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○農林水産委員会

[1] 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第145回国会閣法第123号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第24号)

本案は、少子高齢化の一層の進展及び経済の低成長に対応して、農林漁業団体職員共済組合制度の長期的安定を図り、併せて将来の活力ある長寿社会の実現に資するため、公的年金制度改革の一環として、厚生年金や他の共済制度に準じた制度改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 給付水準の適正化等

(1) 退職共済年金等の額の算定の基礎となる給付乗率を5%適正化し、厚生年金相当部分については1,000分の7.125とし、職域年金部分については1,000分の1.425とすること。

(2) 退職共済年金等の額の算定の基礎となる平均標準給与月額の算定に当たって、65歳以降は、物価スライドのみを行い、賃金スライドは行わないこととすること。

(3) (1)及び(2)による退職共済年金等の額が、改正前の額算定方式(物価スライドを含む。)による年金額を下回る場合には、改正前の額算定方式(物価スライドを含む。)による額を、当該年金の額とすること。

2 標準給与の等級の上下限の改定

標準給与の等級を、9万2,000円から59万円までの30等級から、9万8,000円から62万円までの30等級に改めること。

3 退職共済年金の支給開始年齢の引上げ等

退職共済年金の支給開始年齢を、生年月日に応じて、平成25年度から平成37年度までの間に3年ごとに1歳ずつ、段階的に65歳まで引き上げること。

4 総給与制の導入等

賞与に対しても標準給与の月額と同一の掛金率による賦課とする制度(総給与制)を導入すること。この場合において、掛金算定の基礎となる賞与は、150万円以下とすること。

5 厚生年金の被保険者等に支給する退職共済年金等の支給停止

厚生年金の被保険者又は他の共済制度の組合員等に支給する退職共済年金及び障害共済年金について、年金額と給与収入の月額に応じて、年金額の支給を停止すること。

6 施行期日

この法律は平成12年4月1日から施行すること。ただし、2については平成12年10月1日から、3については平成14年4月1日から、4については平成15年4月1日から、5については平成16年4月1日から施行すること。

(参議院修正要旨)

本法律案の審査が越年したことに伴い、法律番号に係る暦年について、「平成11年」を「平成12年」に改める整理を行うものである。

[2] 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第31号)

成立(平成12年法律第41号)

本案は、農業者の減少・高齢化が進行する中で、農業の担い手の確保を図るため、他産業からの新規就農者の増加等に対応し、その就農促進のための支援措置の充実を図ろうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部改正

(1) 都道府県青年農業者等育成センターが就農準備のための研修等に必要な資金として貸し付けている就農支援資金について、農業経営開始のための施設の設置、機械の購入等に必要な資金を追加することによりその内容を拡充するとともに、拡充した資金については、農業協同組合、農業協同組合連合会、銀行等からも貸し付けることができること。

(2) 就農計画の認定を受けた者に対して農林漁業金融公庫が貸し付ける農地等取得資金について、その据置期間の上限を3年から5年に延長すること。

2 農業信用保証保険法の一部改正

農業協同組合、農業協同組合連合会、銀行等から貸し付ける就農支援資金について、農業信用基金協会の債務保証の対象とすること。

3 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(12.3.23)

我が国農業は、農業者が一貫して減少していることに加え、主たる担い手である「昭和一桁世代」のリタイアの時期が迫るなど憂慮すべき事態にある。こうした状況の中で、食料自給率の向上を始めとした我が国農業の再生・確立を図っていくためには、国民の農業に対する深い理解のもとに、次代を担う経営感覚に優れた農業者を幅広く育成・確保することが緊急の課題となっている。

よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、新規就農者の確保に万全を期すべきである。

1 新規就農者の確保を図るためには、地域の他産業従事者と遜色のない生涯所得が得られるなど魅力ある農業経営の確立が不可欠であり、これに向けた地域の実情に応じた各作目ごとの経営展望を明確にするとともに、その実現のための施策の具体化に努めること。

