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第9 日本国憲法施行60周年記念行事

平成19年5月3日は、昭和22年に日本国憲法が施行されて60年目にあたります。
これを記念して、次の行事が開催されました。

1 記念式典

 (1)記念植樹(衆議院・参議院主催)

 (2)記念式(衆議院・参議院主催)

 (3)記念レセプション(以下、衆議院主催)

 (4)記念展示内覧

2 記念演奏会

3 記念展示

4 記念特別参観

5 衆議院ホームページ内に専用ページの開設

1 記念式典

(1)記念植樹

 4月25日(水)午後0時50分から、憲政記念館食堂前庭において記念植樹が執り行われ、河野衆議院議長、扇参議院議長、安倍内閣総理大臣、島田最高裁判所長官、横路衆議院副議長、今泉参議院副議長、逢沢衆議院議院運営委員長及び市川参議院議院運営委員長の8名が、「ハンカチの木」を植樹しました。

記念植樹

 衆議院議院運営委員会理事等13名及び参議院議院運営委員会理事6名並びに両院の事務総長が陪席しました。

(2)記念式

 同日午後1時から、憲政記念館講堂において、衆議院議員、参議院議員等約240名の参列を得て記念式が挙行され、河野衆議院議長及び扇参議院議長が式辞を述べ、安倍内閣総理大臣及び島田最高裁判所長官が祝辞を述べました。

記念式

(3)記念レセプション

 記念式に続き憲政記念館会議室において記念レセプションが行われ、横路衆議院副議長による乾杯の発声の後、出席者による懇談が行われました。

(4)記念展示内覧

 記念レセプションに続き憲政記念館展示室において記念展示の内覧が行われました。最初に、河野衆議院議長、横路衆議院副議長及び逢沢衆議院議院運営委員長が記念展示のテープカットを行い、引き続き展示の内覧を行いました。

テープカット

2 記念演奏会

 同日午後5時30分から、衆議院議長公邸において記念演奏会が行われました。演奏会では、歌手の森山良子さん、チェリストの溝口肇さん、ピアニストのアキコ・グレースさん、フリューゲルホーン奏者のTOKUさん及びソプラノ歌手の林正子さんが演奏を行い、衆議院議員及び各国の駐日大使等約220名が、その演奏を楽しみました。

演奏会

3 記念展示

 4月26日(木)から5月20日(日)までの24日間(4月27日は休館)、憲政記念館において記念展示が行われ、「終戦の詔書草案」、「帝国憲法改正案」、「日本国憲法御署名原本(複製)」等の展示を見学に、約8,300名が来場しました。

記念展示

4 記念特別参観

 5月3日(木)、4日(金)の両日に行われた記念特別参観は天候にも恵まれ、3日には約6,000名、4日には約16,000名、合わせて約22,000名の参観者が訪れ、議場傍聴席、皇族室、御休所、中央広間及び第一委員室を見学しました。また、参観者ホールにおいて、4月25日の記念式典の様子を映像で紹介するとともに、速記者による速記の実演を行いました。

国会参観

5 記念ホームページ

 衆議院ホームページ内に専用ページを設け、河野衆議院議長及び横路衆議院副議長の挨拶、記念式典の内容紹介、特別参観及び記念展示の案内を掲載しました。

記念ホームページ

「記念式における式辞及び祝辞」
(河野衆議院議長式辞)

本日、安倍内閣総理大臣、島田最高裁判所長官、並びに多数の皆様のご出席をいただき、日本国憲法施行60周年記念式を挙行するにあたり、ご挨拶を申し上げます。

戦争が終わった翌年の4月、わが国において初めて女性に参政権が認められ、多くの女性が立候補して衆議院総選挙が行われました。初めて全ての国民を代表する国会で審議され、いくつかの修正を受けて成立し、次の年に施行されたのが今日の憲法です。その日本国憲法が5月3日に施行60周年を迎えます。

この60年の間、戦後のわが国のあり方、進むべき方向を示したこの憲法の下で、わが国は今日の自由で民主的な社会を築き、また経済の繁栄を実現して参りました。そしてこの憲法の下で、わが国の部隊が海外において一人たりとも他国の国民の生命を奪うことはありませんでした。私は、この平和の歩みを誇ってよい実績であると考えます。

今日、憲法について様々な議論が行われ、国民投票法案が衆議院を通過し、現在参議院で審議が行われています。私たちはどのような立場に立つにせよ、日本国憲法が60年の還暦を迎える今、一つの節目として、今日まで果たしてきた大きな役割についてお互いがまずしっかり認識し、心に刻むことが、これからの国の進路を考えていく上でたいへん重要であると考えます。

憲法のあり方は国家の命運を左右するものであり、現在行われている憲法についての議論も、引き続き、幅広い視野に立ち、また謙虚に歴史に学ぶ心を持ち、国家と国民の将来に責任感を持って行われることを切に望みます。

最後になりますが、日本国憲法の下におけるわが国の益々の発展と、本日ご参集下さいました皆様のご健勝を祈念いたしまして、私の式辞と致します。

(扇参議院議長式辞)

本日、安倍内閣総理大臣、島田最高裁判所長官、並びに多数の国会議員の皆様の御列席をいただき、日本国憲法施行60周年記念式を開催することができましたことを、誠に喜ばしく思います。

