衆議院

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第一六九回

衆第一二号

   食品情報管理伝達システムの導入の促進に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 食品情報管理伝達基準(第三条・第四条)

 第三章 食品情報管理伝達計画(第五条−第八条)

 第四章 登録認定機関(第九条−第二十四条)

 第五章 食品情報管理伝達表示の保護(第二十五条−第二十七条)

 第六章 雑則(第二十八条−第三十二条)

 第七章 罰則(第三十三条−第三十九条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、食品の安全性に対する国民の信頼が低下していること、食品の表示等に関する問題が多数発生していることその他の食品をめぐる最近の諸事情にかんがみ、食品に関する情報提供を促進し消費者の食品の選択等に資するとともに、食品に関する事故等が発生した場合に迅速かつ適確に対応するための措置の実施の基礎とするため、食品情報管理伝達システムについて必要な事項を定めることによりその導入を促進し、もって消費者の利益の増進及び食品関連産業の健全な発展を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「食品情報管理伝達システム」とは、農林水産物の生産から食品の販売に至る一連の国の内外における食品供給の行程(以下「食品供給行程」という。)において、その各段階における移動履歴その他の食品に関する情報が適切に管理されることにより、その情報を追跡し、及び()2 この法律において「食品」とは、すべての飲食物(薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品を除く。)をいう。

3 この法律において「食品情報管理伝達基準」とは、食品情報管理伝達システムについての基準であって、次条の規定により定められたものをいう。

4 この法律において「登録認定機関」とは、第九条第一項の規定により農林水産大臣の登録を受けた法人をいう。

   第二章 食品情報管理伝達基準

 (食品情報管理伝達基準の作成)

第三条 農林水産大臣は、第一条の目的を達成するため、食品の種類を指定して、これについての食品情報管理伝達基準を定めるものとする。

2 農林水産大臣は、食品情報管理伝達基準を定めようとするときは、あらかじめ、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)であって政令で定めるものの議決を経なければならない。

3 農林水産大臣は、食品情報管理伝達基準を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。

4 前二項の規定は、食品情報管理伝達基準の変更又は廃止について準用する。

 (食品情報管理伝達基準の呼称の禁止)

第四条 何人も、食品情報管理伝達基準でない食品供給行程における移動履歴その他の食品に関する情報を管理することによりその情報を追跡し、及び遡及するためのシステムに関する基準について、食品情報管理伝達基準という名称又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。

   第三章 食品情報管理伝達計画

 (食品情報管理伝達計画に係る認定)

第五条 食品生産者等(国内において、食品の生産、製造、加工、輸入又は販売、添加物(食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第二項に規定する添加物をいう。以下同じ。)の製造、輸入又は販売その他の農林水産省令で定める業務を行う者をいう。以下同じ。)及び外国食品生産者等(外国において、本邦に輸出される食品の生産、製造、加工又は輸出、本邦に輸出される添加物の製造又は輸出を行う者その他の農林水産省令で定める業務を行う者をいう。以下同じ。)は、農林水産省令で定めるところにより、当該食品生産者等及び当該外国食品生産者等に係る食品について、単独で又は共同で行おうとする食品情報管理伝達システムの導入に関する計画(以下「食品情報管理伝達計画」という。)を作成し、これを登録認定機関に提出して、当該食品情報管理伝達計画が当該食品に係る食品情報管理伝達基準に適合するものである旨の認定を受けることができる。

2 食品情報管理伝達計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 対象となる食品

 二 対象となる食品に係る食品供給行程並びにその各段階に係る食品生産者等及び外国食品生産者等の氏名又は名称及び住所

 三 対象となる食品に係る食品供給行程の各段階において記録する事項(以下「食品情報記録事項」という。)、その記録の方法及びその記録の保存期間

 四 食品情報記録事項を公表する食品生産者等の氏名又は名称及び当該食品生産者等が行う公表の方法

 五 第八条に規定する食品情報管理伝達表示を付する食品生産者等又は外国食品生産者等の氏名又は名称

 六 食品情報記録事項の記録及びその保存並びに公表(以下「食品情報記録事項の記録等」という。)並びに第八条に規定する食品情報管理伝達表示の表示を適確に実施するための体制

