衆議院

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第一六六回

衆第二七号

   国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案

 (国家公務員法の一部改正)

第一条 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

  第十七条第三項及び第十七条の二中「保持」の下に「並びに第百六条の二及び第百六条の三に規定する事項」を加える。

  第三十八条第四号中「第百十一条」を「第百十二条」に改める。

  第八十一条の二の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(定年による退職)」を付し、同条第三項中「前二項」の下に「及び次条」を加え、同条の次に次の一条を加える。

 第八十一条の二の二 任命権者は、次に掲げる事由により退職を勧奨する場合を除き、職員に対して、定年退職日前に退職することを勧奨してはならない。

  一 官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生ずること。

  二 第八十二条第二項に規定する特別職国家公務員等となるよう要請する必要があること。

  第八十一条の三第一項中「前条第一項」を「第八十一条の二第一項」に改める。

  第百三条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(私企業からの隔離等)」を付し、同条第一項中「以下営利企業」を「以下「営利企業」」に改め、「評議員」の下に「(次条第一項、第百四条及び第百四条の三において「役員等」という。)」を加え、同条第二項中「二年間」を「五年間」に、「又は特定独立行政法人」を「、特定独立行政法人又は都道府県警察」に、「承諾し」を「承諾し、」に改め、同条第九項中「又は特定独立行政法人」を「、特定独立行政法人又は都道府県警察」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第百三条の二 管理又は監督の地位にある職員の官職として人事院規則で定めるものに就いている職員(以下「管理職職員」という。)は、離職後十年以内に営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等の地位に就いた場合は、人事院規則の定めるところにより、人事院に対し、当該職員の氏名、当該職員が離職前五年間に在職していた国の機関、特定独立行政法人又は都道府県警察における官職、当該役員等の地位、離職時に在職していた国の機関、特定独立行政法人又は都道府県警察が当該営利企業に対して交付した補助金等(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の総額、離職時に在職していた国の機関、特定独立行政法人又は都道府県警察と当該営利企業との間の売買、貸借、請負その他の契約の総額その他必要な事項を報告しなければならない。

   人事院は、毎年、遅滞なく、前年において前項の規定により報告された事項を国会に報告するとともに、公表しなければならない。

  第百四条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(他の事業等からの隔離等)」を付し、同条中「団体」を「法人その他の団体」に、「役員、顧問若しくは評議員」を「役員等」に改め、同条の次に次の二条を加える。

 第百四条の二 職員は、離職後五年間は、営利企業以外の事業の法人その他の団体(国、国際機関、地方公共団体、特定独立行政法人及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人を除く。以下「非営利法人等」という。)の地位(当該地位に就くことについて両議院の同意によることを必要とするものを除く。第百九条第十五号において同じ。)で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人又は都道府県警察と密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

   前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、適用しない。

   第百三条第九項の規定は、前項の承認について準用する。この場合において、同条第九項中「第二項」とあるのは「第百四条の二第一項」と、「営利企業の地位」とあるのは「同項の非営利法人等の地位」と読み替えるものとする。

 第百四条の三 第百三条の二の規定は、管理職職員がその離職後十年以内に非営利法人等の役員等の地位に就いた場合について準用する。

  第三章第七節中第百六条の次に次の十条を加える。

  (他の役職員についての依頼等の規制)

 第百六条の二 職員は、営利企業等(営利企業及び非営利法人等をいう。以下同じ。)に対し、他の職員若しくは特定独立行政法人の役員(以下「役職員」という。)をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人(当該営利企業等に財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)を支配されている法人として人事院規則で定めるものをいう。以下同じ。)の地位に就かせることを目的として、当該役職員若しくは役職員であつた者に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、若しくは依頼してはならない。

   前項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。

  一 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)その他の法令の定める職業の安定に関する事務として行う場合

  二 退職手当通算予定職員を退職手当通算法人の地位に就かせることを目的として行う場合(独立行政法人通則法第五十四条の二において読み替えて準用する第四項に規定する退職手当通算予定役員を同条において準用する次項に規定する退職手当通算法人の地位に就かせることを目的として行う場合を含む。)

