衆議院

メインへスキップ

  • 音声読み上げ 音声読み上げアイコン
  • サイト内検索
  • 本会議・委員会等
  • 立法情報
  • 議員情報
  • 国会関係資料
  • 各種手続
  • English

○ 法務委員会

[1] 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第30号)

成立(平成13年法律第3号)

本案は、下級裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を増加しようとするもので、その内容は次のとおりである。

1 判事の員数を30人増加すること。

2 裁判官以外の裁判所の職員の員数を9人増加すること。

3 この法律は、平成13年4月1日から施行すること。

附帯決議(13.3.16)

1 政府及び最高裁判所は、近時、急増を続ける倒産事件等及び社会・経済情勢の変化に伴い複雑多様化する各種紛争事件の適正・迅速な処理を図るため、また、司法制度改革審議会において行われている審議の動向をも踏まえ、裁判官及びその他の裁判所職員の増加、下級裁判所の施設の充実等裁判所の人的・物的拡充に努めること。

2 最近の福岡における捜査情報の漏えい問題によって、検察官、裁判官に対する国民の信頼が損なわれていることは誠に遺憾であり、政府及び最高裁判所は、速やかに司法に対する国民の信頼を回復するよう努めること。

[2]下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第42号)

成立(平成13年法律第4号)

本案は、最近における市町村の廃置分合等に伴い、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の名称並びに所在地及び管轄区域の表示を改めようとするもので、その内容は次のとおりである。

1 市町村の廃置分合に伴い、浦和地方裁判所、浦和家庭裁判所及び浦和簡易裁判所の名称を変更すること。

2 市町村の廃置分合等に伴い、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の整理を行うこと。

3 この法律は、平成13年5月1日から施行すること。

[3] 刑法の一部を改正する法律案(内閣提出第58号)(参議院送付)

成立(平成13年法律第97号)

本案は、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードの普及状況及びカード偽造等の犯罪が急増している状況にかんがみ、その社会的信頼を確保するため、所要の罰則整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 人の財産上の事務処理を誤らせる目的でする、代金若しくは料金の支払用のカードを構成する電磁的記録又は預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録について、その不正作出、供用、譲渡し、貸渡し、輸入又は所持を処罰するものとし、法定刑は、不正作出、供用、譲渡し、貸渡し及び輸入については10年以下の懲役又は100万円以下の罰金、所持については5年以下の懲役又は50万円以下の罰金とすること。

2 支払用又は引出用のカードを構成する電磁的記録の不正作出の用に供する目的でする、その電磁的記録の情報の取得、提供又は保管及び器械又は原料の準備を処罰するものとし、法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金とすること。

3 国外犯処罰規定を整備すること。

4 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行すること。

[4] 弁護士法の一部を改正する法律案(内閣提出第62号)

成立(平成13年法律第41号)

本案は、弁護士を社員とし、弁護士業務を行うことを目的とする法人を設立することを可能にするためのものであり、弁護士業務の基盤を拡大強化することにより、複雑多様化する法律事務に的確に対応し、国民の利便性の一層の向上を図ることを目的とするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 この法人の社員は弁護士に限るものとし、設立の方式については、準則主義によるものとすること。なお、その名称中には、弁護士法人という文字を使用しなければならないこととすること。

2 法人の業務範囲については、基本的に自然人たる弁護士と同様のものとすること。

3 法人の業務については、原則として、全社員が業務執行権限及び代表権限を有するものとするが、特定の事件について、法人が業務を担当する社員を指定した場合には、その社員のみが当該事件についての業務執行権限及び代表権限を有するものとすること。

4 弁護士法人がその債務を完済できない場合には、原則として、全社員が無限連帯責任を負うこととするが、特定の事件について指定がされた場合には、その事件に関し依頼者に対して負担することとなった弁護士法人の債務については、指定を受けた社員のみが無限連帯責任を負うものとすること。

5 弁護士法人は、従たる事務所を設けることができるものとすること。

6 弁護士法人は、弁護士と同様、弁護士会及び日本弁護士連合会の会員になるものとし、その指導監督を受けるものとすること。

7 この法律は、平成14年4月1日から施行すること。

[5] >民事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出第69号)