3 第一項の認定の技術的基準は、農林水産省令で定める。

 (認定に係る食品情報管理伝達計画の公表)

第六条 登録認定機関は、前条第一項の認定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、当該認定に係る食品情報管理伝達計画に記載された事項のうち、当該食品情報管理伝達計画の対象となる食品、当該食品に係る食品供給行程並びにその各段階に係る食品生産者等及び外国食品生産者等の氏名又は名称及び住所、同条第二項第四号の規定により当該食品情報管理伝達計画に記載された食品生産者等(以下「食品情報記録事項公表者」という。)の氏名又は名称及び住所その他の農林水産省令で定める事項を公表しなければならない。

 (食品情報管理伝達計画の変更等)

第七条 第五条第一項の認定を受けた食品生産者等及び外国食品生産者等は、当該認定に係る食品情報管理伝達計画を変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、登録認定機関の認定を受けなければならない。

2 登録認定機関は、第五条第一項の認定に係る食品情報管理伝達計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定食品情報管理伝達計画」という。)に従って食品情報記録事項の記録等又は次条に規定する食品情報管理伝達表示の表示が行われていないと認めるときその他の農林水産省令で定めるときは、その認定を取り消すことができる。

3 前条の規定は、登録認定機関が同条の規定により公表した事項について第一項の変更の認定をした場合又は前項の規定により認定を取り消した場合について準用する。

 (食品情報管理伝達表示)

第八条 第五条第二項第五号の規定により認定食品情報管理伝達計画に記載された者(以下「食品情報管理伝達表示者」という。)は、当該認定食品情報管理伝達計画の対象となる食品又はその包装、容器若しくは送り状に、第五条第一項の認定(前条第一項の認定を含む。以下「認定」という。)に係る食品情報管理伝達計画に係る食品であることを示す農林水産省令で定める方式による特別の表示(以下「食品情報管理伝達表示」という。)を付することができる。

   第四章 登録認定機関

 (登録認定機関)

第九条 登録認定機関の登録(以下「登録」という。)を受けようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、農林水産省令で定める食品の区分ごとに、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付して、農林水産大臣に登録の申請をしなければならない。

 (欠格条項)

第十条 次の各号のいずれかに該当する法人は、登録を受けることができない。

 一 その法人又はその業務を行う役員がこの法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなった日から一年を経過しないもの

 二 第二十一条第一項から第三項までの規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない法人

 三 第二十一条第一項から第三項までの規定による登録の取消しの日前三十日以内にその取消しに係る法人の業務を行う役員であった者でその取消しの日から一年を経過しないものがその業務を行う役員となっている法人

 (登録の基準)

第十一条 農林水産大臣は、第九条の規定により登録を申請した者(以下「登録申請者」という。)が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、農林水産省令で定める。

 一 その申請に係る食品に係る認定を行う体制が農林水産大臣の定める基準に適合していること。

 二 登録申請者が、その申請に係る食品に係る食品生産者等又は外国食品生産者等(以下「被認定食品生産者等」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。

  イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、被認定食品生産者等がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。

  ロ 登録申請者の役員に占める被認定食品生産者等の役員又は職員(過去二年間に当該被認定食品生産者等の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。

  ハ 登録申請者の代表権を有する役員が、被認定食品生産者等の役員又は職員(過去二年間に当該被認定食品生産者等の役員又は職員であった者を含む。)であること。

2 登録は、次に掲げる事項を登録台帳に記録して行う。

 一 登録年月日及び登録番号

 二 登録認定機関の名称及び住所

 三 登録認定機関が認定を行う食品の種類

 四 登録認定機関が認定を行う区域及び認定を行う登録認定機関の事業所の所在地

3 農林水産大臣は、第一項の登録をしたときは、遅滞なく、前項に掲げる事項を公示しなければならない。

 (登録の更新)

第十二条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

3 第一項の登録の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

5 農林水産大臣は、第一項の登録の更新の申請が登録の有効期間の満了の日の六月前までに行われなかったとき、又は同項の規定により登録が効力を失ったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (承継)

