衆議院

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第一六六回

衆第四七号

   地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律及び最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案

 (地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律の一部改正)

第一条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律

  題名の次に次の目次及び章名を付する。

 目次

  第一章 総則(第一条・第二条)

  第二章 公職の選挙における投票方法等の特例(第三条−第十七条)

  第三章 最高裁判所裁判官の国民審査における投票方法等の特例(第十七条の二−第十七条の九)

  第四章 電磁的記録式投票機(第十七条の十−第十七条の十二)

  第五章 雑則(第十八条−第二十二条)

  附則

    第一章 総則

  第一条中「、選挙」の下に「及び最高裁判所裁判官の国民審査」を、「措置として、」の下に「衆議院議員及び参議院議員並びに」を、「長の選挙」の下に「並びに最高裁判所裁判官の国民審査」を、「(昭和二十五年法律第百号)」の下に「及び最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)」を加える。

  第二条第二号を次のように改める。

  二 電磁的記録式投票機 次に掲げる機械をいう。

   イ 当該機械を操作することにより、当該機械に記録されている公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等(公職選挙法第八十六条の二第一項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下同じ。)、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者(同法第八十六条の三第一項の参議院名簿登載者をいう。以下同じ。)又は参議院名簿届出政党等(同項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下同じ。)。以下この号において同じ。)のいずれかを選択し、かつ、当該公職の候補者を選択したことを電磁的記録として電磁的記録媒体に記録することができる機械

   ロ 当該機械を操作することにより、当該機械に記録されている最高裁判所裁判官の国民審査(以下「国民審査」という。)に付される各裁判官について、罷免を可とする裁判官については罷免を可とすることを選択し、罷免を可としない裁判官については罷免を可とすることを選択せず、かつ、国民審査に付される各裁判官について罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったことを電磁的記録として電磁的記録媒体に記録することができる機械

  第二条の次に次の章名を付する。

    第二章 公職の選挙における投票方法等の特例

  第三条の見出しを「(市町村の議会の議員及び長の選挙における電磁的記録式投票機による投票)」に改め、同条第一項中「この条」を「この章」に改め、同条第二項中「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改め、同条第三項を削り、同条の次に次の三条を加える。

  (都道府県の議会の議員及び長の選挙における電磁的記録式投票機による投票)

 第三条の二 都道府県の議会の議員又は長の選挙の投票(公職選挙法第四十七条、第四十九条並びに第五十条第三項及び第五項の規定による投票を除く。)については、都道府県は、同法第四十五条、第四十六条第一項及び第四十八条の規定にかかわらず、前条の条例を定めた市町村のうち当該都道府県の条例で定めるものの区域(指定都市にあっては、議会の議員の選挙に係る同条第二項の条例及び長の選挙に係る同項の条例で定める区以外の区のうち当該都道府県の条例で定めるものの区域に限る。)内の投票区に限り、当該都道府県の条例で定めるところにより、選挙人が、自ら、投票所において、電磁的記録式投票機を操作することにより、当該電磁的記録式投票機に記録されている公職の候補者のうちその投票しようとするもの一人を選択し、かつ、当該公職の候補者を選択したことを電磁的記録媒体に記録する方法によることができる。この場合における同法第四十六条の二第一項の規定の適用については、同項中「第四十九条」とあるのは、「第四十九条並びに公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第三条の二及び第七条」とする。

  (衆議院議員及び参議院議員の選挙における電磁的記録式投票機による投票)

 第三条の三 衆議院議員及び参議院議員の選挙の投票(公職選挙法第四十七条、第四十九条、第四十九条の二第一項並びに第五十条第三項及び第五項の規定による投票を除く。)については、同法第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで及び第四十八条の規定にかかわらず、次条第四項に規定する指定区域内の投票区に限り、選挙人が、自ら、投票所において、電磁的記録式投票機を操作することにより、当該電磁的記録式投票機に記録されている公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者又は参議院名簿届出政党等。以下この条において同じ。)のうちその投票しようとするもの一人(衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等に投票しようとする場合にあっては、一)を選択し、かつ、当該公職の候補者を選択したことを電磁的記録媒体に記録する方法によるものとする。

  (衆議院議員及び参議院議員の選挙において電磁的記録式投票機による投票を行う区域の指定等)

 第三条の四 総務大臣は、第三条の条例を定めた市町村の選挙管理委員会の申出に基づき、当該市町村の区域(指定都市にあっては、議会の議員の選挙に係る同条第二項の条例及び長の選挙に係る同項の条例で定める区以外の区のうち当該指定都市の選挙管理委員会の申出に係る区の区域)を、衆議院議員及び参議院議員の選挙の投票を前条に規定する方法で行うべき区域として指定することができる。

 2 前項の市町村の選挙管理委員会の申出は、当該市町村を包括する都道府県の選挙管理委員会を経由して行わなければならない。この場合において、当該都道府県の選挙管理委員会は、当該申出に係る事項に関し必要な意見を付すことができる。

