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第一七一回

参第八号

   厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案

 厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律(平成十九年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

 第一条第一項中「次条」を「第二条」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (保険料を控除した事実に係る判断)

第一条の二 前条第一項に規定する機関は、厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観点から、当該事実があるかどうかを判断するに当たっては、当該事実がある者であることを申し立てた者の当該申立てを十分しん酌するとともに、当該事実があることを直接に明らかにする資料がない事案においては、速やかに、雇用保険又は労働者災害補償保険に係る加入又は給付に関する記録、所得税又は住民税に係る課税に関する記録その他の官公署が有する記録であって当該事実があることを推測させるものをできる限り収集するほか、必要があると認めるときは、当該申立てに係る事業主その他の関係者の証言、社会保険労務士が保存する資料その他の官公署が有する記録以外の資料又は情報であって当該事実があることを推測させるものをできる限り収集した上で、当該申立てが社会通念上明らかに不合理であるとはいえないと認める場合においては、当該事実がある旨の判断を行うものとする。

2 前条第一項に規定する機関が前項(第十五条の二の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定により行う収集に関し協力を求められた官公署は、これに協力するものとする。

 第二条第一項中「前条第一項」を「第一条第一項」に改め、同条第二項中「社会保険庁長官は」の下に「、特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されなかったことが明らかであると認め、かつ、当該義務が履行されなかったことについて国の責めに帰すべき事由として厚生労働省令で定める事由があるおそれがないと認める場合においては」を加え、同条第三項中「限る」の下に「。以下この項において同じ」を加え、「前項の規定による勧奨を行う」を「対象事業主に対し第一条第六項の通知をする」に改め、同条第四項中「第二項」を「第二項本文に規定する場合において同項」に、「場合において」を「とき」に改め、同条第五項中「(特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において第二項又は前項の規定による勧奨を行うときを除く。)」を削り、同条第六項中「第三項」の下に「の規定により特例納付保険料を納付することができる同項」を加え、「、第二項又は第四項の規定による勧奨を受けた場合には」を削り、同条第九項中「次条(同条第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。第一号において同じ。)の規定による公表を行ったときにおいて、その後に」を削り、同項第二号中「次の」を「次条の規定による公表を行った場合において、当該公表の後、次の」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号中「次条」の下に「(同条第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。)」を加え、「後において」を「場合において、当該公表の後、」に、「場合(」を「とき(」に、「除く。)」を「除く。)。」に改め、同号を同項第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

 一 当該特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されなかったことについて第二項の厚生労働省令で定める事由があるおそれがないとは認められないため同項の規定による勧奨を行わない場合(当該確認等の後、厚生労働省令で定める期間内に第六項の規定による申出が行われた場合を除く。)

 第二条第十二項第一号中「期限」を「期間経過」に改め、同項に次の一号を加える。

 三 第九項第三号に該当する場合であって、同号の期限後に特例納付保険料が納付されたとき。

 第二条第十三項中「前条第一項」を「第一条第一項」に改める。

 第三条第一号中「(特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同条第二号中「(特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第四項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同条第三号中「イ又は」を「前条第二項本文に規定する場合において、イ又は」に改め、同号イ中「、同条第四項」を「及び同条第四項」に改め、「及び特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行うことができないとき」を削り、同号ロ中「(特例対象者に係る厚生年金保険法第八十二条第二項の保険料を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項及び第四項の規定による勧奨を行うことができないときを除く。)」を削る。

 第五条第二項中「基金は」の下に「、特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されなかったことが明らかであると認め、かつ、当該義務が履行されなかったことについて第二条第二項の厚生労働省令で定める事由があるおそれがないと認める場合においては」を加え、同条第三項中「限る」の下に「。以下この項において同じ」を加え、「前項の規定による勧奨を行う」を「対象設立事業主に対し前条第三項の通知をする」に改め、同条第四項中「第二項」を「第二項本文に規定する場合において同項」に、「場合において」を「とき」に改め、同条第五項中「(特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において第二項又は前項の規定による勧奨を行うときを除く。)」を削り、同条第六項中「第三項」の下に「の規定により未納掛金に相当する額を納付することができる同項」を加え、「、第二項又は第四項の規定による勧奨を受けた場合には」を削り、同条第九項中「次条第一項(同項第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。第一号において同じ。)の規定による公表を行ったときにおいて、その後に」を削り、同項第二号中「次の」を「次条第一項の規定による公表を行った場合において、当該公表の後、次の」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号中「次条第一項」の下に「(同項第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。)」を加え、「後において」を「場合において、当該公表の後、」に、「場合(」を「とき(」に、「除く。)」を「除く。)。」に改め、同号を同項第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

 一 当該特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されなかったことについて第二条第二項の厚生労働省令で定める事由があるおそれがないとは認められないため第二項の規定による勧奨を行わない場合(当該確認又は改定等の後、厚生労働省令で定める期間内に第六項の規定による申出が行われた場合を除く。)