第十三条 登録認定機関が当該登録に係る事業の全部を譲渡し、又は登録認定機関について合併若しくは分割(当該登録に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、その事業の全部を譲り受けた法人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その登録認定機関の地位を承継する。

2 前項の規定により登録認定機関の地位を承継した法人は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

 (認定に関する業務の実施)

第十四条 登録認定機関は、認定を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、認定のための審査を行わなければならない。

2 登録認定機関は、公正に、かつ、農林水産省令で定める基準に適合する方法により、認定に関する業務を行わなければならない。

3 登録認定機関は、農林水産省令で定めるところにより、認定をした被認定食品生産者等の氏名又は名称、住所その他の農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しなければならない。

 (事業所の変更の届出)

第十五条 登録認定機関は、認定に関する業務を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、農林水産大臣に届け出なければならない。

2 農林水産大臣は、前項の届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (業務規程)

第十六条 登録認定機関は、認定に関する業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、認定に関する業務の開始前に、農林水産大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規程には、認定の実施方法、認定に関する料金の算定方法その他の農林水産省令で定める事項を定めておかなければならない。

 (業務の休廃止)

第十七条 登録認定機関は、認定に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、休止し、又は廃止しようとする日の六月前までに、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

2 農林水産大臣は、前項の届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (財務諸表等の備付け及び閲覧等)

第十八条 登録認定機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらのものが電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)で作成され、又はその作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。

2 被認定食品生産者等その他の利害関係人は、登録認定機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録認定機関の定めた費用を支払わなければならない。

 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

 二 前号の書面の謄本又は抄本の請求

 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を農林水産省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって農林水産省令で定めるものをいう。)により提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

 (適合命令)

第十九条 農林水産大臣は、登録認定機関が第十一条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録認定機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (改善命令)

第二十条 農林水産大臣は、登録認定機関が第六条(第七条第三項において準用する場合を含む。)又は第十四条の規定に違反していると認めるときは、当該登録認定機関に対し、認定に関する業務を行うべきこと又は認定の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (登録の取消し等)

第二十一条 農林水産大臣は、登録認定機関が第十条各号のいずれかに該当するに至ったときは、その登録を取り消さなければならない。

2 農林水産大臣は、登録認定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて認定に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第十四条、第十五条第一項、第十六条第一項、第十七条第一項、第十八条第一項又は次条の規定に違反したとき。

 二 正当な理由がないのに第十八条第二項各号の規定による請求を拒んだとき。

 三 前二条の規定による命令に違反したとき。

 四 不正の手段により登録を受けたとき。

3 農林水産大臣は、前二項に規定する場合のほか、登録認定機関が、正当な理由がないのに、その登録を受けた日から一年を経過してもなおその登録に係る認定に関する業務を開始せず、又は一年以上継続してその認定に関する業務を停止したときは、その登録を取り消すことができる。

4 農林水産大臣は、前三項の規定による処分に係る聴聞をしようとするときは、その期日の一週間前までに、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。

5 前項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

6 農林水産大臣は、第一項から第三項までの規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (帳簿の記載)

第二十二条 登録認定機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、認定に関する業務に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (秘密保持義務)

第二十三条 登録認定機関の役員若しくはその職員又はこれらの者であった者は、認定に関する業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

 (食品情報管理伝達計画登録認定機関という名称の使用の禁止)

第二十四条 登録認定機関でない者は、食品情報管理伝達計画登録認定機関という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

2 登録認定機関は、その登録した食品以外の食品については、食品情報管理伝達計画登録認定機関という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

   第五章 食品情報管理伝達表示の保護

 (食品情報管理伝達表示の禁止)

第二十五条 何人も、食品又はその包装、容器若しくは送り状に食品情報管理伝達表示を付してはならない。ただし、第八条の規定に基づき食品情報管理伝達表示者が食品情報管理伝達表示を付する場合は、この限りでない。

2 何人も、食品又はその包装、容器若しくは送り状に食品情報管理伝達表示と紛らわしい表示を付してはならない。

 (改善命令等)

第二十六条 農林水産大臣は、食品情報管理伝達表示者(食品情報管理伝達表示者が外国食品生産者等である場合を除く。)の行う食品情報管理伝達表示が適当でないと認めるときは、当該食品情報管理伝達表示者に対し、期間を定めてその改善を命じ、又は食品情報管理伝達表示の除去若しくは抹消を命ずることができる。