 3 総務大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。

 4 総務大臣は、第一項の規定による指定をした区域(以下この条において「指定区域」という。)に係る市町村の選挙管理委員会が当該指定の取消しを求めたとき又は指定区域に係る市町村が第三条の条例を廃止したときは、当該指定を取り消すものとする。

 5 指定区域に係る市町村の選挙管理委員会は、当該市町村が第三条の条例を廃止したときは、直ちに、当該市町村を包括する都道府県の選挙管理委員会を経由して、その旨を総務大臣に通知しなければならない。

 6 総務大臣は、指定区域において、前条の規定による投票に関する事務の適正かつ確実な執行が確保できないと認めるときは、第一項の指定を取り消すことができる。

 7 第三項の規定は、第四項又は前項の規定により指定を取り消した場合について準用する。

  第四条を次のように改める。

  (投票用紙を用いた投票)

 第四条 第三条から第三条の三までの規定による投票を行う区域内の投票所の投票管理者は、当該投票を行う選挙について、電磁的記録式投票機に係る事故その他のやむを得ない事由により当該投票所においてこれらの規定による投票を行わせることが困難であると認めるときは、これらの規定にかかわらず、公職選挙法第四十五条、第四十六条及び第四十八条の規定(指定都市及び都道府県の議会の議員又は長の選挙にあっては、これらの規定のほか、同法第四十六条の二の規定)による投票(次項において「投票用紙を用いた投票」という。)を行わせることができる。

 2 投票管理者は、前項の規定により投票用紙を用いた投票を行わせた場合において、第三条から第三条の三までの規定による投票を行わせることができることとなったと認めるときは、同項の投票所において、これらの規定による投票を行わせることができる。

  第五条中「公職の候補者に」を「第三条の規定による投票を行う市町村の議会の議員及び長の選挙並びに第三条の二の規定による投票を行う都道府県の議会の議員及び長の選挙については、公職の候補者に」に、「都道府県」を「市町村」に、「市町村」を「都道府県」に改める。

  第六条を次のように改める。

 第六条 第三条の三の規定による投票を行う衆議院(小選挙区選出)議員の選挙については、公職の候補者に関し電磁的記録式投票機において表示すべき事項は、公職の候補者の氏名及び当該候補者に係る候補者届出政党(公職選挙法第八十六条第一項又は第八項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下この項において同じ。)の名称とする。この場合において、電磁的記録式投票機の映像面における表示の方法は、当該映像面に、すべての公職の候補者の氏名及び当該候補者に係る候補者届出政党の名称を同時に表示するものでなければならない。

 2 第三条の三の規定による投票を行う衆議院(比例代表選出)議員の選挙については、衆議院名簿届出政党等に関し電磁的記録式投票機において表示すべき事項は、衆議院名簿届出政党等の公職選挙法第八十六条の二第一項の規定による届出に係る名称及び略称(以下この項において「衆議院名簿届出政党等の名称及び略称」という。)とする。この場合において、電磁的記録式投票機の映像面における表示の方法は、当該映像面に、すべての衆議院名簿届出政党等の名称及び略称を同時に表示するものでなければならない。

 3 第三条の三の規定による投票を行う参議院(選挙区選出)議員の選挙については、公職の候補者に関し電磁的記録式投票機において表示すべき事項は、公職の候補者の氏名及び党派別とする。この場合において、電磁的記録式投票機の映像面における表示の方法は、当該映像面に、すべての公職の候補者の氏名及び党派別を同時に表示するものでなければならない。

 4 第三条の三の規定による投票を行う参議院(比例代表選出)議員の選挙については、公職の候補者たる参議院名簿登載者及び参議院名簿届出政党等に関し電磁的記録式投票機において表示すべき事項は、公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名並びに参議院名簿届出政党等の公職選挙法第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称及び略称(以下この項において「参議院名簿届出政党等の名称及び略称」という。)とする。この場合において、電磁的記録式投票機の映像面における表示の方法は、当該映像面に、最初に公職の候補者たる参議院名簿登載者に対する投票又は参議院名簿届出政党等に対する投票のいずれかを選択することについて表示し、かつ、すべての公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名又はすべての参議院名簿届出政党等の名称及び略称を政令で定めるところにより表示するものでなければならない。

 5 第一項から第三項までの規定により電磁的記録式投票機の映像面に表示すべき事項の表示の順序は、公職選挙法第百七十五条第三項の規定による同条第一項の掲示(期日前投票所における電磁的記録式投票機の映像面に表示すべき事項の表示の順序にあっては、同条第五項の規定による同条第二項の掲示)の掲載の順序による。

 6 前各項に定めるもののほか、衆議院議員及び参議院議員の選挙に係る電磁的記録式投票機における表示の方法について必要な事項は、総務大臣が定める。

  第七条第一項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を、「、公職の候補者」の下に「(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者又は参議院名簿届出政党等。以下この項及び第四項において同じ。)」を、「以下」の下に「この章において」を加え、「同条」を「これらの条」に改め、同条第二項中「公職の候補者一人」の下に「(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては一の衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者一人又は一の参議院名簿届出政党等)」を加え、同条第三項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「同条」を「これらの条」に改める。