成立(平成13年法律第96号)

本案は、民事訴訟における証拠収集手続の一層の充実を図るため、公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書に係る文書提出命令について、文書提出義務を一般義務とするとともに、文書提出義務の存否を判断するための手続を整備する等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。

1 公務員がその職務に関し保管し、又は所持する文書について、私文書の場合に提出義務が除外されている文書のほか、その提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある文書等を除いて、文書提出義務があるものとすること。

2 除外された文書に該当するかどうかは、裁判所が判断するものとすること。

3 除外された文書に該当するかどうかを判断するための手続として、いわゆるインカメラ手続を設けるものとすること。

4 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

(修正要旨)

附則において、この法律の施行後3年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況並びに刑事事件に係る訴訟に関する書類及び少年の保護事件の記録並びにこれらの事件において押収されている文書(以下「刑事事件関係書類等」という。)の民事訴訟における利用状況等を勘案し、刑事事件関係書類等その他の公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定を設けるものとすること。

附帯決議(13.6.19)

政府は、附則第3項の検討を加えるにあたっては、その審議の経過を広く開示し、国民の意見が十分反映されるよう格段の配慮をすべきである。

[6] 中間法人法案(内閣提出第70号)

成立(平成13年法律第49号)

本案は、公益も営利も目的としない団体の社会経済活動が、我が国において重要な地位を占めていることにかんがみ、これらの団体について、準則主義による法人格の取得を可能とするための一般的な法人制度を新たに設けようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 中間法人としての法人格付与の対象とする団体は「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない社団」とし、そのような団体が設立の登記をすることによって法人格を取得することができるものとすること。

2 中間法人の種類については、社員が法人の債権者に対して責任を負わない有限責任中間法人と、社員が法人の債権者に対して責任を負う無限責任中間法人の2つの類型を設けること。

3 中間法人においては、出資をすることを社員となるための要件とはせず、社員は、法人に対して剰余金の分配を請求する権利等を有しないものとすること。

4 有限責任中間法人においては、社員総会は法定の事項及び定款で定めた事項に限り決議することができ、理事が法人の業務の決定及び執行に当たるものとし、監事が法人の業務を監査することとし、法人に一定の財産的基盤を備えさせるために基金制度を採用し、最低基金総額を300万円とするものとすること。

5 無限責任中間法人においては、原則として、法人の業務は社員の過半数により決し、各社員が業務の執行に当たるものとすること。

6 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

附帯決議(13.5.29)

政府は、この法律の施行に伴い、次の点につき格段の努力をすべきである。

政府は、非営利団体に関する法人制度について、国民生活における非営利団体の活動の重要性と将来性を踏まえ、社会の変容に十分対応できる制度とする観点から、公益性の認定の在り方等民法第34条の公益法人に関する法制の見直しを含め、その基本的な法制の在り方を速やかに検討すること。

[7] 土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律案(大原一三君外5名提出、衆法第7号)《自民、公明、保守》

成立(平成13年法律第19号)

本案は、最近における社会経済情勢等にかんがみ、土地の再評価を行うことができる期限を延長するとともに、土地の再評価を行うことができる法人の範囲を拡大しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 土地の再評価の実施期限の延長等

(1) 土地の再評価の実施期限を、平成14年3月31日まで延長するものとすること。

(2) 再評価差額金をもって自己株式を買い受けて消却することができる期限を、平成14年3月31日まで延長するものとすること。

2 土地の再評価を行うことができる法人の拡大

土地の再評価を行うことができる法人に、証券取引法の規定による監査証明を受けなければならない株式会社を加えるものとすること。

3 施行期日

この法律は、平成13年3月31日から施行するものとすること。

[8] 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案(保岡興治君外6名提出、衆法第8号)《自民、公明、保守》

成立(平成13年法律第17号)

本案は、金融機関等が有する回収が困難となった債権であって不動産を担保とするものの処理が今なお喫緊の課題である状況にかんがみ、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化を図るための臨時の措置を2年間延長し、平成15年3月31日までとするものである。

なお、この法律は、公布の日から施行するものである。

[9] 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案(山本幸三君外3名提出、衆法第21号)《自民、公明、保守》