   前項第二号の「退職手当通算法人」とは、独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)その他特別の法律により設立された法人でその業務が国の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち政令で定めるもの(退職手当(これに相当する給付を含む。)に関する規程において、職員が任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて当該法人の役員又は当該法人に使用される者となつた場合に、職員としての勤続期間を当該法人の役員又は当該法人に使用される者としての勤続期間に通算することと定めている法人に限る。)をいう。

   第二項第二号の「退職手当通算予定職員」とは、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて退職手当通算法人(前項に規定する退職手当通算法人をいう。以下同じ。)の役員又は退職手当通算法人に使用される者となるため退職することとなる職員であつて、当該退職手当通算法人に在職した後、特別の事情がない限り引き続いて選考による採用が予定されている者のうち政令で定めるものをいう。

  (再就職者による依頼等の規制)

 第百六条の三 職員であつた者であつて離職後に営利企業等の地位に就いている者(退職手当通算予定職員であつた者であつて引き続いて退職手当通算法人の地位に就いている者を除く。以下「再就職者」という。)は、離職前五年間に在職していた局等組織(国家行政組織法第七条第一項に規定する官房若しくは局、同法第八条の二に規定する施設等機関その他これらに準ずる国の部局若しくは機関として人事院規則で定めるもの、これらに相当する特定独立行政法人の組織として人事院規則で定めるもの又は都道府県警察をいう。以下同じ。)に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、国、特定独立行政法人若しくは都道府県と当該営利企業等若しくはその子法人との間で締結される売買、貸借、請負その他の契約又は当該営利企業等若しくはその子法人に対して行われる行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第二号に規定する処分に関する事務(以下「契約等事務」という。)であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、離職後十年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

   前項の規定によるもののほか、再就職者のうち、国家行政組織法第二十一条第一項に規定する部長若しくは課長の職又はこれらに準ずる職であつて人事院規則で定めるものに、離職した日の五年前の日より前に就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、離職後十年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

   前二項の規定によるもののほか、再就職者のうち、国家行政組織法第六条に規定する長官、同法第十八条第一項に規定する事務次官、同法第二十一条第一項に規定する事務局長若しくは局長の職又はこれらに準ずる職であつて人事院規則で定めるものに就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた府省その他の人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人若しくは都道府県警察(以下「局長等としての在職機関」という。)に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務であつて局長等としての在職機関の所掌に属するものに関し、離職後十年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

   前三項の規定によるもののほか、再就職者は、在職していた府省その他の人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人若しくは都道府県警察(以下この項において「行政機関等」という。)に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、国、特定独立行政法人若しくは都道府県と営利企業等(当該再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)若しくはその子法人との間の契約であつて当該行政機関等においてその締結について自らが決定したもの又は当該行政機関等による当該営利企業等若しくはその子法人に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

   前各項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。

  一 試験、検査、検定その他の行政上の事務であつて、法律の規定に基づく行政庁による指定若しくは登録その他の処分(以下「指定等」という。)を受けた者が行う当該指定等に係るもの若しくは行政庁から委託を受けた者が行う当該委託に係るものを遂行するために必要な場合、又は国の事務若しくは事業と密接な関連を有する業務として人事院規則で定めるものを行うために必要な場合

  二 行政庁に対する権利若しくは義務を定めている法令の規定若しくは国、特定独立行政法人若しくは都道府県との間で締結された契約に基づき、権利を行使し、若しくは義務を履行する場合、行政庁の処分により課された義務を履行する場合又はこれらに類する場合として人事院規則で定める場合

  三 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の三第一項に規定する競争の手続、特定独立行政法人が公告して申込みをさせることによる競争の手続又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十四条第一項に規定する一般競争入札若しくはせり売りの手続に従い、売買、貸借、請負その他の契約を締結するために必要な場合

  四 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報の提供を求める場合(一定の日以降に公にすることが予定されている情報を同日前に開示するよう求める場合を除く。)