  第八条中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、同条の表(第五十五条の項を除く。)中「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改め、同表第五十五条の項中「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第四条第一項第五号」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第九条第四項」に改める。

  第九条第一項及び第二項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、同条第三項を次のように改める。

 3 次に掲げる者に対する第三条から第三条の三まで及び第七条の規定による投票は、無効とする。

  一 衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙の投票については、公職選挙法第六十八条第一項第二号、第三号又は第五号に規定する者

  二 衆議院(比例代表選出)議員の選挙の投票については、公職選挙法第六十八条第二項第二号から第四号までに規定する政党その他の政治団体

  三 参議院(比例代表選出)議員の選挙の投票については、公職選挙法第六十八条第三項第二号、第三号若しくは第七号に規定する者又は同項第二号から第四号までに規定する政党その他の政治団体

  第九条第四項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「投票の電磁的記録媒体」を「電磁的記録式投票機の操作により公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者又は参議院名簿届出政党等)のいずれを選択したかを記録した電磁的記録媒体(以下この章において「投票の電磁的記録媒体」という。)」に、「の得票数」を「(公職の候補者たる参議院名簿登載者を含む。次項において同じ。)、各衆議院名簿届出政党等又は各参議院名簿届出政党等の得票数(各参議院名簿届出政党等の得票数にあっては、当該参議院名簿届出政党等に係る参議院名簿登載者(当該選挙の期日において公職の候補者たる者に限る。)の得票数を含むものをいう。次項において同じ。)」に改め、同条第五項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を、「各公職の候補者」の下に「、各衆議院名簿届出政党等又は各参議院名簿届出政党等」を、「選挙長」の下に「(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、選挙分会長)」を加える。

  第十条第一項中「第七条の規定による投票については、」を「第三条の二の規定による投票並びにこれらの規定による投票を行う選挙における第七条の規定による投票については」に改め、「定めるところにより」の下に「、第三条の三の規定による投票及び同条の規定による投票を行う選挙における第七条の規定による投票については総務大臣の定めるところにより」を加え、同条第二項中「以下」の下に「この章において」を加える。

  第十一条中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改める。

  第十二条を削る。

  第十三条中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「公職選挙法第八十六条の四第九項の規定により届出を却下した場合又は」を「公職選挙法第八十六条第九項、第八十六条の二第十一項(同法第八十六条の三第二項において準用する場合を含む。)若しくは第十二項(同法第八十六条の三第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八十六条の四第九項の規定により届出を却下した場合、同法第八十六条の二第十項(同法第八十六条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定により取下げの届出がされた場合、同法第八十六条の三第二項において準用する同法第八十六条の二第七項の規定により記載を抹消した場合、同法第九十一条第一項若しくは第百三条第四項の規定により届出が取り下げられたものとみなされた場合、」に改め、「みなされた場合」の下に「又は同法第九十一条第三項若しくは第百三条第四項の規定により公職の候補者たる参議院名簿登載者でなくなるものとされた場合」を加え、同条を第十二条とする。

  第十三条の二中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「第十二条の規定により読み替えて適用される公職選挙法」を「公職選挙法第八十六条第八項、同法第八十六条の三第二項の規定により準用する同法第八十六条の二第九項又は同法」に改め、「第四十六条第一項」の下に「及び第三項」を加え、「及び」を「並びに」に改め、同条を第十三条とする。

  第十四条第一項中「第三条」の下に「又は第三条の二」を加え、「同条第一項」を「第三条第一項」に改め、同条第二項中「第三条」の下に「又は第三条の二」を加える。

  第十五条中「第三条第一項又は第二項」を「第三条」に、「「第一項又は」とあるのは「第一項の掲示に関し必要な事項は市町村の選挙管理委員会が、」と、「事項は、」とあるのは「事項は」」を「「都道府県」とあるのは、「市町村」」に改める。

  第十六条第一項中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を加え、「第七条第二項」を「同条第二項」に改め、同条第二項中「公職の候補者」の下に「(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者又は参議院名簿届出政党等)」を加える。

  第十七条第五項中「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改める。

  第十七条の次に次の二章及び章名を加える。

    第三章 最高裁判所裁判官の国民審査における投票方法等の特例

  (国民審査における電磁的記録式投票機による投票)

 第十七条の二 国民審査の投票(最高裁判所裁判官国民審査法第十六条並びに同法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第四十九条第一項から第六項まで並びに第五十条第三項及び第五項の規定による投票を除く。)については、最高裁判所裁判官国民審査法第十四条第二項から第四項まで、第十四条の二第一項、第十四条の三第二項から第四項まで、第十四条の四及び第十五条第一項並びに同法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第四十五条第一項及び第四十八条の規定にかかわらず、第三条の四第四項に規定する指定区域内の投票区に限り、審査人が、自ら、投票所(期日前投票所を含む。)において、電磁的記録式投票機を操作することにより、当該電磁的記録式投票機に記録されている国民審査に付される各裁判官について、罷免を可とする裁判官については電磁的記録式投票機の当該裁判官に対する表示欄に×の記号の表示をさせ、罷免を可としない裁判官については電磁的記録式投票機の当該裁判官に対する表示欄に何らの表示をさせず、かつ、国民審査に付される各裁判官についてこれに対する表示欄に×の記号の表示をさせ、又は何らの表示をさせなかったことを電磁的記録媒体に記録する方法によるものとする。