成立(平成13年法律第56号)

本案は、内外の社会経済情勢の変化に伴う不良債権処理の必要性の増大等にかんがみ、不良債権処理及び資産流動化を一層促進するとともに、倒産処理の迅速化を図るため、債権回収会社の取扱債権の範囲を拡大し、あわせて債権回収会社の業務に関する規制を緩和しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 特定金銭債権の範囲の拡大

貸金業の規制等に関する法律に規定する貸金業者が有する貸付債権について、金融機関と特殊の関係にある貸金業者が有する不動産担保付きかつ事業者向けの貸付債権のみを取扱債権とする現行の制約を撤廃し、同法に規定する登録貸金業者が有する貸付債権のすべてを債権回収会社が取り扱えることとするとともに、資産の流動化に関する法律に基づいて設立された特定目的会社等が流動化対象資産として有する金銭債権や法的倒産手続中の者が有する金銭債権などを新たに取扱債権に加えるなど、その範囲を拡大すること。

2 業務に関する規制の改正

債権回収会社は、特定金銭債権に係る債務であって利息制限法に定める制限額を超える利息の支払いを伴い、又はその不履行による賠償額の予定が同法に定める制限額を超えるものについて、債務者等に対し、元本も含めその履行を一切要求してはならないとする現行の取扱いを改め、債権回収会社がこうした債権について、適法利息に引き直した上での利息及び元本を請求することを可能とすること。

3 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(13.6.5)

政府は、この法律の施行に当たり、次の事項につき格段の配慮をすべきである。

1 サービサー制度が国民経済の健全な発展に資することを目的とするものであることにかんがみ、回収業務に従事する者に対する研修の実施など、制度の趣旨・内容について、関係者等に周知徹底されるよう努めること。

2 サービサーが取り扱う特定金銭債権が、貸金業の規制等に関する法律に規定する登録貸金業者が有するすべての債権に拡大されたことに伴い、債務者保護と業務の適正確保の観点から、サービサーに同法第17条等に規定する債務者への書面の交付を遵守させるとともに、利息制限法に規定する適法利息に引き直す義務を確実に遵守させるよう努めること。

3 暴力団関係者の参入を排除する方策を一層徹底するとともに、弁護士法第72条に違反する代理者又は媒介者等から金銭債権の譲渡又は回収の委託を受けることを禁止する趣旨が徹底されるよう努めること。

4 回収に当たり債務者等の抗弁権の行使を阻害しないことなど、回収業務の適正な運用がなされ、かつ、本法第17条及び第18条に規定するサービサーの業務に関する規制が遵守されるよう、十分な指導監督を行うこと。

[10] 民法の一部を改正する法律案(枝野幸男君外7名提出、衆法第23号)《民主、共産、社民》

継続審査

本案は、最近における国民の価値観の多様化及び女性の地位の向上、これらを反映した世論の動向等にかんがみ、婚姻制度に関しては、選択的夫婦別氏制の導入並びに婚姻最低年齢及び再婚禁止期間の見直し等を行い、相続制度に関しては、嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同一とする等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 婚姻の成立要件

婚姻適齢を男女とも満18歳とし、女の再婚禁止期間を現行の6箇月から100日間に短縮するものとすること。

2 夫婦等の氏

(1) 夫婦は、婚姻の際、夫若しくは妻の氏を称するか、各自の婚姻前の氏を称するかを定めるものとすること。

(2) 嫡出である子は、父母の氏又はその出生時における父母の協議で定められた父若しくは母の氏を称するものとすること。

(3) (2)の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父又は母の氏を子が称する氏として定めるものとすること。

(4) 氏を異にする夫婦がともに養子をする場合において、養子が未成年者であるときは、養親の協議で定められた養親のいずれかの氏、養子が成年者であるときは、当事者の協議で定めた養親のいずれかの氏を称するものとすること。

3 相続の効力

嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分と同一とするものとすること。

4 施行期日

この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

5 経過措置

改正法施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、改正法施行後2年以内に、配偶者との合意に基づく届出によって、婚姻前の氏に復することができるものとすること。これにより父又は母が婚姻前の氏に復した場合には、子は、父母の婚姻中に限り、右届出の日から3月以内に届け出ることによって、婚姻前の氏に復した父又は母の氏を称することができるものとすること等所要の経過措置を設けるものとすること。