2 新たに拡充される就農支援資金の貸付け制度が円滑に機能するよう、農協等金融機関による貸付け体制の整備等について十分指導するとともに、都道府県農業信用基金協会の保証基盤の整備に努めること。

3 新規就農者の確保に係る各種施策の総合的・効果的実施を図るとともに、就農後の新規就農者の定着と自立を推進するための一貫したアフターケアーに積極的に取組むこと。

4 都道府県、市町村、青年農業者等育成センター、新規就農ガイドセンターをはじめ関係機関・団体が有機的に連携し、新規就農者の多様なニーズに応じた弾力的な支援活動を行うよう指導すること。

右決議する。

[3] 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出第32号)

成立(平成12年法律第35号)

本案は、需要の動向に応じた大豆の生産の確保を図るため、大豆に係る交付金について、農家所得に販売価格が適確に反映されるようその金額の算定方式を変更する等の措置を講ずるとともに、なたねの生産の状況にかんがみ、大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の適用対象からなたねを除外する等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 大豆なたね交付金暫定措置法の一部改正

(1) 本法の適用対象からなたねを除外することに伴い、法律の題名を大豆交付金暫定措置法に改めること。

(2) 交付金の単価の算定方式について、不足払い方式を見直し、事前に定める一定の単価により交付金を交付する方式とすること。なお、ある銘柄につき販売価格が生産費水準を超えるときは単価を減額するほか、交付金の交付は価格低落が生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための積立金制度の対象としている大豆について行うこと。

2 農産物価格安定法の一部改正

本法の適用対象からなたねを除外すること。

3 施行期日等

(1) この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

(2) この法律による改正後の大豆交付金暫定措置法の規定は、平成12年産の大豆から適用し、平成11年以前の生産に係る大豆及び平成12年以前の生産に係るなたねについては、なお従前の例によるものとすること。

附帯決議(12.3.8)

政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、大豆の生産の増大と自給率の向上、農家所得の安定に万全を期すべきである。

1 新たな交付金制度の運用に当たっては、農業者が意欲を持って生産に取り組めるよう、大豆生産の実態等を十分勘案するとともに、その生産の増大と所得の安定に配慮すること。

また、水田における大豆の本格的生産、外国産大豆の輸入動向等にかんがみ、国産大豆の需給均衡を図るため、生産者団体における販売・生産体制の強化等の措置を講ずること。

2 大豆作経営安定対策の導入に当たっては、生産者の所得の変動の緩和に資するよう、その仕組みと運用に十分配慮するとともに、適宜必要な見直し・改善を図ること。

3 国産大豆の優位性を維持していくため、実需者との連携による高品質多収品種の育成・普及、主産地の形成に資する機械・施設の整備、大豆の安定生産に資する栽培技術の高位平準化及び農業生産基盤の整備等を積極的に推進すること。

4 なたねを交付金制度の対象から除外するに当たっては、産地の実態に即した国産なたねの生産の振興が図られるよう措置すること。

5 遺伝子組換えに係る輸入大豆・なたねが国内に流通していることにかんがみ、その安全性の確保を図ることはもとより、新しい品質表示制度の運用に際しては、消費者の意向に十分配意して対処すること。

6 原料大豆に係る国産使用表示の的確な実施を通じて消費者の選択に資するため、新たな品質表示基準を周知徹底するとともに、国産大豆利用促進に向けた関係団体の主体的な取組を助長すること。

7 WTO農業交渉に当たっては、大豆生産の増大を図る環境を整備する観点からも、食料安全保障、多面的機能の発揮等についての我が国の主張を堅持すること。

右決議する。

[4] 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第44号)

成立(平成12年法律第85号)

本案は、需要の動向に応じた加工原料乳の生産の確保を図るため、加工原料乳に係る生産者補給金制度を見直すとともに、生乳の生産事情及び流通事情の変化にかんがみ、生乳生産者団体の指定制度を見直す等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 生産者補給金制度の見直し

