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○ 法務委員会

[1] 民事再生法等の一部を改正する法律案(内閣提出第11号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第128号)

本案は、内外の社会経済情勢の変化とこれに伴う個人倒産事件の増加及び企業倒産事件の国際化にかんがみ、住宅ローンその他の債務を抱えて経済的に窮境にある個人債務者の経済生活の再生を迅速かつ合理的に図るための再生手続の特則を設けるとともに、日本国内で開始された破産手続及び更生手続の効力を債務者の外国にある財産に及ぼす等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 民事再生法の一部改正

(1) 住宅資金貸付債権に関する特則

住宅ローンを抱えた個人債務者が、できる限り住宅を手放さないで再生できるようにするため、再生計画において、原則として、住宅ローンの元本、利息等の全額を、既に弁済期が到来しているものは3年(場合によっては5年)で、まだ弁済期が到来していないものは当初契約どおりに支払うこと等を内容とする住宅資金特別条項を定めることができる制度を設けること。

(2) 小規模個人再生に関する特則

個人である再生債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、無担保再生債権の総額が3,000万円を超えないものは、再生債権を原則3年(特別の事情の場合は5年)の範囲内で、弁済期が3月に1回以上到来する分割払の方法により弁済すること等を内容とする再生計画案を作成して、小規模個人再生を行うことを求めることができる制度を設けること。

(3) 給与所得者等再生に関する特則

小規模個人再生の対象者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、その可処分所得の2年分以上を原則3年で弁済すること等を内容とする再生計画案を作成して、給与所得者等再生を行うことを求めることができる制度を設けること。

2 破産法、会社更生法等の一部改正

破産管財人及び更生管財人の財産の管理処分権を債務者の国外にある財産にも及ぼすとともに、同一の債務者について外国倒産処理手続と国内の破産手続等とが並行的に進行する場合に相互調整を行う旨の規定を設けるほか、国際倒産管轄についての規定等を設けること。

3 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(12.11.17)

この法律の施行に伴い、関係者は、次の点につき格段の配慮をされたい。

1 民事再生手続の特則が、破産手続を回避しながら個人債務者の経済生活の再生を図るための手続であること、及び再生債務者の従業員等の地位・利益が害されるものではないこと等の制度の趣旨・内容について、関係団体はじめ広く国民に周知徹底されるよう努めること。

2 小規模個人再生手続及び給与所得者等再生手続において選任する個人再生委員の適任者の確保等の方策について、必要な措置をとるよう努めること。

3 外国倒産処理手続の承認援助手続においては、労働債権者の雇用契約上の地位及び優先的地位に配慮がされており、国内倒産処理手続と比べ、労働債権者に不利となるものではないことを周知徹底するよう努めること。

4 今回の民事再生手続の特則の創設及び国際倒産法制の整備に見られるような、近時における司法関係立法の急速な進展にかんがみ、法案の立案体制の強化と新たな法制度の的確かつ円滑な運用等に資するため、司法関係機関の人的基盤の充実・拡大に努めること。

[2] 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律案(内閣提出第12号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第129号)

本案は、外国倒産処理手続について、その効力を日本国内において適切に実現するための承認援助手続を創設することにより、国際的に整合のとれた債務者の財産の清算又は経済的再生を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 外国倒産処理手続を承認する手続の創設

外国倒産処理手続の効力を日本国内に及ぼす必要がある場合には、外国管財人等は、我が国の裁判所に対し外国倒産処理手続の承認の申立てをし、申立てを受けた裁判所は、その外国倒産処理手続について、日本国内において援助を与える適格性を備えているか否かを審査して、承認の決定をする制度を設けること。

2 外国倒産処理手続に対する援助の処分等

(1) 外国倒産処理手続を援助するため、個々の事案に応じて、強制執行等の手続の中止命令等により、債権者の個別的な権利行使を制限し、また、債務者による財産の処分又は債務の弁済の禁止を命ずる処分や、財産の管理処分権を承認管財人に専属させる管理命令等により、債務者の財産の管理処分権を制限することができる制度を設けること。

(2) 国内債権者の利益を保護するため、外国倒産処理手続の承認援助手続に入った債務者又は承認管財人がする日本国内にある財産の処分又は国外への持出し等について裁判所の許可の制度を導入し、あわせて、これに違反した場合の罰則についても整備をすること。

3 他の倒産処理手続がある場合の取扱い

同一の債務者につき複数の外国倒産処理手続の承認援助手続が競合し、又は外国倒産処理手続の承認援助手続と国内倒産処理手続とが競合した場合について、矛盾抵触を避けるため、手続相互間の調整規定を設けること。

4 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(12.11.17)

(注)前記[1]附帯決議と同文。

[3] 少年法等の一部を改正する法律案(麻生太郎君外5名提出、衆法第3号)

成立(平成12年法律第142号)