   職員は、前項各号に掲げる場合を除き、再就職者から第一項から第四項までの規定により禁止される要求又は依頼を受けたとき(独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第一項から第四項までの規定により禁止される要求又は依頼を受けたときを含む。)は、人事院規則で定めるところにより、任命権者にその旨を届け出なければならない。

   職員が再就職した営利企業等は、再就職者が第一項から第四項までの規定に違反する行為を行うことを防止するため、必要な措置を講じなければならない。

  (違反行為の疑いに係る任命権者の報告)

 第百六条の四 任命権者は、職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為(第百六条の二又は前条の規定に違反する行為をいう。以下同じ。)を行つた疑いがあると思料するときは、その旨を国家公務員倫理審査会に報告しなければならない。

  (任命権者による調査)

 第百六条の五 任命権者は、職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為を行つた疑いがあると思料して当該再就職等規制違反行為に関して調査を行おうとするときは、国家公務員倫理審査会にその旨を通知しなければならない。

   国家公務員倫理審査会は、任命権者が行う前項の調査の経過について、報告を求め、又は意見を述べることができる。

   任命権者は、第一項の調査を終了したときは、遅滞なく、国家公務員倫理審査会に対し、当該調査の結果を報告しなければならない。

  (任命権者に対する調査の要求等)

 第百六条の六 国家公務員倫理審査会は、第百六条の三第六項の届出、第百六条の四の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、任命権者に対し、当該再就職等規制違反行為に関する調査を行うよう求めることができる。

   前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により行われる調査について準用する。

  (共同調査)

 第百六条の七 国家公務員倫理審査会は、第百六条の五第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)の規定により報告を受けた場合において必要があると認めるときは、再就職等規制違反行為に関し、任命権者と共同して調査を行うことができる。

  (国家公務員倫理審査会による調査)

 第百六条の八 国家公務員倫理審査会は、第百六条の三第六項の届出、第百六条の四の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為を行つた疑いがあると思料する場合であつて、特に必要があると認めるときは、当該再就職等規制違反行為に関する調査を行うことができる。

   任命権者は、前項の調査に協力しなければならない。

   国家公務員倫理審査会は、第一項の調査を終了したときは、遅滞なく、任命権者に対し、当該調査の結果を通知しなければならない。

  (勧告)

 第百六条の九 国家公務員倫理審査会は、第百六条の五第三項(第百六条の六第二項において準用する場合を含む。)の規定による調査の結果の報告に照らし、又は第百六条の七若しくは前条第一項の規定による調査の結果に基づき、任命権者に対し、懲戒処分その他必要な措置を行うべき旨の勧告をすることができる。

   任命権者は、前項の勧告に係る措置について、国家公務員倫理審査会に対し、報告しなければならない。

  (秘密を守る義務の特例)

 第百六条の十 第百六条の七及び第百六条の八第一項の規定により国家公務員倫理審査会が行う調査に関する第百条第四項の規定の適用については、同項中「人事院」とあるのは「国家公務員倫理審査会」と、「調査又は審理」とあるのは「調査」とする。

  (関係行政機関に対する協力要求)

 第百六条の十一 国家公務員倫理審査会は、第百六条の七及び第百六条の八第一項の規定による調査を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供その他必要な協力を求めることができる。

  第百九条中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に、「三万円」を「五十万円」に改め、同条に次の七号を加える。

  十四 第百三条の二第一項(第百四条の三において準用する場合を含む。)の規定に違反して故意に報告せず、又は虚偽の報告をした者

  十五 第百四条の二第一項の規定に違反して非営利法人等の地位に就いた者

  十六 離職後十年を経過するまでの間に、離職前五年間に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

  十七 国家行政組織法第二十一条第一項に規定する部長若しくは課長の職又はこれらに準ずる職であつて人事院規則で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者であつて、離職後十年を経過するまでの間に、当該職に就いていた時に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