(1) 生産者補給金について、生産費の水準である保証価格と乳業者が支払可能な水準である基準取引価格との差額を不足払いする方式を改め、前年度に定める一定の単価により生産者補給金を交付する方式とすること。

(2) 生産者補給金の交付は、価格低落が生乳の生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための積立金制度の対象とされる加工原料乳について行うこと。

2 指定乳製品及び加工原料乳の価格安定措置の見直し

不足払い方式の見直しに伴う安定指標価格、基準取引価格等の廃止と併せて、農畜産業振興事業団による国内産の指定乳製品の買入れ及び農林水産大臣又は都道府県知事による加工原料乳の取引に係る勧告を廃止するとともに、農畜産業振興事業団による外国産の指定乳製品等の輸入及び売渡しについて所要の規定の整備を行うものとすること。

3 生乳生産者団体の指定制度の見直し

生産者補給交付金の交付先となる指定生乳生産者団体について、都道府県の区域を超える地域で生乳受託販売を行う生乳生産者団体の指定については農林水産大臣が行うものとすること。

4 施行期日等

(1) この法律は、平成13年4月1日から施行すること。ただし、生産者補給金単価等の決定手続の改正規定等については、公布の日から施行すること。

(2) 生乳生産者団体の指定手続は、この法律の施行前においても、この法律による改正後の新法の規定の例により行うことができるものとすること。

(3) 平成12年度の生産者補給金等の交付については、なお従前の例によるものとすること。

附帯決議(12.5.9)

政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、牛乳・乳製品の自給率の向上と我が国の酪農・乳業の健全で持続的な発展に万全を期すべきである。

1 新たな生産者補給金制度の運用に当たっては、生産者の努力が報われ、意欲とゆとりを持って再生産に取り組めるよう、その経営の安定と所得の確保に十分配慮すること。

2 加工原料乳の販売価格の低落がその生産者の経営に及ぼす影響を緩和する措置の導入に当たっては、生産者の所得の変動の緩和に資するよう、その仕組みと運用に十分配慮するとともに、適宜必要な見直し・改善を図ること。

3 農畜産業振興事業団による外国産乳製品の輸入・放出及び乳業者等が行う調整保管については、国内における乳製品の需給の安定を図る観点から、客観的かつ適切に行われるよう措置すること。

4 生乳の需給及び価格の安定を図るため、生産者団体の自主的な取組みによる需要に応じた計画生産のより効果的な実施を支援するとともに、全国レベルでの需給調整システムの確立や各ブロック内での需給調整体制の整備と価格交渉の条件整備が図られるよう指定生乳生産者団体の広域化の推進及び機能の強化を図ること。

5 乳製品取引及び加工原料乳等の生乳取引について、透明性の高い公正かつ適正な価格形成を推進すること。

6 効率的な乳業の確立と良質で安全な牛乳・乳製品の安定供給の確保を図るため、地域の実態に配慮しつつ乳業の再編・合理化を推進するとともに、生産から消費に至る各段階における衛生・品質管理対策の徹底・充実を図ること。

7 牛乳・乳製品の有する優れた機能や商品に関する情報を的確に消費者に提供するとともに、牛乳類の表示の適正化を推進し、国産牛乳・乳製品の消費の一層の拡大を図ること。

右決議する。

[5] 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出第45号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第9号)

本案は、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法に基づく研究開発の実施の状況等にかんがみ、同法を平成12年3月31日をもって廃止するとともに、これに伴う所要の規定を整備するものである。

[6] 食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第46号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第66号)

本案は、食品の流通部門の構造改善の促進を図るため、食品産業と農林漁業との連携の強化、卸売市場の活性化及び食品産業の技術開発力の強化を図る等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 食品生産販売提携事業の拡充

現行の食品生産販売提携事業を拡充し、原材料である農林水産物を含む食品の生産から製造又は加工に至る一連の流通行程を改善するため、食品製造業者等と農林漁業者等との間の連携の推進及びそのために必要な農林漁業施設の整備等の措置を追加すること。

