貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律案要綱
一 総則的事項
1 目的
この法律は、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関し、基本となる事項を定めること等により、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とすること。 (第一条関係)
2 基本理念
貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進は、物資の流通が国民生活及び経済活動の基盤であり、その中核的な役割を果たす貨物自動車運送が将来にわたって輸送需要に対応した適正な輸送力を確保することの重要性に鑑み、貨物自動車運送に係る安全性の向上、輸送効率の向上及び事業の用に供する自動車の運転者の経済的社会的地位の向上その他貨物自動車運送事業の適正化を図り、もって我が国における持続可能な物資の流通の確保及び国民経済の健全な発展に寄与することを旨として行われるものとすること。 (第二条関係)
3 国の責務
国は、2の基本理念にのっとり、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。 (第三条関係)
二 基本方針
貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等は、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとすること。
1 体制の整備
次に掲げる貨物自動車運送事業の適正化に関する業務を一の独立行政法人に行わせるとともに、当該業務がその独立行政法人により適切かつ効率的に実施されることとなるよう、必要な体制の整備を行うこと。
@ 一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可の更新に関する事務の一部であって、独立行政法人に行わせることが適当なもの
A 貨物自動車運送に係る安全性の向上、輸送効率の向上及び事業の用に供する自動車の運転者の経済的社会的地位の向上その他貨物自動車運送事業の適正化並びにこれらを通じた将来にわたる貨物自動車運送に係る輸送需要に対応した適正な輸送力の確保その他の持続可能な物資の流通の確保に資する取組への支援に関する業務
2 財源の確保
1@及びAに掲げる業務の費用に係る財源の確保について、次に掲げるところによること。
@ 独立行政法人に1@に掲げる業務を行わせるために必要な費用は、国庫が負担することとし、その財源は、1@の許可の更新に係る手数料による収入その他の収入を活用して、確保すること。
A 独立行政法人に1Aに掲げる業務を行わせるために必要な費用を確保することができるよう、その財源について、貨物自動車運送事業の適正化とこれを通じた持続可能な物資の流通の確保を広く社会で支える観点から幅広く検討を行うこと。
3 収支の明確化
1@及びAに掲げる業務の適切な実施に資するよう、これらの業務の実施に係る収入及び支出の関係の明確化を図ること。 (第四条関係)
三 法制上の措置等
政府は、二1から3までに掲げる基本方針に基づく貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置について、この法律の施行後三年以内を目途として講じなければならないこと。 (第五条関係)
四 物流政策推進会議
1 政府は、三の措置をはじめとする貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する施策その他の物資の流通に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、物流政策推進会議を設けるものとすること。 (第六条第一項関係)
2 1の物流政策推進会議は、国土交通大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、厚生労働大臣その他の関係する国務大臣及び公正取引委員会委員長をもって構成すること。 (第六条第二項関係)
3 国土交通省、経済産業省、農林水産省、厚生労働省、公正取引委員会その他の関係行政機関は、その職員、物資の流通の実務に関して十分な知識と経験を有する者その他の関係者によって構成する物流政策推進関係者会議を設け、1の物資の流通に関する施策に係る連絡調整を行うものとすること。
(第六条第三項関係)
五 施行期日
この法律は、公布の日から施行すること。 (附則関係)