  (電磁的記録式投票機において表示すべき事項等)

 第十七条の三 国民審査に付される裁判官に関し電磁的記録式投票機において表示すべき事項は、国民審査に付される裁判官(最高裁判所裁判官国民審査法第十四条の二第一項本文に規定する場合(同法第十四条の三第一項に規定する場合を除く。)にあっては、審査に付される裁判官とならなかった同法第十四条の二第一項に規定する通知裁判官を含む。以下この条において同じ。)の氏名及び当該裁判官に対する×の記号の表示欄とする。この場合において、電磁的記録式投票機の映像面における表示の方法は、当該映像面に、すべての国民審査に付される裁判官の氏名及び当該裁判官に対する×の記号の表示欄を同時に表示するものでなければならない。

 2 前項の規定により電磁的記録式投票機の映像面に表示すべき国民審査に付される裁判官の氏名の表示の順序は、最高裁判所裁判官国民審査法第十四条第二項(同法第十四条の三第一項に規定する場合にあっては、同条第三項)の規定により投票用紙に印刷すべき裁判官の氏名の順序による。

 3 最高裁判所裁判官国民審査法第十四条の四に規定する場合においては、国民審査に付される裁判官がその官を失い、又は死亡した日までにおける前二項の規定による電磁的記録式投票機の映像面の表示は、同日以後も変更しないものとする。

 4 前三項に定めるもののほか、国民審査に係る電磁的記録式投票機における表示の方法について必要な事項は、中央選挙管理会が定める。

  (電磁的記録式投票機による代理投票等)

 第十七条の四 第十七条の二の規定による投票において、身体の故障又は文盲により、自ら電磁的記録式投票機を用いた投票(電磁的記録式投票機を操作することにより、国民審査に付される各裁判官について、罷免を可とする裁判官については罷免を可とすることを選択し、罷免を可としない裁判官については罷免を可とすることを選択せず、かつ、国民審査に付される各裁判官について罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったことを電磁的記録媒体に記録することをいう。以下この章において同じ。)を行うことができない審査人は、同条の規定にかかわらず、投票管理者に申し立て、当該電磁的記録式投票機を用いた代理投票を行わせることができる。

 2 前項の規定による申立てがあった場合においては、投票管理者は、投票立会人の意見を聴いて、当該審査人の投票を補助すべき者二人をその承諾を得て定め、その一人に当該審査人が指示する投票の内容に従った電磁的記録式投票機を用いた投票を行わせ、他の一人をこれに立ち会わせなければならない。

 3 第十七条の二の規定による投票において、自ら電磁的記録式投票機を用いた投票を行うことが困難な審査人(第一項に規定する審査人を除く。)は、同条の規定にかかわらず、投票管理者に申し立て、当該電磁的記録式投票機の操作についての補助を行わせることができる。

 4 前項の規定による申立てがあった場合においては、投票管理者は、投票立会人の意見を聴いて、当該審査人のために電磁的記録式投票機の操作を補助すべき者二人をその承諾を得て定め、その一人に電磁的記録式投票機の操作についての助言、介助その他の必要な措置(電磁的記録式投票機の操作により、国民審査に付される各裁判官について罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったことを電磁的記録媒体に記録することを除く。)を行わせ、他の一人をこれに立ち会わせなければならない。

  (投票の特例)

 第十七条の五 第四条の規定は、第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について準用する。この場合において、同条第一項中「公職選挙法第四十五条、第四十六条及び第四十八条の規定(指定都市及び都道府県の議会の議員又は長の選挙にあっては、これらの規定のほか、同法第四十六条の二の規定)」とあるのは、「最高裁判所裁判官国民審査法第十四条第二項から第四項まで、第十四条の二第一項、第十四条の三第二項から第四項まで、第十四条の四及び第十五条並びに同法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第四十五条第一項及び第四十八条の規定」と読み替えるものとする。

 2 第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法第二十六条の規定により第八条の表の上欄に掲げる公職選挙法の規定の例による場合においては、これらの規定(同法第五十五条の規定を除く。)中同表の中欄に掲げる字句はそれぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるほか、同条中「投票箱」とあるのは「投票箱、投票の電磁的記録媒体(公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第十七条の六第四項に規定する投票の電磁的記録媒体をいう。以下同じ。)、投票を複写した電磁的記録媒体(同法第十七条の七第二項に規定する投票を複写した電磁的記録媒体をいう。以下同じ。)」と読み替えるものとする。

