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○労働委員会

[1] 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第5号)

成立(平成12年法律第12号)

本案は、介護事業における雇用機会の確保の重要性にかんがみ、介護労働者の雇用管理の改善に関する措置を促進するため、当該措置を実施する事業主に対し、雇用保険法の雇用安定事業等として助成及び援助を行う等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者に対する入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、看護及び療養上の管理等の福祉サービス又は保健医療サービスを「介護関係業務」と定義し、専らこれらの介護関係業務に従事する労働者を「介護労働者」と総称するものとすること。

2 政府は、介護関係業務に係る新たなサービスの提供又は介護事業の開始に伴って実施する雇用管理の改善に関する措置についての計画の認定を受けた事業主が、当該計画に基づきその雇用する介護労働者の福祉の増進を図るために必要な措置を講ずる場合に、雇用保険法の雇用安定事業、能力開発事業又は雇用福祉事業による必要な助成及び援助を行うものとすること。

3 職業安定機関と職業紹介事業者その他の関係者は、介護関係業務に係る労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るため、雇用情報の充実等に関し、相互に協力するように努めなければならないものとすること。

4 労働大臣は、介護労働安定センターに、雇用保険法の雇用安定事業等の業務並びに介護労働者及び介護労働者になろうとする者に対する教育訓練の業務を行わせるものとすること。

5 雇用・能力開発機構は、認定計画に係る改善措置に必要な設備の設置又は整備を行う事業主等に対する必要な資金の借入れに係る債務の保証の業務を行うものとすること。

6 この法律は、平成12年4月1日から施行するものとすること。

[2] 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第11号)

成立(平成12年法律第59号)

本案は、現下の厳しい雇用失業情勢に加え、経済社会の変化に的確に対応するため、雇用保険制度等において、倒産、解雇等による離職者に対する求職者給付の重点化、育児休業給付及び介護休業給付の改善等を行うほか、給付に要する費用に係る国庫負担に関する暫定措置を廃止するとともに、雇用保険率の引上げ等を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 雇用保険法の一部改正

(1) 基本手当の所定給付日数を、一般の離職者については、受給資格に係る離職の日における被保険者であった期間等に応じて90日から180日までとし、倒産、解雇等による離職者については、受給資格に係る離職の日における受給資格者の年齢、被保険者であった期間等に応じて90日から330日までとするものとすること。

(2) 育児休業給付及び介護休業給付の給付率を賃金日額の100分の25から100分の40に引き上げるものとすること。

(3) 政府は、雇用安定事業として、中高年齢者である在職求職者に対し再就職の援助等を行う事業主に対して、必要な助成及び援助を行うことができるものとすること。

(4) 政府が雇用福祉事業として行うことができる事業の範囲から移転就職者のための宿舎及び福祉施設の設置及び運営を除くものとすること。

(5) 失業等給付に係る国庫負担について、国庫が原則としてその100分の14を負担することとしている暫定措置を廃止し、原則としてその4分の1を負担するものとすること。

2 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正

雇用保険の保険料率について、失業等給付に係る保険料率を原則として賃金総額の1,000分の8とすることとしている暫定措置を廃止し、同保険料率を原則として1,000分の12とするものとすること。

3 船員保険法の一部改正

船員保険についても、雇用保険に準じて所要の改正を行うものとすること。

4 施行期日等

(1) この法律は、平成13年4月1日から施行するものとすること。ただし、1の(4)については法律の公布の日から、1の(3)については平成12年10月1日から、1の(2)については平成13年1月1日から施行するものとすること。

(2) この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに関係法律の規定の整備を行うものとすること。

附帯決議(12.4.14)

政府は、今回の法改正が一般の離職者に対する求職者給付の給付日数の圧縮等、雇用労働者に重大な影響を及ぼす内容を含むものであること等にかんがみ、次の事項について、適切な措置を講ずるよう努めるべきである。

1 政府は、今後とも、保険当事者の参画を促進しつつ、セーフティネットとしての雇用保険の健全運営の確保に万全を期するとともに、雇用失業情勢の変化に機動的に対応した雇用対策の充実強化に努めること。

2 倒産、解雇等による離職者として手厚い所定給付日数の対象となる者の具体的範囲を定めるに当たっては、離職の実態を十分踏まえつつ、中央職業安定審議会において明確な判断基準を示し、その周知徹底を図るとともに、運用に当たっては客観的事実と離職者本人の申立に基づき、明確かつ合理的な判断を行うこと。

