衆議院

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第一七四回

閣第五〇号

   農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、農山漁村における六次産業化の推進の重要性にかんがみ、農山漁村の重要な産業である農林漁業の六次産業化を促進するため、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化を支援するための措置を講ずることにより、農林漁業経営の改善を図り、もって農林漁業の持続的かつ健全な発展及び農山漁村の活性化に寄与することを目的とする。

 (基本理念)

第二条 農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化は、それが農業者、林業者及び漁業者の所得の確保を通じて持続的な農林漁業の生産活動を可能とし、地域経済に活力をもたらすとともに、エネルギー源としての利用その他の農林水産物等の新たな需要の開拓等により地球温暖化の防止に寄与することが期待されるものであることにかんがみ、農山漁村の重要な産業である農林漁業の六次産業化を促進するため、地域の自然的経済的社会的条件に応じ、地域における創意工夫を生かしつつ、農林漁業者等が必要に応じて農林漁業者等以外の者の協力を得て農林水産物等及び農山漁村に存在する土地、水その他の資源を有効に活用して主体的に行う取組に対して国が集中的かつ効果的に支援を行うことを旨として、その促進が図られなければならない。

2 農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化の促進に当たっては、農林水産物等又はこれを原材料とする新商品の生産又は販売に関する新技術の導入が重要であることにかんがみ、多様な主体による当該新技術の研究開発及びその成果の利用が推進されなければならない。

 (定義)

第三条 この法律において「農林漁業者等」とは、農業者、林業者若しくは漁業者又はこれらの者の組織する団体(これらの者が主たる構成員又は出資者(以下「構成員等」という。)となっている法人を含む。)をいう。

2 この法律において「農林水産物等」とは、農林水産物及びその生産又は加工に伴い副次的に得られた物品のうち動植物に由来するものをいう。

3 この法律において「六次産業化」とは、農林水産物等及び農山漁村に存在する土地、水その他の資源を有効に活用して、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との融合を図る取組であって、農山漁村の活性化に寄与するものをいう。

4 この法律において「農林漁業及び関連事業の総合化」とは、農林漁業の六次産業化を図るため、単独又は共同の事業として農林水産物等の生産(農林水産物等を新商品の原材料として利用するために必要な収集その他の農林水産省令で定める行為を含む。次項及び第六項第一号において同じ。)及びその加工又は販売を一体的に行う事業活動であって、農林水産物等の価値を高め、又はその新たな価値を生み出すことを目指したものをいう。

5 この法律において「総合化事業」とは、農林漁業経営の改善を図るため、農林漁業者等が農林漁業及び関連事業の総合化を行う事業であって、次に掲げる措置を行うものをいう。

 一 自らの生産に係る農林水産物等(当該農林漁業者等が団体である場合にあっては、その構成員等の生産に係る農林水産物等を含む。次号において同じ。)をその不可欠な原材料として用いて行う新商品の開発、生産又は需要の開拓

 二 自らの生産に係る農林水産物等について行う新たな販売の方式の導入又は販売の方式の改善

 三 前二号に掲げる措置を行うために必要な農業用施設、林業用施設又は漁業用施設の改良又は取得、新規の作物又は家畜の導入、地域に存在する土地、水その他の資源を有効に活用した生産の方式の導入その他の生産の方式の改善

6 この法律において「研究開発・成果利用事業」とは、次に掲げる研究開発及びその成果の利用を行う事業であって、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化の促進に特に資するものをいう。

 一 新商品の原材料に適する新品種の育成、土地、水その他の資源を有効に活用した生産の方式又は農林水産物等の生産に要する費用の低減に資する生産の方式の開発、品質管理の方法の開発その他の農林水産物等の生産又は販売の高度化に資する研究開発

