衆議院

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第一四五回

参第一九号

   職業安定法等の一部を改正する法律案

 (職業安定法の一部改正)

第一条 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第五条」を「第五条の二」に、「第四章 雑則(第四十八条―第六十二条)」を

第三章の二 職業安定機関以外の者の行う職業紹介、労働者の募集及び労働者供給事業に関する監督等(第四十八条―第四十九条の八)

 
 

第四章 雑則(第五十条―第六十二条)

 に改める。

  第一章中第五条の次に次の一条を加える。

  (求職者等の個人情報の取扱い)

 第五条の二 公共職業安定所並びに職業安定機関以外の者であつて職業紹介、労働者の募集及び労働者供給事業を行うもの(以下この条において「公共職業安定所等」という。)は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下この条において「求職者等」という。)の個人情報(個人に関する情報であつて、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。

   公共職業安定所等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。

   労働大臣は、前二項に定める事項に関し、公共職業安定所等が適切に対処するために必要な指針を公表するものとする。

  第六条第一項中「職業安定主管局長」を「職業安定主管局」に、「の局長をいう。以下同じ」を「をいう。第四十八条第一項において同じ。)の局長(以下「職業安定主管局長」という」に改める。

  第四十九条及び第五十条を削り、第四十八条を第五十条とし、第三章の次に次の一章を加える。

    第三章の二 職業安定機関以外の者の行う職業紹介、労働者の募集及び労働者供給事業に関する監督等

  (職業安定監督官)

 第四十八条 職業安定主管局、都道府県職業安定主務課(都道府県に置かれる分課で職業の紹介及び指導その他雇用の安定に関する事務を所掌するものをいう。)及び公共職業安定所に、職業安定監督官を置く。

   職業安定監督官は、労働省令で定めるところにより、第三条(職業安定機関以外の者の行う職業紹介、労働者の募集及び労働者供給事業に適用される場合に限る。)、第五条の二第一項及び第二項(公共職業安定所に適用される場合を除く。)、前章、この章、第五十一条並びに第五十一条の二(公共職業安定所の業務に従事する者に適用される場合を除く。)の規定(以下「第三章等の規定」という。)の施行に関する事務をつかさどる。

   職業安定主管局長及び公共職業安定所長は、職業安定監督官をもつてこれに充てる。

   職業安定監督官の資格及び任免に関する事項は、政令で定める。

   職業安定監督官を罷免するには、政令で定める職業安定監督官分限審議会の同意を必要とする。

  (職業安定監督官の権限)

 第四十九条 職業安定監督官は、第三章等の規定を施行するため必要があると認めるときは、職業安定機関以外の者であつて職業紹介、労働者の募集又は労働者供給事業を行うもの(以下「民間職業紹介事業者等」という。)の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

   前項の場合において、職業安定監督官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

   第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 第四十九条の二 職業安定監督官は、第三章等の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行う。

  (労働者の申告)

 第四十九条の三 民間職業紹介事業者等が第三章等の規定又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官に申告して是正のための適当な措置を執るように求めることができる。

   民間職業紹介事業者等は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

  (労働大臣等の権限)

 第四十九条の四 労働大臣又は公共職業安定所長は、第三章等の規定を施行するために必要があると認めるときは、所属の職員に、民間職業紹介事業者等の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

   第四十九条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

  (報告及び出頭)

 第四十九条の五 労働大臣又は公共職業安定所長は、第三章等の規定を施行するために必要があると認めるときは、労働省令で定めるところにより、民間職業紹介事業者等又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。

   職業安定監督官は、第三章等の規定を施行するために必要があると認めるときは、民間職業紹介事業者等又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。

  (指導及び助言)

 第四十九条の六 労働大臣は、第三章等の規定の施行に関し必要があると認めるときは、民間職業紹介事業者等に対し、その業務の適正な運営を確保するために必要な指導及び助言をすることができる。

  (改善命令)

