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第一六九回

閣第四五号

   独立行政法人気象研究所法案

目次

 第一章 総則(第一条−第五条)

 第二章 役員及び職員(第六条−第十条)

 第三章 業務等(第十一条・第十二条)

 第四章 雑則(第十三条・第十四条)

 第五章 罰則(第十五条・第十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、独立行政法人気象研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

 (名称)

第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人気象研究所とする。

 (研究所の目的)

第三条 独立行政法人気象研究所(以下「研究所」という。)は、気象業務に関する技術に係る試験、調査、研究及び開発並びにこれらに関連する業務を行うことにより、気象業務に関し、その健全な発達に資する技術の向上を図り、もって災害の予防、交通の安全の確保及び産業の発展に寄与することを目的とする。

 (事務所)

第四条 研究所は、主たる事務所を茨城県に置く。

 (資本金)

第五条 研究所の資本金は、附則第七条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。

2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。

3 研究所は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第六条 研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。

2 研究所に、役員として、理事一人を置くことができる。

 (理事の職務及び権限等)

第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。

2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。

3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。

 (役員の任期)

第八条 役員の任期は、二年とする。

 (役員及び職員の秘密保持義務)

第九条 研究所の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。

 (役員及び職員の地位)

第十条 研究所の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務等

 (業務の範囲)

第十一条 研究所は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 気象業務に関する技術に係る試験、調査、研究及び開発を行うこと。

 二 前号に掲げる業務に係る成果を普及すること。

 三 第一号の技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。

 四 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 (積立金の処分)

第十二条 研究所は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。

3 研究所は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

   第四章 雑則

 (主務大臣等)

第十三条 研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。

 (特に必要がある場合の気象庁長官の要求)

第十四条 気象庁長官は、気象、地象又は水象に係る異常な現象が発生した場合において、災害の予防、交通の安全の確保又は産業の発展のため特に必要があると認めるときは、研究所に対し、第十一条第一号又は第二号の業務のうち必要な業務の実施を求めることができる。

   第五章 罰則

第十五条 第九条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。

 一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。

 二 第十二条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十一年四月一日から施行する。ただし、第十三条並びに附則第七条及び第九条の規定は、公布の日から施行する。

 (職員の引継ぎ等)

第二条 研究所の成立の際現に気象庁の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、研究所の成立の日において、研究所の職員となるものとする。

第三条 前条の規定により研究所の職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、研究所の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。

第四条 附則第二条の規定により研究所の職員となる者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。

2 研究所は、前項の規定の適用を受けた研究所の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を研究所の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。

3 研究所の成立の日の前日に気象庁の職員として在職する者が、附則第二条の規定により引き続いて研究所の職員となり、かつ、引き続き研究所の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の研究所の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が研究所を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。

4 研究所は、研究所の成立の日の前日に気象庁の職員として在職し、附則第二条の規定により引き続いて研究所の職員となった者のうち研究所の成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に研究所を退職したものであって、その退職した日まで気象庁の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。

第五条 附則第二条の規定により研究所の職員となった者であって、研究所の成立の日の前日において国土交通大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、研究所の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、研究所の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、研究所の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。

 (研究所の職員となる者の職員団体についての経過措置)

第六条 研究所の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第二条の規定により研究所の職員となった者であるものは、研究所の成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。

2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。

3 第一項の規定により労働組合となったものについては、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

 (権利義務の承継等)

第七条 研究所の成立の際、第十一条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、研究所の成立の時において研究所が承継する。

2 前項の規定により研究所が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から研究所に対し出資されたものとする。

3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (国有財産の無償使用)

第八条 国土交通大臣は、研究所の成立の際現に附則第二条に規定する政令で定める部局又は機関に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、研究所の用に供するため、研究所に無償で使用させることができる。

 (政令への委任)

第九条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (気象業務法の一部改正)

第十条 気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第三十八条の見出し中「立入」を「立入り」に改め、同条第二項中「前項の規定により」を「気象庁長官は、第一項の規定による立入りによりその職員又は研究所に」に、「かき」を「垣」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

 2 気象庁長官は、緊急その他やむを得ない必要がある場合においては、独立行政法人気象研究所(以下この条及び第四十二条において「研究所」という。)に、前項の規定による立入りを行わせることができる。

 3 気象庁長官は、前項の規定により研究所に立入りを行わせる場合には、研究所に対し、当該立入りの場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。

  第四十二条中「職員」の下に「又は研究所の職員」を加える。

 (国家公務員共済組合法の一部改正)

第十一条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。

  別表第三に次のように加える。

独立行政法人気象研究所

独立行政法人気象研究所法(平成二十年法律第▼▼▼号)

 (雇用保険法等の一部を改正する法律の一部改正)

第十二条 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第三十号)の一部を次のように改正する。

  第四条のうち船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)別表第一の改正規定中同表に次のように加える。

独立行政法人気象研究所

独立行政法人気象研究所法(平成二十年法律第▼▼▼号)


     理 由

 気象業務に関する技術に係る研究等の業務を一層効率的かつ効果的に行わせるため、独立行政法人気象研究所を設立することとし、その目的、業務の範囲等を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
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