衆議院

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第一七四回

参第一四号

   独立行政法人制度の廃止の推進に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 独立行政法人制度廃止推進計画(第三条)

 第三章 独立行政法人制度廃止推進委員会(第四条−第十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、独立行政法人制度が、各独立行政法人の行う事務及び事業に対する国の責任を不明確にし、その結果、行政の能率的な運営並びに行政の公正性及び透明性の確保の妨げとなっていることにかんがみ、独立行政法人制度の廃止の推進に関する施策の基本となる事項を定め、及び必要な体制を整備することにより、独立行政法人制度の廃止を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

 (独立行政法人制度の廃止の推進に関する基本方針)

第二条 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)及び各独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定める法律(当該事項以外の事項についても定める法律にあっては、独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定める部分に限る。次項において「個別法」という。)は、この法律の施行の日から三年以内に廃止するものとする。

2 政府は、各独立行政法人が個別法に基づき行うこととされている事務及び事業の必要性の有無、実施主体の在り方等に関し検討を行い、当該事務及び事業の廃止、民営化、国への引継ぎ、特別の法律により設立される法人への移管その他の必要な措置を講ずるものとする。

3 政府は、前項の事務及び事業を国に引き継ぐ場合は、当該事務及び事業が国に引き継がれた後も当該事務及び事業に係る予算、組織及び人事が弾力的に運営されるよう所要の措置を講ずるものとする。

4 政府は、第二項の事務及び事業を特別の法律により設立される法人に移管する場合は、当該法人について、その業務運営における自主性が十分配慮され、かつ、主務大臣が必要な監督を行うことができるよう所要の措置を講ずるものとする。

5 政府は、第二項の措置を講ずるに当たっては、独立行政法人の職員の雇用を確保するための措置を講ずるものとする。

   第二章 独立行政法人制度廃止推進計画

第三条 政府は、独立行政法人制度の廃止の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前条に定める独立行政法人制度の廃止の推進に関する基本方針(第五条第一項において「基本方針」という。)に即し、講ずべき必要な法制上の措置その他の措置を定めた独立行政法人制度廃止推進計画を作成しなければならない。

2 内閣総理大臣は、独立行政法人制度廃止推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

3 政府は、独立行政法人制度廃止推進計画を作成したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。

4 前二項の規定は、独立行政法人制度廃止推進計画の変更について準用する。

   第三章 独立行政法人制度廃止推進委員会

 (設置)

第四条 内閣府に、独立行政法人制度廃止推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。

 (所掌事務等)

第五条 委員会は、基本方針に即し、この法律に定める独立行政法人制度の廃止の推進に関する基本的事項について調査審議し、その結果に基づいて、第三条に規定する独立行政法人制度廃止推進計画の作成又は変更のための具体的な指針を内閣総理大臣に勧告するものとする。

2 委員会は、必要があると認めるときは、独立行政法人制度の廃止の推進に関する重要事項について、内閣総理大臣に意見を述べることができる。

3 内閣総理大臣は、第一項の勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとする。

 (組織)

第六条 委員会は、委員七人をもって組織する。

2 委員は、非常勤とする。

 (委員の任命)

第七条 委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。

2 前項の場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

 (委員の罷免)

第八条 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。

 (委員の秘密保持義務)

第九条 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

 (委員長)

第十条 委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (資料の提出その他の協力等)

第十一条 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、国の行政機関及び独立行政法人の長に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。

2 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、国の行政機関及び独立行政法人の業務の運営状況を調査し、又は委員にこれを調査させることができる。

3 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、第一項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

 (事務局)

第十二条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。

3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

4 事務局に置かれる職員のうちには、独立行政法人を所管する内閣府若しくは各省の職員又は独立行政法人の役員及び職員としての前歴を有しない者を加えなければならない。

 (政令への委任)

第十三条 この法律に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第七条第一項中両議院の同意を得ることに関する部分は、公布の日から施行する。

 (特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)

第二条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条第五十七号の三を次のように改める。

  五十七の三 独立行政法人制度廃止推進委員会委員

 (内閣府設置法の一部改正)

第三条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条第三項を次のように改める。

 3 内閣府は、第三条第二項の任務を達成するため、第四条第三項各号及び前二項に掲げる事務のほか、独立行政法人制度の廃止の推進に関する法律(平成二十二年法律第▼▼▼号)がその効力を有する間、独立行政法人制度廃止推進計画(同法第三条第一項に規定する独立行政法人制度廃止推進計画をいう。以下この項において同じ。)の作成又は変更に関する事務及び独立行政法人制度廃止推進計画に基づく施策の実施に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関する事務をつかさどる。

  附則第四条第二項を次のように改める。

 2 独立行政法人制度の廃止の推進に関する法律がその効力を有する間、同法の定めるところにより内閣府に置かれる独立行政法人制度廃止推進委員会は、本府に置く。

 (この法律の失効)

第四条 この法律は、附則第一条の政令で定める日から起算して三年を経過した日にその効力を失う。

 (検討)

第五条 独立行政法人に準ずる法人、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)、特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)及び認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人をいう。)については、この法律の趣旨を踏まえつつ、その組織及び業務の在り方等について検討が加えられ、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。


     理 由

 独立行政法人制度が、各独立行政法人の行う事務及び事業に対する国の責任を不明確にし、その結果、行政の能率的な運営並びに行政の公正性及び透明性の確保の妨げとなっていることにかんがみ、独立行政法人制度の廃止を総合的かつ計画的に推進するため、独立行政法人制度の廃止の推進に関する施策の基本となる事項を定め、及び必要な体制を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、平年度約四千万円の見込みである。

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