  (開票の特例)

 第十七条の六 第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法第二十条及び第二十四条の規定を適用する場合においては、同法第二十条中「投票箱」とあるのは「投票箱及び投票の電磁的記録媒体(公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第十七条の六第四項に規定する投票の電磁的記録媒体をいう。以下同じ。)若しくは投票を複写した電磁的記録媒体(同法第十七条の七第二項に規定する投票を複写した電磁的記録媒体をいう。以下同じ。)」と、同法第二十四条中「投票は、有効無効を区別し」とあるのは「投票、投票の電磁的記録媒体及び投票を複写した電磁的記録媒体は」と、「保存しなければならない」とあるのは「保存しなければならない。この場合において、投票にあつては、有効無効を区別して保存しなければならない」とする。

 2 第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法第二十五条第二項において公職選挙法第六十五条の規定を準用する場合においては、同条中「投票箱」とあるのは、「投票箱及び投票の電磁的記録媒体若しくは投票を複写した電磁的記録媒体」とする。

 3 第十七条の二及び第十七条の四の規定による投票については、最高裁判所裁判官国民審査法第二十一条及び第二十二条並びに同法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第六十六条第一項及び第二項並びに第六十七条の規定は、適用しない。

 4 開票管理者は、第十七条の二及び第十七条の四の規定による投票については、開票立会人とともに、電磁的記録式投票機の操作により国民審査に付される各裁判官について罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったことを記録した電磁的記録媒体(以下この章において「投票の電磁的記録媒体」という。)に記録された投票を電子計算機を用いて集計することにより、各裁判官について罷免を可とする投票及び可としない投票の数を計算しなければならない。この場合において、開票管理者は、開票立会人の意見を聴いて、投票の効力を決定しなければならない。

 5 開票管理者は、第十七条の二の規定による投票を行う国民審査については、最高裁判所裁判官国民審査法第二十一条の規定にかかわらず、前項の計算の結果及び同法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第六十六条第二項の規定により行った投票の点検の結果により、各裁判官について罷免を可とする投票及び可としない投票の数を計算し、直ちにそれらの結果を審査分会長に報告しなければならない。

  (投票を複写した電磁的記録媒体)

 第十七条の七 投票管理者は、第十七条の二及び第十七条の四の規定による投票については、中央選挙管理会の定めるところにより、投票の電磁的記録媒体に記録された投票を他の電磁的記録媒体に複写しなければならない。

 2 開票管理者は、投票の電磁的記録媒体が破損し又は紛失したことにより、前条第四項の規定による集計を行うことが不可能であると認めるときは、開票立会人の意見を聴いて、当該投票の電磁的記録媒体に代えて、前項の規定により当該投票の電磁的記録媒体に記録された投票を複写した電磁的記録媒体(以下この章において「投票を複写した電磁的記録媒体」という。)を使用して開票を行うものとする。

  (審査分会の特例)

 第十七条の八 第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法第二十七条第五項及び第二十八条第二項の規定を適用する場合においては、これらの規定中「第二十一条」とあるのは、「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律第十七条の六第五項」とする。

  (罰則)

 第十七条の九 第十七条の二及び第十七条の四の規定による投票については、電磁的記録式投票機、投票の電磁的記録媒体及び投票を複写した電磁的記録媒体は投票箱と、同条第二項の規定により審査人の投票を補助すべき者及び同条第四項の規定により審査人のために電磁的記録式投票機の操作を補助すべき者は最高裁判所裁判官国民審査法第二十六条の規定によりその例によることとされる公職選挙法第四十八条第二項の規定により投票を補助すべき者とみなして、最高裁判所裁判官国民審査法第四十九条において準用する公職選挙法第二百二十七条から第二百三十四条まで、第二百三十七条から第二百三十八条まで及び第二百五十五条の規定を適用する。

 2 第十七条の四第二項の規定により電磁的記録式投票機を用いた投票を行うべきものと定められた者が審査人の指示する投票の内容に従った電磁的記録式投票機を用いた投票を行わなかったときは、二年以下の禁() 3 次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

  一 第十七条の四第二項の規定により審査人の投票を補助すべき者が同項の投票の補助の義務に違反したとき。

  二 第十七条の四第四項の規定により審査人のために電磁的記録式投票機の操作を補助すべき者が同項の電磁的記録式投票機の操作の補助の義務に違反したとき。

    第四章 電磁的記録式投票機

  (電磁的記録式投票機に関する技術的基準等)

 第十七条の十 第三条から第三条の三まで及び第十七条の二の規定による投票に用いる電磁的記録式投票機は、次に掲げる事項を確保するため必要な技術的基準として総務大臣が定めるものに適合したものでなければならない。