 二 新商品の生産に要する費用の低減に資する生産の方式又は機械の開発、品質管理の方法の開発その他の新商品の生産又は販売の高度化に資する研究開発

7 この法律において「産地連携野菜供給契約」とは、農業者又は農業者の組織する団体(これらの者が主たる構成員等となっている法人を含む。以下この項において同じ。)が指定野菜(野菜生産出荷安定法(昭和四十一年法律第百三号)第二条に規定する指定野菜をいう。以下同じ。)を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の事業又は指定野菜の販売の事業を行う者との間において農林水産省令で定めるところにより締結する指定野菜の供給に係る契約(複数の産地の農業者又は農業者の組織する団体が連携して行う指定野菜の供給に係るものであって、天候その他やむを得ない事由により供給すべき指定野菜に不足が生じた場合に、これと同一の種別に属する指定野菜を供給することを内容とするものに限る。)をいう。

 (基本方針)

第四条 農林水産大臣は、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 農山漁村における六次産業化の推進に関する基本的な事項

 二 農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化の促進の意義及び基本的な方向

 三 総合化事業及び研究開発・成果利用事業の実施に関する基本的な事項

 四 前三号に掲げるもののほか、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化の促進に関する重要事項

3 農林水産大臣は、経済事情の変動その他情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。

4 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。

5 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (総合化事業計画の認定)

第五条 農林漁業者等は、単独で又は共同して、総合化事業に関する計画(当該農林漁業者等が団体である場合にあっては、その構成員等の行う総合化事業に関するものを含む。以下「総合化事業計画」という。)を作成し、農林水産省令で定めるところにより、これを農林水産大臣に提出して、その総合化事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2 総合化事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 認定を受けようとする農林漁業者等(当該農林漁業者等が団体である場合にあっては、その構成員等を含む。第四項及び第五項第二号において同じ。)の農林漁業経営の現状

 二 総合化事業の目標

 三 総合化事業の内容及び実施期間

 四 総合化事業の実施体制

 五 総合化事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

 六 その他農林水産省令で定める事項

3 総合化事業計画には、前項各号に掲げる事項のほか、総合化事業の用に供する施設の整備に関する次に掲げる事項を記載することができる。

 一 当該施設の種類及び規模その他の当該施設の整備の内容

 二 当該施設の用に供する土地の所在、地番、地目及び面積

 三 その他農林水産省令で定める事項

4 総合化事業計画には、認定を受けようとする農林漁業者等以外の者の行う次に掲げる措置(第一号から第三号までに掲げる措置にあっては、農林漁業者等以外の者が行うものに限る。)に関する計画を含めることができる。

 一 認定を受けようとする農林漁業者等が実施する農業改良資金融通法(昭和三十一年法律第百二号)第二条の農業改良措置(第九条第一項において「農業改良措置」という。)を支援するための措置(農業経営に必要な施設の設置その他の農林水産省令で定めるものに限る。)

 二 認定を受けようとする農林漁業者等が実施する林業・木材産業改善資金助成法(昭和五十一年法律第四十二号)第二条第一項の林業・木材産業改善措置(林業経営の改善を目的として新たな林業部門の経営を開始し、又は林産物の新たな生産若しくは販売の方式を導入することに限る。第十条第一項において「林業・木材産業改善措置」という。)を支援するための措置(林業経営に必要な施設の設置その他の農林水産省令で定めるものに限る。)

 三 認定を受けようとする農林漁業者等が実施する沿岸漁業改善資金助成法(昭和五十四年法律第二十五号)第二条第二項の沿岸漁業の経営の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式の導入(当該漁業技術又は当該漁業生産方式の導入と併せ行う水産物の合理的な加工方式の導入を含む。)を支援するための措置(沿岸漁業経営に必要な機器の設置その他の農林水産省令で定めるものに限る。)

 四 その他当該総合化事業を促進するための措置

5 農林水産大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その総合化事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 一 基本方針に照らし適切なものであり、かつ、当該総合化事業を確実に遂行するため適切なものであること。

 二 当該総合化事業の実施により認定を受けようとする農林漁業者等の農林漁業経営の改善が行われるものであること。

6 農林水産大臣は、総合化事業計画にその所管する事業以外の事業の実施に関する事項が記載されている場合において、第一項の認定をしようとするときは、あらかじめ、当該事業を所管する大臣に協議し、その同意を得なければならない。