[11] 商法等の一部を改正する等の法律案(相沢英之君外6名提出、衆法第26号)《自民、公明、保守》

成立(平成13年法律第79号)

本案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、自己株式の取得及び保有制限の見直し並びに株式の単位に係る規制の見直し等を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 自己株式の取得及び保有制限の見直し

(1) 自己株式の取得

自己株式の取得を原則として禁止し、例外的に特定の目的のための取得のみを認めている現行の制限を改め、一定の制限の下に、取得目的にかかわらず、自己株式の取得を認めること。

(2) 自己株式の保有

取得した自己株式を相当の時期に処分すべきこととしている現行の制限を改め、会社は、取得した自己株式を期間、数量等の制限なく保有することができること。

(3) 自己株式の処分等

新たに、保有する自己株式を取締役会の決議により消却することができることとするとともに、取締役会の決議により売却処分をすることができることとし、この売却処分の場合には、新株を発行する場合と同様の手続を経るべきこととすること。

(4) 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の廃止

自己株式の取得及び保有制限の見直しをすることに伴い、消却目的による自己株式の取得方法等につき商法の特例を定めた株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律を廃止すること。

2 株式の単位の見直し

(1) 株式の大きさに係る制限等の撤廃

株式の大きさに係る制限等を撤廃し、株式の大きさを自由に定めることができること。

(2) 額面株式の廃止

額面株式の制度を廃止し、無額面株式に統一すること。

(3) 単元株制度の創設

株式の大きさを引き上げるための暫定的かつ過渡的な制度として導入された単位株制度を廃止し、会社が定款によって一定の数の株式をもって一単元の株式とする旨を定めることができる単元株制度を創設すること。

3 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

[12] 商法等の一部を改正する等の法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(相沢英之君外6名提出、衆法第27号)《自民、公明、保守》

成立(平成13年法律第80号)

本案は、商法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、証券取引法等の関係法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものである。

なお、この法律は、商法等の一部を改正する等の法律の施行の日から施行する。

[13] 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案(太田誠一君外4名提出、衆法第31号)《自民、公明、保守》

継続審査

本案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保するため、監査役の機能の強化、取締役等の責任の軽減に関する要件の緩和及び株主代表訴訟制度の合理化を行うとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 監査役の機能の強化

(1) 監査役の任期を現行の3年から4年に延長し、監査役は、取締役会に出席しなければならないこととし、必要があると認めるときは、意見を述べなければならないものとする。

(2) 商法特例法上の大会社にあっては、監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、その就任の前に会社又はその子会社の取締役又は支配人その他の使用人となったことがない者でなければならないものとすること。

(3) 監査役を辞任した者及びその他の監査役に、株主総会における意見陳述権を認めることとし、監査役の選任については、監査役会に同意権及び提案権を認めるものとすること。

2 取締役等の会社に対する責任の軽減

(1) 法令定款違反の行為に関する取締役の責任について、その取締役が、職務を行うにつき、善意にして、かつ、重大な過失がなかったときは、賠償の責任を負うべき額から報酬の2年分の額を限度として、株主総会の決議をもって、免除することができるものとすること。

(2) 会社は、定款をもって、法令定款違反の行為に関する取締役の責任につき、その取締役が、職務を行うにつき、善意にして、かつ、重大な過失がなかった場合において、責任の原因となる事実の内容、その取締役の職務遂行の状況その他の事情を勘案して特に必要があると認めるときは、賠償の責任を負うべき額から報酬の2年分の額を限度として、取締役会の決議をもって、免除することができるものとすること。

(3) 会社は、定款をもって、社外取締役との間で、その者が取締役として法令定款違反の行為により会社に損害を加えた場合において、その職務を行うにつき、善意にして、かつ、重大な過失がないときは、定款に定めた範囲内においてあらかじめ定める額と報酬の2年分の額とのいずれか高い額を限度として、賠償の責任を負う旨の契約をすることができる旨を定めることができるものとすること。