  十八 国家行政組織法第六条に規定する長官、同法第十八条第一項に規定する事務次官、同法第二十一条第一項に規定する事務局長若しくは局長の職又はこれらに準ずる職であつて人事院規則で定めるものに就いていた者であつて、離職後十年を経過するまでの間に、局長等としての在職機関に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務であつて局長等としての在職機関の所掌に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

  十九 在職していた府省その他の人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人若しくは都道府県警察(以下この号において「行政機関等」という。)に属する役職員又はこれに類する者として人事院規則で定めるものに対し、国、特定独立行政法人若しくは都道府県と営利企業等(再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)若しくはその子法人との間の契約であつて当該行政機関等においてその締結について自らが決定したもの又は当該行政機関等による当該営利企業等若しくはその子法人に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者

  二十 第十六号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼(独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第十六号から前号までに掲げる要求又は依頼を含む。)を受けた職員であつて、当該要求又は依頼を受けたことを理由として、職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつた者

   第百十条第一項中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に、「十万円」を「百万円」に改める。

  本則に次の二条を加える。

 第百十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条があるときは、刑法による。

  一 職務上不正な行為(第百六条の二第一項の規定に違反する行為を除く。次号において同じ。)をすること若しくはしたこと、又は相当の行為をしないこと若しくはしなかつたことに関し、営利企業等に対し、他の役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、又は約束した職員

  二 職務に関し、他の役職員に職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、依頼し、若しくは唆すこと、又は要求し、依頼し、若しくは唆したことに関し、営利企業等に対し、他の役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、又は約束した職員

  三 前号(独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する場合を含む。)の不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、依頼し、又は唆した行為の相手方であつて、同号(同条において準用する場合を含む。)の要求又は約束があつたことの情を知つて職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつた職員

 第百十三条 第百六条の三第一項から第四項までの規定に違反して、役職員又はこれらの規定に規定する役職員に類する者として人事院規則で定めるものに対し、契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼した者(不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した者を除く。)は、十万円以下の過料に処する。

 (独立行政法人通則法の一部改正)

第二条 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

  第五十四条第四項中「二年間」を「五年間」に、「商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下「営利企業」という。)の地位」を「法人その他の団体(特定独立行政法人、国、国際機関、地方公共団体及び特定地方独立行政法人を除く。次項及び第六十九条の二第二号において同じ。)の地位(当該地位に就くことについて両議院の同意によることを必要とするものを除く。次項及び同号において同じ。)」に、「又は人事院規則で定める国の機関」を「、人事院規則で定める国の機関又は都道府県警察」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「次項」の下に「及び次条」を加え、同項を同条第五項とし、同条中第二項を第四項とし、第一項の次に次の二項を加える。

 2 前項の規定は、次条において準用する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第十七条の二の規定により権限の委任を受けた国家公務員倫理審査会で扱われる調査の際に求められる情報に関しては、適用しない。

 3 役員は、前項の調査に際して国家公務員倫理審査会から陳述し、又は証言することを求められた場合には、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

  第五十四条に次の一項を加える。

 7 人事院は、毎年、遅滞なく、国会及び内閣に対し、前年において人事院がした前項ただし書の承認の処分に関し、各承認の処分ごとに、承認に係る者が離職前五年間に在職していた特定独立行政法人、同項の人事院規則で定める国の機関又は都道府県警察における職又は官職、承認に係る法人その他の団体の地位、承認をした理由その他必要な事項を報告しなければならない。

  第五十四条の次に次の一条を加える。

  (役員の退職管理)