7 農林水産大臣は、第三項各号に掲げる事項(同項第二号の土地が農地(耕作の目的に供される土地をいう。以下同じ。)又は採草放牧地(農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。以下同じ。)であり、同項の施設の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにし、又は農地である当該土地若しくは採草放牧地である当該土地を農地若しくは採草放牧地以外のものにするため当該土地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得するに当たり、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四条第一項又は第五条第一項の都道府県知事の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載されている総合化事業計画について第一項の認定をしようとするときは、当該事項について、当該都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。この場合において、当該都道府県知事は、当該事項が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、政令で定めるところにより、同意をするものとする。

 一 農地を農地以外のものにする場合にあっては、農地法第四条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。

 二 農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあっては、農地法第五条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。

8 農林水産大臣は、第三項各号に掲げる事項(同項の施設の整備として市街化調整区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の規定による市街化調整区域をいう。第十四条において同じ。)内において、第三項の施設(農林水産物等の販売施設であって政令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)の建築(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十三号に規定する建築をいう。)の用に供する目的で行う都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為(以下この項及び第十四条第一項において「開発行為」という。)又は第三項の施設を新築し、若しくは建築物(建築基準法第二条第一号に規定する建築物をいう。)を改築し、若しくはその用途を変更して同項の施設とする行為(以下この項及び第十四条第二項において「建築行為等」という。)を行うものであり、当該開発行為又は建築行為等を行うに当たり、都市計画法第二十九条第一項又は第四十三条第一項の都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市、同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市又は同法第二百五十二条の二十六の三第一項の特例市の長を含む。以下この項及び第十四条第二項において同じ。)の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載されている総合化事業計画について第一項の認定をしようとするときは、当該事項について、当該都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。この場合において、当該都道府県知事は、当該開発行為又は建築行為等が当該開発行為をする土地又は当該建築行為等に係る第三項の施設の敷地である土地の区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域(都市計画法第七条第一項の規定による市街化区域をいう。)内において行うことが困難又は著しく不適当と認められるときは、同意をするものとする。

9 農林水産大臣は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を関係都道府県知事に通知するものとする。

10 農林水産大臣は、第二項第三号に掲げる事項として産地連携野菜供給契約に基づく指定野菜の供給の事業(当該産地連携野菜供給契約に係る指定野菜を生産する農業者の作付面積の合計が農林水産省令で定める面積に達しているものに限る。)が記載された総合化事業計画について第一項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を独立行政法人農畜産業振興機構に通知するものとする。

 (総合化事業計画の変更等)

第六条 前条第一項の認定を受けた農林漁業者等は、当該認定に係る総合化事業計画を変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の認定を受けなければならない。ただし、農林水産省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 前条第一項の認定を受けた農林漁業者等は、前項ただし書の農林水産省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

3 農林水産大臣は、前条第一項の認定を受けた農林漁業者等(当該農林漁業者等が団体である場合におけるその構成員等及び当該農林漁業者等に係る同条第四項各号に掲げる措置を行う同項に規定する者(以下「促進事業者」という。)を含む。以下「認定農林漁業者等」という。)が当該認定に係る総合化事業計画(第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。以下「認定総合化事業計画」という。)に従って総合化事業(同条第四項各号に掲げる措置を含む。第九条第一項において同じ。)を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

4 前条第五項から第十項までの規定は、第一項の認定について準用する。

 (研究開発・成果利用事業計画の認定)

第七条 研究開発・成果利用事業を行おうとする者は、単独で又は共同して、研究開発・成果利用事業に関する計画(以下「研究開発・成果利用事業計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、これを主務大臣に提出して、その研究開発・成果利用事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2 研究開発・成果利用事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 研究開発・成果利用事業の目標

 二 研究開発・成果利用事業の内容及び実施期間

 三 研究開発・成果利用事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

3 研究開発・成果利用事業計画には、前項各号に掲げる事項のほか、研究開発・成果利用事業の用に供する施設の整備に関する次に掲げる事項を記載することができる。

 一 当該施設の種類及び規模その他の当該施設の整備の内容

 二 当該施設の用に供する土地の所在、地番、地目及び面積

 三 その他農林水産省令で定める事項

4 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その研究開発・成果利用事業計画が基本方針に照らし適切なものであり、かつ、研究開発・成果利用事業を確実に遂行するため適切なものであると認めるときは、その認定をするものとする。

