衆議院

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第一五三回

衆第一号

   国の防衛及び自衛隊による国際協力に関する基本法案

 (目的)

第一条 この法律は、日本国憲法の平和主義及び国際協調主義の理念を踏まえ、国の防衛並びに自衛隊による国際の平和及び安全の維持に関する国際協力に関し、基本理念その他の基本となる事項を定めることにより、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つとともに、国際社会の一員として国際連合を中心とする国際の平和及び安全の維持のための努力に積極的に寄与することを目的とする。

 (基本理念)

第二条 国の防衛に関する施策は、我が国の平和及び安全の維持を図るため、外交努力による国際的な安全保障環境の安定の確保及び国内社会の安定による安全保障基盤の確立のための施策とともに総合的に講じられるものとする。

2 国の防衛に関する措置は、防衛力が外部からの侵略を未然に防止し、及び侵略を受けた場合はこれを排除する機能を有し、国の安全保障を最終的に担保するものであって、その機能は他のいかなる手段によっても代替し得ないものであるとの認識の下に行われるものとする。

3 自衛隊による国際の平和及び安全の維持に関する国際協力は、これを行うことが国際社会の一員としての我が国の責務であること及び我が国の平和及び安全の維持を図る上で国際の平和及び安全の維持が不可欠であることにかんがみ、積極的に行われなければならない。

 (自衛権の発動としての武力の行使)

第三条 自衛権の発動としての武力の行使は、我が国に対して直接の武力攻撃があった場合及び我が国周辺の地域においてそのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある事態が生じた場合に限り、行うことができる。

 (防衛力の整備)

第四条 政府は、第二条に規定する基本理念にのっとり、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、国防のための組織の整備その他の防衛力の整備を適切に行わなければならない。

 (アメリカ合衆国との防衛協力)

第五条 政府は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約が我が国の平和及び安全の維持に重要な役割を果たしているものであることにかんがみ、同条約に基づき、アメリカ合衆国と緊密な防衛協力を行うものとする。

 (国際の平和及び安全の維持又は回復を図るための活動等に対する協力)

第六条 我が国は、国際の共同の利益のため必要があると認めるときは、国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議又は国際連合、国際連合の総会によって設立された機関若しくは国際連合の専門機関若しくは国際移住機関が行う要請に基づいて行われる国際の平和及び安全の維持若しくは回復を図るための活動(武力の行使を伴う活動を含む。)又は国際的な救援活動に、我が国の防衛に支障のない限り、自衛隊の部隊の派遣等により、積極的に協力するものとする。

2 前項に規定する活動に対する協力は、国際法規及び国際連合の定める基準その他確立された国際的な基準に従って行われるものとする。

 (法制上の措置)

第七条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

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