画が雇用に影響を及ぼす場合には関係労働組合等との必要な協議を行う等、雇用労働者の意見を十分聴取し、関連中小企業等の労働者を含めた雇用の安定に最大限の考慮を払い、その理解と協力を得つつ当該計画が推進されるよう適切な指導を行うこと。

また、事業再構築の実施が雇用不安を助長することのないよう、事業者が雇用労働者の雇用機会の確保、能力開発に努めるよう適切な指導を行い、また、これら事業者の取組みに対する支援措置の適切な実施を図るとともに、規制緩和や新産業の育成・振興のための施策を強力に推進することにより、新たな雇用機会の創出に全力を挙げて取り組むこと。

四 企業の組織変更が円滑に実施され、かつ、実効あるものとなるためには、従業員の権利義務関係等を明確にする必要があることにかんがみ、労使の意見等も踏まえつつ、企業の組織変更に伴う労働関係上の問題への対応について、法的措置も含め検討を行うこと。

五 今後の企業法制のあり方については、企業組織の変更等を通じた事業再構築の有効性に照らし、独占禁止法の運用を含む関係法制全般の見直しを不断に行うこと。

六 創業者及び成長期の中小ベンチャー企業の資金需要に的確に対応するため、本法に基づく信用保証制度の適切な運用に努めるとともに、政府系金融機関の貸付及び中小企業支援機関の出資による資金供給の円滑化、未公開株式市場や店頭市場の整備・活性化等中小ベンチャー企業等への支援策の一層の充実を図ること。その際、特に女性起業家に対する支援の一層の充実に努めること。

七 民間事業者への研究開発の委託の実施に当たっては、各省庁等の連携の下、受託者が特許権等を取得できるよう最大限努めるとともに、技術力を有する中小企業者の機会確保に十分配慮すること。

また、委託研究開発の成果としての特許権等については、受託者等においてその活用が促進されるよう指導するとともに、既存の国有特許権等についても、民間事業者において一層の活用が図られるよう、その体制整備に努めること。

八 国立大学等における研究開発の成果の民間事業者への移転を促進するため、TLOの設立・事業運営に対する一層の支援を行うとともに、国立大学等から生じた国有特許権等がTLOへ円滑に移転されるよう環境整備に積極的に取り組むこと。

また、研究開発分野における国立大学教官等の役員兼任規制の緩和について速やかに結論を得ること。

九 本法に基づく各般の施策の実効を確保するため、必要な財政、税制上の措置等の充実を図るとともに、今後とも産業活力の再生に向けて施策の積極的な展開を図ること。

[12] 特定化学物質の排出量等の公開等に関する法律案(佐藤謙一郎君外4名提出、衆法第16号)《民主》

審査未了

本案は、化学物質による環境の汚染の状況等に関する事業者及び国民の的確な理解の下に、事業者の自主的な努力等を通じて、化学物質の環境への排出の削減を図るため、事業者の届出等による環境への排出量等の把握及び公表に関する措置等を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 基本的理念

化学物質による環境の汚染により生ずる人の健康に係る被害及び生態系への影響について国民が正しく認識することが現在及び将来の国民の健康かつ安全で文化的な生活の確保を図る上で不可欠であることにかんがみ、国民は、化学物質の環境への排出量その他化学物質による環境の汚染の状況等に係る十分な情報の提供を保障されるものとする。

二 特定化学物質の排出量等の把握及び公表等

1 特定化学物質等取扱事業者に対し、その事業活動に伴う特定化学物質の排出量、移動量、貯蔵量、取扱量及び最大貯蔵量の把握及び市町村への届出並びに帳簿の保存を義務づけるとともに、市町村はその届け出られた事項について集計し、集計結果及び集計結果を表示した図面を公表する。

2 環境庁長官及び都道府県は、市町村から報告を受けた事項について集計し、その結果を公表する。

3 特定化学物質等取扱事業者は、1の届出に係る特定化学物質の使用その他の取扱いに関する情報が企業秘密に係る情報に該当するものであるとして、当該特定化学物質の名称に代えて、当該特定化学物質の属する分類の名称をもって公表を行うよう市町村に請求することができる。

4 市町村は、3の請求があったときは、政令で定める基準に従い審査を行い、当該請求に係る認否を決定し、当該請求を行った特定化学物質等取扱事業者に対し、その旨を通知しなければならない。