3 雇用就業形態の多様化に対応するため、パート、派遣労働者について年収要件等に係る適用基準を見直すなどし、その周知徹底を図るとともに、労働保険事務組合等を活用しつつ、一層の加入促進に努めること。

4 離職を余儀なくされた中高年齢者を中心に民間教育訓練機関への委託を含め多様な教育訓練機会の提供に努めるとともに、教育訓練給付制度の充実や訓練延長給付制度の訓練内容の充実等により、その効果的な活用が図られるように努めること。

5 今般の給付体系の見直しに関連し、65歳までの安定した雇用の確保、中高年齢者の再就職の援助・促進等が着実に図られるよう万全の配慮を行うこと。

6 雇用保険3事業の各種給付金等について、その実効性を検証の上、政策目的の重点化を図りつつ、整理合理化に努めること。

[3] 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第12号)

成立(平成12年法律第60号)

本案は、急速な高齢化の進展等に対応し、高年齢者の雇用の安定の確保等を図るため、事業主は定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の措置を講ずるよう努めなければならないものとするとともに、高年齢者等の再就職の促進に関する措置の充実等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 65歳未満の定年を定める事業主は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の高年齢者の65歳までの安定した雇用の確保を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととするとともに、これらの措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針となるべき事項等を高年齢者等職業安定対策基本方針において定めるものとすること。

2 国及び事業主による再就職の促進・援助の措置の対象者に新たに45歳以上55歳未満の在職求職者を加えることとするとともに、事業主が、定年、解雇等により離職する中高年齢者について再就職援助計画を作成したときは労働者にこれを交付するものとすること。

3 公共職業安定所は、再就職援助計画の内容を参酌し、求職者に必要な助言その他の援助を行うものとすること。また、中高年齢者である在職求職者に対し再就職の援助等を行う事業主に対する助成金の支給に関する所要の規定の整備を行うこと等中高年齢者に対する再就職の促進・援助の措置を強化するものとすること。

4 シルバー人材センターが高年齢退職者に提供する就業の範囲を拡大し、臨時的かつ短期的な就業及び労働大臣が定めるその他の軽易な業務に係る就業とするものとすること。

5 この法律は、平成12年10月1日から施行するものとすること。

附帯決議(12.4.14)

急激な高齢化の進展の中で、高年齢者の雇用就業機会の確保を図ることが極めて重要であることにかんがみ、政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう努めるべきである。

1 高年齢者等職業安定対策基本方針策定に当たっては、雇用と年金との接続の確保に特に配慮し、企業における65歳までの安定した雇用の確保のための制度の整備、定年、解雇等により離職する中高年齢者の円滑な再就職の実現等に向けた実効ある内容を定めるよう努めること。

2 企業において、高齢化や年金制度の状況等を踏まえた定年の引上げや継続雇用制度の導入、職域開発、再就職援助等が促進されるよう、高年齢者等職業安定対策基本方針の周知徹底に努めること。

3 高年齢者の雇用の実情について、毎年度定期的な把握を行うとともに、これを踏まえ、65歳までの雇用の安定の確保を図るため、事業主への援助の強化を図るとともに、助成金制度等の見直しについても必要な検討を行うこと。

4 中高年齢者に対する求人の増大を図る観点から、求人の年齢制限については民間の職業紹介事業者の協力も得つつ、その緩和指導を強化すること。

5 厳しい雇用環境の下にある中高年齢者の雇用の安定を確保するため、在職中の労働者に対する相談活動についての機能強化を含め、職業指導、事業主指導に必要な公共職業安定所の組織、機能について一層の拡充強化を図ること。

[4] 港湾労働法の一部を改正する法律案(内閣提出第40号)

成立(平成12年法律第72号)

本案は、最近における港湾労働をめぐる情勢に対応して、港湾運送に必要な労働力の確保に資するとともに、港湾労働者の雇用の安定その他福祉の増進を図るため、港湾労働者派遣事業の制度を創設して港湾労働者の就労の機会を確保する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 港湾労働者派遣事業の制度を創設し、法の適用のある東京港等6大港の港湾運送事業主が労働大臣の許可を受けて、その常時雇用する港湾労働者を他の港湾運送事業主の下で就労させることができることとし、派遣料金の額が一定の基準に適合していること、派遣就業の日数が一定の日数を超えないこと等を許可基準とする等の措置を講ずるほか、港湾労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等について労働者派遣法による労働者派遣事業と同様の措置を講ずるものとすること。