 第五十四条の二 国家公務員法第十七条(第百六条の二及び第百六条の三に係る部分に限る。)、第十七条の二(第百六条の二及び第百六条の三に係る部分に限る。)、第百三条の二、第百四条の三、第百六条の二から第百六条の九まで及び第百六条の十一の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)、同法第百九条(第十六号から第二十号までに係る部分に限る。)並びに第百十二条の規定は、役員又は役員であった者について準用する。この場合において、同法第十七条第三項及び第十七条の二中「第百六条の二及び第百六条の三」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第百六条の二及び第百六条の三」と、同法第百三条の二第一項中「管理又は監督の地位にある職員の官職として人事院規則で定めるものに就いている職員(以下「管理職職員」という。)」とあり、及び同法第百四条の三中「管理職職員」とあるのは「特定独立行政法人の役員」と、同法第百三条の二第二項、第百六条の二第二項及び第四項並びに第百六条の三第二項中「前項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する前項」と、同法第百六条の二第二項第二号及び第四項並びに第百六条の三第一項中「退職手当通算予定職員」とあるのは「退職手当通算予定役員」と、同法第百六条の二第二項第二号中「独立行政法人通則法第五十四条の二において読み替えて準用する第四項に規定する退職手当通算予定役員を同条において準用する次項」とあるのは「第四項に規定する退職手当通算予定職員を次項」と、同条第三項中「前項第二号」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する前項第二号」と、同条第四項中「第二項第二号」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第二項第二号」と、「選考による採用」とあるのは「任命」と、同法第百六条の三第三項中「前二項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する前二項」と、同条第四項中「前三項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する前三項」と、同条第五項中「前各項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する前各項」と、同条第七項中「第一項から第四項まで」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第一項から第四項まで」と、同法第百六条の四中「第百六条の二又は前条」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第百六条の二又は前条」と、同法第百六条の十一中「第百六条の七及び第百六条の八第一項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第百六条の七及び第百六条の八第一項」と、同法第百九条第二十号中「第十六号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼(独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第十六号から前号まで」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第十六号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼(第十六号から前号まで」と、同法第百十二条第一号中「第百六条の二第一項」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第百六条の二第一項」と、同法第百十三条中「第百六条の三第一項から第四項まで」とあるのは「独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する第百六条の三第一項から第四項まで」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  第五十九条第一項第二号中「(昭和二十二年法律第百二十号)」を削り、同条第二項中「「特定独立行政法人の長が」と」の下に「、同法第八十一条の二の二第一号中「官制」とあるのは「組織」と」を加え、「とする」を「と、同法第百四条の二第二項中「所轄庁の長」とあるのは「当該職員の勤務し、又は勤務していた特定独立行政法人の長」とする」に改める。

  第六十九条中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条第二号中「第五十四条第四項」を「第五十四条第六項」に、「営利企業」を「法人その他の団体」に改め、同条を第六十九条の二とし、第七章中同条の前に次の一条を加える。

 第六十九条 正当な理由がないのに第五十四条第三項の規定に違反して陳述し、又は証言することを拒んだ者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 2 前項に規定する行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、唆し、又はその(ほう)第三条 国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第十四条第一項中「としての前歴を有する者についてはその在職機関が二十年を超えないもの」を「又は特定独立行政法人の役員としての前歴を有しないもの」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条から第五条までの規定は、公布の日から施行する。

 (職員の在職期間の長期化に対応するための措置)

第二条 政府は、この法律の施行に伴う職員の退職管理の適正化による職員の在職期間の長期化に対応するため、民間企業において雇用されている高齢者の処遇の状況を踏まえつつ、職員の多様な知識及び経験を長期にわたり活用することが可能となるような人事制度を導入するために必要な措置を講ずるものとする。

 (公務員制度改革の基本方針)

第三条 この法律に定めるもののほか、公務員制度改革は、次に掲げる基本方針に基づき、行われるものとする。

 一 公務員の勤務意欲を増進し、その職務遂行能力及び公務能率の向上を図ることにより、国民に対して提供されるサービスの質の向上及び職務遂行の効率化を図るため、労働者としての権利の保障、能力及び実績に応じた処遇の徹底を可能とする人事管理制度の導入等を行うものとする。

 二 公務員の給与その他の勤務条件については、我が国の厳しい財政状況その他の社会経済情勢にかんがみ、民間における賃金その他の労働条件に係る実態等を踏まえて幅広く検討を行い、国民の理解が得られるものとなるよう見直しを行うものとする。

