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○ 厚生労働委員会

[1] 確定拠出年金法案(内閣提出、第150回国会閣法第21号)

成立(平成13年法律第88号)

本案は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援するため、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受ける確定拠出年金を、厚生年金基金、国民年金基金等の年金制度に加えて、新たな選択肢として設けようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 確定拠出年金は、事業主が労使合意に基づいて実施し、60歳未満の従業員が加入者となる企業型年金と、国民年金基金連合会が実施し、国民年金の第1号被保険者及び公的年金に上乗せする給付のない60歳未満の厚生年金保険の被保険者が申出により加入者となる個人型年金の2種類とすること。

2 掛金は、企業型年金においては事業主が、個人型年金においては加入者が拠出すること。

3 加入者は、個人ごとに管理された資産について運用の指図を行うこと。このため、加入者に対して十分な情報の提供等が行われるよう所要の措置を講じること。

4 給付は、原則として、60歳に到達した場合のほか、高度の障害を負った場合又は死亡した場合に支給すること。また、加入者が離転職した場合等においては、他の企業型年金又は個人型年金に個人ごとに管理された資産を移換すること。

5 加入者等に関する記録の保存、運用の方法の選定及び加入者等に対する提示等の業務を行う者は、確定拠出年金運営管理機関として厚生労働大臣及び内閣総理大臣の登録を受けなければならないこととするとともに、両大臣が必要な監督を行うこと。

6 加入者の受給権保護等を図る観点から、関係者の行為準則を定める等必要な措置を講ずること。

7 掛金、積立金及び給付について、各税法で定めるところにより、課税について必要な措置を講ずること。

8 この法律は、一部の事項を除き、平成13年3月1日から施行すること。

(修正要旨)

原案において「平成13年3月1日」となっている施行期日を「平成13年10月1日」に改めるとともに、その他所要の規定の整理を行うこと。

附帯決議(13.6.8)

政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 確定拠出年金は、自己選択と自己責任に基づく初めての年金制度であることから、この制度に対する国民の理解が深まるよう制度内容の周知徹底を行うなど、制度の円滑な実施を図るために必要な環境整備に努めること。

2 確定拠出年金は、公的年金の上乗せの年金制度の新たな選択肢として、労使合意に基づき導入される制度であり、企業型年金規約の承認に当たっては、労使合意がなされていることの確認を的確に行うこと。

3 確定給付型の企業年金等から確定拠出年金への移行に当たっては、労使合意がなされていること、並びに従前の確定給付型の企業年金及び移行時における権利の保護が十分なされていることの確認を的確に行うこと。

4 加入者が資産運用について適切な知識を持つことができるよう、事業主等から加入者に対し、個別の運用商品を含めた資産運用に関する必要な情報提供が行われるようにすること。

5 受託者責任については、事業主や運営管理機関など確定拠出年金の管理・運営に関わる者は、その内容を十分理解し、受託者責任を踏まえて行動すること。また、政府は、受託者責任の理念が十分に浸透するように努めること。 

6 事業主、国民年金基金連合会や運営管理機関が確定拠出年金の実施に関し業務上保管・使用する個人情報について、その適正な保管・使用に万全を期すよう指導を行うこと。

7 加入者の利益が図られるよう、運営管理機関(記録関連運営管理機関、運用関連運営管理機関)の幅広い参入とその競争を基本に、管理手数料がサービスに応じて適正な水準となるように配慮すること。また、手数料についての情報が、加入者に適切に提供されるようにすること。

8 確定拠出年金の拠出限度額など拠出のあり方については、制度の実施状況などを踏まえ、今後とも検討すること。

9 国民年金の第3号被保険者については、公的年金制度における第3号被保険者に係る取扱いに関する検討結果を踏まえ、確定拠出年金への加入のあり方について検討すること。

10 年金課税のあり方について、確定給付型の企業年金などとのバランスに留意しつつ、拠出時・運用時・給付時を通じた負担の適正化に向けて検討を行うこと。

11 金融・証券市場に対する国民の信頼と安心を確立するため、市場の透明性を高める等の改革を進めるよう努めること。

[2] 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出第22号)

成立(平成13年法律第11号)

本案は、戦傷病者、戦没者遺族等の処遇の改善を図るため、遺族年金等の額を引き上げるとともに、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給範囲を拡大しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正

障害年金に係る扶養加給額、遺族年金等の額を、平成13年4月分から次のとおり引き上げること。

(1) 障害年金に係る扶養加給額

区分 現行 改正後
配偶者以外の扶養親族が2人までのとき1人につき 6万6,000円 7万2,000円

 (2) 遺族年金及び遺族給与金

区分 現行 改正後
公務死 195万6,200円 195万9,200円
勤務関連死 155万3,200円 155万6,200円
平病死 公務(重症) 155万3,200円 155万6,200円
公務(軽症)及び勤務関連(重症) 49万3,410円 49万8,310円
勤務関連(軽症) 39万3,510円 39万7,810円
併発死 公務傷病併発 39万3,510円 39万7,810円
勤務関連傷病併発 27万3,710円 27万7,210円