2 港湾労働者雇用安定センターが行う業務として、港湾労働者派遣事業等に係る情報の収集提供及び労働者派遣契約の締結についてのあっせんの業務、派遣労働者の苦情処理等の相談援助の業務等を追加するとともに、同センターで実施している港湾運送業務に係る労働者派遣の業務を廃止するものとすること。

3 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

附帯決議(12.4.21)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

1 港湾労働者派遣制度の適正な運営を図るため、港湾運送事業者が労働者派遣を求める場合には港湾労働者雇用安定センターにあっせんを求めることとするよう指導するとともに、同センターの運営については関係労使の意見が十分に反映されたものとなるように指導すること。

2 港湾運送事業者が企業常用労働者以外の労働者を使用しないよう指導すること。

3 本法施行後の実績、港湾運送事業の規制緩和の実施状況等を勘案し、本法の適用港湾の拡大に努めること。

4 港湾労働者派遣制度の導入及び日曜荷役・夜間荷役の推進に伴い、労働時間が増大しないよう雇用管理の適正化を図るとともに、港湾運送事業者が協力して労働安全衛生対策を講じるなど、労働環境の整備に努めること。

5 港湾労働者雇用安定センターの労働者派遣業務の廃止に伴い、同センターが雇用する派遣労働者の雇用の確保に努めること。

6 ILO第137号条約(港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約)及び第152号条約(港湾労働における職業上の安全及び衛生に関する条約)について、港湾における荷役作業の実態等を踏まえ、その批准について検討を行うこと。

[5] 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案(内閣提出第61号)

成立(平成12年法律第103号)

本案は、会社がその営業の全部又は一部を他の会社に承継させる会社分割の制度の創設に伴い、労働者の保護を図るため、労働契約の承継等に関する特例等を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 分割会社は、設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者及びそれ以外の労働者であって労働契約を設立会社等に承継させる労働者に対し、事前に労働契約を設立会社等が承継する旨の分割計画書等中の記載の有無等を通知しなければならないものとするとともに、労働協約を締結している労働組合にも労働協約の承継についての記載の有無等を同様に通知しなければならないものとすること。

2 設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者が分割会社との間で締結している労働契約であって、分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載があるものは、分割の効力が生じた時に設立会社等に承継されるものとすること。

3 設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者であって、分割計画書等にその者が分割会社との間で締結している労働契約を設立会社等が承継する旨の記載がないものは、所定の期間内に分割会社に対して異議を申し出ることができるものとし、異議を申し出たときは、当該労働者に係る労働契約は分割の効力が生じた時に設立会社等に承継されるものとすること。

4 設立会社等に承継される営業に従として従事する労働者であって、分割計画書等にその者が分割会社との間で締結している労働契約を設立会社等が承継する旨の記載があるものは、所定の期間内に分割会社に対して異議を申し出ることができるものとし、異議を申し出たときは、当該労働者に係る労働契約は設立会社等に承継されないものとすること。

5 分割会社と労働組合との間で締結されている労働協約について、労働組合の組合員である労働者に係る労働契約が設立会社等に承継されるときは、分割の効力が生じた時に、原則として、設立会社等と労働組合との間で同一の内容の労働協約が締結されたものとみなすものとすること。

6 労働大臣は、分割会社及び設立会社等が講ずべき労働契約及び労働協約の承継に関する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めることができるものとすること。

7 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行するものとすること。

(修正要旨)

分割会社は、当該分割に当たり、労働大臣の定めるところにより、その雇用する労働者の理解と協力を得るよう努めるものとすること。

附帯決議(12.5.12)

政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

1 合併・営業譲渡をはじめ企業組織の再編に伴う労働者の保護に関する諸問題については、学識経験者を中心とする検討の場を設け、速やかに結論を得た後、立法上の措置を含めその対応の在り方について十分に検討を深めること。

2 企業組織の再編のみを理由として労働者を解雇することができないとする確立した判例法理の周知徹底を図ること。

3 企業組織の再編のみを理由とした解雇の未然防止に努めるとともに、解雇をめぐる個別の紛争が生じた場合においてその迅速な解決を促進するための制度の整備及び施策の充実を図ること。

