３法務委員会

【第169回国会】

（1）委員名簿（35人）

委員長	下村　博文君	自民
理事	倉田　雅年君	自民	理事	実川　幸夫君	自民
理事	柴山　昌彦君	自民	理事	早川　忠孝君	自民
理事	水野　賢一君	自民	理事	加藤　公一君	民主
理事	細川　律夫君	民主	理事	大口　善徳君	公明
	赤池　誠章君	自民		稲田　朋美君	自民
	近江屋信広君	自民		後藤田正純君	自民
	清水鴻一郎君	自民		七条　　明君	自民
	杉浦　正健君	自民		武田　良太君	自民
	棚橋　泰文君	自民		長勢　甚遠君	自民
	古川　禎久君	自民		馬渡　龍治君	自民
	武藤　容治君	自民		森山　眞弓君	自民
	矢野　隆司君	自民		保岡　興治君	自民
	柳本　卓治君	自民		石関　貴史君	民主
	枝野　幸男君	民主		河村たかし君	民主
	中井　　洽君	民主		古本伸一郎君	民主
	神崎　武法君	公明		保坂　展人君	社民
	滝　　　実君	無
					欠員1

（2）議案審査

付託された法律案は、内閣提出法律案６件（うち継続審査１件）、議員提出法律案６件（うち継続審査５件）及び参議院提出法律案２件（うち継続審査１件）で、審査の概況は、次のとおりである。

[1]　犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案（内閣提出、第163回国会閣法第22号）

○要旨

近年における犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化の状況にかんがみ、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」の締結、「サイバー犯罪に関する条約」の締結等に伴い、組織的な犯罪の共謀罪の新設、コンピュータ・ウィルス作成罪の新設、通信履歴の電磁的記録の保全要請、強制執行を妨害する行為の処罰対象の拡充等所要の法整備を行うもの

○審査結果

継続審査

[2]　裁判所職員定員法の一部を改正する法律案（内閣提出第16号）

○要旨

判事の員数を40人、判事補の員数を35人増加するもの

○主な質疑内容

• 平成21年からの裁判員制度の実施に向けた裁判所の人的体制の在り方
• 法曹人口の拡大に向けた取組

○審査結果

可決

[3]　犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案（内閣提出第30号）

○要旨

刑事被告事件の手続への参加を許された被害者参加人につき、その資力が乏しい場合であっても被害者参加弁護士の援助を受けられるようにするため、裁判所が被害者参加弁護士を選定し、国がその報酬及び費用を負担するもの

○主な質疑内容

• 被害者参加弁護士の選定請求における被害者参加人の資力要件の具体的内容
• 国選被害者参加弁護士に要する経費が不足した場合の法務省の対応
• 日本司法支援センターにおける犯罪被害者支援業務の実施状況

○審査結果

可決

[4]　保険法案（内閣提出第65号）

○要旨

保険契約に関する単行法を制定し、保険契約に関する法制について、共済契約への適用範囲の拡大、傷害疾病保険に関する規定の新設、保険契約者等を保護するための規定の整備等を行うもの

○主な質疑内容（[4]及び[5]の２件について）

• 保険金殺人などのモラルリスクを防止するための規定の内容
• 本法律案の成立が各共済の組織法及び監督法の一元化に繋がるおそれ
• 未成年者の高額の生命保険契約が禁止されるに至らなかった経緯
• 団体生命保険における被保険者の同意を明確化させる必要性
• 生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約の保険給付を金銭給付のみとして現物給付を取り入れなかった経緯
• 保険給付の履行期の具体的内容
• 免責事由についての保険者の挙証責任の具体的内容

○参考人からの意見の聴取

○審査結果

可決（附帯決議）

[5]　保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案（内閣提出第66号）

○要旨

保険法の施行に伴い、商法、自動車損害賠償保障法その他の13の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めるもの

○主な質疑内容

（[4]参照）

○参考人からの意見の聴取

○審査結果

可決（附帯決議）

[6]　少年法の一部を改正する法律案（内閣提出第68号）

○要旨

殺人事件等一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴することができる制度の創設、少年保護事件の被害者等による記録の閲覧及び謄写の範囲の拡大等を行うもの

○主な質疑内容

• 被害者等による少年審判の傍聴を認めることが少年の健全な育成に与える影響
• モニター傍聴を認める必要性
• 触法少年に係る事件の審判も傍聴の対象としたことの妥当性
• 裁判所による少年審判の傍聴の許否の判断基準の具体的内容