5 主務大臣は、第三項各号に掲げる事項(同項第二号の土地が農地又は採草放牧地であり、同項の施設の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにし、又は農地である当該土地若しくは採草放牧地である当該土地を農地若しくは採草放牧地以外のものにするため当該土地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得するに当たり、農地法第四条第一項又は第五条第一項の都道府県知事の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載されている研究開発・成果利用事業計画について第一項の認定をしようとするときは、当該事項について、当該都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。この場合においては、第五条第七項後段の規定を準用する。

 (研究開発・成果利用事業計画の変更等)

第八条 前条第一項の認定を受けた者(以下「認定研究開発・成果利用事業者」という。)は、当該認定に係る研究開発・成果利用事業計画を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 認定研究開発・成果利用事業者は、前項ただし書の主務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

3 主務大臣は、認定研究開発・成果利用事業者が前条第一項の認定に係る研究開発・成果利用事業計画(第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。以下「認定研究開発・成果利用事業計画」という。)に従って研究開発・成果利用事業を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

4 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の認定について準用する。

 (農業改良資金融通法の特例)

第九条 認定総合化事業計画に従って行われる総合化事業(以下「認定総合化事業」という。)に第五条第四項第一号に掲げる措置が含まれる場合において、促進事業者が当該措置を行うときは、当該措置を農業改良措置とみなして、農業改良資金融通法の規定を適用する。この場合において、同法第三条第一項第一号中「農業者又はその組織する団体(次号において「農業者等」という。)」とあるのは「農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第六条第三項に規定する認定総合化事業計画に従つて同法第五条第四項第一号に掲げる措置を行う同法第六条第三項に規定する促進事業者(株式会社日本政策金融公庫法第二条第三号に規定する中小企業者に限る。次号において「促進事業者」という。)」と、同項第二号中「農業者等」とあるのは「促進事業者」と、同法第七条中「その申請者(その者が団体である場合には、その団体を構成する農業者)」とあるのは「その申請者」と、「その経営」とあるのは「その申請者に係る農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第九条第一項に規定する認定総合化事業を行う農業者の経営」と、「同項」とあるのは「前条第一項」とする。

2 農業改良資金融通法第二条(前項の規定により適用される場合を含む。)の農業改良資金(同法第四条の特定地域資金を除く。)であって、認定農林漁業者等が認定総合化事業を行うのに必要なものについての同法第四条(同法第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第四条中「十年(地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域として農林水産大臣が指定するものにおいて農業改良措置を実施するのに必要な資金(以下この条において「特定地域資金」という。)にあつては、十二年)」とあるのは「十二年」と、「三年(特定地域資金にあつては、五年)」とあるのは「五年」とする。

 (林業・木材産業改善資金助成法の特例)

第十条 認定総合化事業に第五条第四項第二号に掲げる措置が含まれる場合において、促進事業者が当該措置を行うときは、当該措置を林業・木材産業改善措置とみなして、林業・木材産業改善資金助成法の規定を適用する。この場合において、同法第三条第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律」と、「林業従事者、木材産業に属する事業を営む者(政令で定める者に限る。)又はこれらの者の組織する団体その他政令で定める者(以下「林業従事者等」という。)」とあるのは「同法第六条第三項に規定する認定総合化事業計画に従つて同法第五条第四項第二号に掲げる措置を行う同法第六条第三項に規定する促進事業者(以下「促進事業者」という。)」と、同条第二項中「この法律」とあるのは「この法律及び農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律」と、「林業従事者等」とあるのは「促進事業者」と、同法第四条中「一林業従事者等」とあるのは「一促進事業者」と、同法第八条中「その申請者(その者が団体である場合には、その団体又はその団体を構成する者)」とあるのは「その申請者」と、「その経営」とあるのは「その申請者に係る農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第九条第一項に規定する認定総合化事業を行う林業者の経営」と、「同項」とあるのは「前条第一項」と、同法第十四条第一項中「林業従事者等」とあるのは「林業従事者等(林業従事者、木材産業に属する事業を営む者(政令で定める者に限る。)又はこれらの者の組織する団体その他政令で定める者をいう。次項において同じ。)」とする。