4 会社の分割に当たり、事業主が本法律の趣旨と内容を踏まえ、労働者との協議を行うことを促進するための施策を講ずること。

5 会社の分割に伴い企業を移籍する労働者については、本人の意思が十分に尊重されるよう、民法等の趣旨を踏まえ、その周知徹底を図ること。

6 会社の分割を理由とする一方的な労働条件の不利益変更はできないことを指針に明記するとともに、その周知徹底を図ること。

7 本法第8条の指針の策定に当たっては、労使を含む検討の場を設け、その意見を踏まえて策定すること。

[6] 企業組織の再編における労働者の保護に関する法律案(日野市朗君外4名提出、衆法第9号)《民主》

撤回許可

本案は、近年における企業組織の再編の状況等にかんがみ、労働者の保護を図るため、企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の解雇の制限、労働契約の承継、労働条件の不利益な変更の制限等について定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 「企業組織の再編」とは、合併、分割、営業の譲渡等その他政令で定めるものをいうものとすること。

2 事業主は、企業組織の再編を理由として、労働者を解雇することができないものとすること。

3 合併が行われた場合、合併存続事業主は、合併消滅事業主が雇用する労働者に係る労働契約を承継するものとすること。また、分割又は営業の譲渡等が行われた場合、分割設立事業主等又は営業譲受事業主は、承継営業又は譲渡営業に主として従事する労働者に係る労働契約を承継するものとすること。

4 事業主は、合併、分割又は営業の譲渡等をしようとする場合、労働者に対して労働契約の承継等必要な事項を通知しなければならないものとし、営業の一部を承継させる分割又は営業の一部の譲渡が行われる場合において、承継営業又は譲渡営業に主として従事する労働者が所定の期間内に労働契約の承継について同意しない旨を通知したときは、分割設立事業主等又は営業譲受事業主は当該労働者に係る労働契約を承継しないものとすること。なお、分割事業主又は営業譲渡事業主は、労働者が同意しなかったことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること。

5 合併、営業の全部を承継させる分割又は営業の全部の譲渡が行われた場合に労働契約が合併存続事業主、分割設立事業主等又は営業譲受事業主に承継された労働者は、合併、分割又は営業の譲渡等が行われたことを理由として、当該事業主との間で締結されている労働契約を解除することができるものとすること。

6 合併消滅事業主と労働組合との間で合併の時に締結されていた労働協約については、合併存続事業主が承継するものとすること。また、分割事業主又は営業譲渡事業主と労働組合との間で締結されている労働協約については、労働組合の組合員である労働者に係る労働契約が分割設立事業主等又は営業譲受事業主に承継されるときは、分割又は営業の譲渡等の時に、原則として、分割設立事業主等又は営業譲受事業主と労働組合との間で同一の内容の労働協約が締結されたものとみなすものとすること。

7 事業主は、企業組織の再編を行おうとする場合には、あらかじめ、労働者の過半数を代表する労働組合等と労働条件その他労働者の保護に関し必要な事項について協議しなければならないものとすること。

8 その他、企業組織の再編を理由とする労働条件の不利益変更の制限、労働大臣による指針の策定、都道府県労働局長等の権限、労働者の申告、罰則等所要の規定を整備するものとすること。

9 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行するものとすること。

[7] 解雇等の規制に関する法律案(大森猛君外1名提出、衆法第14号)《共産》

審査未了

本案は、最近における景気の動向、産業構造の変化等を背景として、解雇、使用者の求めに応じた退職、出向、転籍等が多く行われていることにかんがみ、不当な解雇等が行われないようにするとともに、解雇等に際しての労働者の保護を図るため、解雇等について必要な規制を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 使用者は、労働者が職務に必要な適性を著しく欠く場合、労働者が企業の服務上の規律に著しく反した場合、事業の合理的な経営上労働者の数を減少させる必要があること等の所定の要件を満たす場合等を除いては、労働者を解雇することができないものとすること。

2 1年を超えて継続勤務した期間雇用労働者等(一定の事業の完了に必要な期間雇用労働者等を除く。)については、労働者が更新をしない旨を通知しない場合は、従前と同一の条件で労働契約を更新したものとみなすこととし、1に定める場合等に相当する場合に使用者が更新を拒むときは、この限りではないとすること。

3 使用者は、労働者を解雇しようとする場合、2月以内の期間雇用労働者等を除き、原則として、継続勤務期間に応じて30日前から180日前までにその予告をしなければならず、当該日数前に予告をしない使用者は、当該日数前に予告をしなければならず、当該日数前に予告しない使用者は、当該日数分以上の平均賃金を支払わなければならないものとすること。

4 使用者は、労働者を解雇しようとする場合、当該労働者に対し、解雇等の理由に関する書面を交付しなければならないものとすること。

5 使用者は、事業の合理的な経営上労働者の数を減少させる必要のあること等の所定の要件を満たす場合等における3の解雇を予告をしたときは、労働者に対し、原則として、10労働日の再就職のための有給休暇を与えなければならないものとすること。