○参考人からの意見の聴取

○審査結果

修正（附帯決議）

＜修正内容＞

12歳未満の触法少年に係る事件の審判を傍聴の対象から除外すること等

[7]　刑事訴訟法の一部を改正する法律案（河村たかし君外２名提出、第164回国会衆法第13号）

○要旨

被疑者の取調べ等について弁護人の立会いを認める制度及び被疑者の取調べ状況等の録音・録画を義務付ける制度を導入するとともに、権利保釈の除外事由を制限する等の措置を講ずるもの

○審査結果

継続審査

[8]　民法の一部を改正する法律案（枝野幸男君外６名提出、第164回国会衆法第35号）

○要旨

婚姻制度に関し、個人の尊重と男女の対等な関係の構築等の観点から選択的夫婦別氏制の導入並びに婚姻最低年齢及び再婚禁止期間の見直し等を行い、相続制度に関し、嫡出でない子の権利の保護の観点から嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同一とする等の措置を講ずるもの

○審査結果

継続審査

[9]　債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案（ 原田義昭君外３名提出、第166回国会衆法第48号）

○要旨

事業の再生等を通じた金融機能の強化が求められていることにかんがみ、不良債権処理、資産流動化及び倒産処理の迅速化の一層の促進を図るため、債権回収会社の取扱債権の範囲を拡大する等の措置を講ずるもの

○審査結果

継続審査

[10]　非自然死体の死因等の究明の適正な実施に関する法律案（細川律夫君外１名提出、第166回国会衆法第51号）

○要旨

非自然死体の死亡原因、死亡の推定年月日時と場所、犯罪の嫌疑の有無などの究明に関して都道府県警察の死因調査専門職員の派遣など必要な手続と方法を定めるもの

○審査結果

継続審査

[11]　法医科学研究所設置法案（細川律夫君外１名提出、第166回国会衆法第52号）

○要旨

犯罪死体・非犯罪死体の区別なく、死体の検案・解剖、身元が明らかでない死体の指紋・歯形の分析や遺伝子構造の鑑定その他の科学的調査を適確に行うために法医科学研究所を国の施設等機関として設置することを定めるもの

○審査結果

継続審査

[12]　児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案（森山眞弓君外２名提出、衆法第32号）

○要旨

児童ポルノをみだりに所持すること等を一般的に禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を設け、あわせてインターネット事業者について児童ポルノの所持、提供等の行為の防止措置に関する規定の新設等の法整備を行うもの

○審査結果

継続審査

[13]　刑事訴訟法の一部を改正する法律案（参議院提出、第168回国会参法第10号）

○要旨

被疑者の取調べ状況等の録画・録音を義務付ける制度を導入するとともに、公判前整理手続における検察官保管証拠の標目の一覧表の開示等を定めるもの

○審査結果

審査未了

[14]　性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の一部を改正する法律案（参議院提出、参法第21号）

○要旨

現に子がいる性同一性障害者であっても、当該子がすべて成年に達している場合には、性別の取扱いの変更を認めるもの

○審査結果

可決

《議案審査等一覧》

閣法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名	参院 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案（内閣提出、第163回国会閣法第22号）	(17.10.4)		20.1.18	(17.10.14) (18.4.21)				(6.20) (閉会中審査)
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案（内閣提出第16号）	20.2.1		3.18	3.19	3.25	3.25 可決(全) (賛-自民・民主・公明・社民・滝実君)	3.27 可決	法務	4.8 可決	4.9 可決	4.11 法11号
犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案（内閣提出第30号）	2.5		3.31	4.1	4.4	4.4 可決(全) (賛-自民・民主・公明・社民・滝実君)	4.8 可決	法務	4.15 可決	4.16 可決	4.23 法19号
保険法案（内閣提出第65号）	3.5		4.7	4.11	4.15 4.18 4.22 4.25	4.25 可決(全) (賛-自民・民主・公明・社民・滝実君) (附)	4.30 可決	法務	5.29 可決 (附)	5.30 可決	6.6 法56号
保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案（内閣提出第66号）	3.5		4.7	4.11	4.15 4.18 4.22 4.25	4.25 可決(全) (賛-自民・民主・公明・社民・滝実君) (附)	4.30 可決	法務	5.29 可決 (附)	5.30 可決	6.6 法57号
少年法の一部を改正する法律案（内閣提出第68号）	3.7	5.22	5.22	5.23	5.27 5.30	5.30 修正(多) (賛-自民・民主・公明・滝実君) (反-社民) (附)	6.3 可決	法務	6.10 可決	6.11 可決	6.18 法71号