  一 選挙人が一の選挙において二以上の投票を行うことを防止できるものであること。

  二 国民審査に用いられるものにあっては、審査人が一の国民審査において国民審査に付される各裁判官について二以上の投票を行うことを防止できるものであること。

  三 投票の秘密が侵されないものであること。

  四 電磁的記録式投票機の操作により公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙の投票にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者又は参議院名簿届出政党等)のいずれを選択したかを電磁的記録媒体に記録する前に、当該選択に係る公職の候補者の氏名(衆議院比例代表選出議員の選挙の投票に用いられるものにあっては衆議院名簿届出政党等の公職選挙法第八十六条の二第一項の規定による届出に係る名称及び略称、参議院比例代表選出議員の選挙の投票に用いられるものにあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名又は参議院名簿届出政党等の同法第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称及び略称)を電磁的記録式投票機の表示により選挙人が確認することができるものであること。

  五 国民審査に用いられるものにあっては、電磁的記録式投票機の操作により国民審査に付される各裁判官について、罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったことを記録する前に、その旨を電磁的記録式投票機の表示により審査人が確認することができるものであること。

  六 電磁的記録式投票機の操作により公職の候補者のいずれを選択したか(国民審査に用いられるものにあっては、国民審査に付される各裁判官について罷免を可とすることを選択し又は選択しなかったこと)を電磁的記録媒体に確実に記録することができるものであること。

  七 予想される事故に対して、投票の電磁的記録媒体(第九条第四項に規定する投票の電磁的記録媒体及び第十七条の六第四項に規定する投票の電磁的記録媒体をいう。次号において同じ。)の記録を保護するために必要な措置が講じられているものであること。

  八 投票の電磁的記録媒体を電磁的記録式投票機から取り出せるものであること。

  九 権限を有しない者が電磁的記録式投票機の管理に係る操作をすることを防止できるものであること。

  十 前各号に掲げるもののほか、選挙及び国民審査の公正かつ適正な執行を害しないものであること。

 2 第三条から第三条の三まで及び第十七条の二の規定による投票に用いる電磁的記録式投票機は、電気通信回線に接続してはならない。

  (電磁的記録式投票機の選定等)

 第十七条の十一 市町村の選挙管理委員会は、第三条及び第三条の二の規定による投票を行う選挙について、前条第一項の総務大臣が定める技術的基準に適合する電磁的記録式投票機のうちから、当該選挙の投票に用いる電磁的記録式投票機を選定しなければならない。この場合において、第三条の二の規定による投票に用いる電磁的記録式投票機を選定しようとするときは、あらかじめ、都道府県の選挙管理委員会に協議し、その同意を得なければならない。

 2 市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により電磁的記録式投票機を選定したときは、当該選定に係る電磁的記録式投票機の型式、構造、機能及び操作の方法を告示しなければならない。

 第十七条の十二 総務大臣は、第三条の三の規定による投票を行う選挙及び第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、第十七条の十第一項の総務大臣が定める技術的基準に適合する電磁的記録式投票機を指定しなければならない。この場合において、総務大臣は、当該指定に係る電磁的記録式投票機の型式その他総務省令で定める事項を告示しなければならない。

 2 市町村の選挙管理委員会は、第三条の三の規定による投票を行う選挙及び第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、前項の規定により総務大臣が指定した電磁的記録式投票機のうちから、当該選挙及び国民審査の投票に用いる電磁的記録式投票機を選定しなければならない。

 3 前条第二項の規定は、前項の規定により市町村の選挙管理委員会が電磁的記録式投票機を選定した場合について準用する。

    第五章 雑則

  第十八条(見出しを含む。)中「の使用」を「を用いた投票の実施」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 衆議院議員若しくは参議院議員の選挙又は国民審査に関する電磁的記録式投票機を用いた投票の実施に要する費用については、国庫の負担とする。

  第十八条の次に次の四条を加える。

  (電磁的記録式投票機等の確保に要する費用に係る交付金の交付)

 第十八条の二 国は、第三条の四第四項に規定する指定区域に係る市町村に対し、第三条の三及び第十七条の二の規定による投票を行うために、前条第二項に規定する費用のうち電磁的記録式投票機その他総務省令で定める物品等(以下「電磁的記録式投票機等」という。)をあらかじめ確保することに要する費用に充てるため、予算の範囲内で、交付金を交付する。

  (交付金の交付の申請及び決定)

 第十八条の三 第三条の四第四項に規定する指定区域に係る市町村は、前条の交付金の交付を受けようとするときは、総務省令で定めるところにより、総務大臣に交付の申請をしなければならない。

 2 総務大臣は前項の規定による申請を受けたときは、これを審査し、交付金を交付すべきものと認めたときは、交付金の交付の決定をしなければならない。

 3 第一項の規定により交付金の交付の申請をした市町村が当該交付金を用いて確保する電磁的記録式投票機等を第三条又は第三条の二の規定による投票に用いる場合には、交付金の額を減額するものとする。

 4 前三項に定めるもののほか、前条の交付金の交付の手続に関し必要な事項は、総務省令で定める。

  (交付金の交付の決定の取消し及び返還)

 第十八条の四 総務大臣は、前条第二項の規定により交付金の交付の決定を受けた市町村が、次の各号のいずれかに該当するときは、交付金の交付の決定の全部又は一部(第三号又は第四号の場合にあっては、一部)を取り消すことができる。