2 林業・木材産業改善資金助成法第二条第一項(前項の規定により適用される場合を含む。)の林業・木材産業改善資金であって、認定農林漁業者等が認定総合化事業を行うのに必要なものの償還期間(据置期間を含む。次条第二項において同じ。)は、同法第五条第一項の規定にかかわらず、十二年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

3 前項に規定する資金の据置期間は、林業・木材産業改善資金助成法第五条第二項の規定にかかわらず、五年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

 (沿岸漁業改善資金助成法の特例)

第十一条 認定総合化事業に第五条第四項第三号に掲げる措置が含まれる場合において、促進事業者が当該措置を行うときは、当該措置を行うのに必要な資金で政令で定めるものを、それぞれ沿岸漁業改善資金助成法第二条第二項の経営等改善資金のうち政令で定める種類の資金とみなして、同法の規定を適用する。この場合において、同法第三条第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律」と、「沿岸漁業の従事者、その組織する団体その他政令で定める者(以下「沿岸漁業従事者等」という。)」とあるのは「同法第六条第三項に規定する認定総合化事業計画に従つて同法第五条第四項第三号に掲げる措置を行う同法第六条第三項に規定する促進事業者(次条において「促進事業者」という。)」と、「経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金」とあるのは「経営等改善資金」と、同法第四条中「一沿岸漁業従事者等」とあるのは「一促進事業者」と、「経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金のそれぞれ」とあるのは「経営等改善資金」と、同法第八条第一項中「その申請者(その者が団体である場合には、その団体又はその団体を構成する者。以下同じ。)」とあるのは「その申請者」と、「近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式の導入又は漁ろうの安全の確保若しくは漁具の損壊の防止のための施設の導入」とあるのは「農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第五条第四項第三号に掲げる措置」と、「その経営」とあるのは「その申請者に係る同法第九条第一項に規定する認定総合化事業を行う漁業者の経営」とする。

2 沿岸漁業改善資金助成法第二条第二項(前項の規定により適用される場合を含む。)の経営等改善資金のうち政令で定める種類の資金であって、認定農林漁業者等が認定総合化事業を行うのに必要なものの償還期間は、同法第五条第二項の規定にかかわらず、その種類ごとに、十二年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

3 前項に規定する資金の据置期間は、沿岸漁業改善資金助成法第五条第三項の規定にかかわらず、その種類ごとに、五年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

 (農地法の特例)

第十二条 認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者が認定総合化事業計画(第五条第三項各号に掲げる事項が記載されているものに限る。次項及び第十四条において同じ。)又は認定研究開発・成果利用事業計画(第七条第三項各号に掲げる事項が記載されているものに限る。次項において同じ。)に従って第五条第三項の施設又は第七条第三項の施設の用に供することを目的として農地を農地以外のものにする場合には、農地法第四条第一項の許可があったものとみなす。

2 認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者が認定総合化事業計画又は認定研究開発・成果利用事業計画に従って第五条第三項の施設又は第七条第三項の施設の用に供することを目的として農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第五条第一項の許可があったものとみなす。

 (酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律の特例)

第十三条 農林漁業者等がその総合化事業計画(第五条第三項各号に掲げる事項が記載されているものに限る。以下この条において同じ。)について第五条第一項の認定を受けたときは、当該認定を受けた総合化事業計画に従って同条第三項の施設の用に供することを目的として行われる草地(主として家畜の放牧又はその飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地をいう。)の形質の変更であって、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百八十二号)第九条の規定による届出をしなければならないものについては、同条の規定による届出をしたものとみなす。

2 前項の規定は、第五条第一項の認定を受けた農林漁業者等がその総合化事業計画について第六条第一項の認定を受けたときについて準用する。

 (都市計画法の特例)