2 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正

(1) 平成5年4月2日以後に戦傷病者等の妻となった者であって、当該戦傷病者等が平成13年4月1日において恩給法による傷病恩給等を受けていたものに、特別給付金(額面15万円又は7万5千円、5年償還の国債)を支給すること。

(2) 平成5年4月1日から平成8年9月30日までの間に戦傷病者等である夫が平病死した場合に、その妻に特別給付金(額面5万円、5年償還の国債)を支給すること。

3 施行期日

この法律は、平成13年4月1日から施行すること。ただし、2は、同年10月1日から施行すること。

[3] 平成13年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出第23号)

成立(平成13年法律第13号)

本案は、現下の社会経済情勢にかんがみ、平成13年度における特例措置として、公的年金及び各種手当等の額を平成12年度と同額に据え置くこととするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 平成13年度において、特例として、国民年金、厚生年金、児童扶養手当等について、物価スライドによる年金の額等の改定の措置を講じないこと。

2 政府は、次期財政再計算までに、特例措置を講じたことによる財政影響を考慮して、給付額や物価スライド規定の在り方等について検討すること。  

3 この法律は、平成13年4月1日から施行すること。

[4] 労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第24号)

成立(平成13年法律第25号)

本案は、最近の労働時間の状況にかんがみ、政府目標である年間総実労働時間1,800時間について、本年3月末とされている労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の廃止期限までに達成することは困難と考えられることから、今後も引き続き事業主等による労働時間の短縮に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置等を講ずるため、同臨時措置法の廃止期限を5年間延長するもので、その主な内容は次のとおりである。

1 廃止期限の延長

労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の廃止期限を平成18年3月31日とするものとすること。

2 その他

その他所要の整備を行うものとすること。

3 施行期日

この法律は、一部を除き、公布の日から施行するものとすること。

附帯決議(13.3.23)

政府は、累次の経済計画における国際公約ともなっている年間総実労働時間1,800時間が未だ達成されていないことも踏まえ、1日も早く国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現できるよう、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 政府目標である年間総実労働時間1,800時間を実現するため、関係省庁間の連携・協力を一層強化し、本法に基づく実効性ある労働時間短縮推進計画を策定し、政府の強い指導により労働時間短縮対策を総合的に推進すること。

2 時間外労働を削減するため、限度基準に基づく指導に努めるとともに、「所定外労働削減要綱」について、実効性を高めるよう見直しを行い、これに基づく周知を行うこと。また、いわゆる「サービス残業」は違法であることから、労働時間管理の徹底を指導するなど、監督行政による重点的な監督指導を行うこと。

3 男女共同参画社会に向けた新しい働き方の実現のための時間外労働の限度基準の見直し、並びに、時間外・休日及び深夜労働の割増率の水準の見直しについて、検討を行うこと。

4 年次有給休暇の取得率向上に向けて、長期休暇制度の普及促進等実効性ある施策を行うこと。

5 本年4月1日より1週44時間に短縮される特例措置対象事業場を含め中小零細企業における労働時間短縮の促進のための環境整備その他必要な援助等を行うこと。

6 変形労働時間制、及び裁量労働制の運用にあたっては、長時間労働にならないよう適切な監督指導を実施し、制度の趣旨を踏まえた適正な労働条件の確保を図るものとすること。

[5] 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第31号)

成立(平成13年法律第35号)

本案は、経済社会の変化に対応して円滑な再就職を促進するため、事業主による離職予定者の再就職支援を促進するとともに、都道府県が策定する計画に基づく地域雇用開発の推進、職業能力の適正な評価のための制度の整備等を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法は、廃止するものとすること。

2 雇用対策法の一部を改正し、事業主は、相当数の労働者が離職を余儀なくされることが見込まれる事業規模の縮小等を行おうとするときは、当該離職を余儀なくされる労働者の再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けなければならないものとするとともに、政府は、認定を受けた再就職援助計画に基づき、対象労働者の再就職の援助のための措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うものとすること。

また、事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときは、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えるように努めなければならないものとすること。

3 職業能力開発促進法の一部を改正し、労働者の自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため、関係者の責務及び事業主が必要に応じて講ずる措置を定めるとともに、技能検定試験に関する業務を行わせることができる指定試験機関の範囲及び当該試験機関に行わせることができる業務の範囲を拡大するものとすること。

4 雇用保険法の一部を改正し、雇用安定事業として、離職を余儀なくされる労働者の再就職を促進するために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うことができるものとすること。

5 地域雇用開発等促進法の一部を改正し、「雇用機会増大促進地域」、「能力開発就職促進地域」、「求職活動援助地域」及び「高度技能活用雇用安定地域」の四地域について、都道府県が策定する計画を厚生労働大臣が同意し、当該計画に基づき対策を講ずる方式に改めることとすること。

6 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに関係法律の規定の整備を行うものとすること。

7 この法律は、平成13年10月1日から施行するものとすること。ただし、1については平成13年6月30日から施行するものとすること。

附帯決議(13.3.30)