 三 国家公務員の服務規律を維持し、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くことがないよう、国家公務員の離職後の就職に係る制限を含む国家公務員の退職管理の適正化を図るとともに、退職した国家公務員に係る情報を適切に公開するものとする。

 (公務員制度改革実行計画)

第四条 政府は、平成二十年中に、前条の基本方針に従い、公務員制度改革を推進するための計画(以下「公務員制度改革実行計画」という。)を作成するものとする。

2 公務員制度改革実行計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 公務員の労働基本権に係る制限については、その職務の特性等に基づき引き続きその必要性が認められる公務員に係るものを除き、原則として廃止すること。

 二 公務員を免職する場合に民間の労働者に準ずる保障を行う仕組みを整備すること。

 三 能力及び実績に応じた処遇の徹底を可能とする人事管理制度を導入すること。

 四 国家公務員の離職後の就職に係る制限その他の職員の退職管理の適正化を図ること。

 五 採用後に幹部職員の候補者を選抜し、育成する制度を導入すること。

 六 内閣による人材の一括管理のための制度を導入すること。

 七 人材の流動化に対応するための仕組みを導入すること。

3 公務員制度改革実行計画の計画期間は、三年とするものとする。

 (当面の公務員制度改革)

第五条 政府は、公務員制度改革実行計画が実施されるまでの間においても、次に掲げる事項について、必要な措置を講ずるものとする。

 一 公務員の給与と民間における賃金との比較方法の在り方について検討を加え、その結果に基づいて公務員の給与制度を見直すこと。

 二 公務員の能力及び実績を適切に評価する制度を構築すること。

 三 公務員としての適格性を欠く者に対し適切に対処することを可能とすること。

 四 行政組織の内外から人材を機動的に登用することを可能とすること。

 五 常勤を要しない公務員の給与の実態に係る情報を公開すること。

 (経過措置)

第六条 第一条の規定による改正前の国家公務員法第二条に規定する一般職に属する職員であった者並びに附則第十条の規定による改正前の裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)に規定する裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員であった者がこの法律の施行の際その離職後五年を経過していない者である場合には、第一条の規定による改正後の国家公務員法第百三条第二項及び第百四条の二第一項(これらの規定を附則第十条の規定による改正後の裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)の規定は、適用がないものとし、これらの者がこの法律の施行の際その離職後二年を経過していない者である場合における商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(次項及び次条第一項において「営利企業」という。)の地位に就くことについては、なお従前の例による。

2 第一条の規定による改正後の国家公務員法第百三条の二第一項(同法第百四条の三において準用する場合を含む。)の規定は、同項に規定する官職に就いていた職員(以下「管理職職員」という。)でこの法律の施行の際その離職後五年を経過していないものについては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後において営利企業及び営利企業以外の事業の法人その他の団体(国、国際機関、地方公共団体、第二条の規定による改正後の独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人(次条において「特定独立行政法人」という。)及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人を除く。)の役員、顧問又は評議員の地位(次条第二項において「団体役員等の地位」という。)に就いた場合に適用するものとし、管理職職員であった者でこの法律の施行前にその離職後五年を経過したものについては、適用しない。

第七条 特定独立行政法人の役員であった者がこの法律の施行の際その離職後五年を経過していない者である場合には、第二条の規定による改正後の独立行政法人通則法第五十四条第六項の規定は、適用がないものとし、当該役員であった者がこの法律の施行の際その離職後二年を経過していない者である場合における営利企業の地位に就くことについては、なお従前の例による。

2 第二条の規定による改正後の独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する国家公務員法第百三条の二第一項及び第百四条の三の規定は、特定独立行政法人の役員であった者でこの法律の施行の際その離職後五年を経過していないものについては、施行日以後において団体役員等の地位に就いた場合に適用するものとし、特定独立行政法人の役員であった者でこの法律の施行前にその離職後五年を経過したものについては、適用しない。

 (経過措置の人事院規則等への委任)

第八条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)で定める。

2 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員並びに当該裁判所職員であった者に関する前項の規定の適用については、同項中「人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)」とあるのは、「最高裁判所規則」とする。