 第五条第十項第一号中「期限」を「期間経過」に改め、同項に次の一号を加える。

 三 前項第三号に該当する場合であって、同号の期限後に未納掛金等が納付されたとき。

 第六条第一項第一号中「(特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同項第二号中「(特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第四項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同項第三号中「イ又は」を「前条第二項本文に規定する場合において、イ又は」に改め、同号イ中「、同条第四項」を「及び同条第四項」に改め、「及び特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行うことができないとき」を削り、同号ロ中「(特例対象加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項及び第四項の規定による勧奨を行うことができないときを除く。)」を削る。

 第八条第二項中「連合会は」の下に「、特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されなかったことが明らかであると認め、かつ、当該義務が履行されなかったことについて第二条第二項の厚生労働省令で定める事由があるおそれがないと認める場合においては」を加え、同条第三項中「限る」の下に「。以下この項において同じ」を加え、「前項の規定による勧奨を行う」を「解散した基金の対象設立事業主に対し前条第二項の通知をする」に改め、同条第四項中「第二項」を「第二項本文に規定する場合において同項」に、「場合において」を「とき」に改め、同条第五項中「(特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において第二項又は前項の規定による勧奨を行うときを除く。)」を削り、同条第六項中「第三項」の下に「の規定により特例掛金を納付することができる同項」を加え、「、第二項又は第四項の規定による勧奨を受けた場合には」を削り、同条第九項中「次条第一項(同項第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。第一号において同じ。)の規定による公表を行ったときにおいて、その後に」を削り、同項第二号中「次の」を「次条第一項の規定による公表を行った場合において、当該公表の後、次の」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号中「次条第一項」の下に「(同項第一号ロ又は第二号ロに係る部分を除く。)」を加え、「後において」を「場合において、当該公表の後、」に、「場合(」を「とき(」に、「除く。)」を「除く。)。」に改め、同号を同項第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

 一 当該特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されなかったことについて第二条第二項の厚生労働省令で定める事由があるおそれがないとは認められないため第二項の規定による勧奨を行わない場合(当該確認等の後、厚生労働省令で定める期間内に第六項の規定による申出が行われた場合を除く。)

 第八条第十項第一号中「期限」を「期間経過」に改め、同項に次の一号を加える。

 三 前項第三号に該当する場合であって、同号の期限後に特例掛金が納付されたとき。

 第九条第一項第一号中「(特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同項第二号中「(特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第四項の規定による勧奨を行ったときを除く。)」を削り、同項第三号中「イ又は」を「前条第二項本文に規定する場合において、イ又は」に改め、同号イ中「、同条第四項」を「及び同条第四項」に改め、「及び特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項の規定による勧奨を行うことができないとき」を削り、同号ロ中「(特例対象解散基金加入員に係る厚生年金保険法第百三十九条第四項の掛金を納付する義務が履行されたかどうか明らかでないと認められる場合において前条第二項及び第四項の規定による勧奨を行うことができないときを除く。)」を削る。

 第十五条の次に次の一条を加える。

 (国民年金の保険料を納付する義務を履行した事実等に係る判断)

第十五条の二 第一条第一項に規定する機関は、第一条の二第一項の観点と同様の観点から、国民年金法第八十八条の規定により保険料を納付する義務を負う者が当該義務を履行した事実があるかどうかその他の厚生年金保険法又は国民年金法による給付(これに相当する給付を含む。)に影響を与える事実(第一条第一項に規定する事実を除く。)があるかどうかについては、第一条の二第一項の規定の例により、当該事実に係る判断を行うものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条の改正規定(同条第一項及び第十三項に係る部分を除く。)並びに第三条、第五条、第六条、第八条及び第九条の改正規定並びに次条の規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律(以下「新法」という。)第二条及び第三条の規定は、前条ただし書に規定する日以後に社会保険庁長官が新法第一条第一項に規定する特例対象者に係る同項に規定する確認等を行った場合について適用し、同日前に社会保険庁長官が同項に規定する特例対象者に係る同項に規定する確認等を行った場合については、なお従前の例による。

2 新法第五条及び第六条の規定は、前条ただし書に規定する日以後に厚生年金基金が新法第四条第一項に規定する特例対象加入員に係る同項に規定する確認又は改定等を行った場合について適用し、同日前に厚生年金基金が同項に規定する特例対象加入員に係る同項に規定する確認又は改定等を行った場合については、なお従前の例による。

3 新法第八条及び第九条の規定は、前条ただし書に規定する日以後に企業年金連合会が新法第七条第一項に規定する特例対象解散基金加入員に係る同項に規定する確認等を行った場合について適用し、同日前に企業年金連合会が同項に規定する特例対象解散基金加入員に係る同項に規定する確認等を行った場合については、なお従前の例による。


     理 由

 年金記録に関する事項の調査審議を専門的に行う合議制の機関において、事業主が被保険者の負担すべき厚生年金保険の保険料を控除した事実に係る判断等が円滑に行われるようにするため、当該事実に係る判断に当たって記録の収集等を行うこと及びその判断の基準を定めるとともに、対象事業主に対し特例納付保険料の納付の勧奨を行う場合を限定する等の措置を講ずるほか、国民年金の保険料を納付する義務を負う者が当該義務を履行した事実等に係る判断について、厚生年金保険の保険料を控除した事実に係る判断の例によるものとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、平成二十一年度において約十五億円の見込みである。

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