政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 本改正により、雇用政策の柱の一つである労働者が安心して働ける社会を構築するため、雇用保険の充実と並んで自発的な職業能力開発の促進を図るとともに、雇用の維持及び安定施策が後退することのないよう努めること。

2 事業主による再就職の援助を促進するための措置については、安易な解雇を促進することのないよう十分に周知するなど適切な運用が図られるようにすること。

3 障害者の職業の安定のための優先雇用の施策など必要な施策については、改正前の雇用対策法第19条から第20条の2までの規定の削除にかかわりなく引き続き講ずること。

4 雇用就業ニーズの多様化を踏まえ、パート労働者などで短期雇用を反復継続する労働者や派遣労働者等について、円滑な就業のため雇用労働条件管理の改善を進めること。

5 労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えるべき事業主の努力義務については、その趣旨に沿った適切な運用が行われるよう配慮すること。また、国家公務員及び地方公務員についても、民間事業主へ努力義務を課すことを踏まえ、本改正の理念の具体化に向け適切な対応が図られるよう努めること。

6 地域雇用機会増大計画、地域能力開発就職促進計画、地域求職活動援助計画又は地域高度技能活用雇用安定計画について協議を受けたときは、厚生労働大臣は、地域労使の意見が反映されるよう配慮の上、当該協議案の考え方を尊重すること。

7 地方労働基準審議会、地方職業安定審議会の廃止に当たっては、その果たすべき機能が適切に関係審議会に継承されるよう万全の配慮を行うこと。

[6] 確定給付企業年金法案(内閣提出第34号)

成立(平成13年法律第50号)

本案は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等、社会経済情勢が大きく変化しており、公的年金に上乗せして給付を行う年金制度についても、かかる変化に対応することが要請されていることにかんがみ、確定給付型の企業年金について、受給権保護等を図る観点から、労使の自主性を尊重しつつ、統一的な枠組みのもとに制度の整備を行い、これにより、公的年金を土台としつつ、確定拠出年金と相まって、国民の自主的な努力を支援する仕組みを整備するもので、その主な内容は次のとおりである。

1 確定給付企業年金は、事業主が、労使で合意した規約に基づき信託会社、生命保険会社等と年金資金を積み立てる契約を締結するか、又は、事業主とは別法人の企業年金基金を設立することにより実施すること。

2 給付は、加入者が老齢になった場合及び脱退した場合に支給するものとするほか、障害を負った場合又は死亡した場合にも支給することができること。

3 加入者の受給権保護等を図る観点から、将来にわたって約束した給付が支給できるよう、約束した給付に見合う積立金を積み立てなければならないものとするとともに、確定給付企業年金の管理又は運営に関わる者の責任や行為準則を明確化するほか、規約の内容を従業員に周知し、確定給付企業年金の実施状況について加入者に情報開示すること。

4 確定給付企業年金相互や、厚生年金基金、確定拠出年金との間での移行ができること。

5 確定給付企業年金に係る給付、掛金及び積立金について、各税法で定めるところにより、課税について必要な措置を講ずること。

6 この法律は、一部の事項を除き、平成14年4月1日から施行すること。

(修正要旨)

確定給付企業年金を実施する事業主等及び厚生年金基金は、加入者等に対し行う業務の概況についての情報提供を、受給者に対しても同様に行うよう努める旨の規定を追加すること。

附帯決議(13.5.25)

政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう努力するべきである。

1 企業年金の加入者及び受給者の受給権保護を図る観点から、セイフティネットとしての機能をもつ「支払保証制度」について、モラルハザードの回避などに留意しつつ、引き続き検討を加えること。

2 企業年金受給者に対する情報開示について、事業主等に対し、実情を踏まえた適切な指導を行うこと。また、給付額の減額など、受給者にとって不利益な変更が行われる場合の手続について、適切な措置を講ずること。

3 受託者責任については、事業主や資産管理運用機関など企業年金の管理・運営に関わる者は、その内容を十分理解し、受託者責任を踏まえて行動すること。また、政府は、受託者責任の理念が十分に浸透するように努めること。

4 適格退職年金から確定給付企業年金等への移行が円滑に行われるよう、適切な経過措置を講ずること。特に、中小企業については特段の配慮を行うこと。

5 転職に伴う年金原資の移管制度(ポータビリティ)について、引き続き検討を加えること。

6 厚生年金基金の今後のあり方については、法施行後の制度間移行の状況等を踏まえ、必要な検討を行うこと。

7 厚生年金基金連合会の財政については、引き続きその情報開示を進めるとともにその健全化に努めること。

8 年金課税のあり方について、制度間のバランスに留意しつつ、拠出時・運用時・給付時を通じた負担の適正化に向けて検討を行うこと。

[7] 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出第35号)

継続審査

本案は、高齢者におけるインフルエンザの発病及び重症化の防止に適切に対応できる予防接種制度を構築するため、インフルエンザを予防接種の対象疾病とし、あわせて、予防接種の対象疾病を類型化する等所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 現行の予防接種の対象疾病を一類疾病とし、インフルエンザを二類疾病とすること。