第十四条 市街化調整区域内において認定総合化事業計画に従って行われる開発行為(都市計画法第三十四条各号に掲げるものを除く。)は、同条の規定の適用については、同条第十四号に掲げる開発行為とみなす。

2 都道府県知事は、市街化調整区域のうち都市計画法第二十九条第一項の規定による許可を受けた同法第四条第十三項に規定する開発区域以外の区域内において認定総合化事業計画に従って行われる建築行為等について、同法第四十三条第一項の規定による許可の申請があった場合において、当該申請に係る建築行為等が同条第二項の政令で定める許可の基準のうち同法第三十三条に規定する開発許可の基準の例に準じて定められた基準に適合するときは、その許可をしなければならない。

 (食品流通構造改善促進法の特例)

第十五条 食品流通構造改善促進法(平成三年法律第五十九号)第十一条第一項の規定により指定された食品流通構造改善促進機構は、同法第十二条各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

 一 認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者(食品(食品流通構造改善促進法第二条第一項に規定する食品をいう。)の生産、製造、加工又は販売の事業を行う者に限る。以下この項において同じ。)が実施する認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業(認定研究開発・成果利用事業計画に従って実施される研究開発・成果利用事業をいう。以下同じ。)に必要な資金の借入れに係る債務を保証すること。

 二 認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者が実施する認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業について、その実施に要する費用の一部を負担して当該認定総合化事業又は当該認定研究開発・成果利用事業に参加すること。

 三 認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業を実施する認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者の委託を受けて、認定総合化事業計画又は認定研究開発・成果利用事業計画に従って施設の整備を行うこと。

 四 認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業を実施する認定農林漁業者等又は認定研究開発・成果利用事業者に対し、必要な資金のあっせんを行うこと。

 五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 前項の規定により食品流通構造改善促進機構の業務が行われる場合には、次の表の上欄に掲げる食品流通構造改善促進法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

第十三条第一項

前条第一号に掲げる業務

前条第一号に掲げる業務及び農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第一項第一号に掲げる業務

第十四条第一項

第十二条第一号に掲げる業務

第十二条第一号に掲げる業務及び農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第一項第一号に掲げる業務

第十八条第一項、第十九条及び第二十条第一項第一号

第十二条各号に掲げる業務

第十二条各号に掲げる業務又は農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第一項各号に掲げる業務

第二十条第一項第三号

この章

この章若しくは農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律

第二十条第一項第四号

第十四条第一項

第十四条第一項(農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)

第二十一条第一号

第十三条第一項、第十四条第一項

第十三条第一項若しくは第十四条第一項(これらの規定を農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)

第二十三条第一号

第十八条第一項

第十八条第一項(農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)

 

同項

第十八条第一項

第二十三条第二号

第十九条

第十九条(農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)

 (野菜生産出荷安定法の特例)

第十六条 第五条第十項の規定による通知に係る認定総合化事業計画に従って産地連携野菜供給契約に基づく指定野菜の供給の事業を行う認定農林漁業者等については、当該認定農林漁業者等を野菜生産出荷安定法第十条第一項に規定する登録生産者とみなして、同法第十二条の規定を適用する。この場合において、同条中「指定野菜を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の事業又は指定野菜の販売の事業を行う者との間において農林水産省令で定めるところによりあらかじめ締結した契約(対象野菜の供給に係るものであつて、天候その他やむを得ない事由により供給すべき対象野菜に不足が生じた場合に、これと同一の種別に属する指定野菜を供給することを内容とするものに限る。)」とあるのは、「農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律第三条第七項に規定する産地連携野菜供給契約」とする。

 (種苗法の特例)

第十七条 農林水産大臣は、認定研究開発・成果利用事業の成果に係る出願品種(種苗法(平成十年法律第八十三号)第四条第一項に規定する出願品種をいい、当該認定研究開発・成果利用事業の実施期間の終了日から起算して二年以内に品種登録出願されたものに限る。以下この項において同じ。)に関する品種登録出願について、その出願者が次に掲げる者であって当該認定研究開発・成果利用事業を行う認定研究開発・成果利用事業者であるときは、政令で定めるところにより、同法第六条第一項の規定により納付すべき出願料を軽減し、又は免除することができる。

