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2 平成13年度補正予算(第1号、特第1号、機第1号)の審議

(1)  背景と経緯

我が国経済は、平成13年4−6月期がマイナス成長に陥るなど、厳しい状況を示すようになっていた。特に雇用面の悪化が顕著で、7月の完全失業率は調査開始以来初の5%台に達した。政府の月例経済報告は、4月に景気判断から「改善」の表現を削除し、6月には「悪化」の表現を初めて使用した。

このような経済情勢の悪化に対応するため、小泉内閣総理大臣は、9月7日の閣議で、早急に実施すべき構造改革の施策を「改革先行プログラム」としてとりまとめ、その実施のための平成13年度補正予算の編成を指示した。「改革先行プログラム」では、従来型の公共投資による需要追加策は排除され、新規産業創出策、雇用創出策、雇用・中小企業のセーフティネットの充実策、構造改革を加速させるための緊急性の特に高い施策が中心になるとされた。同時に、補正予算の財源については、「14年度の国債の新規発行額を30兆円以下に抑制する」との目標を、13年度においても適用することを表明した。「聖域なき構造改革」を掲げる小泉内閣総理大臣は、財政健全化の第一歩として、平成14年度予算における新規国債発行額を30兆円以内に抑制することを以前より表明しており、補正予算もその考えの下で編成されることとなった。

その後、9月11日、米国において同時多発テロ事件が発生し、世界経済に大きな影響を与えた。この経済情勢の急変に対応するため、国債発行額30兆円枠にとらわれずに景気対策を行うべきであるとの意見が与党内から出たが、最終的には国債発行30兆円枠は守られることとなった。

「改革先行プログラム」は、9月14日にその具体的内容について小泉内閣総理大臣から指示があり、21日の中間とりまとめ案、10月19日の最終とりまとめ素案の提示を経て、26日に決定した。補正予算は11月7日にその概要が決まり、11月9日、正式決定し、同日、国会に提出された。

(2)  補正予算の概要

平成13年度補正予算は「改革先行プログラム」実施のための経費の他、テロ対策の経費、9月に国内で初めて発生が確認された狂牛病(牛海綿状脳症)対策のための経費等が計上されている。

一般会計補正予算の骨格は以下のとおりである。

(単位:億円)

歳出
[改革先行プログラム関係]
1.雇用・中小企業等セーフティネット充実対策費 8,012
(1)雇用対策費 5,501
(2)中小企業等対策費 2,511
2.緊急構造改革加速施策対策費 1,989
(1)電子政府実現促進対策費 470
(2)学校情報化促進対策費 295
(3)保育所・放課後児童受入体制整備対策費 210
(4)廃棄物処理施設緊急整備対策費 445
(5)地域経済再生イノベーション・新産業創出対策費 469
(6)都市再生等PFI推進対策費 100
( 小計 10,000)
[その他]
3.緊急テロ等対策費 499
4.牛海綿状脳症対策費 265

5.災害対策費

3,139
6.地方交付税交付金 2,598
(1)前年度剰余金受入見合 2,207
(2)臨時財政対策のための特例加算 391
7.義務的経費の追加 8,311
8.都市基盤整備公団補給金等 955
9.厚生保険特別会計へ繰入 2,469
10.その他の経費 1,717
〔 追加歳出計 29,955〕
11.既定経費の節減 ▲11,574
12.地方交付税交付金の減額 ▲3,772
13.公共事業等予備費の減額 ▲3,000
14.予備費の減額 ▲1,000
歳出計 10,610

歳入
1.税収 ▲11,020
2.税外収入 220
3.公債金収入 16,820
4.前年度剰余金受入 4,589
(1)財政法6条剰余金 2,382
(2)地方交付税分 2,207
歳入計 10,610

(注)計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計と一致しないものがある。

この補正予算によって、平成13年度一般会計予算の総額は、当初予算に対し、歳入歳出とも、1兆610億円増加して83兆7,133億円となっている。なお、補正後の公債発行額は30兆円である。

また、一般会計補正に関連して、特別会計では産業投資特別会計、労働保険特別会計など23特別会計について、政府関係機関では国民生活金融公庫など3政府関係機関について、それぞれ所要の補正を行うこととしている。財政投融資計画については、改革先行プログラムを実施するため、補正予算において総額617億円を追加している。

(3)  審議経過

11月9日、平成13年度補正予算は国会に提出され、衆議院予算委員会に付託された。同日、衆・参本会議で塩川財務大臣の財政演説が行われた後、衆議院予算委員会で塩川財務大臣から補正予算3案の提案理由説明を聴取した。

質疑は、12日と13日の2日間行われた。質疑内容の主なものは、雇用・失業対策への政府の取り組み姿勢、景気の現状認識と財政政策による対応の在り方、構造改革の推進についての小泉内閣総理大臣の姿勢、特殊法人改革の在り方、中小企業対策の充実、アフガニスタンにおける米国の軍事行動の是非、外務省改革の必要性等であった。

13日の質疑終局後、討論、採決の結果、平成13年度補正予算3案は賛成多数で可決された。引き続き開かれた本会議においても、討論、採決の結果、賛成多数で可決された。

参議院では、11月9日、予算委員会で塩川財務大臣から提案理由説明を聴取し、14日と15日の2日間質疑を行った。15日の質疑終局後、討論、採決の結果、賛成多数で可決された。翌16日の本会議でも、討論、採決の結果、賛成多数で可決され、平成13年度補正予算は成立した。


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