2 現行の予防接種の対象者に課されている予防接種を受けるよう努める義務を、二類疾病に係る定期の予防接種の対象者については課さないものとすること。

3 一類疾病に係る予防接種による健康被害に対する給付は現行どおりとし、二類疾病に係る定期の予防接種による健康被害に対する給付は医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法と同様の給付とすること。

4 厚生労働大臣は、一類疾病及び二類疾病のうち、特に総合的に予防接種を推進する必要があるものについては、その指針を定めなければならないこと。

5 この法律は、平成13年10月1日から施行すること。

[8] 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第36号)

継続審査

本案は、少子化が進行する中で、働きながら子どもを産み育てやすい雇用環境を整備しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 事業主は、労働者が育児休業又は介護休業の申出をしたこと等を理由として、当該労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること。

2 子の養育又は家族の介護を行う労働者の時間外労働の制限

(1) 事業主は、小学校就学までの子の養育又は家族の介護を行う労働者が当該養育又は介護のために請求したときは、制限時間(1月について24時間、1年について150時間)を超えて当該労働時間を延長してはならないものとすること。

(2) (1)の請求は、時間外労働が制限される期間(1月以上1年以内)について、制限開始予定日及び制限終了予定日を明らかにして制限開始予定日の1月前までにしなければならないものとすること。

(3) (1)の請求がされた後制限開始予定日の前日までに、子の死亡等の事由が生じたときは、当該請求はされなかったものとみなすものとすること。

(4) (1)の請求に係る子の死亡等の事由が生じた場合においては、制限終了予定日前においても制限期間が終了するものとすること。

3 事業主が講ずべき措置

(1) 事業主は、1歳から3歳に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度に準ずる措置又は勤務時間の短縮等の措置を講じなければならないものとすること。

(2) 事業主は、小学校就学までの子を養育する労働者に対して、その子の看護のための休暇措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。

(3) 事業主は、労働者の就業の場所の変更を伴う配置の変更をしようとする場合には、養育又は介護の状況に配慮しなければならないものとすること。

(4) 事業主は、職業家庭両立推進者を選任するように努めなければならないものとすること。

4 国は、職業生活と家庭生活との両立に関する理解を深めるための広報活動等の措置を講じ、厚生労働大臣は、指定法人に職業家庭両立推進者に対する研修等を行わせるものとすること。

5 この法律は、平成13年10月1日から施行するものとすること。ただし、2及び3の(1)から(3)までについては、平成14年4月1日から施行するものとすること。

[9] 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案(内閣提出第44号)

成立(平成13年法律第112号)

本案は、社会経済情勢の変化に伴い、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争が増加していることにかんがみ、当該紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、都道府県労働局長が情報提供等並びに助言及び指導を行うこととするとともに、紛争調整委員会による紛争解決のためのあっせん制度を創設する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならないものとすること。

2 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、事業主等に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うものとすること。

3 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争に関し、当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができるものとすること。

4 都道府県労働局に紛争調整委員会を置くものとし、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について、紛争当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとすること。

5 地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、個別労働関係紛争を未然に防止し、個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、事業主等に対し、情報の提供、相談その他の必要な施策を推進するように努めるものとし、国は、地方公共団体が実施する施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとすること。

6 この法律は、平成13年10月1日から施行するものとすること。

7 関係法律について所要の規定の整備を行うものとすること。

(修正要旨)

1 個別労働関係紛争を未然に防止し、個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため地方公共団体が推進するように努める施策として、あっせんを明記するものとすること。

2 1の地方公共団体の施策として、地方自治法第180条の2の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて地方労働委員会が行う場合には、中央労働委員会は、当該地方労働委員会に対し、必要な助言又は指導をすることができるものとすること。

附帯決議(13.6.20)

政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 個別労働関係紛争が増加しており、相当な件数にのぼるようになっているという実態等を踏まえ、これを公正、迅速、適正に解決するために、司法、地方行政を含めた複線的な紛争解決システムの整備に努めること。

2 紛争調整委員会が男女雇用機会均等法に基づく調停等を行う場合には、機会均等調停委員会の設置の趣旨や目的、名称・設立の経緯を十分に尊重し、その扱いを明確にした運営を行うこと。

3 地方公共団体が地方労働委員会等において個別労働関係紛争の解決のための取組を行うに当たり、十分な連携を図るとともに、必要な支援を行うこと。また、中央労働委員会は、全国の地方労働委員会が行う個別労働関係紛争の解決のための取組に係る情報の収集及び提供その他必要な支援を行うこと。

4 紛争調整委員会が行うあっせんにおいては、事実の把握、紛争当事者双方からの十分な意見聴取に努めること。また、紛争調整委員会の運営状況の評価を地方労働審議会で行うとともに、職員の研鑽を図り、委員会の機能の充実を図ること。

5 都道府県労働局、地方労働委員会等における個別労働紛争解決制度については、裁判外紛争処理制度として適切に位置づけること。あわせて、労働関係事件への対応について、裁判外紛争処理と裁判所の連携を明確にし、十分な検討を行うこと。