 第四十九条の七 労働大臣は、民間職業紹介事業者等が、その業務に関し、第三章等の規定又はこれに基づく命令の規定に違反した場合において、当該業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、これらの者に対し、当該業務の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

  (事業の停止又は許可の取消し)

 第四十九条の八 労働大臣は、許可を受けて、又は届出をなして職業紹介事業、労働者の募集又は労働者供給事業を行う者が、法令若しくはこれに基づく行政庁の処分に違反し、又はその事業若しくは業務が公益を害するおそれがあると認めるときは、その事業若しくは業務を停止し、又は許可を取り消すことができる。

   労働大臣は、第三十三条の二第一項の規定により無料の職業紹介事業を行う同項第一号又は第二号に掲げる施設の長に対し、前項の規定により、事業の停止を命じようとする場合には、あらかじめ教育行政庁に通知しなければならない。

  第五十一条を次のように改める。

  (秘密を守る義務等)

 第五十一条 第三十二条第一項ただし書の許可を受けて有料の職業紹介事業を行う者(以下この条において「有料職業紹介事業者」という。)及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱つたことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならない。有料職業紹介事業者及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなつた後においても、同様とする。

   有料職業紹介事業者及びその代理人、使用人その他の従業者は、前項の秘密のほか、その業務に関して知り得た個人情報その他労働省令で定める者に関する情報を、みだりに他人に知らせてはならない。

  有料職業紹介事業者及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなつた後においても、同様とする。

  第五十一条の次に次の一条を加える。

 第五十一条の二 第三十三条第一項の許可を受けて、又は第三十三条の二第一項の規定による届出をして無料の職業紹介事業を行う者、労働者の募集を行う者、第三十七条第一項の規定により労働者の募集に従事する者及び第四十五条の許可を受けて労働者供給事業を行う者(以下この条において「無料職業紹介事業者等」という。)並びに公共職業安定所の業務に従事する者及び無料職業紹介事業者等の業務に従事する者は、その業務に関して知り得た個人情報その他労働省令で定める者に関する情報を、みだりに他人に知らせてはならない。無料職業紹介事業者等並びに公共職業安定所の業務に従事する者及び無料職業紹介事業者等の業務に従事する者でなくなつた後においても、同様とする。

  第六十三条中「一に」を「いずれかに」に、「五万円」を「二十万円」に、「百万円」を「三百万円」に改める。

  第六十四条中「一に」を「いずれかに」に、「二十万円」を「百万円」に改め、同条第五号中「第五十条第一項」を「第四十九条の八第一項」に改める。

  第六十五条中「一に」を「いずれかに」に、「六箇月」を「六月」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条中第十号を第十二号とし、第九号を第十一号とし、第八号の次に次の二号を加える。

  九 第四十九条の三第二項の規定に違反した者

  十 第四十九条の七の規定による命令に違反した者

  第六十六条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条第二号及び第三号を次のように改める。

  二 第四十九条第一項又は第四十九条の四第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

  三 第四十九条の五第一項又は第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

  第六十六条第三号の次に次の二号を加える。

  四 第五十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

  五 第五十一条第一項の規定に違反した者

 (建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部改正)

第二条 建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  第十二条中「十万円」を「三十万円」に改める。

 (中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部改正)

第三条 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第三項中「第四十条及び第四十一条の規定は同項の規定により労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第一項及び第五十条第一項」を「第五条の二第一項及び第二項、第四十条、第四十一条、第四十九条の三、第四十九条の四第一項、第四十九条の五第一項、第四十九条の七、第四十九条の八第一項並びに第五十一条の二」に、「第四十九条第二項の規定は前項の規定の実施状況の調査について、同条第三項」を「第四十九条の四第二項」に改め、「及び第二項」を削り、「第三十七条第二項」と」の下に「、同法第四十九条の三第一項中「労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官」とあるのは「労働大臣又は公共職業安定所長」と」を加える。

  第十九条中「第五十条第一項」を「第四十九条の八第一項」に、「二十万円」を「百万円」に改める。

  第二十条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「三十万円」に改める。

  第二十一条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号を次のように改める。

  一 第十三条第三項において準用する職業安定法第四十九条の四第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は第十三条第三項において準用する同法第四十九条の五第一項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは出頭しなかった者