2 卸売市場機能高度化事業の拡充

現行の卸売市場機能高度化事業を拡充し、卸売市場の開設者が、他の卸売市場の開設者と連携して卸売市場の活性化を図る事業を追加すること。

3 新技術研究開発事業の創設

食品製造業者等、食品製造事業協同組合等又は農業協同組合等が、食品の流通の円滑化等に資する新技術の研究開発を実施する事業を新技術研究開発事業として創設すること。

4 構造改善事業の実施に対する支援措置

構造改善事業の実施に当たり、農林漁業金融公庫から長期・低利の資金の貸付けを行うとともに、食品の流通の円滑化等に資する新技術の研究開発を実施するに当たっての税制の特例措置を講ずること。

5 食品流通構造改善促進機構の業務の追加

指定法人である食品流通構造改善促進機構の業務について、食品製造業者等に対する研修を行うことを追加すること。

6 施行期日

この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

[7] 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出第52号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第54号)

本案は、行政機構の減量及び民間能力の積極的活用を図るため、農産物検査の実施主体を国から民間の検査機関に変更するとともに、その業務の適正な運営を確保するための措置等を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 民間検査機関の登録制度の創設

国に代わり農産物検査を適正かつ確実に実施しうると認められる者として登録を受けたものを検査の実施主体とし、その登録に当たっては、検査を適確に行うために必要な知識及び技能を有する農産物検査員が一定数以上いること、所定の機械器具を有すること、検査の業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有する法人であること等の登録要件を設定することとすること。

2 登録検査機関の義務

登録検査機関は、農産物の生産者等から検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならないこととすること。

また、登録検査機関の農産物検査員は、公正かつ誠実にその職務を行わなければならないこととすること。

3 登録検査機関に対する指導監督

登録検査機関の適正な業務運営を確保するため、適合命令、改善命令、登録の取消し等、登録検査機関に対する農林水産大臣の指導監督の仕組みを整備することとすること。

4 農林水産大臣による農産物検査の業務の実施

農林水産大臣は、登録検査機関が天災その他の事由により農産物検査の業務を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該業務を自ら行うことができることとすること。

5 施行期日等

(1) この法律は、一部の規定を除き、平成13年4月1日から施行すること。

(2) 農林水産大臣は、この法律の施行の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、受検者の検査に対する需要及び登録検査機関の登録状況を勘案して、農産物検査の業務を行うことができることとすること。

附帯決議(12.4.20)

農産物検査制度は、農産物の公正かつ円滑な取引と品質の改善を助長する上で重要な役割を果たしており、農産物検査の民営化に当たっては、政府は左記事項の実現に努め、その適正かつ円滑な実施に万全を期すべきである。

1 検査の民営化に当たって、民営化移行プログラムを地域の実情に沿って作成・実行するとともに、移行期間中における国の補完的な検査を適確に実施すること。

また、食糧事務所の組織と定員の配置については、業務の適確な運営と職員の雇用・労働条件の安定に十分配慮すること。

2 登録検査機関に対する調査を必要に応じ行うとともに、その業務運営に対する適確な指導監督を実施し、公正・中立な検査業務の確保が図られるようにすること。

また、民間検査が適正な格付によって実施され、農産物の生産・流通・消費の各段階での信頼性を確保できるよう、専門的な知識・技能を有する検査員の養成確保や精度の高い検査関連機器の開発等を推進すること。

3 検査規格及び検査方法については、生産者、流通業者、消費者等の意向を適確に反映して設定するとともに、検査手数料については、生産者の過重な負担にならないよう配慮すること。

4 条件不利地域等を含めた公平な受検機会を確保するため、天災その他の事由により検査業務の実施が困難となる場合における国の検査の実施について適正に対処すること。

5 米穀の品質等に対する消費者の関心の高まりを踏まえ、表示に対する消費者の信頼を維持・確保する観点から、精米等の表示については、検査制度との関連も考慮しつつ、適正に対処すること。