6 国が行う地方労働行政については、地方公共団体と十分な連携を図るとともに、地方労使団体の意見を十分尊重するものとすること。

[10] 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(内閣提出第82号)(参議院送付)

成立(平成13年法律第87号)

本案は、障害者の社会経済活動への参加を促進するため、医師等の資格制度、薬局開設等の許認可要件等において定められている障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るため、所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 医師等の資格制度、薬局開設等の許認可要件等において資格等を与えないこと等とされる欠格事由のうち、「目が見えない者」等障害を特定しているものについて、障害を特定しないこととし、業務を行う能力に応じて資格等を与えることができることとすること。

2 調理師等の資格及び医師国家試験の受験資格等について、障害者に係る欠格事由を廃止すること。

3 医師等の資格制度等において資格等を与えないこととする場合の意見聴取規定を設けること。

4 栄養士等の資格制度等の素行が著しく不良である者及び伝染性の疾病にかかっている者に係る欠格事由を廃止すること。

5 保健婦、看護婦、准看護婦及び歯科技工士について、守秘義務規定を整備するとともに、守秘義務規定に違反した場合の罰則規定を整備すること。

6 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

(参議院修正要旨)

施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律における障害者に係る欠格事由の在り方について、当該欠格事由に関する規定の施行の状況を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

附帯決議(13.6.20)

政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 障害者の社会参加と平等、人権の尊重という今次制度改正の根本理念の具現化に向け、政府は終期の迫った「障害者対策に関する新長期計画」及び「障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略」を完全達成するとともに、引き続き次期計画及び整備目標を策定し遅滞なき総合的な障害者施策の推進に最大限の努力を講ずること。

2 我が国の本格的なIT社会への展開に際し、新たな技術革新が障害者の資格取得や就業における格差を生起することのないよう、デジタル・ディバイドの解消とユーザビリティに基づいた開発、ユニバーサルデザインの普及・普遍化に努めること。また、政府調達等により、その推進に努めること。

3 各種資格試験等においては、これが障害者にとって欠格条項に代わる事実上の資格制限や障壁とならないよう、点字受験や拡大文字、口述による試験の実施等、受験する障害者の障害に応じた格別の配慮を講ずること。

4 大学・専門学校等の教育・養成機関が、受験と教育の両面において必ずしも障害者に開かれてはいない現状にかんがみ、これら教育・養成機関での障害者に配慮した受験制度及び就学環境の改善を進め、障害者の資格取得支援のための条件整備について所要の措置を講ずること。また、この趣旨を各教育機関に周知徹底するよう、関係機関と連携すること。

5 本法改正を実効あるものとする観点から、障害及び障害者の機能を補完する機器の開発、職場介助者等の職場における補助的手段の導入に対する事業主への助成など、関係行政機関が一体となって総合的な障害者の就業環境の整備に努めること。

6 現在の厳しい雇用環境にかんがみ、障害者に対する差別・偏見を除去するための啓蒙・啓発を更に進め障害者雇用の促進を図るとともに、障害を理由とする解雇を無くすよう厳しく指導すること。さらに、とりわけ立ち遅れている精神障害者雇用の進展のため、障害者雇用促進法における雇用率の制度の在り方も含め、雇用支援策の充実について早急に検討を進めること。

7 本法改正に伴う省令等の策定に当たっては、障害者団体、関係団体など幅広い分野からの意見聴取等を行い、これを反映するよう努力し、障害者欠格条項の見直しの本来の趣旨に照らし、相対的欠格事由の的確な運用に齟齬の生じないよう努めること。

8 免許を与えないこととするときの不服申立てについては、まず本人の意見を十分に聴くとともに、専門家の意見を聴くことを含め、適切な措置を講じ、障害者団体、関係団体の意見を聴取しつつ、事例の積み重ねを通じて、判断の在り方を明らかにするよう努めること。

9 障害者に係る欠格条項の見直しの趣旨にかんがみ、その実効性が確保されるよう、個人支援技術の開発普及を急ぎ、できうる限りの補助手段を用い環境を調整してその人の望む姿での社会参加を実現することを、一層推進すること。

10 障害者の自立を促進するため、所得保障及び雇用確保の在り方について速やかに検討を進めること。

[11] 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案(内閣提出第83号)

成立(平成13年法律第101号)

本案は、公的年金制度の一元化の一環として、農林漁業団体職員共済組合(以下「農林共済組合」という。)の年金給付等を厚生年金保険へ統合するとともに、農林共済組合の組合員であった期間を有する者に対する規定を整備する等所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 農林漁業団体職員共済組合法等を廃止し、旧農林共済組合の組合員を厚生年金保険の適用対象とするとともに、旧農林共済組合の年金給付等のうち、厚生年金相当部分については、厚生年金保険から支給すること。

