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第一七六回

参第六号

   日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案

 (日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の一部改正)

第一条 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項の」を「第一項の」に、「前項に」を「前二項に」に、「同項第二号」を「第一項第二号」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 機構は、前項の規定により同項に規定する業務を行う間、機構法第十二条及び前項に規定する業務のほか、同項に規定する業務の確実かつ円滑な実施に支障のない範囲内において、次の業務を行うことができる。

  一 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項に規定する旅客会社(以下この号において「旅客会社」という。)に対し、旅客会社が同法第十二条第一項の規定により管理する経営安定基金に充てるための資金を拠出すること。

  二 日本貨物鉄道株式会社に対し、その経営の安定を図るために必要な資金に充てるための補助金を交付すること。

  三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。

  第二十一条第一項中「及び第二項」を「から第三項まで」に、「並びに」を「及び」に改める。

  第二十七条の見出しを「(特例業務勘定)」に改め、同条第一項中「勘定」の下に「(以下この条において「特例業務勘定」という。)」を加え、同条第二項を次のように改める。

 2 機構は、特例業務勘定において、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。ただし、第四項の規定による繰入れ又は第五項の規定による納付金の納付を行う場合は、この限りでない。

  第二十七条第三項中「第一項に規定する特別の勘定」を「特例業務勘定」に、「通則法第四十四条第一項本文又は第二項」を「第二項本文又は第三項」に、「同条第一項」を「第二項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第二項の次に次の四項を加える。

 3 機構は、特例業務勘定において、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

 4 機構は、特例業務勘定において第二項に規定する残余を生じたとき又は同項の規定による積立金があるときは、第一項の規定にかかわらず、第十三条第一項に規定する業務の確実かつ円滑な実施に支障のない範囲内において、当該残余又は積立金の額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、次の各号に掲げる業務に必要な経費の財源に充てるため、それぞれ当該各号に定める勘定に繰り入れることができる。

  一 機構法第十二条第一項第一号に掲げる業務(これに関する事業に係る借入れに係る債務の償還及び当該債務に係る利子の支払を含む。) 機構法第十七条第一項第一号に掲げる業務に係る勘定

  二 機構法附則第十一条第一項第四号の二に掲げる業務 機構法第十七条第一項第四号に掲げる業務に係る勘定

 5 機構は、特例業務勘定において第二項に規定する残余を生じたとき又は同項の規定による積立金があるときは、第十三条第一項に規定する業務の確実かつ円滑な実施に支障のない範囲内において、当該残余又は積立金の額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、第二条第一項の規定により政府が承継した債務を償還するためのものとして、国債整理基金特別会計に納付することができる。

 6 国土交通大臣は、前二項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。

  第二十七条に次の三項を加える。

 8 特例業務勘定については、通則法第四十四条の規定は、適用しない。

 9 第五項の規定による納付金の納付が行われる場合には、特別会計に関する法律第四十条の規定によるほか、当該納付金は、国債整理基金特別会計の歳入とする。

 10 前各項に定めるもののほか、第五項の規定による納付金の納付の手続その他特例業務勘定に関し必要な事項は、政令で定める。

  第二十八条第一項中「及び第二項」を「から第三項まで」に改め、「の業務」と」の下に「、機構法第二十四条中「補助金等について」とあるのは「補助金等並びに債務等処理法第十三条第二項第二号の規定により機構が交付する補助金について」と」を加え、「第十三条第三項」を「第十三条第四項」に改め、「第二十一条第一項」と」の下に「、同条第二号中「又は第二項」とあるのは「若しくは第二項又は債務等処理法第二十七条第四項若しくは第五項」と」を加え、「第十二条並びに」を「第十二条及び」に改め、同条の次に次の一条を加える。

  (特に必要がある場合の国土交通大臣の要求)

 第二十八条の二 国土交通大臣は、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第一条第三項に規定する会社の経営の安定又は第二十七条第四項各号に掲げる業務に必要な経費の財源の確保を図るため特に必要があると認めるときは、機構に対し、第十三条第一項に規定する業務の確実かつ円滑な実施に支障のない範囲内において、同条第二項に規定する業務又は第二十七条第四項の規定による繰入れに関し必要な措置をとることを求めることができる。

 2 機構は、国土交通大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。

 (旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部改正)

第二条 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

  第十二条第一項中「債権の額」の下に「及び日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)第十三条第二項第一号の規定により拠出された資金の額の合計額」を加える。

 (独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部改正)

第三条 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法(平成十四年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。

  附則第十一条第一項第四号の次に次の一号を加える。

  四の二 次に掲げる路線の全部又は一部の区間において当該廃止に係る鉄道事業による輸送に代わる輸送を担うものとして鉄道事業を行う者(鉄道事業を開始しようとする者を含む。)に対し、その経営の安定を図るために必要な資金に充てるため、新債務等処理法第二十七条第四項第二号の規定により繰り入れられた金額を財源として、補助金を交付すること。

   イ 新幹線鉄道の路線の全部又は一部の区間の営業に伴い全部又は一部が廃止された鉄道事業に係る路線(旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項に規定する旅客会社又は旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十一号)附則第二条第一項に規定する新会社(ロにおいて「旅客会社等」という。)が営業を行っていた路線に限る。)

   ロ 新幹線鉄道の路線の全部又は一部の区間の営業に伴い全部又は一部が廃止されることとなる鉄道事業に係る路線(旅客会社等が営業を行っている路線に限る。)

  附則第十一条第一項第六号中「及び第二項」を「から第三項まで」に改め、同条第八項中「の業務及び」を「及び第四号の二の業務並びに」に改め、「附則第十一条第一項第二号の業務」と」の下に「、第二十四条中「補助金等について」とあるのは「補助金等並びに附則第十一条第一項第四号の二の規定により機構が交付する補助金について」と」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。

 (積立金に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に存する第一条の規定による改正前の日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律第二十七条第一項に規定する特別の勘定における積立金は、第一条の規定による改正後の同法第二十七条第二項の規定による積立金とみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (経過措置の政令への委任)

第四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構について、特例業務勘定における剰余金を、新幹線鉄道の建設並びにいわゆる並行在来線を経営する鉄道事業者並びに北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に対する経営の安定のための支援に要する費用の財源に充て、並びに政府が承継した日本国有鉄道清算事業団の債務を償還するためのものとして国債整理基金特別会計に納付することができるよう、これらの支援に必要な業務を追加するとともに、特例業務勘定の剰余金を他の勘定に繰り入れることができるようにする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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