第一四六回
閣第二四号独立行政法人産業安全研究所法案
独立行政法人産業安全研究所法案
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 役員(第七条―第九条)
第三章 業務等(第十条―第十二条)
第四章 雑則(第十三条・第十四条)
第五章 罰則(第十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人産業安全研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人産業安全研究所とする。
(研究所の目的)
第三条 独立行政法人産業安全研究所(以下「研究所」という。)は、事業場における災害の予防に関する調査及び研究を行うことにより、職場における労働者の安全の確保に資することを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 研究所は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 研究所は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条 研究所の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。
3 研究所は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 研究所に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十条 研究所は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 事業場における災害の予防に関する調査及び研究を行うこと。
二 前号の業務に附帯する業務を行うこと。
(区分経理)
第十一条 研究所は、前条に規定する業務のうち労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第二十三条第一項の労働福祉事業として行われるものに係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(積立金の処分)
第十二条 研究所は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 研究所は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 雑則
(緊急の必要がある場合の厚生労働大臣の要求)
第十三条 厚生労働大臣は、労働災害(労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二条第一号の労働災害をいう。以下この条において同じ。)が発生し、又は発生するおそれがある場合において、労働災害の原因を究明するための調査及び研究その他の労働災害の予防のための調査及び研究を緊急に行う必要があると認めるときは、研究所に対し、必要な調査及び研究(第十条に規定する業務の範囲内に限る。)の実施を求めることができる。
2 研究所は、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
(主務大臣等)
第十四条 研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣、厚生労働省及び厚生労働省令とする。
第五章 罰則
第十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十二条第一項の規定により厚生労働大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第七条の規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 研究所の成立の際現に厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、研究所の成立の日において、研究所の相当の職員となるものとする。
第三条 研究所の成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、研究所の成立の日において引き続き研究所の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、研究所の成立の日の前日において厚生労働大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、研究所の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、研究所の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、研究所の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(研究所の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第四条 研究所の成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、研究所の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第五条 研究所の成立の際、第十条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、研究所の成立の時において研究所が承継する。
2 前項の規定により研究所が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から研究所に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(労働保険特別会計法の一部改正)
第七条 労働保険特別会計法(昭和四十七年法律第十八号)の一部を次のように改正する。
第四条中「収入、借入金」の下に「、独立行政法人産業安全研究所法(平成十一年法律第▼▼▼号)第十二条第三項の規定による納付金」を、「労働福祉事業費」の下に「、独立行政法人産業安全研究所への出資金、交付金及び施設の整備のための補助金」を加える。