また、厚生年金相当部分の年金給付に要する費用に充てるため、旧農林共済組合は、厚生年金保険の管掌者たる政府に対して、当該費用に係る積立金に相当する額を納付するとともに、農林漁業団体の事業所等に係る被保険者については、特例保険料率を設定すること。

2 旧農林共済組合の年金給付等のうち、旧農林共済組合員期間に係る職域年金相当部分については、統合後もなお経過的に存続する旧農林共済組合が支給すること。

3 この法律は、平成14年4月1日から施行すること。

附帯決議(13.6.13)

政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。

1 公的年金制度の一元化については、平成13年3月16日の閣議決定を踏まえ、財政単位の拡大と共通部分の費用負担の平準化を図ることを基本として、一元化に向けた取組の積極的な推進を図ること。

2 農林共済年金の厚生年金への統合の際の年金の裁定、支払等の移行措置については、被保険者及び年金受給者に不安や混乱が生じないよう、万全を期すること。

3 農林共済年金の厚生年金への統合に当たっては、雇用確保等の問題に対する適切な対応を含め、円滑な施行のために適正な対応を図ること。

[12] 水道法の一部を改正する法律案(内閣提出第89号)(参議院送付)

成立(平成13年法律第100号)

本案は、水道の管理を適正なものとし、かつ、水道水の安定供給を図るため、水道事業の管理業務等の委託に関する規定を整備し、専用水道の範囲を拡大し、貯水槽水道に関する責任を明確化する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 専用水道の定義に関する事項

1日最大給水量が政令で定める基準を超える水道施設を専用水道の定義に追加すること。

2 事業統合に際しての手続の簡素化に関する事項

他の水道事業の全部を譲り受けることに伴う水道事業の変更について、厚生労働大臣の認可を要しないものとし、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出ることをもって足りるものとすること。

この場合において、譲り渡す水道事業の廃止に係る厚生労働大臣の許可を要しないものとし、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出ることをもって足りるものとすること。

また、水道用水供給事業についても同様とすること。

3 貯水槽水道の管理の充実に関する事項

貯水槽水道に関し、水道事業者及び貯水槽水道の設置者の責任に関する事項が、適正かつ明確に定められていることを供給規程の要件に追加すること。

4 情報提供の充実に関する事項

水道事業者は、水道の需要者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、第20条第1項の規定による水質検査の結果その他水道事業に関する情報を提供しなければならないものとすること。また、水道用水供給事業者についても同様とすること。

5 業務の委託に関する事項

(1) 水道事業者は、政令で定めるところにより、水道の管理に関する技術上の業務の全部又は一部を他の水道事業者若しくは水道用水供給事業者又は政令で定める要件に該当する者に委託することができるものとすること。

(2) (1)の委託をしたとき及び委託に係る契約が効力を失ったときは、遅滞なく、厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならないものとすること。

(3) 水道管理業務受託者が置かなければならない受託水道業務技術管理者に関する規定を整備すること。

(4) (1)により水道の管理に関する技術上の業務を委託する場合の責任分担に関する規定を整備すること。

(5) (1)から(4)について、水道用水供給事業者及び専用水道の設置者も同様とすること。

6 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

附帯決議(13.6.22)

政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1 流域における健全な水循環の視点から、安全かつ良質な水道水の供給を確保するため、関係省庁との連携を強化しつつ、水環境の保全・再生に資する総合的・一体的な施策を進めること。また、「水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律」および「特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法」を積極的に運用し、水道水源の水質保全に努めること。

2 環境への負荷を低減するため、節水型社会に向けた施策を積極的に進めるとともに、合理的な水需給計画とすること。

3 水道施設の老朽化や震災等への対策を充実する観点から、水道施設の技術水準の向上および適切な更新が行われるよう、必要な支援や的確な助言に努めること。

4 近年の地下水汚染の進展やクリプトスポリジウム等の新たな病原性微生物、環境ホルモン等に対応するため、水質検査技術の向上と水道水質基準の強化・拡充に努めること。また、鉛の水質基準については、早期に見直すとともに、その達成に向けて技術的な支援や的確な助言の提供を行うこと。

5 貯水槽水道利用者の安全・安心を確保するため、衛生行政の強化・充実をはかるとともに、水道事業者および利用者が積極的に関与できる体制づくりについて検討を進めること。

6 水道事業の健全な発展には地域住民の意見の反映が重要であり、このため、水道事業に係る情報提供が積極的・効果的に行われるよう適切な措置を講ずること。

[13] 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法の一部を改正する法律案(中川智子君外8名提出、衆法第13号)《民主、自由、共産、社民》

継続審査

本案は、ヒト動物由来製品の感染作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品等被害救済・研究振興調査機構は、ヒト動物由来製品の感染作用による健康被害につき、医薬品の副作用による健康被害の場合と同様に、医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 法律の題名を「医薬品等被害救済・研究振興調査機構法」とし、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構の名称を「医薬品等被害救済・研究振興調査機構」(以下「機構」という。)とすること。

2 目的規定に、ヒト動物由来製品の感染作用による健康被害の迅速な救済を図ることを加えるとともに、「ヒト動物由来製品」等の定義規定を置くこと。

3 機構の業務に、次の業務を加えること。

(1) ヒト動物由来製品の感染作用による疾病、障害又は死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付を行うこと。