 一 その出願品種の育成(種苗法第三条第一項に規定する育成をいう。次項第一号において同じ。)をした者

 二 その出願品種が種苗法第八条第一項に規定する従業者等(次項第二号において「従業者等」という。)が育成した同条第一項に規定する職務育成品種(同号において「職務育成品種」という。)であって、契約、勤務規則その他の定めによりあらかじめ同項に規定する使用者等(以下この条において「使用者等」という。)が品種登録出願をすることが定められている場合において、その品種登録出願をした使用者等

2 農林水産大臣は、認定研究開発・成果利用事業の成果に係る登録品種(種苗法第二十条第一項に規定する登録品種をいい、当該認定研究開発・成果利用事業の実施期間の終了日から起算して二年以内に品種登録出願されたものに限る。以下この項において同じ。)について、同法第四十五条第一項の規定による第一年から第六年までの各年分の登録料を納付すべき者が次に掲げる者であって当該認定研究開発・成果利用事業を行う認定研究開発・成果利用事業者であるときは、政令で定めるところにより、登録料を軽減し、又は免除することができる。

 一 その登録品種の育成をした者

 二 その登録品種が従業者等が育成した職務育成品種であって、契約、勤務規則その他の定めによりあらかじめ使用者等が品種登録出願をすること又は従業者等がした品種登録出願の出願者の名義を使用者等に変更することが定められている場合において、その品種登録出願をした使用者等又はその従業者等がした品種登録出願の出願者の名義の変更を受けた使用者等

 (国等の施策)

第十八条 国及び地方公共団体は、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化を促進するため、情報の提供、人材の育成、研究開発の推進及びその成果の普及その他の必要な施策を総合的に推進するよう努めるものとする。

2 国は、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化と併せて、農林漁業者等以外の者による農林漁業及び関連事業の総合化及び農山漁村に存在する土地、水その他の資源を有効に活用した新たな事業の創出を促進することが、農山漁村における六次産業化を推進し、農山漁村における雇用機会の創出その他農山漁村の活性化に資する経済的社会的効果を及ぼすことにかんがみ、関係省庁相互間の連携を図りつつ、この法律に基づく措置及びこれと別に講ぜられる農山漁村の活性化に資する措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めるものとする。

 (資金の確保)

第十九条 国は、認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業に必要な資金の確保に努めるものとする。

 (指導及び助言)

第二十条 国は、認定総合化事業又は認定研究開発・成果利用事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。

 (報告の徴収)

第二十一条 農林水産大臣は、認定農林漁業者等に対し、認定総合化事業計画の実施状況について報告を求めることができる。

2 主務大臣は、認定研究開発・成果利用事業者に対し、認定研究開発・成果利用事業計画の実施状況について報告を求めることができる。

 (主務大臣等)

第二十二条 第七条第一項並びに同条第四項及び第五項(これらの規定を第八条第四項において準用する場合を含む。)、第八条第一項から第三項まで、前条第二項並びに次条における主務大臣は、農林水産大臣及び認定研究開発・成果利用事業に係る事業を所管する大臣とする。

2 第七条第一項及び第八条第一項における主務省令は、前項に規定する主務大臣の共同で発する命令とし、次条における主務省令は、同項に規定する主務大臣の発する命令とする。

 (権限の委任)

第二十三条 この法律に規定する農林水産大臣及び主務大臣の権限は、農林水産大臣の権限にあっては農林水産省令で定めるところにより地方農政局長又は北海道農政事務所長に、主務大臣の権限にあっては主務省令で定めるところにより地方支分部局の長に、それぞれその一部を委任することができる。

 (罰則)

第二十四条 第二十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。

3 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進による農林漁業の持続的かつ健全な発展及び農山漁村の活性化を図るため、基本方針の策定並びに総合化事業計画及び研究開発・成果利用事業計画の認定について定め、これらの計画に基づく事業の実施について、農業改良資金の貸付け、農地の転用に関する許可、品種登録に係る出願料等に関する特例措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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