3 株主代表訴訟制度の合理化

(1) 提訴権者の株式保有期間要件を撤廃し、株式の譲受けの当時、取締役の責任の原因となる事実があったことを知り、又は容易に知ることができたときは、提訴を認めないものとすること。

(2) 取締役の責任を追及する訴訟につき会社が和解をする場合には、総株主の同意を得ずに取締役の責任を免除することができるものとし、株主代表訴訟の和解において、会社が当事者となっていないときは、裁判所は、会社に対し、和解の内容を通知し、かつ、その和解に異議があれば2週間以内に述べるべき旨を催告しなればならないものとすること。

(3) 会社が取締役を補助するために株主代表訴訟に参加する旨の申出をする場合には、監査役全員の同意を得なければならないものとすること。

4 施行期日

この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、1の(2)は、この法律の施行の日から起算して3年を経過した日から施行するものとすること。

[14] 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(太田誠一君外4名提出、衆法第32号)《自民、公明、保守》

継続審査

本案は、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、農業協同組合法その他の関係法律の規定を整備するとともに、所要の経過措置を定めようとするものである。

[15] 民法の一部を改正する法律案(漆原良夫君外2名提出、衆法第54号)《公明》

継続審査

本案は、最近における国民の価値観の多様化及び女性の地位の向上、これらを反映した世論の動向等にかんがみ、婚姻制度に関しては、選択的夫婦別氏制の導入並びに婚姻適齢及び再婚禁止期間の見直し、夫婦間の契約取消権の廃止等を行い、相続制度に関しては、嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同一とする等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 婚姻の成立要件

婚姻適齢を男女とも満18歳とし、女の再婚禁止期間を現行の6箇月から100日間に短縮するものとすること。

2 夫婦等の氏

(1) 夫婦は、婚姻の際、夫若しくは妻の氏を称するか、各自の婚姻前の氏を称するかを定めるものとすること。

(2) 嫡出である子は、父母の氏又はその出生の際に父母の協議で定める父若しくは母の氏を称するものとすること。

(3) (2)の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父又は母の請求により、協議に代わる審判をすることができるものとすること。

(4) 氏を異にする夫婦がともに養子をする場合において、養子となる者が15歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者と養子となる者の協議で定める養親のいずれかの氏、養子となる者が15歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者と養子となる者の法定代理人の協議で定める養親のいずれかの氏を称するものとすること。

3 夫婦間の契約取消権の廃止

夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、何時でも夫婦の一方から取り消すことができる旨の規定を削除すること。

4 相続の効力

嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分と同一とするものとすること。

5 施行期日

この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

6 経過措置

改正法施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、改正法施行後2年以内に、配偶者との合意に基づく届出によって、婚姻前の氏に復することができるものとすること。これにより父又は母が婚姻前の氏に復した場合には、子は、父母の婚姻中に限り、右届出の日から3月以内に届け出ることによって、婚姻前の氏に復した父又は母の氏を称することができるものとすること等所要の経過措置を設けるものとすること。

[16] 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案(参議院提出、参法第16号)

成立(平成13年法律第31号)

本法律案は、配偶者からの暴力が、犯罪となる行為であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかったこと、また被害者が多くの場合女性であり、配偶者が暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を行うことは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっていることにかんがみ、このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るため、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有する。

2 都道府県は、婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。同センターは、被害者(心身に有害な影響を及ぼす言動を受けた者を含む。)に対し、相談、カウンセリング、一時保護等を行うものとする。

3 配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。医師その他の医療関係者は、配偶者からの暴力による傷病者を発見した場合には、その者の意思を尊重しつつ、配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。

4 被害者が更なる配偶者からの暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、6月間の被害者への接近禁止又は2週間の住居からの退去を命ずるものとする。この保護命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

5 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止等の活動を行う民間団体に対する必要な援助、配偶者からの暴力に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発等に努めるとともに、職務関係者に対し、被害者の人権、配偶者からの暴力の特性等に関する理解を深めるために必要な研修等を行うものとする。

6 この法律は、公布の日から起算して6月を経過した日から施行する。ただし、配偶者暴力相談支援センターに係る規定は、平成14年4月1日から施行する。

7 この法律の規定については、この法律の施行後3年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。


衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.