6 使用者の求めに応じて退職の意思表示をした労働者は、当該退職の意思表示をした日から起算して14日を経過するまでの間は、書面により当該退職の意思表示の取消しをすることができるものとすること。

7 使用者は、労働者の同意を得なければ、当該労働者に出向又は転籍をさせることができないものとし、その同意を得ようとする場合、その旨及び当該出向又は転籍に係る所定の事項を記載した書面を交付し、その交付の日から起算して30日以上の期間を定めてこれを通知しなければならないものとすること。

8 使用者は、労働者に対し退職を強要し、又は出向若しくは転籍の同意を強要するために、他の労働者から隔離された場所において就業させる等労働者に精神的苦痛を与えるような行為をしてはならないものとすること。

9 使用者は、法令の定めるところにより労働者を就業させてはならない場合、労働者に対する制裁として合理性が認められる場合又は事業の経営上労働者の就業を拒むことについて合理的な理由があると認められる場合を除いては、労働者の就業を拒んではならないものとすること。

10  その他、この法令の周知義務、都道府県労働局長等の権限、労働者の申告、付加金の支払、罰則等所要の規定を整備するものとすること。

11 この法律は、平成12年10月1日から施行するものとすること。

[8] 解雇等の規制に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(大森猛君外1名提出、衆法第15号)《共産》

審査未了

本案は、解雇等の規制に関する法律の施行に伴い、労働基準法等関係法律の規定の整備等を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 労働基準法において、使用者の労働契約の締結に際しての労働条件に関する書面の交付及びその変更の明示義務を定めるとともに、解雇の予告に関する規定の削除等所要の規定の整備を行うものとすること。

2 国家公務員法その他関係諸法律について所要の規定の整備を行うものとすること。

3 この法律は、解雇等の規制に関する法律の施行の日から施行するものとすること。

[9] 企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の保護に関する法律案(大森猛君外1名提出、衆法第16号)《共産》

否決

本案は、近年の事業主についての企業組織の再編の状況等にかんがみ、労働者の保護を図るため、企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の解雇の制限、労働契約の承継、労働条件の不利益な変更の制限等について定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 「企業組織の再編」とは、合併、分割、営業の譲渡等その他政令で定めるものをいうものとすること。

2 事業主は、企業組織の再編を理由として、又は経営上の負担の軽減を目的として、労働者を解雇することができないものとすること。

3 事業主は、合併、分割又は営業の譲渡をしようとするときは、関係労働者に対して、事前に労働契約の承継等必要な事項を通知しなければならないものとすること。

4 合併、営業の全部を承継させる分割又は営業の全部の譲渡があったときは、合併存続事業主、分割設立事業主等又は営業譲受事業主は、合併消滅事業主、分割事業主又は営業譲渡事業主が雇用する労働者に係る労働契約を承継するものとすること。この場合、当該労働者は、合併、分割又は営業の譲渡等が行われたことを理由として、労働契約を解除することができるものとすること。

5 営業の一部を承継させる分割又は営業の一部の譲渡があったときは、分割設立事業主等又は営業譲受事業主は、分割事業主又は営業譲渡事業主が雇用し当該一部の営業に従事する労働者であって、分割計画書等又は当該営業の譲渡等の契約で当該労働者に係る労働契約が承継される旨が定められたものに係る労働契約を承継するものとすること。この場合、その労働契約が承継され又は承継されない労働者が、所定の期間内に分割事業主又は営業譲渡事業主に対して異議を申し出たときは、当該労働者に係る労働契約は分割設立事業主等又は営業譲受事業主に承継されず、又は承継されるものとし、これらの事業主は、労働者が異議を申し出たことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること。

6 合併消滅事業主と労働組合との間で合併の時に締結されていた労働協約については、合併存続事業主が承継するものとすること。また、分割事業主又は営業譲渡事業主と労働組合との間で締結されている労働協約については、労働組合の組合員である労働者に係る労働契約が分割設立事業主等又は営業譲受事業主に承継されるときは、分割又は営業の譲渡等の時に、原則として、分割設立事業主等又は営業譲受事業主と労働組合との間で同一の内容の労働協約が締結されたものとみなすものとすること。

7 その他、企業組織の再編の際の労働組合等との事前協議、労働条件の不利益変更の制限、労働大臣の指針の策定、都道府県労働局長等の権限、労働者の申告、罰則等所要の規定を整備するものとすること。

8 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行するものとすること。


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