 (特定独立行政法人等の労働関係に関する法律の一部改正)

第九条 特定独立行政法人等の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条の見出しを「(他の法律の適用除外等)」に改め、同条第三項を同条第五項とし、同条第二項中「前項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

 2 国家公務員法第百六条の四から第百六条の十一までの規定は、国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号)の適用を受ける職員及び特定独立行政法人の職員(管理又は監督の地位にある者のうち人事院規則で定める官職にあるものを除く。)には、適用しない。

 3 国家公務員法第百六条の四から第百六条の十一までの規定の適用を受ける職員に対する第一項第一号の規定の適用については、同号中「第三条第二項から第四項まで、第三条の二」とあるのは「第三条第二項から第四項まで(第百六条の二及び第百六条の三に規定する事項に関する事務を除く。)」と、「第十七条、第十七条の二」とあるのは「第十七条(第百六条の二及び第百六条の三に規定する事項に関して行われるものを除く。)」と、「第八十四条第二項、第八十四条の二」とあるのは「第八十四条第二項(第百六条の二又は第百六条の三の規定に違反する行為に関して行われるものを除く。)」と、「第百条第四項」とあるのは「第百条第四項(第十七条の二の規定により権限の委任を受けた国家公務員倫理審査会が行う調査に係るものを除く。)」とする。

 (裁判所職員臨時措置法の一部改正)

第十条 裁判所職員臨時措置法の一部を次のように改正する。

  第一号中「第百三条第九項」の下に「(同法第百四条の二第三項において準用する場合を含む。)」を加える。

 (国と民間企業との間の人事交流に関する法律の一部改正)

第十一条 国と民間企業との間の人事交流に関する法律(平成十一年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条第三項及び第二十四条第一項中「第百三条第二項」の下に「及び第百四条の二第一項」を加える。

 (郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)

第十二条 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)の一部を次のように改正する。

  附則第五十九条第二項中「第百三条第二項」の下に「、第百三条の二第一項(新法第百四条の三において準用する場合を含む。)(国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第▼▼▼号)第二条の規定による改正後の独立行政法人通則法第五十四条の二において準用する場合を含む。)及び第百四条の二第一項」を加え、「同項」を「新法第百三条第二項」に、「又は特定独立行政法人」を「特定独立行政法人」に、「あるのは、」を「あるのは」に、「、特定独立行政法人又は郵政民営化法」を「特定独立行政法人、郵政民営化法」に、「とする」を「と、新法第百三条の二第一項及び第百四条の二第一項中「特定独立行政法人又は」とあるのは「特定独立行政法人、郵政民営化法第百六十六条第一項の規定による解散前の日本郵政公社又は」とする」に改め、同条第三項中「同条第九項」の下に「(新法第百四条の二第三項において準用する場合を含む。)」を加え、「同項」を「新法第百三条第九項」に、「又は特定独立行政法人」を「特定独立行政法人」に、「、特定独立行政法人又は郵政民営化法」を「特定独立行政法人、郵政民営化法」に改める。

  附則第百六条中「第五十四条第四項」を「第五十四条第六項及び第七項」に、「同項中「又は」を「同条第六項中「、」に、「又は郵政民営化法」を「、郵政民営化法」に、「とする」を「と、同条第七項中「国の機関」とあるのは「国の機関、郵政民営化法第百六十六条第一項の規定による解散前の日本郵政公社」とする」に改める。

 (郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第十三条 前条の規定による改正後の郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第五十九条第二項及び第三項並びに第百六条の規定の適用に関し必要な経過措置は、人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)で定める。


     理 由

 国家公務員の離職後の就職をめぐり公務に対する国民の信頼が著しく損なわれている状況にかんがみ、公務員制度改革の一環として、国の行政機関等の業務の公正な執行の確保等に資するため、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化、職員による他の役職員の再就職に係る依頼等の禁止及び早期退職勧奨慣行の禁止その他の退職管理の適正化等に関する措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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