 (育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正)

第四条 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。

  第四十五条第五項中「第四十条及び第四十一条の規定は同項の規定により労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第一項及び第五十条第一項」を「第五条の二第一項及び第二項、第四十条、第四十一条、第四十九条の三、第四十九条の四第一項、第四十九条の五第一項、第四十九条の七、第四十九条の八第一項並びに第五十一条の二」に、「第四十九条第二項の規定は前項の規定の実施状況の調査について、同条第三項」を「第四十九条の四第二項」に改め、「及び第二項」を削り、「第三十七条第二項」と」の下に「、同法第四十九条の三第一項中「労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官」とあるのは「労働大臣又は公共職業安定所長」と」を加える。

  第五十三条中「第五十条第一項」を「第四十九条の八第一項」に、「二十万円」を「百万円」に改める。

  第五十四条中「一に」を「いずれかに」、「十万円」を「三十万円」に改める。

  第五十五条中「一に」を「いずれかに」に、「二十万円」を「五十万円」に改める。

  第五十六条を次のように改める。

 第五十六条 第四十五条第五項において準用する職業安定法第四十九条の四第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は第四十五条第五項において準用する同法第四十九条の五第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは出頭しなかつた者は、三十万円以下の罰金に処する。

 (林業労働力の確保の促進に関する法律の一部改正)

第五条 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第三項中「第四十条及び第四十一条の規定は同項の規定により林業労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第一項及び第五十条第一項」を「第五条の二第一項及び第二項、第四十条、第四十一条、第四十九条の三、第四十九条の四第一項、第四十九条の五第一項、第四十九条の七、第四十九条の八第一項並びに第五十一条の二」に、「第四十九条第二項の規定は前項の規定の実施状況の調査について、同条第三項」を「第四十九条の四第二項」に改め、「及び第二項」を削り、「第三十七条第二項」と」の下に「、同法第四十九条の三第一項中「労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官」とあるのは「労働大臣又は公共職業安定所長」と」を加える。

  第三十二条中「第五十条第一項」を「第四十九条の八第一項」に、「二十万円」を「百万円」に改める。

  第三十三条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「三十万円」に改める。

  第三十四条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号を次のように改める。

  一 第十三条第三項において準用する職業安定法第四十九条の四第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は第十三条第三項において準用する同法第四十九条の五第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは出頭しなかつた者

 (労働省設置法の一部改正)

第六条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三十九号の三を同条第三十九号の四とし、同条第三十九号の二の次に次の一号を加える。

  三十九の三 職業安定監督官の権限の行使その他職業安定機関以外の者の行う職業紹介、労働者の募集及び労働者供給事業の監督に関すること。

  第五条第四十七号の次に次の一号を加える。

  四十七の二 職業安定法に基づいて、立入検査を行うこと。

  第五条第四十九号を次のように改める。

  四十九 職業安定法に基づいて、職業紹介事業、労働者の募集若しくは労働者供給事業を行う者又は労働者に対し、必要な事項について報告又は出頭することを要求すること。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十二年一月一日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正)

第三条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。

  第四十四条の三第三項中「、前項の規定の実施状況を職業安定法第三十三条の二第一項の実施状況と」を削り、「同条第一項」を「職業安定法第三十三条の二第一項」に、「同条第三項、同法第三十三条の三第二項、同法第三十四条第一項ただし書及び第二項、同法第四十九条第二項並びに同法」を「同法第五条の二第一項及び第二項、第三十三条の二第三項、第三十三条の三第二項、第三十四条第一項ただし書及び第二項、第四十九条の三、第四十九条の四第一項、第四十九条の六、第四十九条の七、第五十一条の二並びに」に改め、「第四十四条の三第二項」と」の下に「、同法第四十九条の三第一項中「労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官」とあるのは「労働大臣又は公共職業安定所長」と」を加える。

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