5 届出義務を課されない中小の事業者及び家庭等からの排出量等については、都道府県が当該排出量等を算出、集計し、その集計結果を事業者から届け出られた排出量等と併せて公表する。

三 その他

企業秘密の判断に対する不服申立て制度、事業者と地域住民と意見の交換の促進、環境の保全上の支障の防止に関する計画、対象化学物質を定める政令の制定、必要な立入検査等に関し、所要の規定を設ける。

四 施行期日等

1 この法律は、別段の定めがあるものを除き、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとともに、その他経過措置等について定める。

2 政府は、この法律の施行後7年を目途として、化学物質による環境の汚染の状況等を勘案し、この法律による制度全般について検討を加え、その結果を公表するものとする。

 

[13] 起業家支援のための新事業創出促進法等の一部を改正する法律案(中野寛成君外4名提出、衆法第30号)《民主》

否決

本案は、新規雇用を創出し、活力ある我が国経済社会を構築するためには、個人による創業、新技術の企業化その他の新たな事業の創出を促進することが重要であることにかんがみ、起業家支援を一層強化するため、中小企業者等の新技術を利用した事業活動を促進するための措置及び女性起業家を支援するための措置を講じ、並びに研究成果の企業化等のための国立大学の教員等に係る民間事業者等の役員等との兼職の特例を設けるとともに、ベンチャー支援に関する税制を拡充する措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 女性による創業等の支援

女性による創業等について、国による創業促進、機会均等の確保のための措置及び国等による受注機会の増大の努力並びに民間団体等が行う創業支援活動を促進するための措置について定める。

二 中小企業者等の新技術を利用した事業活動の支援

各省庁の長等が特定補助金等の交付に関してとった措置の通知、特定補助金等の不交付の場合における通知、特定補助金等の成果に係る特許権等の取扱い、特定補助金等に係る制度の円滑な利用に資するための措置及び特定補助金等の成果を利用した新商品等の利用の促進の努力等について定める。

三 研究成果の企業化等のための国立大学の教員等の兼職の特例

国立大学の教員等について、その者が所属する大学における技術に関する研究成果を民間事業者に移転するための承認事業者の役員等の兼職等について定める。

四 ベンチャー支援に関する税制の拡充

特定の取締役等が受ける株式譲渡請求権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税措置の拡充、新規に上場又は店頭登録がされた株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の拡充及び特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失に対する課税の特例の拡充について定める。

五 施行期日等

1 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 租税特別措置法の改正に伴う経過措置その他所要の規定の整備を行う。

 

[14] ものづくり基盤技術振興基本法案(参議院提出、参法第12号)

成立(平成11年法律第2号)

本案は、ものづくり基盤技術が国民経済において果たすべき重要な役割にかんがみ、近年における経済の多様かつ構造的な変化に適切に対処するため、その振興に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、当該施策を総合的かつ計画的に推進することにより、その技術水準の維持及び向上を図ろうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 基本理念

ものづくり基盤技術の振興に関する施策の基本理念として、ものづくり基盤技術に関する能力を尊重する社会的気運の醸成、ものづくり労働者の確保及び資質の向上、中小事業者の経営基盤の強化及び取引条件に関する不利の補正等を明記する。

二 国等の責務

ものづくり基盤技術の振興に関する施策の策定及びその実施等についての国、地方公共団体及びものづくり事業者の責務について定める。

三 ものづくり基盤技術基本計画の策定等

政府は、ものづくり基盤技術基本計画を策定し、遅滞なく、これを国会に報告するものとする。

四 国の施策等

国は、ものづくり基盤技術の振興に関する研究開発の促進、労働者の確保、産業集積の促進及び中小企業の育成その他の必要な施策を実施するとともに、必要な法制上、財政上又は金融上の措置を講ずるものとする。

五 年次報告

政府は、毎年、国会に、ものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書を提出するものとする。

六 施行期日

この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附帯決議(11.3.12)

政府は本法施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

一 ものづくり基盤技術基本計画を関係省庁の緊密な連携の下で速やかに策定し、ものづくり基盤技術の振興に向けた施策の確立とその具体化に努めること。

二 ものづくり基盤技術の振興に大きく寄与する各種催しについては、国民の理解と関心を深める上での貴重な機会であることにかんがみ、関係機関はその開催に当たり積極的な支援を行うこと。


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