右決議する。

[8] 漁港法の一部を改正する法律案(内閣提出第53号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第78号)

本案は、地方分権の推進及び漁港の適正な維持管理を図るため所要の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 漁港の指定権限の委譲

第一種漁港であってその区域が1の市町村の区域に限られるものは、市町村長が、第一種漁港であってその区域が2以上の市町村の区域にわたるもの及び第二種漁港は、都道府県知事が、その区域について農林水産大臣の認可を受けて指定することとすること。ただし、その区域が2以上の都道府県の区域にわたる第一種漁港及び第二種漁港並びに第三種漁港及び第四種漁港は、農林水産大臣が指定することとすること。

2 漁港の整備計画の策定手続の見直し

農林水産大臣は、漁港の整備計画を定めるに当たって、関係地方公共団体の意見を聴くこととすること。

3 漁港管理制度の見直し

(1) 漁港の区域内において、みだりに基本施設である漁港施設を損傷し、又は汚損すること、漁港の区域のうち漁港の保全上特に必要があると認めて漁港管理者が指定した区域内において、みだりに船舶、自動車等を放置すること等を禁止することとすること。

(2) 放置された船舶等に対する漁港管理者による除却命令等の監督処分について、相手方を確知できないときであっても、当該措置を漁港管理者自らが行うことができるようにする等の手続を整備すること。

4 施行期日

この法律は、平成13年4月1日から施行すること。ただし、漁港の整備計画の策定手続に係る改正規定等については、公布の日から施行すること。

[9] 砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第65号)

成立(平成12年法律第107号)

本案は、糖価の引下げにより砂糖の需要の拡大を目指すとともに、輸入糖と国内産糖の適切な価格調整及び市場原理の円滑な活用を図りつつ、甘味資源作物生産者の経営の安定及び砂糖製造事業の健全な発展を促進するための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 砂糖の価格安定等に関する法律の一部改正

(1) 法律の題名を「砂糖の価格調整に関する法律」に改めること。

(2) 輸入に係る砂糖の価格指標である安定上下限価格を廃止するとともに、輸入に係る指定糖の農畜産業振興事業団(以下「事業団」という。)の売戻しの価格についての規定を整備すること。

(3) 国内産糖の価格支持のため事業団が国内産糖について買入れ及び売戻しを行う方式を、事業団が交付金を交付する方式に改めるとともに、交付金の単価に関する規定を整備すること。

(4) 甘味資源作物の最低生産者価格の算定方式を、甘味資源作物の生産費その他の生産条件、砂糖の需給事情等が反映されるようにすること。

(5) 平成12年10月1日から平成15年9月30日までの間において、輸入に係る指定糖及び異性化糖等の売戻しの価格の特例措置を講ずるとともに、必要な規定を整備すること。

2 農畜産業振興事業団法の一部改正

(1) 1の(3)の国内産糖についての交付金の交付の制度の創設に伴い、事業団の国内産糖の買入れ及び売戻しの業務を、国内産糖についての交付金の交付の業務に改めること。

(2) 糖価安定資金を廃止するとともに、事業団は、当分の間、砂糖生産振興資金を置くものとすること。

(3) 事業団は、当分の間、(2)の砂糖生産振興資金を財源として、砂糖及びその原料作物の生産の振興に資するための事業に対する補助、出資等の業務を行うことができるものとすること。

3 施行期日等

(1) この法律は、平成12年10月1日から施行すること。

(2) その他所要の経過措置を整備するほか、関係法律について所要の規定を整備すること。

附帯決議(12.5.9)

政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、砂糖需要の維持・増大、甘味資源作物の生産の振興と砂糖の自給率の向上、農業所得の確保に万全を期すべきである。

1 新たな最低生産者価格制度の運用に当たっては、農業者が意欲を持って生産に取り組めるよう、甘味資源作物の地域農業の振興に果たす役割を踏まえ、生産の実態等を勘案し、農業者の所得と再生産が確保されるよう、十分配慮すること。