(2) (1)の給付(以下「感染作用救済給付」という。)の支給に係る者について保健福祉事業を行うこと。

(3) 感染作用救済給付に係る拠出金を徴収すること。

(4) (1)から(3)までに掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

4 感染作用救済給付業務は、他の業務と区分して経理するものとすること。

5 機構は、当分の間、この法律による改正後の医薬品等被害救済・研究振興調査機構法に規定する業務を行うほか、この法律の施行の日前に使用されたヒト乾燥硬膜に混入したクロイツフェルト・ヤコブ病の病原体による健康被害の迅速かつ円滑な救済を図るため、厚生労働大臣の認可を受けて、当該健康被害の救済のために必要な事業を行う者の委託を受けてその救済のための感染作用救済給付に準ずる給付の事業を行うことができるものとすること。

6 この法律は平成14年4月1日から施行するものとすること。

[14] 建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案(熊代昭彦君外4名提出、衆法第17号)《自民、公明、保守》

継続審査

本案は、建築物における衛生的環境の確保を図るため、建築物における衛生的環境の確保に関する事業の登録を受けることができる事業として、建築物の空気調和用ダクトの清掃を行う事業及び建築物の排水管の清掃を行う事業を加える等の措置を講じようとするものである。

なお、この法律は、平成14年4月1日から施行するものとする。

[15] 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外5名提出、衆法第41号)《民主》

継続審査

本案は、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するもので、その主な内容は次のとおりである。

1 法律の題名を「労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための育児休業、介護休業等に関する法律」に改めるものとすること。

2 育児休業等

(1) 育児休業の対象となる子の範囲を小学校就学の始期に達するまでの子に拡大し、同一の子について2回まで分割して取得できるものとすること。

(2) 育児休業期間は、7月(共働きの場合は13月(配偶者と合わせて14月まで)、親が一人の場合及び配偶者が傷病等で養育困難な場合は14月)とするものとすること。

(3) 有期雇用労働者のうち、実質上期間の定めなく雇用されている者は、育児休業又は介護休業をすることができるものとすること。

3 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合は、看護休暇(1年間につき10労働日、親が1人の場合は1年間につき20労働日)を与えなければならないものとすること。

4 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合は、1日の所定労働時間を短縮しなければならないものとすること。

5 小学校第4学年の始期に達するまでの子を養育する労働者又は家族の介護を行う労働者が請求した場合は、変形労働時間制における労働時間の制限又は時間外・休日労働の制限を行うものとすること。

6 深夜業の制限を請求できる労働者の範囲を中学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に拡大するものとすること。

7 その他就業場所の配慮等事業主が講ずべき措置を定めるものとすること。

8 不利益取扱いの禁止

事業主は、労働者が育児休業その他の本法による措置の申出等をしたことを理由に当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとし、労働者が業務に復帰したときは原職又は原職相当の職に復帰させるものとすること。

9 この法律は、平成14年4月1日から施行するものとすること。ただし、育児休業及び介護休業に係る不利益取扱いの禁止規定の改正は、平成13年10月1日から施行するものとすること。

[16] 児童福祉法の一部を改正する法律案(金田誠一君外5名提出、衆法第42号)《民主》

継続審査

本案は、いわゆる無認可の保育所において乳幼児の死亡事故が発生している等の現状にかんがみ、児童福祉施設と同様の業務を目的とする施設であって設置の認可を受けていないものに対する監督を一層強化するため、当該施設の設置者は、その設置の日から1月以内に、都道府県知事に届出をしなければならないこととするものである。

なお、この法律は、公布の日から起算して3月以内において政令で定める日から施行するものとする。

[17] ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律案(厚生労働委員長提出、衆法第47号)

成立(平成13年法律第63号)

本案の要旨は次のとおりである。

1 前文

ハンセン病の患者は、これまで、偏見と差別の中で多大の苦痛と苦難を強いられてきた。我が国においては、昭和28年制定の「らい予防法」においても引き続きハンセン病の患者に対する隔離政策がとられ、加えて、昭和30年代に至ってハンセン病に対するそれまでの認識の誤りが明白となったにもかかわらず、なお、依然としてハンセン病に対する誤った認識が改められることなく、隔離政策の変更も行われることなく、ハンセン病の患者であった者等にいたずらに耐え難い苦痛と苦難を継続せしめるままに経過し、ようやく「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されたのは平成8年であった。

我らは、これらの悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびするとともに、ハンセン病の患者であった者等に対するいわれのない偏見を根絶する決意を新たにするものである。

ここに、ハンセン病の患者であった者等のいやし難い心身の傷跡の回復と今後の生活の平穏に資することを希求して、ハンセン病療養所入所者等がこれまでに被った精神的苦痛を慰謝するとともに、ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復及び福祉の増進を図り、あわせて、死没者に対する追悼の意を表するため、この法律を制定する。