本案は、近時、社会を震撼させる少年による凶悪重大犯罪が相次いで発生するなど、少年犯罪の動向は極めて憂慮すべき状況にある上、少年審判における事実認定手続の在り方が問われるとともに、犯罪の被害者に対する配慮を求める声が高まりを見せており、このような問題に的確かつ迅速に対応することが喫緊の国民的課題とされていることにかんがみ、所要の法整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 少年及びその保護者に対し、その責任について一層の自覚を促して、少年の健全な成長を図るための少年事件の処分等の在り方の見直し

(1) 刑事処分を可能とする年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げること。

(2) 16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、検察官への送致を原則とすること。

(3) 家庭裁判所は、保護者に対し、訓戒などの措置をとることができることとするものとし、また、審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならないこととすること。

2 少年審判における事実認定手続の一層の適正化を図り、少年審判に対する被害者を始めとする国民の信頼を維持、強化するための制度の導入

(1) 家庭裁判所における少年審判等への裁定合議制度を導入すること。

(2) 事実認定の手続に検察官が関与した審理を導入することとし、検察官が審判の手続に関与する場合において、少年に弁護士である付添人がいないときには、家庭裁判所が弁護士である付添人を付すること。

(3) 事実認定及び法令の適用に関し、検察官の申立てにより、高等裁判所が抗告を受理することができる制度を設けること。

(4) 現行法上最長4週間とされている観護措置期間を、最長8週間までとることができるように延長すること。

(5) 保護処分終了後における救済手続を整備すること。

3 被害者等に対する配慮を充実する制度の導入

(1) 家庭裁判所が、被害者等の申出により、その意見を聴取する制度を導入すること。

(2) 家庭裁判所が、被害者等に対し、少年審判の結果等を通知する制度を導入すること。

(3) 被害者等に対し、一定の範囲で非行事実に係る記録の閲覧又は謄写を認めることを可能とすること。

4 この法律は、平成13年4月1日から施行すること。

(参議院修正要旨)

政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、施行の状況について国会に報告するとともに、検討を加え、必要があると認めるときは、検討結果に基づいて法制の整備その他所要の措置を講ずるものとすること。

附帯決議(12.10.31)

政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について格段の努力をすべきである。

1 少年審判における事実認定手続及び検察官送致の在り方について、実務の運用を見ながら、今後とも検討を行うこと。

2 観護措置期間を更に延長できるものとすることの要否について、実務の運用を見ながら、引き続き検討を行うこと。

3 少年法の適用年齢を20歳に満たない者から18歳に満たない者に引き下げることについて、時代の変遷、主要各国の現状、選挙権年齢等他法令に定めるその他の年齢区分との均衡を勘案しつつ、検討を行うこと。

4 悪質重大な少年事件で、社会的に正当な関心事であるものにつき、少年に係る記事等の掲載の禁止を定める少年法第61条に例外規定を設けることについて、司法判断等の動向をも踏まえ、検討を行うこと。

5 少年の健全育成及び非行防止のための施策並びに非行少年の更生保護など社会復帰のための施策を充実・強化すること。

[4] 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律案(熊代昭彦君外8名提出、衆法第12号)

成立(平成12年法律第147号)

本案は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、人種、信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に関する内外の情勢にかんがみ、人権の擁護に資するため、人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について、国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、所要の措置を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 定義) 本案において、人権教育とは、人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動をいい、人権啓発とは、国民の間に人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対する国民の理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動(人権教育を除く。)をいうこととすること。

2 基本理念) 国及び地方公共団体が行う人権教育及び人権啓発は、国民が、人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得することができるよう、多様な機会の提供、効果的な手法の採用、国民の自主性の尊重及び実施機関の中立性の確保を旨とすること。

3 国及び地方公共団体の責務) 国及び地方公共団体は、人権教育及び人権啓発の基本理念にのっとり、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有することとすること。

4 国民の責務) 国民は、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めなければならないこととすること。

5 基本計画の策定) 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、人権教育及び人権啓発に関する基本的な計画を策定しなければならないこととすること。

6 年次報告) 政府は、毎年、国会に、政府が講じた人権教育及び人権啓発に関する施策についての報告を提出しなければならないこととすること。

7 財政上の措置) 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策を実施する地方公共団体に対し、当該施策に係る事業の委託その他の方法により、財政上の措置を講ずることができることとすること。

8 施行期日) この法律は、公布の日から施行すること。ただし、政府による国会への年次報告に関する規定は、この法律の施行の日の属する年度の翌年度以後に講じる施策について、適用すること。

9 見直し) この法律は、この法律の施行の日から3年以内に、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項についての人権擁護推進審議会の調査審議の結果をも踏まえ、見直しを行うこと。

附帯決議(12.11.15)

この法律の施行に伴い、政府は、次の点につき格段の配慮をされたい。

1 人権教育及び人権啓発に関する基本計画の策定に当たっては、行政の中立性に配慮し、地方自治体や人権にかかわる民間団体等関係各方面の意見を十分に踏まえること。

2 前項の基本計画は、「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画等を踏まえ、充実したものにすること。

3 「人権の21世紀」実現に向けて、日本における人権政策確立の取組みは、政治の根底・基本に置くべき課題であり、政府・内閣全体での課題として明確にするべきであること。


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