2 前項の規定は、食品情報管理伝達表示者が外国食品生産者等である場合について準用する。この場合において、同項中「命じ」とあるのは「請求し」と、「命ずる」とあるのは「請求する」と読み替えるものとする。

 (食品情報管理伝達表示の付してある食品の輸入の禁止)

第二十七条 食品の輸入業者は、食品情報管理伝達表示又はこれと紛らわしい表示の付してある食品(その包装、容器又は送り状に当該表示の付してある場合における当該食品を含む。)でその輸入に係るものを譲り渡し、譲渡しの委託をし、又は譲渡しのために陳列してはならない。ただし、当該表示が第八条の規定に基づき食品情報管理伝達表示者により付されたものである場合は、この限りでない。

   第六章 雑則

 (資金の確保等)

第二十八条 国及び地方公共団体は、食品情報管理伝達システムの導入を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

 (報告及び立入検査)

第二十九条 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録認定機関に対し、認定に関する業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、登録認定機関の事務所、事業所若しくは倉庫に立ち入り、認定に関する業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定食品情報管理伝達計画に係る食品生産者等に対し、その食品情報記録事項の記録等若しくは食品情報管理伝達表示の表示に関し必要な報告を求め、又はその職員に、これらの者の工場、ほ場、店舗、事務所、事業所若しくは倉庫その他の場所に立ち入り、食品情報記録事項の記録等若しくは食品情報管理伝達表示の表示の状況若しくは食品、その原料若しくは材料、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

4 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (農林水産大臣に対する申出)

第三十条 何人も、不適正に食品情報管理伝達表示が付されたと認められるとき又は食品情報記録事項公表者が食品情報記録事項の公表を適切に行っていないと認められるときは、農林水産省令で定める手続に従い、農林水産大臣に申し出て適切な措置をとるべきことを求めることができる。

2 農林水産大臣は、前項に規定する申出があったときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、第二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する措置その他の適切な措置をとらなければならない。

 (経過措置)

第三十一条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

 (権限の委任)

第三十二条 この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。

   第七章 罰則

第三十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一 第四条の規定に違反した者

 二 第二十五条の規定に違反した者

 三 第二十七条の規定に違反した者

第三十四条 第二十一条第二項の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした登録認定機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第三十五条 第二十三条の規定に違反して、その職務に関し知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第三十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十四条第一項の規定に違反した者

 二 第二十六条第一項の規定による食品情報管理伝達表示の除去又は抹消の命令に違反した者

 三 第二十九条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第三十七条 次の各号に掲げる違反があった場合においては、その行為をした登録認定機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第十四条第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 二 第十七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 三 第二十二条の規定による帳簿の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

 四 第二十四条第二項の規定に違反したとき。

 五 第二十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第三十八条 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第三十三条、第三十四条又は前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

2 人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第三十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。

 一 第十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十八条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (登録免許税法の一部改正)

第二条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第八十七号の次に次のように加える。

第八十七の二 食品情報管理伝達計画の認定に係る登録認定機関の登録

 食品情報管理伝達システムの導入の促進に関する法律(平成二十年法律第▼▼▼号)第二条第四項(登録認定機関の登録)の登録(更新の登録を除く。)

登録件数

一件につき十五万円

 (農林水産省設置法の一部改正)

第三条 農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第五号の次に次の一号を加える。

  五の二 食品情報管理伝達システムの導入の促進に関する法律(平成二十年法律第▼▼▼号)第二条第一項に規定する食品情報管理伝達システムに関すること。

  第三十一条及び第三十八条中「、第五号」を「から第五号の二まで」に改める。


     理 由

 食品の安全性に対する国民の信頼が低下していること、食品の表示等に関する問題が多数発生していることその他の食品をめぐる最近の諸事情にかんがみ、食品に関する情報提供を促進し消費者の食品の選択等に資するとともに、食品に関する事故等が発生した場合に迅速かつ適確に対応するための措置の実施の基礎とするため、食品情報管理伝達システムについて必要な事項を定めることによりその導入を促進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
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電話(代表)03-3581-5111
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