2 国内産糖に対する交付金については、国産糖企業の経営安定が図られる助成水準を確保すること。

3 国内産糖について入札の仕組みを導入するに当たっては、需給事情、品質等を適切に反映し、透明かつ適正な価格形成が図られるよう、制度の円滑な運営を確保すること。

4 砂糖の価格競争力の強化と需要の維持・増大が図られるよう、国内糖価の引下げ目標の達成に向け、制度の適確な運用と併せ、甘味資源作物生産者、国産糖企業、精製糖企業等の協同した取組を支援すること。

5 国産糖企業・精製糖企業の再編に当たっては、国民に対する砂糖の安定的供給及び地域経済におけるその役割に十分配慮し、関係各位の合意を図るとともに、糖業労働者の雇用と労働条件の安定に万全を期すこと。

6 望ましい食料消費の実現に向け、砂糖の摂取に係る誤解を払拭するとともに、砂糖の効用に係る消費者の理解を広め、その消費拡大に積極的に取り組むこと。また、砂糖の需要拡大を図るため、加糖調製品対策に取り組むこと。

7 甘味資源作物の生産振興を図るため、高糖分・良品質・安定収量品種の開発、病虫害対策及び機械化等による省力化対策等の促進を図ること。

また、砂糖生産振興資金の活用に当たっては、こうした生産振興対策の強化に資するよう十分配慮すること。

8 品目別の価格政策の見直し状況、経営安定措置の実施状況等を勘案しつつ、意欲ある担い手の経営全体を捉え、農業収入又は所得の変動を緩和する経営安定措置の導入について早急に検討すること。

9 WTO農業交渉に当たっては、甘味資源作物生産の振興を図る環境を整備する観点からも、食料安全保障、多面的機能の発揮等についての我が国の主張を堅持すること。

右決議する。

[10] 農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第68号)

成立(平成12年法律第94号)

本案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応し、農漁協系統の信用事業のセーフティーネットについて、他の金融業態と基本的に同様の整備・拡充を図ることとし、農水産業協同組合貯金保険制度の充実強化を図るとともに、農漁協系統金融機関が破綻した場合の迅速かつ円滑な破綻処理システムを確立するための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 農水産業協同組合貯金保険法の一部改正

(1) 農水産業協同組合貯金保険機構(以下「機構」という。)との間に保険関係が成立する「農水産業協同組合」として、信用事業を行う農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会及び水産加工業協同組合連合会並びに農林中央金庫を追加するとともに、信用農業協同組合連合会等が破綻した場合の資金援助の限度額について、当該信用農業協同組合連合会等のペイオフコストに加え、連鎖破綻のおそれのある会員農協等のペイオフコストを加算することとすること。また、付保対象として、農林債券等を追加することとすること。

(2) 機構による資金援助の対象として、信用事業の一部譲渡等を追加するとともに、資金援助の手法として、優先出資の引受け、事後的な損失の補てん等を追加することとすること。

(3) 機構は、経営困難農水産業協同組合の不良債権等の買取り・回収を円滑に行うため、債権回収会社に対して業務委託を行うことができることとすること。

(4) 経営が困難となった農水産業協同組合の合併等を迅速かつ円滑に進めるため、その農水産業協同組合等について、行政庁が公的管理人を任命する制度を導入することとすること。

(5) 金融危機への対応等について、他の金融機関と同様の規定の整備を図ることとすること。

(6) 貯金の全額保護の特例措置の適用期限を1年延期し平成14年3月末までとするとともに、流動性貯金については、平成13年4月から平成15年3月末までの間、全額保護の特例措置を講ずることとすること。

2 農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部改正

信用農業協同組合連合会は、信用事業の一部を農林中央金庫に譲り渡すことができることとすること。

3 施行期日

この法律は、平成13年4月1日から施行することとすること。

[11] 農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案(内閣提出第69号)

成立(平成12年法律第95号)