  一 当該市町村の区域について、総務大臣が第三条の四第四項又は第六項の規定により同条第一項の指定を取り消したとき。

  二 電磁的記録式投票機等を確保すること以外の用途に交付金を使用したときその他この法律の規定に違反したとき。

  三 電磁的記録式投票機等を確保するために要した額を超えて交付金が交付されているとき。

  四 当該交付金を用いて確保した電磁的記録式投票機等を第三条又は第三条の二の規定による投票に用いたとき(当該投票について、前条第三項の規定により交付金の額を減額された場合を除く。)。

 2 総務大臣は、前項の規定により交付金の交付の決定を取り消した場合において、交付金の当該取消しに係る部分に関し、既に交付金が交付されているときは、期限を定めて、その返還を命ずることができる。

 3 前二項に定めるもののほか、交付金の交付の決定の取消し及び返還に関し必要な事項は、総務省令で定める。

  (加算金及び延滞金)

 第十八条の五 市町村は、前条第一項第二号の規定により交付金の交付の決定を取り消され、同条第二項の規定により交付金の返還を命ぜられたときは、総務省令で定めるところにより、その命令に係る交付金の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該交付金の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については、既納額を控除した額)につき年十・九五パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。

 2 市町村は、前条第二項の規定により、交付金の返還を命ぜられ、これを納期日までに納付しなかったときは、総務省令で定めるところにより、納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ、その未納付額につき年十・九五パーセントの割合で計算した延滞金を国に納付しなければならない。

 3 総務大臣は、前二項の場合において、やむを得ない事情があると認めるときは、総務省令で定めるところにより、加算金又は延滞金の全部又は一部を免除することができる。

  第十九条中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を、「公職選挙法」の下に「第五条の四、第五条の五、」を、「第二百六十六条まで」の下に「及び第二百七十一条の三」を加え、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 第十七条の二の規定による投票を行う国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法第十条の二、第十条の三、第二十六条、第三十四条、第三十七条第一項、第五十四条及び第五十六条の規定を適用する場合においては、これらの規定中「この法律」とあるのは、「この法律及び公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」とする。

  第二十条中「第三条」の下に「から第三条の三まで」を、「選挙」の下に「及び第十七条の二の規定による投票を行う国民審査」を加える。

  第二十二条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   この法律の規定並びにこの法律の規定により読み替えて適用する公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法の規定により、衆議院議員若しくは参議院議員の選挙又は国民審査に関し、都道府県又は市町村が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (最高裁判所裁判官国民審査法の一部改正)

第二条 最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第五条中「審査の期日前十二日まで」を「衆議院議員総選挙の期日の公示の日」に改め、同条に次の一項を加える。

   前項の規定による告示における審査に付される裁判官の氏名の順序は、審査に付される裁判官が二人以上あるときは、第十四条第一項の規定による通知の順序によるものとする。

  第五条の次に次の一条を加える。

 第五条の二(通知裁判官の退官等の場合の裁判官の氏名の告示) 第十四条の二第一項本文に規定する場合(第十四条の三第一項に規定する場合を除く。)において審査に付される裁判官が二人以上あるときは、前条第一項の規定による告示における審査に付される裁判官の氏名の順序は、同条第二項の規定にかかわらず、第十四条第一項の規定による通知の順序から、審査に付される裁判官とならなかつた第十四条の二第一項に規定する通知裁判官を除いた順序によるものとする。

   第十四条の三第一項に規定する場合において審査に付される裁判官が二人以上あるときは、前条第一項の規定による告示における審査に付される裁判官の氏名の順序は、同条第二項の規定にかかわらず、中央選挙管理会がくじで定めた順序によるものとする。

  第十四条の見出しを「(投票用紙の印刷等)」に改め、同条第一項中「審査に付される」を「前項の規定により通知された」に、「中央選挙管理会がくじで定めた」を「当該通知の」に改め、同条第二項中「審査に付される」を「第一項の規定によりその氏名を通知された」に改め、同条に第一項として次の一項を加える。

   中央選挙管理会は、衆議院議員の任期満了の日前六十日に当たる日又は衆議院の解散の日のいずれか早い日の翌日から第五条第一項の規定による告示の日の前日までの間に、審査に付されるべき裁判官の氏名を都道府県の選挙管理委員会に通知しなければならない。この場合において、審査に付されるべき裁判官が二人以上あるときは、中央選挙管理会がくじで定めた順序により、通知しなければならない。

  第十四条の次に次の三条を加える。

 第十四条の二(通知裁判官の退官等の場合の投票用紙の取扱い等) 前条第一項の規定による通知をした日から第五条第一項の規定による告示の日の前日までの間に前条第一項の規定によりその氏名を通知された裁判官(以下この条において「通知裁判官」という。)がその官を失い又は死亡したときその他通知裁判官が審査に付される裁判官とならなかつた場合においては、前条第二項から第四項までの規定により既に調製された投票用紙をそのまま用いるものとする。ただし、次条第一項に規定する場合においては、この限りでない。