2 ハンセン病療養所入所者等への補償金の給付等

(1) 定義

本案において、「ハンセン病療養所入所者等」とは、らい予防法の廃止に関する法律によりらい予防法が廃止されるまでの間に、国立ハンセン病療養所等に入所していた者であって、この法律の施行の日において生存しているものをいうものとすること。

(2) 補償金の支給及び請求期限

国は、ハンセン病療養所入所者等に対し、その者の請求により、補償金を支給するものとし、支給の請求は、施行日から起算して5年以内に行わなければならないものとすること。

(3) 補償金の額

補償金の額は、ハンセン病療養所入所者等の区分に応じ、1,400万円から800万円とし、昭和35年1月1日から昭和49年12月31日までの間にハンセン病療養所等を退所していたことがある者に対する補償金は、ハンセン病療養所入所者等の区分及び退所期間に応じた額を控除した額とするものとすること。

(4) 支払未済の補償金

ハンセン病療養所入所者等が補償金の支給の請求をした後に死亡した場合は、その者の遺族等に補償金を支給するものとすること。

(5) 損害賠償等がされた場合の調整

補償金の支給を受けるべき者が同一の事由について国から国家賠償法による損害賠償等を受けたときは、国は、その価額の限度で、補償金を支給する義務を免れるものとし、また、国は、補償金を支給したときは、同一の事由については、その価額の限度で、国家賠償法による損害賠償の責めを免れるものとすること。

3 名誉の回復等

国は、ハンセン病の患者であった者等について、名誉の回復及び福祉の増

進を図るとともに、死没者に対する追悼の意を表するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとし、これらの措置を講ずるに当たっては、ハンセン病の患者であった者等の意見を尊重するものとすること。

4 施行期日

この法律は、公布の日から施行するものとすること。

[18] ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案(鍵田節哉君外9名提出、衆法第49号)《民主》

継続審査

本案は、自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在し、健康で文化的な生活を送ることができない現状にあることにかんがみ、ホームレスに関する問題の解決に資するため、ホームレスの自立の支援、ホームレスになることを余儀なくされるおそれのある者に対する生活上の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、必要な施策を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 ホームレスに関する施策は、以下に掲げる目標に従って推進されなければならないものとすること。

(1) 自立の意思があるホームレスに対し、就業の機会の確保、安定した居住の場所の確保並びに保健及び医療の確保に関する施策を実施することにより、これらの者を自立させること。

(2) ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者に対し、生活上の支援を行うことにより、これらの者がホームレスとなることを防止すること。

(3) ホームレスに対し緊急に行うべき援助、生活保護法による保護の実施、ホームレスの人権の擁護、地域における生活環境の改善及び安全の確保等により、ホームレスに関する問題の解決を図ること。

2 国は、1に掲げる事項につき、総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとすること。また、地方公共団体は、当該地方公共団体におけるホームレスに関する問題の実情に応じた施策を策定し、及びこれを実施するものとすること。

3 厚生労働大臣及び国土交通大臣は、6の全国調査を踏まえ、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針を策定しなければならないものとすること。

4 都道府県は、3の基本方針に即し、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実行するための計画を立てなければならないものとすること。

5 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実行するため、その区域内にホームレスが多数存在する地方公共団体等を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講じなければならないものとすること。

6 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、ホームレスの実態に関する全国調査を行わなければならないものとすること。

7 この法律は、公布の日から起算して1月以内において政令で定める日から施行するものとすること。

8 この法律は、平成20年3月31日限り、その効力を失うものとすること。

[19] 医療法の一部を改正する法律案(今野東君外12名提出、衆法第55号)《民主》

継続審査

本案は、最近における医療事故の発生の状況にかんがみ、病院の管理者に医療事故防止方針の作成等を義務付けるとともに、医療事故防止センターの指定等に関し必要な事項を定める等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 病院の管理者は、当該病院における医療事故の発生を防止するための措置に関する方針(以下「医療事故防止方針」という。)を作成し、病院所在地の都道府県知事に届け出なければならないものとすること。

2 医療事故防止方針には、当該病院における医療事故の防止対策について調査審議する委員会等の組織及び運営に関する事項等を定めるものとすること。

3 厚生労働大臣は、医療事故防止方針の作成に関して指針となるべき事項を定め、公表するものとすること。

4 都道府県知事は、1の届出に係る医療事故防止方針が著しく不適当であると認めるときは、当該届出をした病院の管理者に対してその変更を勧告することができるものとすること。

5 厚生労働大臣は、民法第34条の法人であつて、6に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、医療事故防止センター(以下「防止センター」という。)として指定することができるものとすること。

6 防止センターは、医療事故の実例に即して、その原因等に関する科学的な研究に資するための調査等の事業を行うものとすること。

7 防止センターは、その事業を行う場合において必要があると認めるときは、病院の管理者に対し、医療事故及び医療事故の兆候に関する情報の提供を求めることができるものとすること。

8 厚生労働大臣は、防止センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、防止センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は当該職員に、その事務所に立ち入り、事業の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるものとすること。

9 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。


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