本案は、農水産業協同組合が破綻した場合に、貯金者等の権利の実現を確保しつつ、迅速かつ円滑な破綻処理の進行を図るため、再生手続及び破産手続について特例を設けようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 監督庁は、裁判所に対し、農水産業協同組合について、再生手続開始又は破産の申立てをすることができることとすること。

2 農水産業協同組合貯金保険機構は、貯金者表を作成して、裁判所に提出することにより、貯金者を代理して、再生手続又は破産手続に関する一切の行為をすることができることとすること。

3 再生手続開始後において、農水産業協同組合がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、信用事業の譲渡について、総会又は総代会の決議に代わる許可を与えることができることとすること。

4 この法律は、平成13年4月1日から施行することとすること。

[12] 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律案(内閣提出第92号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第116号)

本案は、食品循環資源の再生利用並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量に関し基本的な事項を定めるとともに、食品循環資源の再生利用を促進するための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 この法律は、食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るとともに、食品の製造等の事業の健全な発展を促進し、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすること。

2 主務大臣は、食品循環資源の再生利用等を総合的かつ計画的に推進するため、食品循環資源の再生利用の促進の基本的方向、食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標、食品循環資源の再生利用等の促進のための措置等について、基本方針を定めること。

3 主務大臣は、基本方針に定める目標を達成するために取り組むべき措置その他の措置に関し、食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定め、これに基づき食品関連事業者に対し必要な指導及び助言を行うとともに、特に多量の食品廃棄物等を発生させている者に対しては、勧告、公表及び命令をすることができること。

4 食品循環資源の再生利用を促進するため、これを原材料とする肥料、飼料等の製造を業として行う者は、登録再生利用事業者として主務大臣の登録を受けることができること。

5 食品関連事業者、農林漁業者等及び肥料、飼料等の製造業者の連携を促進するため、三者が共同して再生利用事業計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができること。

6 4の登録再生利用事業者又は5の再生利用事業計画の認定を受けた事業者が行う再生利用事業の円滑な実施を図るため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、肥料取締法及び飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律の特例措置を講ずること。

7 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(12.5.25)

政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、食品循環資源の有効な利用の確保及び食品廃棄物の排出の抑制に万全を期すべきである。

1 食品循環資源の再生利用等の促進については、食品産業の健全な発展のみならず農業の自然循環機能の維持増進を図る観点から、関係省庁間の連携を密にしつつ、国はもとより、地方公共団体、事業者、消費者がその責務を果たすことができるよう十全を期すとともに、これら相互の共同した取組を助長すること。その際、一般家庭の生ゴミの再生利用等の促進についても配慮すること。

2 食品関連事業者の判断の基準となるべき事項については、食品関連事業者の実態を十分把握し、食品循環資源を原材料とする肥飼料等(以下「特定肥飼料等」という。)の安全性、成分の一定性、供給量の安定性等が確保されるよう、適正に定めるとともに、再生利用等の適確な実施を確保するための適切な指導・助言を行うこと。

また、勧告・命令等の対象となる食品関連事業者の食品廃棄物等の発生量に係る要件については、業態ごとの実情のほか、再生利用等に係る処理能力や特定肥飼料等の販路確保の確実性等を参酌し、適正に定めること。

3 登録再生利用事業者制度の運用に当たっては、特定肥飼料等の製造業者の育成確保が図られるよう、十分配慮すること。

4 再生利用事業計画の認定制度の運用に当たっては、食品関連事業者、農林漁業者等及び肥飼料等の製造業者の連携の円滑化が確保されるよう、十分配慮すること。その際、特定肥飼料等を利用して生産された農林水産物を食品関連事業者へ提供する取組を助長するよう努めること。

5 食品循環資源の再生利用等の促進に資するよう、関連施設の整備等に対する支援を一層充実強化するとともに、必要な税制上の特別措置及び資金の確保、情報の収集・提供に努めるほか、教育活動、広報活動を通じ国民の理解と協力を得ていくための体制整備を図ること。

また、特定肥飼料等の品質の向上及びコストの低減が図れるよう試験研究を充実強化すること。

右決議する。


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