日本国憲法は、昭和22年5月3日に施行され、60年が経過しようとしております。この間、我が国国民は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を基本理念とする憲法の下、一人一人の固い決意と不断の努力により、新生日本の国づくりを進め、戦後の混乱をはじめとして幾多の困難を乗り越えて、今日の平和で豊かな民主国家を築いてまいりました。そして、我が国は、世界の平和と発展に向けて、今や国際社会においても憲法施行当時とは比べものにならないほど重要な地位と役割を担うに至っております。ここに、これまで憲法の理念の実現に力を尽くされてきた多くの先人の御努力に深く敬意を表したいと存じます。

日本国憲法施行から60年を経て、我が国社会並びに憲法を取り巻く状況も大きく変わりつつあります。とりわけ、日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うため、平成12年以来衆参両院に憲法調査会が設置され、一昨年それぞれから報告書が提出されたこと、また、現在国会において憲法改正手続に関し法律案の審議が行われておりますことは大変特徴的なことであります。

日本国憲法とともに創設60年を迎える参議院といたしましては、時代の要請する様々な課題に対応しつつ、憲法が規定する自由、人権、民主主義という普遍的価値の実現を確保していくため、さらに、国権の最高機関の一翼として国民の厳粛な信託に応えていくために、一層その責務を果たしてまいる所存でございます。

結びに、本日、この記念式の開催に当たり、国の在り方を規律する基本法として日本国憲法がこれまで果たしてきた役割に思いをいたすとともに、この記念式が、国民一人一人にとって、我が国がこれからどう在るべきか、その在るべき姿を問い直す意義ある契機となりますことを心より期待いたしまして、私の式辞といたします。

(安倍内閣総理大臣祝辞)

本日ここに、日本国憲法施行60周年記念式が開催されますことは、誠に意義深く、慶賀にたえません。

顧みますと、昭和22年の憲法施行以来、わが国は、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義という日本国憲法の基本原則のもと、国民一人一人の英知とたゆまぬ努力により、戦後の荒廃から出発して豊かな社会を築き上げ、国際平和に貢献してまいりました。この間、国会が、国権の最高機関として、憲政の確立と発展に御尽力され、わが国の繁栄と国際平和の維持に寄与された役割は、誠に大なるものであります。

二十一世紀という新しい時代を迎え、国際社会では、ミサイル、核をはじめとする大量破壊兵器の拡散、国際テロ、地域紛争の続発、環境など地球規模の諸問題など、多くの困難な課題を抱えています。わが国としても、これら諸課題の解決に向け、積極的に貢献していかなければなりません。また、各分野におけるグローバル化、少子高齢化、価値観の多様化等により急速に社会の変化が進んでいます。憲法を頂点とした、行政システム、教育、経済、雇用、国と地方との関係などの基本的枠組みを時代の変化に対応させるため、「改革」が求められています。さらに、我々が、自ら属する「国」「社会」を、愛情と責任感、そして、気概を持って、「支え」「守る」という責務を共有することも、重要であると考えます。

こうした中、新しい国創りに向け、国の姿、形を語る憲法の在り方についての議論が、国民とともに積極的に行われることを切に願っております。

私の目指すこの国の形は、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた「美しい国、日本」であります。私は、その実現に向けて、日本国憲法の基本原則の普遍的価値を改めて深く心に刻み、更に前進する決意を新たにいたします。

本日の式典が、国民一人一人が日本国憲法の基本原則の普遍的価値、そして我が国の進路に思いをいたす機会となることを期待するとともに、国会が国権の最高機関として、憲政の更なる発展に尽くされることを切に念願し、私の祝辞といたします。

(島田最高裁判所長官祝辞)

日本国憲法施行60周年を記念して、我が国の歩みを振り返り、更なる発展を期することは、誠に意義深いものがあり、慶賀にたえません。

顧みれば、日本国憲法の下、我が国は、国民一人一人がその持てる力と英知を結集し、互いに協力することにより、戦後の混乱期を乗り越え、国を復興し、発展させてまいりました。そして、その後のたゆまぬ努力の結果、我が国が国際社会の枢要な一員としての地位を築くに至りましたことは、誠に感慨深いものがあります。

国民主権、平和主義、人権の尊重を基本原理とする日本国憲法は、これら基本原理の実現に不可欠な法の支配を徹底させるため、行政府から独立した最高裁判所を頂点とする現在の裁判所制度を確立し、裁判所に違憲立法審査権を付与しました。爾来、裁判所は、日本国憲法とともに歩み続け、法の支配をより確実なものとするため、法律上の紛争の的確な解決に努力を重ね、これにより、我が国の発展に寄与してまいったところであります。

今日、我が国の社会は、情報通信技術の急速な発達、経済や文化の国際化、国民の意識の変遷や多様化などにより、大きな変革の時期にあります。その中で、裁判所に対する国民の期待は、これまでにない高まりを見せており、その需要はますます増大しつつあります。私どもは、負託された職責の重大さに思いを致し、今後とも裁判所の使命の達成に力を尽くす決意を新たにするものであります。

ここに、日本国憲法施行60周年をお祝いするとともに、日本国憲法の目指す崇高な理想の実現と、我が国の更なる発展を祈念し、私の祝辞といたします。

衆議院
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