衆法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名	参院 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
刑事訴訟法の一部を改正する法律案（河村たかし君外2名提出、第164回国会衆法第13号）	(18.3.29)		20.1.18				(6.20) (閉会中審査)
民法の一部を改正する法律案（枝野幸男君外6名提出、第164回国会衆法第35号）	(18.6.8)		20.1.18				(6.20) (閉会中審査)
債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案（原田義昭君外3名提出、第166回国会衆法第48号）	(19.6.14)		20.1.18				(6.20) (閉会中審査)
非自然死体の死因等の究明の適正な実施に関する法律案（細川律夫君外1名提出、第166回国会衆法第51号）	(19.6.21)		20.1.18				(6.20) (閉会中審査)
法医科学研究所設置法案（細川律夫君外1名提出、第166回国会衆法第52号）	(19.6.21)		20.1.18				(6.20) (閉会中審査)
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案（森山眞弓君外2名提出、衆法第32号）	20.6.10		6.18				(6.20) (閉会中審査)

参法

件名	提出日	衆院 趣旨 説明	衆院 委員会 付託日	衆院 提案 理由	衆院 委員会 質疑	衆院 委員会 議決日 結果	衆院 本会議 議決日 結果	参院 委員会名	参院 委員会 議決日 結果	参院 本会議 議決日 結果	公布日 番号
刑事訴訟法の一部を改正する法律案（参議院提出、第168回国会参法第10号）	参 (19.12.4)		20.6.18			(審査未了)		法務	6.3 可決	6.4 可決
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の一部を改正する法律案（参議院提出、参法第21号）	参 20.6.3		6.4	6.6		6.6 可決(全) (賛-自民・民主・公明・社民・滝実君)	6.10 可決	法務	6.3 成案･提出	6.4 可決	6.18 法70号

（3）国政調査

国政調査では、質疑及び視察が行われた。主な質疑内容は、次のとおりである。

○主な質疑内容

• 裁判員制度に対する国民の理解を深めるための具体的取組
• 円滑な社会復帰のための刑事施設における職業訓練の具体的内容
• 法務大臣が志布志（鹿児島県議選）事件を「冤罪」と呼ぶべきでない旨の発言を行った真意
• 諸外国との間で犯罪人引渡条約及び刑事共助条約の締結を積極的に進めていく必要性
• 取調べの全面的可視化を実現させる必要性
• 司法制度改革審議会において目指すべき新規法曹数を年間3,000人とした根拠
• 強制認知制度の周知を裁判所職員に徹底し申立人に対する説明を適切に行う必要性
• 死因究明制度の整備を行う必要性
• 代理出産の法制化について法務当局の検討状況
• 裁判員法の施行の前に死刑制度についての議論を深める必要性

（4）参考人

出頭日	職業	氏名	審査・調査案件
平成20.4.22	東京大学教授	山下　友信君	保険法案（内閣提出） 保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案（内閣提出）
	社団法人生命保険協会一般委員長 日本生命保険相互会社取締役常務執行役員	筒井　義信君
	三井住友海上火災保険株式会社取締役専務執行役員 社団法人日本損害保険協会一般委員会委員長	柄澤　康喜君
	社団法人日本共済協会基本問題委員会委員長	今尾　和実君
	日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長	坂　勇一郎君
5.30	京都大学大学院法学研究科教授	酒巻　　匡君	少年法の一部を改正する法律案（内閣提出）
	日本弁護士連合会子どもの権利委員会少年法問題対策チーム座長	斎藤　義房君
	加古川市民病院診療局長	土師　　守君
	ＮＰＯ法人民間危機管理再生機構青少年育成部キャップ	原　　伸宏君

（5）視察・議員海外派遣

[1]　視察

視察日	視察地名	視察目的	視察委員
平成20.6.2	東京都（千代田区）	裁判所の司法行政の実情調査	15人
6.3			10人

[2]　議員海外派遣

派遣議員団	派遣期間	派遣国名	派遣目的	派遣議員
衆議院韓国及び欧州各国司法・法務事情等調査議員団	（閉会中） 平成20.7.18〜7.26	韓国、イギリス、スウェーデン、フランス	韓国及び欧州各国における司法・法務事情等の調査	５人