   前項本文に規定する場合(次条第一項に規定する場合を除く。)においては、中央選挙管理会は、第五条第一項の規定による告示の日に、審査に付される裁判官とならなかつた通知裁判官の氏名を告示しなければならない。

 第十四条の三(新たな裁判官の任命があつた場合の投票用紙の印刷等) 第十四条第一項の規定による通知をした日から第五条第一項の規定による告示の日までの間に最高裁判所の裁判官が任命された場合においては、中央選挙管理会は、当該告示の日に、投票用紙を改めて調製すべき旨を都道府県の選挙管理委員会に通知しなければならない。

   都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定による通知を受けたときは、投票用紙を改めて調製しなければならない。

   前項の規定により調製する投票用紙には、第五条第一項の規定により告示された審査に付される裁判官の氏名を、当該告示における順序により、印刷しなければならない。

   第十四条第三項及び第四項の規定は、第二項の規定による投票用紙の調製について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項の規定によりその氏名を通知された各裁判官」とあるのは、「審査に付される各裁判官」と読み替えるものとする。

 第十四条の四(審査に付される裁判官の退官等の場合の投票用紙の取扱い) 審査に付される裁判官が、審査の期日前その官を失い、又は死亡した場合においては、第十四条第二項から第四項まで(前条第一項に規定する場合にあつては、同条第二項から第四項まで)の規定により既に調製された投票用紙をそのまま用いるものとする。

  第二十六条中「において」の下に「第十四条の三第一項に規定する場合に該当するとき又は第十四条第一項の規定による通知をした日から四日以内に第五条第一項の規定による告示があつたとき」を加え、同条に次の一項を加える。

   前項ただし書の場合においては、中央選挙管理会は、第五条第一項の規定による告示の日に、その旨を官報で告示しなければならない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十年一月一日から施行する。

 (適用区分)

第二条 第一条の規定による改正後の公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律、第二条の規定による改正後の最高裁判所裁判官国民審査法及び附則第四条の規定による改正後の国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律(昭和二十五年法律第百七十九号)の規定は、この法律の施行の日以後その期日を公示され又は告示される選挙又は審査について適用し、この法律の施行の日の前日までにその期日を公示され又は告示された選挙又は審査については、なお従前の例による。

 (地方自治法の一部改正)

第三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一農業協同組合法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第九十四号)の項の次に次のように加える。

公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号)

この法律の規定並びにこの法律の規定により読み替えて適用する公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法の規定により、衆議院議員若しくは参議院議員の選挙又は国民審査に関し、都道府県又は市町村が処理することとされている事務

  別表第二地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号)の項中「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」を「公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に改める。

 (国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部改正)

第四条 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を次のように改正する。

  附則に次の三項を加える。

 4 第四条に規定する投票所又は第四条の二に規定する期日前投票所で、公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号。以下「公職の選挙等に係る電磁的記録式投票法」という。)第三条の三の規定による投票を行うものについては、当分の間、第四条第一項若しくは第五項に規定する投票所経費の基本額又は第四条の二第一項に規定する期日前投票所経費の基本額に、電磁的記録式投票機を用いた投票に要する費用として総務大臣が定める額をそれぞれ加算し、投票所又は期日前投票所の事務に従事する者の超過勤務手当費の不要分として総務大臣が定める額をそれぞれ減額する。

 5 第五条に規定する開票所で公職の選挙等に係る電磁的記録式投票法第九条第四項の規定による集計を行うものについては、当分の間、第五条第一項、第三項、第五項、第七項、第九項又は第十一項に規定する開票所経費の基本額に、公職の選挙等に係る電磁的記録式投票法第九条第四項に規定する集計に要する費用として総務大臣が定める額を加算し、開票所の事務に従事する者の超過勤務手当費の不要分として総務大臣が定める額を減額する。

 6 公職の選挙等に係る電磁的記録式投票法第三条の三の規定による投票を行う市区町村に係る第十三条第一項に規定する額については、当分の間、投票結果及び開票結果の速報の事務に従事する者の超過勤務手当費の不要分として総務大臣が定める額を減額する。


     理 由

 情報化社会の進展にかんがみ、選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査の公正かつ適正な執行を確保しつつ開票事務等の効率化及び迅速化を図るため、当分の間の措置として、衆議院議員及び参議院議員の選挙並びに最高裁判所裁判官の国民審査に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等について、公職選挙法等の特例を定めるとともに、最高裁判所裁判官の国民審査の期日前投票期間を衆議院議員総選挙の期日前投票期間と同一にする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


 

   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、市町村の議会の議員又は長の選挙について電磁的記録式投票機による投票を行う条例を現時点で定めている市町村において衆議院議員及び参議院議員の選挙並びに最高裁判所裁判官の国民審査についても電磁的記録式投票機による投票を行うこととした場合には、平年度約二億七千万円の見込みである。

衆議院
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